病院の方針やその子の容態、季節にもよりますが、出生予定日～予定日の1.2か月後に退院となるケースが多いようです。体重は2,500g前後、また呼吸がある程度安定していること、哺乳がスムーズに行えることも退院する際のポイントです。

　赤ちゃんの寝床を整える、家を清潔にしておくなど、基本的には正期産で生まれた赤ちゃんと同じです。無理なく楽しめる範囲で赤ちゃんに必要なものを揃え、環境を整えましょう。

　また退院してからの役割分担を家族で話し合ったり、かかりつけ医を探したり、お散歩や遊びに行ける場所を見つけておいたりすることも大切です。しかし、退院してから足りない部分を補うこともできるので、楽しめる程度に準備をすすめておけるとよいでしょう。

　早産で生まれた赤ちゃんにとって、母乳は最適な栄養として推奨されています。
特に、1000ｇ未満（超低出生体重児）の赤ちゃんではその重要性が強調されています。
母乳に含まれる成分は、小さく早く生まれた赤ちゃんに起こりやすい症状（壊死性腸炎、慢性肺疾患、敗血症といった合併症）の減少に関連すると言われています。
特に初乳には多くの免疫物質が含まれており、赤ちゃんへ与えるメリットは大きいです。

　ママの体調を整えながら搾乳を継続し、搾乳方法や搾乳量などについて困り感や不安があるときには、早めに入院施設のスタッフに相談しましょう。ママと赤ちゃんにとって一番よい方法を、一緒に考えていきましょうね。

　上手な赤ちゃんの抱き方と飲ませ方について、

NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会　母乳育児Q＆Aを参考にしてみてください。

https://jalc-net.jp/FAQ/ans4.html（外部ページに移動します）

　赤ちゃんの入院中は、看護師・助産師が中心になって赤ちゃんの哺乳力や満足感などを観察しながら、赤ちゃんに合った乳首を選んで授乳をしています。赤ちゃんの退院前に、入院施設で使用していた乳首の種類を確認し、同じ乳首をお家で準備しておくとよいかもしれません。

　また、授乳のリズムは、赤ちゃんが成長するにつれて安定してくるといわれています。１回の授乳量は赤ちゃんの調子によって変わるので、1回に決まった量を飲めないこともあります。赤ちゃんやママの疲労を考えると、１回の授乳時間は目安として３０分以内にとどめ、赤ちゃんが飲みたいときに飲みたい量を与えるようにしましょう。育児用ミルクの授乳では、１日の目安量に達しなくても、赤ちゃんが元気で体重が増えていれば心配はありません。

　フォローアップ先の医療機関で定期的に診てもらいながら、スタッフと一緒に、授乳方法や対応について考えていきましょう。

　基本的には母乳または育児用ミルクだけで大丈夫です。フォローアップミルクは、母乳や育児用ミルクの代替食品ではなく、離乳が順調に進んでいる場合は必要ありません。

　参考：厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」　

　　https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf（外部ページに移動します）

　小さく生まれた子どもには、小食のことがよくありますが、年長以降になると心配がなくなることがほとんどです。小食の場合は時間をしっかりと決めて四回食にしてみることもよいでしょう。好き嫌いが出てくるのは発達の証でもあります。中には触感やにおいなどが敏感なために食べられなかったり、飲めないものがあります。無理強いしないことが大切です。離乳食についてお困りのことがあれば、市町村の栄養士さんに聞いてみるのもよいでしょう。

　小さい赤ちゃんを連れて帰って、不安になる気持ちは当然のものです。何も分からず、不安でいっぱいなのが当たり前です。ママやパパが自分だけで頑張らなくて大丈夫です。赤ちゃんは社会の未来であり、宝物です。小さなことでも遠慮せずに保健センターの保健師、かかりつけ医や助産師などに相談しましょう。

　また、小さく生まれた赤ちゃんの保護者によるサークルがあったり、同じ立場の保護者とSNSなどを介してつながる方もいます。気持ちを共有しあい、情報交換をすることもできるので、つらいときは一人で悩まないでくださいね。

　哺乳瓶の乳首をくわえさせ、そこに薬を垂らして飲ませる、白湯で溶いた薬をスポイトであげる、小さなスプーンであげるなど、様々な方法があります。入院中に看護師さんと相談しながら、その子に合う方法を試してみましょう。薬の性質によりますが、ミルクに混ぜて飲ませると、ミルクを飲み残してしまうことがあるので避けましょう。

　基本的にはすぐ受診できるよう、自宅近くの小児科にしましょう。主治医に相談して問題なければ、入院時の経過や服薬等の情報を共有するため、必ず紹介状を書いてもらいましょう。実際足を運んでみて雰囲気を確認し、共働きの場合は休みの日に受診できるかもチェックするとよいでしょう。