特集/今こそ食べよう『肉質日本一』~「鳥取和牛」の消費と保護~

  県の出品牛が肉質日本一に輝いた「第11回全国和牛能力共進会」から3年。全国から注目される「鳥取和牛」も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けています。そんな今こそ、地元の「日本一」を食べて応援しましょう。県も関係者と共に優秀な牛の遺伝資源を保護し、おいしさを届ける和牛産業を守ります。

鳥取和牛オレイン55の写真
「鳥取和牛オレイン55」。鳥取和牛の中でも極上の品質を誇る牛肉で、口溶けが良く、後味はさっぱり。オレイン酸を55%以上含み、「気高」号(本文参照)の血統であることなどが認定条件(写真提供は鳥取県牛肉販売協議会)

快挙の起点は初の登録制度

  5年に1度、全国の優秀な和牛を一堂に集めて、改良の成果や質を競う「全国和牛能力共進会(全共)」。2017年(平成29年)に宮城県で開催された第11回全共で「白鵬(はくほう)85の3」の産子が肉質日本一に輝きました。和牛飼育頭数が全国の1%にも満たない鳥取県のこの快挙は「鳥取和牛」の知名度を高め、近年では高価格で取引されています。
  県の和牛飼育の歴史は江戸時代にさかのぼります。大山の博労座(ばくろうざ)周辺で開かれた牛馬市は、当時の日本三大牛馬市の一つとして繁栄。大正時代に始めた日本初の和牛の登録は育種改良の基礎を作りました。また、1966年(昭和41年)開催第1回全共の「肉牛の部・産肉能力区」で、県産種雄牛(しゅゆうぎゅう)気高(けたか)」号が1等賞に。生涯9千頭の子孫、さらに国内ブランド牛の始祖としての名をも残した「気高」号。3年前、鳥取和牛を肉質日本一に導いた「白鵬85の3」もその血統です。

「日本一」を味わうのは今

  全共で日本一の称号を得たことで高値で取引され、高級ブランドとしての定着に弾みがついた近年の鳥取和牛。ところが今年、新型コロナウイルスの感染拡大が和牛の消費動向に影響を及ぼしています。不要不急の外出自粛傾向から飲食店での需要減、インバウンド(訪日外国人観光客)の減少や輸出の停滞も。需要の減退から販売価格が低迷し、生産者が受ける打撃は深刻です。農林水産省は学校給食への提供や、外食産業・観光業などと連携した販売促進の支援により、消費を喚起。県内の小中学校や特別支援学校の給食でも、9月から11月にかけて、鳥取和牛を使った特別メニューがが提供されました。
  多くの飲食店では、予約利用、小まめな換気や間仕切りなど感染予防対策に取り組まれています。また、店内での飲食のほか、テークアウトや自宅で気軽に料理できる商品販売、お得なキャンペーンも随時実施中です。今こそ地元産の「日本一の和牛」を味わってみませんか。

遺伝資源と産業の保護強化

  有名ブランド牛がひしめく市場で鳥取和牛の価値を維持するには、優秀な牛の精液や受精卵などの遺伝資源を守る必要があります。県は今年10月、「鳥取県産和牛の保護及び振興に関する条例」を制定。その柱は▽全国で初めて「知的財産」と位置付けた県有種雄牛の遺伝資源の保護▽生産から流通・販売に至るまでの「和牛産業」の振興です。
  既に進めている「使用許諾契約(下記参照)」の取り組みはこの条例を根拠に強化。肉質の良さを子に伝える遺伝資源の不正流通を徹底防止します。生産農家が丹精込めて育てた鳥取和牛が価値を保ったまま消費者に届き、それが関係者の経営安定につながる。条例制定は、このサイクルを実現させる一歩です。

牛枝肉卸売価格の推移(東京・和牛去勢A‐4)
牛枝肉卸売価格のグラフ
出典 JA全農の畜産総合情報サイト「JACCネット」マーケット情報

条例制定の背景
遺伝資源流出規制の不備
  近年の不正流出は、発生当時、遺伝資源の国外流出や受精卵・妊娠牛流通に規制がなく、放置すると和牛振興が妨げられる恐れがありました。
遺伝資源の不適切な流通によって県外で「白鵬85の3」の子牛が誕生(2017年)
国内和牛の受精卵が中国へ流出未遂(2018年)

関連法が2020年10月1日に改正
家畜改良増殖法により、家畜人工授精所で扱う精液譲渡記録、違反時の罰則強化
家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律により、遺伝資源の不正取得・利用時の刑事罰や損害賠償措置が整備

「使用許諾契約」で使用制限
  県は今年3月、「白鵬85の3」の精液や受精卵などの使用は、契約によって県が認めた関係者間のみとする「使用許諾契約」を生産者と締結。契約には所有する持ち分も明記されています。
使用許諾契約に規定される県の所有権
  精液100% 受精卵50% 子牛(販売前他)50%

目標定め、惜しまぬ手間暇

繁殖農家
生田(いくた) 智之(ともゆき)さん(琴浦町)
生田智之さんの写真

  「白鵬85の3」は、母牛「みどり」を飼育していた私の実家で誕生した牛です。その産子が日本一になった3年前の全共、会場にいて感極まりました。実家は廃業したものの、農家さんのご協力で三朝町内に牛舎を借り、目指していた繁殖農家(肉用牛の生産には、母牛に子牛を生ませ、その子牛を育てる「繁殖農家」と、市場で買った子牛を大きく育てる「肥育農家」とがある)を4月に始めました。餌やりは朝と夕方。一度に多く与えるとよだれまみれになるので、小分けして与え、食べ切ってから追加。時間と手間をかけて良い状態で与える餌が良い牛をつくるのは、子どもの頃からの日常と農業大学校とで体得。ほかの時間は、ふん出しと見回り。居場所を清潔に保ちつつ、牛の状態を小まめに観察します。
  「白鵬85の3」のような優秀な種雄牛をこの手で生み出すべく、早々に「みどり」の血を引く雌牛を購入。名前は「みどりのこ1の1」、大切に育てています。

生田さんと飼育している牛の写真
「みどりのこ1の1」を含む11頭の雌牛を飼育する生田智之さん。志を高く持ち、着実に知識と経験を積んでいる

とっとりの肉用牛ミニ知識

■和牛と国産牛の違い
和牛
  定義 牛の品種名で、黒毛・褐毛・無角・日本短角和種の4種
  出身 国内で生まれて飼育された牛限定。登録は厳格管理
国産牛
  定義 日本で飼育・生産された牛の総称
  出身 外国生まれでも日本で3カ月以上飼育されると国産牛

■鳥取和牛はウシの名ではない
  「鳥取和牛」は、鳥取県内で肥育された、霜降り具合・色・きめの細かさなどが高品質の黒毛和種で、鳥取県産和牛を肉用として販売するときの商品名。

■産肉能力に秀でた「白鵬85の3」(写真)
  2010年(平成22年)に琴浦町で誕生、2017年(平成29年)の第11回全共で肉質日本一に輝いた、県を代表する県有種雄牛。本牛の産子の90%以上が最高ランク5等級以上。
「白鵬85の3」の写真

産肉能力とは肉質の良さを子に伝える能力のこと。

鳥取和牛の提供店はここで検索

  鳥取県牛肉販売協議会は、県産牛肉を食べられる店をウェブサイトで紹介しています。また、お得なキャンペーン情報も同サイトに掲載されます。
※掲載店舗の情報は随時更新していますが、まれに最新でない場合があります。ご来店前に直接、目的の店舗へ確認されることをお勧めします。

【問い合わせ先】 鳥取県牛肉販売協議会(JA全農ミートフーズ株式会社内)
電話 0859‐54‐4799 ファクシミリ 0859‐54‐3468
http://tottorigyuniku.com/

炭火焼肉 炭蔵(すみくら)
  牛1頭からわずかしか取れない希少部位の盛り合わせ(写真1枚目)、寿司や創作料理などさまざまな形(写真2枚目)で鳥取和牛を楽しめます。県内加工された炭や二十世紀梨を使った手作りのたれなど、至るところに県産品へのこだわりが。店内での食事はもちろん、テークアウトや肉の宅配「肉宅」も利用できます。
希少部位の盛り合わせの写真 寿司や創作料理の写真

【問い合わせ先・写真提供】 炭火焼肉炭蔵(鳥取市古海)
電話 0857‐30‐7029
https://www.yakiniku-sumikura.com/

あかまる牛肉店ハワイ店
  店内での飲食やテークアウトだけでなく、鳥取和牛やその加工品などの購入ができます(全国発送も可)。希少部位も扱っています。また、はわい温泉・東郷温泉旅館組合との共同企画、和牛コース料理を食べて温泉につかる「焼肉温泉」を実施中。旅行サイトで「焼肉温泉」を検索してみてください。
リブロースと赤身すき焼きセットの写真
鳥取和牛オレイン55リブロースと赤身すき焼きセット(写真提供は株式会社あかまる牛肉店)

トロピカルドラゴンカレーの写真
鳥取和牛の肉塊150グラムが入ったトロピカルドラゴンカレー(写真提供は株式会社あかまる牛肉店)

【問い合わせ先】 あかまる牛肉店ハワイ店(湯梨浜町田後)
電話 0858‐35‐2941 ファクシミリ 0858‐35‐2944
https://akamaru-shop.com/

ビーフシチュー
  市販のソースで簡単においしく
ビーフシチューの写真

【協力】 鳥取県牛肉販売協議会

【材料】(4人分)
牛バラ肉ブロック 400グラム
ジャガイモ・ニンジン 各1個
ローリエ 1枚
デミグラスソース缶 1缶(約300グラム)
オリーブ油 適量
水 400ミリリットル
赤ワイン 100ミリリットル
塩コショウ 適量

【作り方】
(1)牛バラ肉、ジャガイモ、ニンジンを一口大に切る。
(2)鍋にオリーブ油を引いて(1)を炒め、具材に火が通ったら水を入れて煮立て、アクを取って30分ほど煮込む。
(3)弱火にしてデミグラスソース、赤ワイン、塩コショウを入れて味を調え、焦げ付かないようにかき混ぜながら、全体にとろみが出るまで煮込む。

具材に玉ネギやブロッコリーを加えると甘みや彩りがプラスされます。

【問い合わせ先】
県庁食のみやこ推進課(鳥取和牛のPR関係)
電話 0857‐26‐7853 ファクシミリ 0857‐21‐0609
県庁畜産課(和牛の遺伝資源保護関係)
電話 0857‐26‐7829 ファクシミリ 0857‐26‐7292


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