◎当科の診療範囲は、心臓・大血管および末梢血管外科、胸部・呼吸器外科、乳腺・甲状腺外科です。
◎近年の年間手術症例の概略としては、心臓・胸部大動脈手術:約100例、腹部大動脈~末梢血管手術:約200例、肺癌・気胸などに対する肺切除術:約100例、乳腺切除術:約30例で、その他の手術などを合わせると500~600例となり、専門性を持った当科診療内容としては豊富な数であると言えます。
◎当科診療内容としては上記の診療範囲に準じますが、希望に応じて、心臓血管外科中心、呼吸器外科中心、あるいは乳腺外科中心の専攻が可能としています。
◎全体の症例数、症例内容に対してのスタッフあるいは研修医の数が多すぎることもなく、専攻医・研修医にとっては豊富で実質的な手術経験が得られます。
◎これまでに当科で後期研修(専攻医)を行った先生の例では、卒後3年目(専攻医1年目)に当院で麻酔科研修と消化器外科研修を行い、後期研修2年目にあたる1年間、当科で、希望専門分野である呼吸器外科と並行して、腹部大動脈手術・末梢動脈バイパス手術, 内シャント手術, 胸骨正中切開・人工心肺装着操作, 心嚢ドレナージ・心膜開窓術など、心臓血管手術も受け持って執刀し、呼吸器~心臓血管手術を問わず、ほぼ毎日なんらかの手術に関与しました。勿論いきなり難易度の高い手術ができるわけではなく、最初は創縫合から始まって、外来での局所麻酔下での小手術, 静脈瘤手術, 乳腺・甲状腺手術などの経験を踏まえ、指導医の裁量により順次その人のキャパシティーに応じてランクアップして行きます。心臓血管外科のみならず、将来呼吸器外科やその他の外科を志す先生にも、心臓血管外科領域の知識や技術(術中血管損傷による出血の対処や術後心合併症に対する対応など)は必ず役に立つものと思われます。また、心臓手術では集中治療室での術後管理を必要とするため、循環作動薬や人工呼吸器などの全身管理にも精通することになります(当院での心臓手術術後管理は当科主治医が中心となって行い、治療に難渋するような症例はカンファレンスなどで検討します。)
尚、専攻医1~3年間をどういった研修スケジュールにするかは、本人の希望・目標とする将来像に応じて、相談の上、設定することが可能です。