防災・危機管理情報

知事定例記者会見(2013年8月22日)

平成25年8月22日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約54分) ※MPEG4形式

  

1 9月補正予算編成に係る動向 

●知事

 皆様、おはようございます。
 ただいまは、〔宮城県〕南三陸町の副町長さん、あるいは宮城県の職員の方の要請をいただきました。東日本大震災から3回目のお盆を迎えられた被災地、まだまだやるべきことがあるというお話でございました。我々鳥取県としても、お約束をさせていただきましたが、〔県〕職員の派遣など、しっかりと今後サポートをしていきたいと思います。きょうは、西部の市町村長との会議がありますが、その席上におきましても、こうした被災地への応援について、私のほうからも呼びかけをさせていただきたいというふうに思います。 

 そういうお盆でございましたが、皆様におかれましては御家族、御親族、お友達と有意義な時も過ごされた方も多かったんではないかというふうに思います。熱中症のほうが、非常に暑い日が続いておりまして、大体日数的には昨年と同様なわけでありますが、救急搬送の数は去年よりは減ってはおりますけれども、なお深刻な状況が続いていると思います。ぜひお気をつけいただきまして、お過ごしいただきますようお願いを申し上げたいなと思います。

 夏が終わりますと、今度は秋でございますが、私どもとしては補正予算を組んで9月議会を招集をするということになります。補正予算につきまして今、編成作業を始めたばかりでございまして、私自身もこの後、〔予算〕ヒアリングの日程を構えております。各方面からの御要請もございますが、いろいろと予期せぬことが続きました。一つは災害、集中豪雨災害がございました。また、いろいろと要素もございまして、これから経済再生に向けた動き、これも国のほうで本格化をしてきて、我々としてもどういうふうにこれを取り込んでいくかということもございますし、個別の課題もございます。そうしたことなどに応えていこうとして、今、風呂敷を広げて予算編成を今包むべくしてやり始めたところでありますが、単純に積み上げていきますと100億〔円〕前後の規模になろうかなと思います。かなり大きな規模になりそうでございますが、財源のほうの手当てもしっかりと考えながらやっていきたいというふうに思います。

 現実にも、決算のほうも示させていただいたわけでございますけども、昨年度〔24年度〕の決算状況を見ますと、私ども鳥取県、全国的にも比較的好位置に財政状況をつけることができそうな見込みになってきました。例えば将来負担比率であるとか経常収支比率であるとか公債費負担比率であるとか、そうした諸指標につきましては全国でもトップレベルのところをキープをできるということになってきておりまして、そういう決算のほうでの余剰財源を活用して、我々としても9月補正〔予算〕の財源、災害等の予期せぬ事情がありましたが、〔対策を〕やっていきたいというふうに思います。

 集中豪雨災害以外の日照り、高温障害がどういうふうに出てくるのか。これは今、農林関係で重点的に調査をさせていただいておりますが、今後フォローアップする必要がありますが、直ちにこれというようなことはないような状況でありますが、機動的にやっていきたいというふうに思います。機動的にというのは、予備費の活用なんかも、何かあった場合は対応しようということで、今、話し合いをしているところです。

 9月補正〔予算〕で対応するものもありますが、予備費で対応しなければならないものもあります。今、予算編成作業をしながらそこを整理しておりますと、小規模な農業災害、これにつきまして激甚災害の指定があったもんですから、かなり我々としても前進できましたけれども、それでもなお2,000万〔円〕ほど予備費の補正〔予算〕を組まさせてもらおうと、予備費を充用して農業災害の対策をやろうと思います。これがしっかり交付金という手法を使って、比較的小規模な農業災害に対応する受け皿を速やかにつくることにいたしたいと思います。

 また、16億〔円〕ほど既存の予算を活用して、まずは取りかかっておくと。これを今度9月補正〔予算〕で修正をしていくと、積み上げをしていくということであります。関連の事業なんかをやって安全・安心を高めることでやっていきたいと思います。そうした災害関係の事業が一固まりありそうでありますが、これを今精査をしているところです。まずは2,000万〔円〕の予備費充用を決めさせていただきたいと思います。




2 9月補正予算に向けて検討中の個別課題 

2-1 西部病弱高等部の整備

 これとあわせて、個別の課題もあります。後ほど申し上げますが、一つは防災関係での経費。それから西部において、かねて懸案でありました病弱児の高等部、この新設について、これを予算上盛り込んでいきたいと思います。具体的にはこれ、学年進行でだんだんと子供たちが高等部に入って、上の学年へと上がっていきます。当面必要なのは1学級ということになろうかと思いますが、これを現在の皆生にあります県の養護〔学校〕の高等部のほうで拡充をして受け入れると、こういう対応をまずとらさせていただきたいというふうに思います。そのための関係予算を今回の9月補正〔予算〕の中で盛り込むことにいたしたいと思います。これで西部地区での病弱児の高等部教育の道筋が開かれるものだと思います。地元の要望も強いところでございますので、しっかりと予算を組んで対応してまいりたいと思います。具体的には、一部屋つける環境を整えたり、トイレ等の整備をしたり、またその後さらに増築をするような形で教室の拡充をしなきゃいけないでしょうから、そのための実施設計経費なども必要になってこようかと思います。今、詳細については精査を始めたところでございます。

2-2 手話言語条例(仮称)の検討

 また、9月県議会のほうに提出をするべく手話言語条例も準備をしておりますが、昨日〔21日〕は私ども、県議会の常任委員会のほうに考え方を説明をさせていただいたところでございます。実は県民参画電子アンケートであるとか、それからパブリックコメント等を進めてまいりましたが、定点観測的に県民の皆さんの御意見がわかる県民参画電子アンケートでは、我々が盛り込もうとしている条例の中身について、その実現を求める声が圧倒的に多数でありました。そういうことから、やはり条例の整備、それから字面だけではいけませんので、予算、このパッケージを提出をしていくことを本格的に詰めていきたいという段階になってまいりました。

2-3 消防防災ヘリコプターの更新

 そのように予算等の準備を進めていくことと関連しまして、危機管理関係についても我々として手を打っていく必要があります。一つは冒頭申し上げた熱中症でございますが、実は昨年も搬送事案がございましたし、ことしもそうなんですが、去年は14件、ことしも既に9件、要は約10件ということでありますが、去年並みに出てくる、最終的な姿になるのかもしれませんが、〔鳥取〕砂丘へヘリコプターで熱中症の搬送というケースが、これは実は本県の特性だと思いますけども、ございます。そういうような過酷な状況での救急搬送等を考えますと、今の防災ヘリを更新する必要があるというふうに思います。もともといずれは更新しなければならないものでありますけれども、例えば南海トラフ〔四国の南海底にある水深4000m級の深い溝〕が動くんではないか、そのときにやはり我々としても出動して救援に回る必要もあります。いわば足の長い、救済範囲をきちんととれるような機材を新しいフレッシュな形で用意をしていく必要があろうかと思います。四国の高知〔県〕のほうであるとか、あるいは三重〔県〕のほうであるとか、給油もせずに飛んで行ける、そんな新しい機材をあらかじめ用意しておく段階かなという思いが一つあります。

 また、砂丘で救出をしようとした場合に、ホイストというようなことをやるんですが、要は引き上げると、ヘリコプターにつり上げていくと。ただ、ヘリコプターは弱点がありまして、鳥取県西部地震の時も我々は経験したんですけども、たびたび出動すると、砂を巻き上げるわけですね。その巻き上げた砂がヘリコプターの機材に悪い影響を与えます。ですから鳥取県西部地震の時もふぐあいを生じて、最初のうちは割と小刻みに現場へ急行していたんですけども、結局ヘリコプターが傷んでしまったというような経験もあります。

 砂丘でつり上げるという本県独自のことがあるわけでありますが、この熱中症対策、やる必要がありますが、ヘリコプターについてもその対応をとる必要があるだろうと。したがいまして、高い空からつり上げられるようにすると砂を巻き込まなくていいと。90メーターの長さのホイスト、つり上げをできるような、そういう機材を考えてはどうかなというのが一つあります。

 また、私どものヘリコプターの出動状況を考えますと、一つは今の山岳ブームもありまして、大山であるとか、それから三徳山であるとか、そうした山岳遭難に対して出動するケースが多いです。しかし、岐阜県等で事故があって社会問題化しましたけれども、実は山の近くというのは気流が影響するんですね。ですからヘリコプターに非常に厳しい影響を与えかねないということでありまして、今の最新鋭の機器にしていきますと、例えば機体の自動制御であるとか、そうした飛行の安定性、山岳遭難への耐性が高まる、そういうことがございます。

 また、最近の出動事例からいきますと、準ドクターヘリとしての活用がある。そういう準ドクターヘリとしての活用ということをやりやすいようにする、その能力を上げる。また、あわせてヘリコプターの出動が多いケースで特に深刻なのは山林火災ですね。山火事でございます。この山火事の場合は、上空からどこに火があるかということを見て、当然消火作業に入るということになりますが、その際に、要は赤外線処理をした、そういう特殊な画面で見るわけでございますが、その感度を高める必要があるわけですね。いわゆる残り火と言われるような残火、残り火がありますと、またそこから発火をしていくということでありますが、ここのセンサー機能を高める必要がある。これも今の、ここのところずっとヘリコプターを運用していて思う課題であります。

 こうした課題に応えられるような機種を我々でも改めて選定をして配備をする必要があるのではないか。そのことを考えますと、今、国の財源を活用するに当たりましては、タイミングとしてはいい状況もあるので、この9月補正〔予算〕で思い切ってヘリコプターの購入、整備について計上していくことといたしたいと思います。大体24億円ぐらいでございますが、命に対する代償と考えれば、やはりこうした思い切った措置も財源措置のいいときにやっておく必要があるだろうと考えます。

 そういうことをやりますと、これから機材選定なんかをやっていったりするんですが、そうしたことをして一生懸命やっても、再来年度の頭から運用というのがいいところなんですね。ですからちょっと9月という、ちょっと通常でない時期に見えるかもしれませんが、今、これ予算計上することで初めて、それで再来年度の当初にようやく間に合うということでございますので、今の時期、この補正予算というタイミングで、これも一気に計上していこうというふうに考えております。




3 福知山市花火大会における爆発事故を受けての対応 

 先般、〔京都府〕福知山〔市〕で深刻な爆発火災がございました。残念なことであり、御遺族の皆様、被害に遭われた方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 実は、同様の事故はどこで起こってもおかしくないものであります。正直申し上げて、取り扱いとして余りにも不備があったんではないかと、今、報道もなされているところでございます。そういう意味で、県としても各消防本部のほうに通知を出させていただきましたし、消防本部も今、点検に入っていただいております。我々のほうでも、ちょうどきょうからになるんですけれども、危険物取扱者の保安講習がこれから9月10日にかけてございまして、この中でそういうガソリン缶ですね、ガソリン缶の取り扱いといったような今回の教訓を考えた講習を関係者の方々にやっていきたいというふうに考えております。そんなようなことで火災に対する備え、爆発事故に対する備えということも徹底してまいりたいと思います。まだ夏休みシーズンが残っておりますので、また大きなイベントもあり、屋台の出るような機会も多いと思いますが、各消防本部と力を合わせて、こうした事故が本県で発生しないように万全を尽くしてまいりたいと思います。




4 原子力安全対策の検討について 

 原子力安全についてでございますが、きょう〔22日〕、この後、西部の市町村長会議もございますので、そこでも議論になろうかと思います。もちろんそうした首長さんとの意見交換も踏まえながら今後対処していきたいと思いますが、近々議会も開かれますし、議会側でも何らか動きも出てくるんではないかなというふうに思います。

 私どもでは、プロジェクトチームをやっておりましたので、その原子力安全対策のプロジェクトチームを近いうちに、9月の頭とか、そうしたところで招集をして、国のほうからも職員に参加をしていただいて、新しい規制基準についての説明をまず受けることから取りかかっていく必要があるだろうと思います。いずれにいたしましても、きょうまた現場の市町村長さんとも意見交換をしながら、こうした対策を進めていきたいと思いますし、県議会のほうも関心を持っておられますので、そういう県議会の御意見もお聞きをしながら今後の対応をしてまいりたいと思います。




5 米子-羽田線の増便継続に関して 

 これからいろいろと動きが出てくるわけでございますけれども、例えば観光面でエコツーリズムを初めとした、そういう〔とっとり〕グリーンウェイブの関係、また「食のみやこ」の関係といったことがございます。実は今シーズン、非常に観光客の皆様の出足も好調でありまして、鉄道も前年を上回るような状況がございました。「やくも」、あるいは「はくと」、「いなば」といった特急が去年より乗客をふやしておられます。

 また、航空機も好調でございました。実は私どものほうにも連絡がこのたび参りまして、全日空のほうから米子-羽田便について、これを日に6便化、10月やるということでありましたが、これを1月31日まで延長するという、そういう連絡がございました。具体的には、13時台に東京からこちらのほうに飛んできまして、そして15時台にこちらから向こうへ飛んでいくという、そういうダイヤを10月予定しているものを1月いっぱい続けていくということでございます。

 機材としては、基本的にはB737-800、166人乗りの機材が中心であります。場合によってはA320とか、そういう機材投入もあると思いますが、基本はB737-800を使うということで連絡がございました。我々としては歓迎すべきことでありまして、ぜひ航空の利便性を高めるために、今回1月31日まで延びましたが、この6便化を継続してもらえるように、全日空に対して引き続き働きかけをしていきたいと思います。

 また、鳥取-東京便につきましても5便化に向けて、我々としても競争的なチャレンジをやっていきたいというふうに考えてございます。そのための搭乗率向上対策、これも取り組みを強化をしてまいりたいというふうに思います。




6 とっとりグリーンウェイブに関する動向 

6-1 山陰海岸国立公園指定50周年記念イベント

 そういう下支えとなるのが〔とっとり〕グリーンウェイブのことじゃないかと思いますが、今週末、8月24日に山陰海岸国立公園指定50周年記念イベントが実施されることになりました。これは国の環境省と共同で各種事業を行っていくことになります。私どもの鳥取砂丘を中心として、今回、このイベントの手はずになっておりまして、全体としては6月から9月まで、山陰海岸各地で展開をしておりますが、この週末は砂丘中心ということになります。この砂丘で記念式典をやり、環境功労の関係者の皆様、あるいはこどもレンジャーの方々、表彰、感謝状等の贈呈ということがございます。また、さかなクンも鳥取県の主催のイベントに来ていただきまして、山陰海岸の生き物について楽しい解説をしてもらうことになります。

 また、8月24日の夜は鳥取砂丘におきましてキャンドルをともしてギネス〔世界〕記録を狙おうではないかと。これ、関係者が非常に今燃えております。準備も大体整ってきまして、飛び入り参加も歓迎でございますので、ぜひ多くの方に御参加いただきましてギネス〔世界記録〕への挑戦をやる必要があるかなと思います。と申しますのも、多数のキャンドルが5秒間ともっているということがなければなりません。これ要は1人でキャンドルをつけていたらとんでもないことになりまして、多分達成できないわけでありまして、多くの方が火をともしていただいて、砂丘に一つの絵を描こうではないかと、こんなようなプロジェクトでございます。その本数は3万9,339本というふうに予定をしているところでございますが、これは砂丘さんサンキューという語呂合わせだそうでございまして、砂丘に対する感謝の気持ちで3万9,339本のキャンドルを灯そうということです。

 今、海外の記録3万5,000本ぐらいが世界記録でありまして、これは当日、即ギネス関係者が認定をするということになりますので、本当に緊張感が高まる一瞬になろうかと思いますが、うまくいくかどうか、この50周年の機会にギネスにもチャレンジをしようということになりました。

6-2 第30回全国都市緑化とっとりフェア プレイベント

 また、9月21日にいよいよ始まります〔全国〕都市緑化〔とっとり〕フェア「水と緑のオアシスとっとり2013」でございますが、湖山池公園におきまして〔8月〕26日に、そのプレイベントを行うことにいたしております。関係者が寄り集まり、そして全国植樹祭の美鳥(みどり)の大使が、いわば〔とっとり〕グリーンウェイブのバトンを全国都市緑化〔とっとり〕フェアサイドに引き継いでいくと、こういう流れのプレイベントを考えているところでございます。ぜひ多くの方に、9月に始まる全国都市緑化〔とっとり〕フェアへ御来場いただきたいと思いますし、鳥取のグリーンウェイブが全国へつながっていくこと、伝播していくことを願ってやみません。

6-3 中海会議の開催

 それから、やはり環境を考えていく上では、中海会議という会議がございまして、これは西のほうになりますが、これは島根県知事と私、それから国の機関等が寄り集まりまして中海の浄化を考えていこうという、全国でもまれな会議でありますが、これは〔8月〕26日に開催をするということにいたしております。

6-4 鳥取県産梨の初販売

 こういうような〔とっとり〕グリーンウェイブ関係のことがございますが、「食のみやこ」の魅力を発信していかなければならない鳥取県にとっても大切なタイミングがやってきます。県のシンボルである二十世紀梨を初めとした梨のシーズンがいよいよ到来をすることになります。8月26日に大阪で初競り、初売りが行われます。きのうはスイカの関係者、市場サイドからも来られまして、全国の方々がいらっしゃいましたが、スイカは今年度、27億4,500万円を売り切りまして、実に好調な年でありました。この勢いを梨へと引き継いでいきたいと思いますし、マーケット関係者も非常に期待をされておられます。梨のほうのできも、糖度、あるいは玉太り、昨年並みのいい梨ができてきておりますので、これをアピールしてまいりたいと思います。

 新品種も登場しました。新甘泉、なつひめといったラインナップでございます。これにつきましては、〔8月〕28日に東京で大試食会、2,000人の試食会をやろうじゃないかと。これ「食のみやこ」の推進をしていただいておられます女性の方々にも御協力をいただいて、そういう機会を持たさせていただこうということになりました。また、東京のアンテナショップ、食のみやこ鳥取プラザがございますが、これも5周年の節目を迎えることになります。同じく28日に前夜祭をやりまして、29日からその記念イベントを行うことにし、ここでも梨の試食、あるいは鳥取県の物産のセールをやっていこうと、こんなようなことにいたしております。我々としても、この機会に食を目指していきたいと思います。




7 エンジン02の開催 

 この梨が解禁となる今週末、〔8月〕24、25〔日〕には、ここ鳥取市内においてエンジン02というイベントが若手を中心として開催されることになり、県や市も協力をしていくことになりました。私自身も参加をさせていただくことにいたしております。例えば辰巳琢郎さんというワイン通で知られる俳優がいらっしゃいます。また鎧塚〔俊彦〕さんというカリスマパティシエですね、川島なお美さんの旦那さんと言ったほうがわかりやすいかもしれませんが。それからあるいはいろいろと、山本益博さんといった料理とかレストラン評論家と言っていいのかもしれません。そうした数々の関係者の方々、勝間和代さんだとか和田秀樹さんといったような各界の方もいらっしゃいますが、そうした方々をお招きをして、エンジン01の遺産を引き継ぎながら、エンジン02、今回は「食」をテーマにやろうということになりました。

 こちらのほうは、先ほど申し上げました山陰海岸国立公園50周年のイベントと連動してやっていくことにしておりまして、シャトルバスであるだとか、両方を見て歩き、そして食べていただき、鳥取を味わっていただくと、こんなような取り組みにさせていただこうとしているところでございます。

 いろいろとこうやってにぎやかに夏の最終盤を迎えてまいりたいというふうに考えておりますが、くれぐれも熱中症等、お体に御注意をいただければありがたいなというふうに思います。皆様におきまして思い出多き夏となることをお祈りし、私のほうからのコメントとさせていただきます。
 私のほうからは以上です。




8 鳥取空港リモート化に関するその後の動向 

○NHK 植田治男記者

 では、各社、質問があればお願いします。


○朝日新聞 山崎聡記者

 朝日新聞の山崎です。
 米子-羽田便の増便のお話がありましたけれども、鳥取空港のリモート化のお話なんですが、その後の進展とか今後の見通しで、今の段階でわかっていることを説明、一言お願いします。


●知事

 これは、我々のほうから国のほうに7月31日に強力に働きかけをさせていただきました。我々は、要は非常にプリミティブ〔素朴〕に考えているわけでありまして、要は安全性がどう担保されるのか、これがまだまだ地元として十分理解できていない。その辺はどうなんですかということ。それから〔東京便の〕5便化をしようと片方で我々は考えているわけなんですが、全日〔本〕空〔輸株式会社〕さんも協力する構えを見せ始めているんですけども、果たしてそれの足かせになったりせんだろうかと、5便化のほうはきちんと国はやるつもりがあるのかどうか。また、いろいろとやり方によってはということになりますけども、当初入っていたような管制塔を壊してしまうというような話があったり、また、リモート化の一つとして、一側面としては飛行場を管理しているほうから情報がリモートでやる管制のほうに届いていかなきゃいけないわけでありますが、そうすると、そのための対応の経費だとか人の手当て、こうしたいろんなことが我々としては現場サイドであるわけであります。それに対する答えを求めているのが現状であります。

 国〔土〕交〔通〕省からは、説明をしたいという話は来ておりまして、お盆が入りましたので、今ちょっと中断していますけれども、恐らくお盆も明けましたので、この後、国〔土〕交〔通〕省サイドから何らか我々に対する説明なり回答ということがあるのかなと思います。いずれにいたしましても、安全が第一でありますし、管制塔を撤去するとか、そういうことは果たして緊急時のことを考えた場合どうなのかというような思いがあったりしますので、注目をしてまいりたいと思います。




9 原子力安全対策に関する県議会の動き 

○読売新聞 加藤あかね記者

 原発の関係なんですけれども、9月議会で何らかの動きがということを言われてましたけれども、安全審査にかかわる話なんでしょうか。


●知事

 今後の状況を見ますと、今、新しい規制基準が示されたわけです。これに従って、例えば大飯原発の断層がどうだとか、今、報道がこのお盆休み期間中も出ているわけであります。もととなる規制基準、これが改まったことについて、やはり我々は周辺地域で今までずうっと情報の入らない世界でありましたけれども、これからは周辺地域といえども情報を求めていく必要があるだろうということです。そういう意味で、まずプロジェクトチームで、これ県庁サイドになりますが、市町村も入って、その新規制基準についての説明を求めるということを考えていますし、県議会も9月に開催されますので、何らか県議会サイドもそうしたお考えが出てくるだろうと思います。現に今、そうした折衝を国とやってもらえるだろうかというような、そういう動きも執行部サイドに入ってきております。議会側も関心を持っておられるということであります。そういう意味で申し上げました。

 〔島根〕原〔子力〕発〔電所〕の再稼働自体は、これからまだまだ手順がございまして、すぐに9月〔県〕議会でどうのこうのというようなタイミングでは多分ないだろうと思います。ただ、新規制基準に基づいて、次は審査を求めるというのが中国電力の動きになってきましょうから、それがどういうタイミングになるか、ちょっと今はかりかねますが、そういうことを見越しながら県議会でも何らかアクションがあるだろうという意味で申し上げました。




10 「はだしのゲン」の閲覧制限に関する知事の所感 

○日本海新聞 井上昌之記者

 すみません、ちょっときょうの発表とは違うんですけれども、「はだしのゲン」の問題についてお聞きしたいんですけど、松江市教育委員会が学校に閲覧しないように求めていた問題が全国的に波紋を呼んでいますが、これについての知事の御感想はありますでしょうか。


●知事

 私自身は、井上さんもそうかもしれませんが、「はだしのゲン」世代でございまして、連載を生で読んだ世代でございまして、非常に愛着があります。「はだしのゲン」を通して戦争ということ、原爆ということについて非常に身近に感じたわけですね。戦後世代にとっては、できない体験を漫画を通してやったわけであります。ですから、私の個人的な率直な気持ちとしては、自分自身、子供のころに読んでおりましたので、その漫画を読む、アクセスする自由というのは、子供たちも含めて、あっていいんじゃないかなというふうに思います。その意味で、余り過剰に反応する必要はないんじゃないかなということでありますが、教育的配慮云々ということもありますので、それぞれの現場でどういうふうに物事が動いていくのかということについては、それぞれの保護者の方だとか関係者の御意見もあろうかと思います。ただ、基本線としては公開する、当然閲覧ができることにするというのが基本線であって、どうしても何か不都合があるのであれば、それは若干の配慮をするということではないかと思いますが、一律に1巻から全部終わるまで閉架にするというのが果たして冷静なのかなあという感じはいたします。ただ、これいろいろ関係者も関係者なりに悩みながら、多分やられたことだと思いますので、それぞれの現場で適切に判断をしていただきたいと思います。

 この夏休み、まんが博・乙をやっていまして、私どものほうでも先週末までで9万2,000人入って、10万人というクリアも見えてきたわけでありますが、その中で、境港〔市〕で現在開催中の「水木しげるの戦争と新聞報道」展というのがあります。これも結構お客さんが入ってきておられますが、この展覧会も、それは非常に子供にとって若干ショッキング〔衝撃的〕なシーンもないわけではありません。ただ、水木先生という戦争体験者、片腕をなくされるという非常に厳しい戦争体験をされておられる方が、みずからの思いでつづられている漫画のこまの中から、我々にも伝わってくるものが非常に多くあります。私も歩かさせていただいて、一緒におられた来場者と話をしましたけれども、正直、子供というよりは、もう少し上の年齢層がターゲットの展覧会かなというような話もございましたが、じゃあ、子供さんに見せてはいけないかというと、そういうものでもないだろうと思うんですね。ですから、こういう文化・芸術の世界については、ある程度の寛容性を持って対処するのが本来ではないかなというふうに思います。漫画自体は、表現の最も自由なタイプのものでありましょうから、そういう著作の意図などに相当の配慮をしながら、関係者の皆様には冷静に判断をしていただきたいと思います。




11 消防防災ヘリの整備等の考え方 

○読売新聞 加藤あかね記者

 すみません、防災ヘリの関係なんですけれども、この時期になった理由と、あと先ほどドクヘリの準用のようなことも言われていましたけれども、ドクヘリ自体は、そうするともう持たずに、今回のものに機能を併用させるようなお考えがあるのか、その防災ヘリの用途に関して、ちょっともう少し具体にお願いします。


●知事

 実は時期的にはこれ、逆算をして考えてきております。再来年度から運用ということから逆算をしていくと。例えば当初予算でやりますと、どこかの年度中途からということにもなりますが、本来、いろいろ職員の交代なんかも年度当初で発生するもんですから、機種の変更の時期としては、乗りかえの時期としては、いろんな行政運営の状況を加味しますと、年度当初運用がいいだろうと。そうすると、実はこれ、高額な機材調達になりますので、国際競争入札といったことが、これGATT〔関税及び貿易に関する一般協定〕の関係で求められるわけでありまして、ちょっと手続に時間がかかります。それから当然ながら、先ほど申しましたいろんな性能を兼ね備えたものを調達をしていくとなると、慎重な考慮も必要になりますし、もちろん私どものニーズに即したカスタマイズ〔仕様変更〕、鳥取対応にしてもらわんといけないことなどを入れますと、ある程度の調達期間が必要になりまして、9月という時期に〔県〕議会に提出させていただけたらということになりました。

 また、実は今、この〔9月〕補正予算でやりますと、財源的に国のほうの財源を活用できると、防災関係の交付税措置のある地方債制度の活用ができまして、これが、いろいろ計算してみると一番有利じゃないかなというふうに思います。ですから、今この調達をスタートさせることは、財政的にも厳しい本県で、高い買い物になりますので、今の時期が最適じゃないかなというふうに考えたところです。

 ドクターヘリは、これは柔軟に考えていこうとしております。まず我々は1機持っています。これは共有でございますが、〔兵庫県〕豊岡〔市〕にございまして、この関西広域連合で運用しているドクターヘリを持っています。また、あとこれは要請をしてということになりますが、中国5県の共同運用になりますので、島根県のほうからこちらのほうに飛んでいただくことも、これも成立をしましてできました。あと、それをどういうふうに補完をしていくかということでありますが、最初に関西広域連合のドクターヘリを入れるときに、けんけんがくがくの議論が実は県内でございまして、そのときに補完する措置として県の防災ヘリをドクターヘリ的に活用するということを考えて議論したわけです。その流れに乗って、今も病院の転送だとか、それからドクターヘリに代わるものとして出動するだとか、いろんなタイプがありますが、県の防災ヘリも活用ができております。この流れをもっとしっかりとやっていくために、やはり装備の問題も重要でございまして、これを考えると、新しい機材の中でやったほうがいいということが出てまいります。そうしたことでの対応でございます。ただ、ドクターヘリの需要が今後どうなるかというのは、実情に応じて考えていく必要がありまして、これをやるから今後一切ドクターヘリを独自に調達することはないという趣旨ではございません。




12 消費税の引き上げ判断と地方の影響 

○時事通信 小出秀記者

 すみません、ちょっと発表外のことですが、来年4月に予定されている消費税率の3%引き上げについて、総理が秋にも最終判断するという予定ですが、知事として、この来年4月での3%アップということが地方への影響という観点から時期として適切か、数字が適切かどうか、その辺についてちょっとお願いします。


●知事

 これは、今いろんな議論が起き始めているのは、私は理解できるんですね。つまり引き上げの時期については、もともと三党合意のころからでありますが、経済動向を見きわめた上で判断するということになっていました。ですから、それをこの秋やるわけでありますから、当然いろんな経済状況についての資料を集めてやっていく必要があります。また、いろんな知見を総合していかなければなりません。

 政府のほうでは、各方面の有識者を集めながら意見聴取をして結論を出していこうという体制をつくられまして、全国知事会からも古川〔康〕佐賀県知事が代表選手で入ることになりました。そういう意味で、地方の現場の状況も伝えながら最終判断を仰ぐということになろうかと思います。

 基本線は、今単純計算してみて歳入と歳出、これがバランスがとれていませんので、予算の均衡ということからいえば、また海外に対する信用不安を惹起しないということからいえば、この財政のギャップを埋めていく必要がありまして、国民の皆様の御理解を得ながら消費税率のアップを行うというのは、私は当然うなずける政府の決断になろうかと思います。ただ、その時期をいつにするのか、それから上げ幅をどうするのか、その辺について、じゃあ一切考慮する余地がないのかというと、そうでもないだろうと思うんですね。現実に景気の動きはどうなのか、デフレ脱却というのがどういうふうに動いているのか、また給料がどういうふうに向上してきているのか、つまり消費税が上がれば、そのままですと購買力低下を招きますから、消費税が上がることとあわせて給与所得もふえていくようにやっていくと、こういうふうに動いていくと、いわばリーズナブル〔妥当〕な循環が起きてくるわけでありますけれども、果たしてそういう状況にあるのかどうかなど、この辺はやっぱり慎重な配慮が必要なんだろうというふうに思います。ですから今、〔安倍晋三内閣〕総理〔大臣〕も結論を言うことなく、まずは各方面の意見を聞こうとしておられますが、そういうことで私も慎重に考えてもらう必要がある判断かなと思います。ただ、最終的には国民の御理解をいただきながら、国、地方を通じた財政ギャップの解消という大きなテーマがありますので、国民負担のことに動いていかざるを得ない客観情勢であろうかなと思っています。


○NHK 植田治男記者

 ほか、何かありますでしょうか。




13 鳥取・広島両県知事会議の協議事項 

○日本海新聞 井上昌之記者

 あした、広島県の湯崎知事と庄原で、広島県で対談されますけども、そのときに何か別な話は出そうなんでしょうか。


●知事

 明日〔8月23日〕、〔湯崎英彦〕広島県知事とお会いをして両県対談をし、それから〔8月〕28日ですかね、ふるさとテレビというところで中国5県が集まりまして、これからの中国地方の振興についてインターネット中継での公開対談を行うことにいたしております。

 一つのテーマとしては、これはこういう会議というのはやってみなきゃわかりませんけれども、中国5県の連携に向けた動きですね、これは焦点としてやっていきたいと思います。例えば今回、ドクターヘリの連携はできましたけれども、これ以外にもいろんな連携のタマがあると思うんですね。観光振興であるとか、あるいは農業大学校のような組織が各県にありますけれども、ある程度得意分野もありますので相互乗り入れをしていくとか、そうしたことなどで広島〔県〕の〔湯崎〕知事と、まず腹合わせを明日〔8月23日〕の会議でやれれば、それをさらにふるさとテレビにおけるインターネット中継の公開会議で中国5県の話し合いの中にも私のほうから提起できればなという思いがございます。

 それから、7月に行いました子育てサミットの最初の言い出しっぺが私と広島〔県〕の湯崎知事でございまして、この方向性をさらに強めていくことも話し合いたいと思います。湯崎知事が前回の米子での会議のときにおっしゃっておられましたのは、企業さんの子育て支援、これを強力にバックアップ〔支援〕していく必要があるんじゃないかということがございまして、子育て企業同盟とでも言うべき、そういう事業を展開をしていくということを広島県から発言をされていました。恐らく明日〔8月23日〕も同様のやりとりになろうかと思いますが、そういう前向きな取り組みをお互いで共有をして、広島〔県〕・鳥取〔県〕共同の事業ということで、まずはパイロット〔試験〕的に展開をしていくということもあっていいかなというふうに思います。

 また、私のほうからあえて提起をしたいなと思いますのは、広島県と違いまして我々鳥取県側のほうはまだまだハイウエー整備が進んでおりません。〔広島県〕庄原〔市〕で行われるわけでありますが、松江〔自動車〕道がついて車の流れも変わってきたところでありますけども、江府三次道路がまだ十分進んでおらんわけであります。県境の峠越えであるとか、我々のほうでいくと、今、江府道路を着手しておりますけれども、こうした広島と鳥取を真っすぐ結ぶ路線も含めたハイウエー網、ミッシングリンク〔高規格道路の未整備区間〕の接続、これもあえて、これは私のほうから提起をしたいと考えております。広島県のほうからもぜひ、庄原〔市〕で行われる、県北の地域で行われるということもありますので、ぜひ御理解ある御協力が得られればなというふうに考えております。

 あと、個別の課題でいいますと、実はジャイアントという自転車会社がこのたびこちらに来られまして、県内を見て回られました。私も〔株式会社〕ジャイアントの李〔瑞發〕会長とお会いをしましたし、ジャイアント旅行社の蔡〔嘉津〕さん初め幹部の方とも話をさせていただき、商品造成に向けて動いていただきたいということを強く申し上げ、それを実地に見ていただけました。手応えがあったと報告を受けておりまして、これから具体化してくるんではないかなと思います。そのときも李会長がおっしゃっておられましたが、この分野ではジャイアントさんは広島〔県〕をキーに動いておられるんですね。スポーツツーリズム、エコツーリズムと言われるものの一つのシンボリック〔象徴的〕なこととして、こういうサイクリングツアーといったことを広島〔県〕と連携して中国地方、さらにはしまなみ海道を渡って四国、この辺をゾーニングしてやっていくというふうな構想はどうかなというふうに思います。ツール・ド・ジャパンというようなダイナミックな、そういう自転車のコース設定ということも考えられていいんじゃないかなというふうに思います。この辺は、ぶっつけでやるもんですから、湯崎知事はどういうお考えなのかなと興味を持っておりまして、湯崎知事と率直に話し合いたいと思っております。


○日本海新聞 井上昌之記者

 その自転車のツーリングイベントの、例えば南北軸を結ぶような連携ができたら、それはおもしろいですね。


●知事

 ええ。それ、一足飛びに完全に結ぶか、あるいは途中、輸送しながら結ぶかということもあろうかと思いますが、ジャイアントさんも実際見て歩かれて、こちらのほうの、例えば中海圏域、中海を回るようなコース、それから大山のコースを見ておられますが、ああいうコースとしまなみ海道のコースをパッケージにして売り出していくということもあっていいと思うんですね、そんなに遠い距離じゃありませんので。ですから、我々としてもいずれ尾道松江道路が全通をしてくれば、非常に具体性のある構想になるんじゃないかなと期待をしておりまして、湯崎知事なりのお考えもありましょうから、湯崎知事とよく腹合わせをしてみたいと思います。


○NHK 植田治男記者

 では、会見を終わりたいと思います。ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。



 

  

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