平成20年10月2日に地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条の規定に基づく鳥取県職員措置請求書(以下「措置請求書」という。)が提出されました。この請求に基づき監査委員が監査した結果の概要は次のとおりです。 なお、監査の結果は、本日(11月17日)請求人に送付するとともに、鳥取県公報により公表します。
1 本件請求の「使途等が不適正な政務調査費を県に返還させること」について
(1) 監査委員の判断 本件請求に基づく監査の結果、使途等が不適正な政務調査費として議員1名について、洗車プリペイドカード購入代金2件、7,200円が存在していると判断する。
定期監査の結果に基づき政務調査費の返還を要する議員は、使途等が不適正な政務調査費の存在が認められた議員のうち、議長に提出した収支報告書に記載された政務調査費を充てた支出の総額から監査委員が認めた使途等が不適正な政務調査費の額を減じた額(監査委員が確認した収支報告書に記載すべきと考えられる額)が、県から交付された政務調査費の額を下回ることとなる5名であり、返還を要する政務調査費の額は、当該下回ることとなる額234,923円であると判断した。なお、返還を要する政務調査費については、平成20年10月27日までに全額返還されている。
不適正な使途等の内容及び内訳の概要は、次の表のとおりである。
〔不適正な使途等の内訳〕 (単位:人、件、円)
| 区分 |
定期監査 |
今回監査 |
| 議員数 |
件数 |
金額 |
議員数 |
件数 |
金額 |
| ア 対象外経費の計上 |
3 |
5 |
33,321 |
1 |
2 |
7,200 |
| イ あん分率の誤り |
3 |
23 |
183,986 |
- |
- |
- |
| ウ 経費の2重計上 |
1 |
1 |
7,566 |
- |
- |
- |
| 計 |
収支報告書修正額A |
7 |
29 |
224,873 |
1 |
2 |
7,200 |
| 調整額 B |
△2 |
△2 |
10,050 |
- |
- |
- |
| 返還額 (A+B) |
5 |
27 |
234,923 |
1 |
2 |
7,200 |
| エ 計上項目の誤り |
(3) |
(16) |
(316,567) |
(2) |
(5) |
(44,480) |
注1 収支報告書の修正が必要なもののみ記載している。
2 「イ あん分率の誤り」欄の金額については、増額及び減額があるので、相殺後の金額を計上している。
3 「調整額」欄の2件の金額の内訳は、次のとおりである。(資料参照)
(1) 1名の議員について、収支報告書の修正は45,135円の増額であり、返還額としては△45,135円になる が、交付済額が上限の3,000,000円であり、追加交付はないので、+45,135円の調整をした。
(2) 1名の議員について、収支報告書の修正は231,846円の減額であるが、当初の収支報告額が3,035,085円であり、交付済額3,000,000円との差額35,085円は返還額には含まれないので、△35,085円の調整をした。
4 「エ 計上項目の誤り」欄の金額は、政務調査費に充てる支出額に影響はない。
(2) 勧告 鳥取県知事及び鳥取県議会議長に対し、使途等が不適正な政務調査費の存在が認められた議員について(1)に掲げる不適正な使途等を是正させ、及び必要に応じて当該不適正な使途等に係る政務調査費の返還をさせる措置を講ずることを勧告する。その措置状況については、平成21年2月28日を期限として回答すること。
2 本件請求の「不当な支出を是正させる措置をとること」について
(1) 監査委員の判断 監査の結果、本件請求に理由があるものと認め、現行の政務調査費制度には、次のとおり改善すべき事項があることを認める。
<改善すべき事項> 政務調査費の使途及び手続に関する指針であるガイドラインについては、従来からあるものを改善し更に具体的に分かりやすくするために、県議会の中に議会改革推進会議を設置して同会議に諮り定められたものであり、より県民の目線で見直されたことは評価できる。
しかし、このガイドラインに関しては、次のような改善すべき課題があると思われる。
(ア) 証拠書類としてカード支払明細等を添付する場合、利用するカードによっては、記載される内容が利用日と利用金額のみのものがあり、内容が不十分なものが見受けられた。
政務調査費に係る支出として内容が確認できる書類を添付するか、又は当該支払明細等に内容を付記すること。
(イ) 公共料金や燃料代等を口座振替又はクレジット払いによる方法で支払うときは、利用月から1か月以上遅れて口座引き落しされる場合がある。また、リース料、保険料、定期刊行物購読料等については、年間分又は半期分をまとめて支払う場合がある。
これらの場合は利用月と支払月がずれるため、利用年度と支払年度が異なった例が、かなりの議員(23名)に見受けられた。
本来、政務調査費は、当該年度内に議員が行った調査研究に必要な経費に対して支給するものであるが、このような口座振替等の方法で支払う場合は、従来から例外的に支払日の属する年度で整理することができることとされているが、その取扱いについて規定されたものはない。
このような例外的な取扱いについては、対象経費についての誤解が生じないようにするためにも理由を明記して、ガイドラインの中に規定すべきであること。
(ウ) 経費の支出が預金口座からの引き落としによる場合については、預金通帳の該当部分の写しを提出することとなっているが、事務作業量の軽減等を図るため、公共料金等の継続的に口座振替するものについては、その通知の写しの提出をもって預金通帳の該当部分の写しの提出に代えることができるようにすべきであること。
(エ) ガイドラインに記載されている政務調査費の対象外経費の例示は、必ずしも十分ではなく、例えば、誤解を招くようなカード年会費、洗車代等については、例示として具体的に記載すること。
(オ) 調査研究活動とその他の活動が渾然一体となっているような活動を政務調査費に充当するような場合には、活動内容の実態に応じたあん分により行うこととなっている。そのあん分率は、原則として議員自らがその活動内容や実績により算定し明らかにすることとなっており、各議員の判断に委ねられているものである。
しかし、そのあん分率の算定根拠については、必ずしも明確になっておらず、感覚的に設定されている場合もあると思われる。あん分の変動により、大きく金額が動くような経費もあるため、このあん分率を算定する場合の共通ルールをガイドラインに明示するなどして、一層の透明性の確保を図られたい。
(カ) 共通経費(政務調査活動とその他の議員活動等のそれぞれに必要と思われる経費)のあん分に係る円未満の端数処理の方法が定められていないので、ガイドラインの中に明記すること。
(キ) 平成20年度に実施された監査において、収支報告書の修正又は証拠書類の修正若しくは整備が必要な者が全議員の4割(14名)もあったことから、ガイドラインの議員への周知は必ずしも十分ではなかったと思われるため、より一層の周知を図るべきであること。
(2) 勧告
政務調査費の適正な執行という観点から、不適正な使途への充当を是正させるための措置が必要であると判断し、鳥取県知事及び鳥取県議会議長に対し、次のとおり勧告する。その措置状況については、平成21年2月28日を期限として回答すること。
<ガイドラインの改善充実と議員への周知徹底>
鳥取県知事及び鳥取県議会議長は、平成20年9月に施行された地方自治法の一部を改正する法律(平成20年法律第69号)により議会活動の範囲が明確化されたことも踏まえ、政務調査費の対象外経費の例示を追加記載するなど、ガイドラインの一層の改善充実に努めるとともに、全ての議員に対してガイドラインの記載内容を周知徹底すること。
政務調査費は、法及び条例に基づき、「議員の調査研究に資するための必要な経費の一部」として交付されるものであり、その経費は1人当たり年間300万円(限度額)である。
この政務調査費は、県政の様々な課題への対応や政策立案のために、各議員が行う調査研究活動が円滑に行われるよう交付されるものであり、調査研究活動の実態に応じて使途の対象等を十分に検討し、適正に執行されるべきものと考える。
このため、政務調査費の使途については、情報公開を求める世論が高まっていることを踏まえ、透明性を確保されることに特段の努力を望むものである。議員が行う活動には、政務調査活動の他に議会活動、政党活動及び後援会活動など様々な活動があり、これらが渾然一体となっている場合が多い。このため、議員の幅広い活動における事務処理の効率性を考慮し、ガイドラインでは、対象経費のあん分や旅費の精算等について簡便な方法によることも可能とされているが、これらの処理方法については、最終的には議員の判断に委ねられているため、議員自らが説明責任を果たすべきものである。
今後、政務調査費の使途及び手続に関する指針であるガイドラインが県民への説明責任を果たしうるものとして改善充実され、議員の調査研究活動の成果が県政に一層反映されるよう強く望むものである。