知事定例記者会見(2008年7月3日)

平成20年7月3日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約42分) ※MPEG4形式

  

1 ライトダウンについて 

●知事

 どうも皆さん、おはようございます。いよいよ来週から洞爺湖サミットのサミットウイークになってまいりました。この機会に原油高問題、あるいは食糧の高騰問題、また景気の後退など、たび重なるそうした山積する課題に国際社会で連帯して道を切り開いていけるように、各首脳の精力的な話し合いを望みたいと思います。

 それに当たりまして、私どもでも環境対策へ貢献できるといいますか、シンボライズできるようなことがないだろうかということでありますけれども、一つには、ライトダウンをこの県庁でも率先して行おうではないかというように考えております。

 一つは、とりぎん文化会館のライトダウンとか、これ[7月7日]月曜日の[午後]8時から10時という、そういう一斉に全国でやろうじゃないかという動きもありますので、それと軌を一にしてやりたいと思いますし、それから夢みなとタワーとか、この本庁舎もそうでありますが、そうしたライトダウンの率先行動に当たりたいと思っております。




2 ノーレジ袋の推進について 

●知事

 また、環境対策として、かねて東部、中部、西部で、それぞれの地域で話し合ってまいりましたノーレジ袋の推進について、先週、話し合いがまとまってきたものが出てまいりました。その成果を受けまして、11月にノーレジ袋デーを設定しようではないかと、全県的にそれを展開しようではないか、こういうように話をさせていただいたところでありまして、事業者や消費者団体などの御協力を得て実施をいたしたいと思っております。

 また、地域によってはノーレジ袋の目標値を定めていこうとか、そういう話をさらに展開をしていこうと今しておりまして、これはそれぞれの地域で協議をしているところであります。




3 鳥取砂丘の落書き対策について 

●知事

 また、あわせて落書きも最近いろいろと話題になってまいりますが、この落書きが鳥取砂丘で行われている状況は、今もまだ変わっておりません。最近、イタリアで落書きをしたというような話も出てきており、日本人の行動としていかがなものかという指摘が世上なされております。また、私どものこの鳥取砂丘は世界ジオパークの指定を目指して、今、精力的に活動をしているところでありまして、この落書きも、ぜひ防止しなければならないだろうと思っています。

 いろいろと考えてきてはおりますけれども、やはり条例で始末をするというのも一つのやり方かなと思っておりまして、これについては成案を得て、近々県民の皆様にも問うような形に持っていきたいと考えております。




4 ブラジル・米国訪問について 

●知事

 先週ですが、ブラジルとかアメリカに行ってまいりました。目的は、日本とブラジルとの間で、両国で開催をされておりますブラジルへの移民 100周年の記念としてさまざまなイベントが開かれていますし、当地で[ブラジル]鳥取県人会の精力的な活動などもございまして、それに参画をするために行ってまいりました。

 ブラジルで日系人の皆さんは、これまで活躍をされてきたわけでありまして、その成果があり、日本人は非常に信頼をされているという状況を目の当たりにさせていただきました。この信頼感がこれからのブラジル、BRICs(ブリックス)諸国の一つであるブラジルと日本との関係をいい方向へと強化していく、その大きな財産だろうと思います。

 鳥取県人会が中心となって、例えば傘踊りを普及させていたのがブラジル日系人社会で広がっておりまして、そういうものに私どもも参画をさせていただいたり、それから県人会が行いました 100周年の記念行事ですとか、場所は離れておりましたけれども、第二アリアンサの鳥取村訪問などをいたしました。

 現地で第二アリアンサ[鳥取村]の訪問などは、アラサツーバ[市]だとかミランドポリス[市]の現地紙でも大きく取り上げておりまして、それなりに日伯(にちはく)の友好交流に貢献したのかなと思っております。

 それから、あわせてアメリカの方に参りました際に、一つはバーモント州と鳥取県との間で民間ベースの交流が開かれております。これを促進しようという考え方でダグラス知事と友好的な話し合いをさせていただきました。この交流を促進するためのメモランダムも交わしまして、鳥取大学とか民間の交流を後押しをしていきたいと思います。

 例えば一つのアイデアとしては、高校生が向こうから日本に来るときの受け入れを行うとか、またこちらから高校生が英語の勉強も兼ねて向こうへステイをする、そういうプログラムも具体化できるんではないかと思っております。

 さらに、国連の方に参りまして、日本の国連の次席代表の神余(しんよ)大使にお会いをさせていただきまして、拉致被害者の問題の解決に国際社会として、連帯して当たっていただきたいと強く申し入れをさせていただきました。

 ちょっと残念なのは、きょうになって報道がありましたけれども、国連の安保理事会の場、まさに神余さんにそれをお願いしていた話なんですが、安保理事会の場で北朝鮮の拉致問題について決議をしようとした。これは核の問題なども含めた北朝鮮についての決議だったわけでありますが、案文の中には拉致被害者対策、拉致被害者などの人権、人道上の問題の解決というのが盛り込まれていたそうでありまして、これは私どもでお願いをしていたことを酌んでいただいたのかなと思ってはいるんですけれども、中国の反対によって、その拉致被害者の一文が落とされたという報道がありまして、確認はしておりませんが、これについては非常に残念であると申し上げざるを得ないと思います。

 ただ、これからサミットもございますし、こうした国際的な人道上の問題についての解決をぜひ図っていただきたいと思います。

 私どもとしては先般、米子市との協議会[北朝鮮による拉致被害者支援連絡協議会]がありますが、その事務局的な話[北朝鮮による拉致被害者に関する県・米子市合同会議]をさせていただきました。それによって、もし松本京子さんが帰られるなどの展開があった場合には、速やかに米子市と協力をして、例えば米子市役所の中とかで災害の現地対策本部のような組織を作らせていただきたい、こういう考え方がまとまりました。

 ここには、これから詰めていきますけれども、私ども県、あるいは国の内閣府などから、そういう場合には人が来るそうでありまして、国のかたも入っていただいて、そうした本部体制を作らせていただいてはいかがかと考えております。

 いずれにせよ、これからアメリカの方が北朝鮮問題についてテロ支援国家の指定を解除するという期限が一日一日迫ってくるということになりますので、政府においては精力的に打開を図るように、北朝鮮との交渉を行っていただきたいと望む次第であります。




5 適正な経理処理の確保に向けた再点検実施結果について 

●知事

 最後に、昨日ですか、公表させていただいたと思いますけれども、不適切な経理上の取り扱いが発見をされまして、これについては残念なことでありまして、早急にその是正を図らさせていただく措置を講じさせていただいたわけであります。

 今回のは、前回のような裏金、まさに裏金というようなものというよりは、報告が滞っていたのではないかとか、疑問があるとか、そういうたぐいのものでありますけども、今回やろうといたしましたのは、こうしたことが何度も何度も繰り返されるようではいけませんので、県庁の職員が取り扱っている公金以外の経理も県民の皆様にわかるように公開をしようということであります。

 透明性を図ることによって、県民の皆様の監視のもとに、二度とこうした事象が繰り返されないような担保を作っていきたいと、こういうことであります。ですから、かなり悉皆(しっかい)的な調査になりましたし、それぞれに確認書を出してもらって、所属長も責任をとり得る体制にさせていただきました。今後はこうした環境の中で、公金あるいは公金以外の経理についての不正が一掃されるようにしたいと思います。

 今回の取り組み自体は、他の自治体でもやっていない、鳥取県独自の透明性を図る取り組みでありまして、県民の皆様の御理解をいただきたいと存じ上げる次第であります。私からは以上です。


○中国新聞 時永彰治 記者(幹事社)

 それでは、各社、質問をお願いします。




6 鳥取砂丘の落書き対策について 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 先ほど冒頭で鳥取砂丘の落書きの、今度、条例化を目指すというふうにおっしゃいましたけれども、この条例というのはどういうふうなイメージの条例になるんでしょう。罰則も設けるとかということになるんでしょうか。


●知事

 罰則も含めた条例によって実効性を担保するようにいたしたいと思います。今は、結局禁止はされていますけれども、それについてとどめる措置が事実上ないという状態であります。ただ、これが繰り返されているのは観光地としても残念でありますし、世界ジオパークに登録をするという意味でも、これが足かせになるかもしれません。ですから、速やかにそうした条例上の措置をとりたいと思っています。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 罰則は、どの程度の罰則で、いつごろの条例化を目指すというふうにお考えでしょうか。


●知事

 早ければ9月議会にも提案をしたいと思っていまして、そういうスケジュールで今、動いているところであります。これはいろいろ協議をまとめていかなきゃなりませんので、その状況にもよります。




7 貨客船の就航支援について 

○日本海新聞 小谷和之 記者

 境港と東海(トンへ)とウラジオストクの貨客船の件なんですけども、先週、副社長と、あと東海の副市長が来られて、大ざっぱというか、ざっくりとした運航計画のようなものも示されまして、週に何便ですとか、今の資本金の集まりぐあいですとか、そういうことも明らかになったんですけども、その中で運航側の方からは、県あるいは地元市に対して就航に向けていわゆる燃油代の補助というか、助成というか、そういったものをしてほしいという意向が示されたんですけども、これに対しては県、知事としてはどういうふうな考えを持っておられるのかということと、あとはターミナルの着工時期、先々回の会見で就航がほぼ確実になったなという段階を見きわめて着工に入りたいということだったんですけども、今回の相手側の説明では、まだそういう段階に至っていないのかどうかと、その辺をちょっと。


●知事

 まず前段の方でありますけども、これは就航、関係する江原道などとも話し合ってみる必要があるだろうと思います。ただ、一般論として申し上げれば、燃油代が高騰したから助成をするというたぐいのものではないと思います。

 むしろ経済的な今後の鳥取県、あるいは江原道もそうだと思いますが、展開を考えたときに、日本海を結ぶ航路の存在の重要性というのがあって、それに対してイニシャルコスト的にどういうような協調的な協力体制を組むかというたぐいの話ではないかと思います。燃油が上がってるんでということではないだろうと思うんですね。これ、向こうと相談してみなければならないと思います。
 
 今回来たのは、東海市でありまして、江原道とどれほど相談ができてるかということも確認できてない状態でありますので、近々江原道側に私どもも事務的な使節といいますか、協議団といいますか、そういうものを派遣をして、向こう側の意向も聞いてみたいと思いますし、我々も情報収集しなければなりませんので、それをまずやることだろうと思っています。

 それから、あと今後の展開がどういうふうに動いていくかということで、そうした航路支援のあり方なんかの議論になってくるんではないかと思います。私が伺っているところでは、8月の末に東海の市長が来られるんで、そのときに相談したいとおっしゃってるそうですから、そのタイムリミットまでに我々の方でこの問題をどう取り扱うべきかという基本的なスタンスは構築しておかなければいけないだろうと思っています。

 それから、次に今回の[DBSクルーズフェリー社]副社長と[東海市]副市長の来県によりまして航路開設のめどが立ったかということについては、私はまだそういう段階ではないだろうと思います。その準備段階だと思いますので、現段階で私どもの国際仮設ターミナルの着工をするわけではないだろうと思います。もう少し出資金の集まる状況だとか、それから就航の蓋然(がいぜん)性を見なければならないと思います。

 これが先方の今回のニュアンスからすると、寄港地側の支援がどういう状況かというのを見たいというのが向こうの意向かもしれませんので、その辺は我々も江原道のスタンスなんかを見ながら考えるということだろうと思います。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 出資金のめどなんですけども、今回示されたのは50億ウォンという当初の目標の半分の25億ウォンが今集まっているというのが一つなんですが、着工するに当たっての条件というのは、やっぱりこの出資金50億ウォンがすべて集まることが条件なんでしょうか。今回、さらに当初の予定と違って原油高とかウォン安とか、そういう状況が加わって、出資金だけではどうも足りそうにないと、70億から 100億ウォンぐらいの出資金が本来集まってないと、なかなか数年間航路を維持するというのは難しいんじゃないかというのも示されたんですが、知事として着工する条件というのは、どこら辺に設定されるのでしょうか。


●知事

 それは、確かにいろんな状況を見なければいけないと思います。一つ、はっきり言えるのは、現在の航路開設許可に条件が韓国政府からつけられていることがありまして、それは50億ウォンの出資ということが入っています。ですから、その意味で50億ウォンの出資は必要条件であろうと、十分ではないかもしれませんけれども、必ず満たさなければならない条件であろうかと思います。

 それがあとどのぐらい集まるがいいかというのは、これから航路開設に向けた準備状況を見て判断をすることだろうと思います。片方で、2月就航であれば、そのデッドラインはおのずから秋ごろには設定されてきますので、その段階での総合判断になろうかなと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 総合判断、50億ウォンが集まらなくても、これまでの知事の説明ですと、出資金が集まった段階でターミナル建設着工というのが一つの基本方針だということだったんですけれども、出資金が集まらなくてもターミナル着工というのはあり得るということなんですか。


●知事

 それは、出資金が近々こうやって入金されるというめどが立ちましたということだったらば、それはあるかもしれません。ただ、要は航路開設許可が韓国政府から下りている条件は最低限満たしてもらわないと、我々も確信が持てないということですね。





8 鳥取砂丘の落書き対策について(再質問) 

○産経新聞 奥村泰雄 記者

 また砂丘の落書きの話に戻りますけど、まず落書きの定義というのをどういうふうにお考えなのか伺いたいんですけど、落書きと足跡ですね、いわゆる歩けば足跡がついて、落書きと同じような効果は出るんですけど、それの区別、落書きの定義を条例でどう定めるのかということと、もう一つは、今、屋外広告物ということで自然公園なんかを、一応大きな落書きについては既に規制というか、取り締まりをしているわけですけど、多分条例で規制するとすれば、屋外広告物に当たらない、例えば10メートル以下とか、小規模な落書きを条例で規制かけるんではないかなと思うんですが、それは既存法との整合性はどのようにお考えなんですか。


●知事

 既存の自然公園法のスキームとは別の立法趣旨でやるべきものだろうと思っています。ですから、それは法的にはオーバーラップし得るものだと思います。ですから、大きなものも含めて、取り締まりの対象にすべきだろうというのが我々の考え方であります。

 さらに、その定義でありますけども、それは何か図表だとか、あるいは文字だとか、そうした意味で何かを象徴しているといいますか、表象している、表していると、そういうことだろうと思いますが、書き方は具体的に今から詰めてみたいと思います。

 単に歩いたので足跡がつきましたということを取り締まるものではありません。ただ、それが意図的なものでして、「ハッピーバースデー」とか、こういうふうになってるとかいうことであれば、それは取り締まりの対象になるようにいたしたいと思います。


○産経新聞 奥村泰雄 記者

 落書きというのは、意図的な意味とか文字とか図形とかであるということですか。


●知事

 そうですね。今、繰り返されておりまして、我々の方で掲示をしたり注意喚起の措置はやっておりますが、それ、自然公園法の枠内で。ただ、それが実効性を持っていないことが非常に残念であります。

 そういう心ない行為によって、せっかく大切な時間とお金を使って訪れてくださった観光客の皆さんにがっかりしてもらってはいけませんし、世界に向けてこの鳥取砂丘を今、売り出そうとしておりますので、その基礎条件を整える意味でもやりたいと思っています。

 ただ、その落書きだけでなくて、今やろうとしておりますのは、[世界]ジオパークの指定も目指して鳥取砂丘が良好な状態で景観なり自然なりが保全されるように、住民の皆様の御協力によるボランティア活動だとか、少しちょっと広目の砂丘を守っていく。


○産経新聞 奥村泰雄 記者

 名前は条例ということで、砂丘憲章じゃないんですか。


●知事

 そういう名前がつけられればそれでもいいですけども、多分ちょっと名称としてはどうしても条例、通称砂丘憲章ということはあるかもしれません。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 そのジオパーク関係ですけども、25日、ドイツで4カ所の代表が確か説明会と思いますが、やってますよね。何か感触のようなものというのを聞いていらっしゃいますか。


●知事

 今、私のとこまでは入っていません。これは新温泉町、兵庫県の皆さんなどが行っておりまして、もし必要だったら、後でその状況を報告するようにいたしたいと思います。




9 燃油高騰に伴う漁業補償について 

○日本海新聞 小谷和之 記者

 ちょっと燃油に絡んで県内漁業者から、日に日にいわゆる直接補償といいますか、を求める声が相次いでいるんですけども、さきの5月[県議会]定例会でも知事の方はそういう燃油代の直接補償なんか、県レベルでできるものではないし、際限がなくなるといいますか、そういう観点から非常に難しい見通しも示されておるんですけれども、一方で、燃油がだめなら魚価補てんといいますか、なかなか値段が、要は漁師側でつけられない現状があって、その辺の魚価補てんの策でもということで、今後、何か県の方にも国に対しても求めていくような決議や動きをされているんですけれども、漁業対策については何か知事の方でお考えみたいなことはありますでしょうか。


●知事

 今も、けさも報道されたように、先物 [1バレル]144ドルというような相場になってくるなど、際限を見ない、天井知らずの相場になっています。ですから、私はこれはいろいろアメリカやイギリスは違った立場をとっているようでありますけども、相場が形成している面が非常に強いだろうと思います。単なる需給関係だけではなくて。その意味で、サミットの場でぜひ各国の首脳が政府間協議によって打開策を図るべきだというのが一番の基本だろうと思います。

 ただ、当面、できるような措置があるかどうかでありますが、どんどん上がっていくような状態でありますので、そうすると一時的に今を乗り越えれば、あとは何とかなるだろうというめどが立っていない状態でやりますと、一地方自治体の力を超える部分があると考えております。ですから、来週行きますが、国の方にもそうした漁業の抜本的な対策について求めていくのが筋道ではないかと考えております。

 ただ、県の範囲内でできることはないだろうかと、魚価自体は、向こうで売るものですから、浜で取引されるものに限りませんので、何か漁業者支援でできるようなことがあるだろうかということは引き続き現場の皆さんとの話合いをしながら、庁内にも対策本部を作りましたので、考えていきたいと思っております。




10 県政顧問会議について 

○山陰中央新報 弥重節子 記者

 1日に県政顧問会議が開かれましたけど、まず御感想をお聞かせください。


●知事

 今回、県政顧問会議の大阪、神戸の皆さんに集まっていただきました。澤顧問、梶田顧問、奥田顧問、3顧問に集まっていただきました。これ、皆さんに県政の状況を率直に御報告申し上げ、そして忌憚のない御意見をいただきまして、これから、これはまずはスタート台だと思いますので、以降、会議の場にとどまらず、随時いろいろと御相談させてくださいというように申し上げております。

 今回、顧問の皆さんに御就任いただき、話をいただきましたのは、やはり私たちが県庁の中で議論している視点とは、また違った御議論がいただけるなあということを実感いたしまして、そんなに高い事業費を払うわけでありませんので、そういう意味で、こうした仕組みも必要性はあるなという実感を持ちました。

 例えば奥田顧問は、フィンランドの関係の仕事をされているそうでありまして、フィンランドとちょうど鳥取県とが同じようなイメージなのかなあと。あんまり人口は大きくないけれども、その中で、例えば人づくりなどに重点を置いて地域づくりをやってみてはどうかという視点のお話がございまして、これは結構、その現場でも深く突っ込んだ話をさせていただきました。

 私どもでも調べているフィンランドの教育状況とかを申し上げたりいたしまして、こういうようなことをいろいろと県政顧問のお話を聞きながら、県政の舵取りの参考にさせていただきたいと思っております。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 将来ビジョンについては総花的だというような意見もあったということですけど、どうでしょうか。


●知事

 これは、私どもの方で申し上げましたのは、いろいろと県庁の行政サービスでありますので、例えば福祉とか環境とか、さまざまなことについて言及しているというのが今のところでありまして、これからさらに踏み込んでいきますよというお話を申し上げました。

 特に顧問の方から今回言われたのは、さっきのフィンランドの話もありますが、人づくりを一つの機軸にしてはどうかという御提言でありまして、人づくりの分野自体は私も積極的にやりたいと思っていましたし、教育改革を鳥取型で実践したいと思っていましたので、ぜひその方向性も盛り込みながら将来ビジョンを取りまとめていきたいと思っております。




11 ブラジル・米国訪問の効果について 

○日本海テレビ 山尾義己 記者

 ブラジルの関係なんですけれども、今回、県からは議員を含めて16名という大きな訪問団で、かなり多額の経費を使って行ってらっしゃるんですけども、その辺の意義なり効果なりが求められると思うんですが、その辺はどうなんでしょうか。


●知事

 今回は 100周年ということもありまして、ちょっと大がかりな団になってしまった感があるかなと思います。行った先々では、むしろそのことを評価してくださる声は多かったのは事実でありまして、例えば兵庫県なんかも 100人ぐらい、民間も合わせて行ってますし、私どもも、あと民間の団で27人ですか、行かれたり、鳥取市の団が行ったり、いろいろと重なって大き目の団になったと思っております。

 それで、あとは費用対効果のことについては、私は率直に点検しなさいと、今、庁内の方には申し上げているところでございまして、行き先がだんだん分かれてくるんですね。分かれてくることの関係で足し算的に膨れ上がってしまった面があるんではないかなと思いますので、今後、特に遠方への海外出張なんかは、総額幾らをめどにしようとか、あるいは人数も少数精鋭型で、代表と、あと数人とか、そういうような組み方をやるべきではないかなと思っています。これは今、点検を指示させていただいたところであります。


○日本海テレビ 山尾義己 記者

 率直に考えて、今回の訪問というのはちょっと多額になったかなというイメージというのは御自分でお持ちですか。


●知事

 そうですね。反省すべき材料はあると思います。ですから、特に県庁の方、私は執行部の方の団を引率する立場でありましたので、教育団も2人行ってますけども、その教育団だとか執行部団だとか、そこらを含めて考えれば、本来、もう少し人数を絞り込んだりすることはできたんではないかなと思ってますし、そのほかにも若干の反省材料はあると思います。

 ブラジルの場合、どうしても行くこと自体に経費がかかるんで、韓国とか中国に行くような感覚でやっていると、額が膨れ上がる面がありますんで、やり方は、アプローチを変えなきゃいけないと思います。


○朝日新聞 井石栄司 記者

 それに関連してなんですが、知事部局で知事を除いた職員5人の派遣費は 393万円で、議会の方でトップの議長を除いた5人の議員の派遣費が 880万円で、同じ人数で倍半分ぐらい違うんですけども、これは一因としてはエコノミーとビジネスという座席の違いなんですが、議員の視察について、エコノミー、ビジネスというのをどういうふうに今後していくかというのは検討されていくんでしょうか。


●知事

 それはちょっとまた議会と協議をしてみたいと思いますが、多分今までのルールにのっとってやっているんではないかと思います。ブラジルの派遣自体は従来から何年かおきにやってきていると思いますので、恐らくそれを踏襲されたんではないかと思います。

 今回のことで執行部側はかなり大幅に見直したいと思っていますが、議会の方がどういうふうにお考えになるか、これは協議はさせていただきたいと思います。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 どういうふうに大幅に見直されるんですか、大幅に見直しって。


●知事

 人数ですね、特にやっぱり遠くに行くと、どうしても旅費がかかるのは、これはしようがないことでありますし、行って、日程を見ていただいたら結構かと思うんですが、第二アリアンサ[鳥取村]とか、あるいは[ブラジル]鳥取県人会だとか、ジェトロさんだとか、それぞれ訪問しなければならないところはいろいろございます。

 ですから行って、それなりの成果は上がってきて、帰ってきていると私どもは思っていますけども、あとはコストパフォーマンスの関係だろうと思いますので、例えば総額幾らをめどに構成するとか、そういう視点が必要なんではないかと思います。

 韓国とか中国だと一人頭が小さいもんですから、そのときみたいにみんなでわあっと行って、ぱあっと短期決戦という形になりますんで、短期間で結論を出さなきゃいけませんので、そういう意味で若干ニーズは膨れているような感じがあると思うんですね。その分がブラジルに行くときも同じようにやってしまうと大がかりになってしまいますので、その辺の見直しが必要だということです。人数を抑えることが結構効果はあるかなと、一つは思っていますけど。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 今回の何分の一ぐらいにすべきだとか。


●知事

 私は今回、執行部団でいえば半分ぐらいにはできたと思いますけどね。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 議員側はどうですか。


●知事

 それは議員が、議会の中の構成で考えられたり、従来のやり方で考えられたんだと思います。今、議会の改革の中でも議論されていると思いますので、そういう海外出張のあり方も御議論いただければと私は願っております。




12 地球温暖化対策としてのコンビニなどの24時間営業自粛について 

○日本海新聞 小谷和之 記者

 地球温暖化対策に絡んで、今、一部自治体ではコンビニの24時間営業を自粛しようという動きが何か出てるんですけども、鳥取県は、その辺はどのようなお考えを持っていますでしょうか。


●知事

 私は、個人的には今の営業のあり方について何らかの働きかけをした方がいいんじゃなかと思っていまして、これは事務局の方にも申し上げております。ただ、それが端的に規制を条例的にやるのがいいのか、あるいは自主的に協力してもらう形がいいのか、そこは一考の余地はあるだろうと思っています。

 ただ、都会と違って我々のところが24時間、こうこうと明かりをつけてやることには若干私は違和感は持ちます。世界中見ても、こういう国はあまりないだろうと思います。ですから、これについて今、ノーレジ袋デーですね、実際店舗の、コンビニも入ってもらっていますので、そういう協議会の場ができましたので、そういう場ででも、まずは議論すべき値打ちのある課題だろうと思っています。


○日本海新聞 小谷和之 記者

 じゃあ、何らかの営業規制とまではいかないまでも、何らかの要請だとか、そういうことはしていく方針。


●知事

 それは検討に値すると思います。




13 談合防止のための入札制度の見直しについて 

○山陰中央新報 弥重節子 記者

 和歌山県は、知事の談合汚職を受けて、入札制度の見直しを進めていまして、公共工事のほか、物品購入も指名競争入札を全廃したわけで、そしてまた1日ですか、サービス提供についても、もう全部指名競争入札を全廃、だから全部入札に関することについては、もう指名競争入札を全廃するということなんですけれども、鳥取県の場合、公共事業についても知事会が決めている、 1,000万[円]以上は一般競争入札にしようというのが、まだ鳥取県の場合はまだ 3,000万[円]というラインで、まだ高いんですけれども、そういう指名競争入札の全廃に向けてのお考えをお聞かせください。


●知事

 うちは、ちょっと他県とは違った独自の取り組みを今やっていると思うんです。要は何がいけないかというと、契約のやり方、方法論ではなくて、談合が行われて、それが不明朗な資金に変わっていくというところがいけないんだと思うんです。ですから、そうした談合のようなことが起きないようにしていく仕組みを契約の制度の方で作っていくということではないかと思っています。

 そのために一つのやり方として一般競争入札のやり方なんかもありますけども、ただ、片方でそれが今度は今、8割入札といいますか、ほとんど抽せんで決めるようなことになってしまって、技術力とかと関係ないところで、しかもダンピングで人件費もろくに払えないという状況になるのも、これまた行き過ぎだと思うんですね。

 ですから、そこのところの調和点を見つけながら、例えばフローティング [(最低制限価格の変動制)]といいますけども、入札の価格の審査基準が変わってくるとか、そういうやり方を今、導入をしてきていて、順次現場の意見を聞きながら改善をしているというのが現状でありまして、和歌山[県]とは若干ちょっとアプローチは確かに違うと思います。

 私は、今のようなやり方で不適切な契約というものを排除していくのが筋道かなと思っていまして、和歌山[県]がやっているんで、全部一律にということではないだろうと思います。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 入札改革の端緒というのは談合防止というのが大きなねらいだったわけなんですけれども、それでその後、改革後も談合事件が後を絶たないわけなんですけれども、それを見ると、みんな一般競争入札についてはやはりもう談合事件は発生していないように見受けてますけど、やはり指名競争入札の段階ではずっと談合が問題になっていますね。そこの辺、どういうふうに見られますか。


●知事

 それは、あとは最低価格の状況とかいうことも恐らく考慮しながら解決できるんではないかと思うんですけども、引き続き、私が先ほど申しましたように、契約の不適切を排除することが大命題だと思っていますので、その観点で取り組んでいきたいと思います。




14 大阪府との連携について 

○日本海新聞 荒木隆宏 記者

 きのう、大阪府知事と対談されてまして、この前、近畿知事会にも入られましたし、きのうのその成果と、今後の大阪とのつき合い方といいますか、連携策について、まずどのようにお考えでしょうか。


●知事

 私は、高速自動車道路も、鳥取自動車道が今、開通に向けて最終段階を迎えてきておりますので、関西との結びつきを考えなければ、鳥取県の地域づくりはあり得ないと思っています。その意味で、中心都市の大阪との関係をしっかり構築したいと思っております。

 昨日、大阪[府]の橋下知事とお会いをさせていただきまして、そうした考え方を確認をさせていただきましたし、ともに同じ地方自治体として国に訴えかけていかなければならない地方分権のテーマなどがありますので、そうしたことで共同歩調をとっていきましょうということも合意といいますか、話をさせていただきました。

 連携策の一つ、具体的に向こうから御提案が今回ありましたのは、御堂筋でイベントを考えておられると。これは大阪府と大阪市とが一緒にされるんだそうでありますが、そこに各県の特産品を出店をしていただいたり、特徴的な何かイベントといいますか、伝統芸能なんかも考えられないかという御提案がありましたので、私どももこれは大阪で販路開拓をしていくチャンスにもなりますし、鳥取県の観光宣伝にもなりますので、ぜひ参加させていただきたいと申し上げました。

 それから、あと、もう一つは、淀屋のことが話題になりまして、淀屋は淀屋橋という名前にも残ってますが、大阪を代表する豪商でありますけれども、一たん闕所(けっしょ)というお取り潰しに遭いまして、その間、牧田甚右衛門が倉吉でのれんを守り続けたわけであります。それがさらに1763年に大阪で復活をして幕末までいくという、そういう歴史があります。

 こういうことは、地方分権ということを考える意味でも、経済人のあり方といいますか、そういうことを考える意味でも、非常に研究に値するようなことなんで、ぜひ橋下知事も参画していただいて、私も参加しますけども、そういう研究といいますか、シンポジウムをやりましょうというような話を申し上げましたら、向こうもぜひ協力したいということでありました。

 こうした、とりあえずきのうの段階では御堂筋のイベントだとか淀屋についてのシンポジウムについて協力してやっていこうという合意ができたと思っております。




15 DBSクルーズフェリーの航路の活用について 

○毎日新聞 小島健志 記者

 DBSクルーズ関係なんですが、トヨタ自動車が2008年からウラジオストク経由でシベリア鉄道を使うという一部報道があったんですけど、県には何か連絡は入ってますでしょうか。


●知事

 これについては、直接は入ってきていません。ですから、いろんなところで、あそこは特定の商社を介して今、動きをとっておられますので、別のところを念頭に置いた報道かもしれないと思っています。ただ、私どもとしては、今度、商社のかたとお会いしようと思っていますし、それからトヨタ[自動車]には池渕[浩介]さんに今度、[県政]顧問になってもらいましたので、池渕さんを通じて情報を収集するなどして、トヨタ側への働きかけも考えていきたいと思います。

 これ自体は、もう最終的には先方の経済的な戦略判断によるものでありましょうから、DBSクルーズフェリーの航路の活用を図れるかどうか、これは最終的には向こうの問題でありますが、我々としては、こうしたトヨタ[自動車]の事象も含めまして、幅広く積み荷になり得るものは集めていきたいと考えています。


○中国新聞 時永彰治 記者(幹事社)

 もうそろそろよろしいでしょうかね。じゃあどうも、終わります。ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。



  

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