1.入賞作品点数
2.審査員講評(金賞・銀賞のみ)
《鳥類部門》
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金
賞
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米子市立住吉小学校3年
川崎 あおは (かわさき あおは)
ブッポウソウ用
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絶滅危惧種のブッポウソウ用の巣箱です。
厚板や木ねじの使用など、耐久性が見込める堅実な作りが評価できる作品です。また、清掃用のふた(前板)の建付けが良く、丁寧に作られているという印象です。
また、そのふたの固定方法も、金具などを用いず、両側を針金で固定する方法が採用されており、実用性が高いと言えます。
すぐにでもブッポウソウの生息地に設置したい作品でした。 |
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銀
賞
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鳥取大学附属中学校2年
松浦 孝紘 (まつうら たかひろ)
シジュウカラ用
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厚いスギ材と木ねじで確実に作られています。何より注目したのは、清掃用のふたを天板(屋根)の開閉とせず、横板を開く方式にしたこと、そして底板を引き出せるように工夫した点です。これまでにない斬新なアイデアでした。
巣箱内の営巣状況を確認するためには天板を開く方式が確実なのですが、巣箱を見下ろす位置までハシゴを上らねばなりません。清掃が目的であれば巣箱が目線の高さにあれば十分なので、上るハシゴの段数を1~2段減らすことができ、より安全に作業することができます。
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銀
賞
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米子市立福米中学校2年
吉岡 花音 (よしおか かのん)
アカゲラ用
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サイズや形状は、シジュウカラ、スズメ用の標準的な作品だと思いましたが、留め金にローラーキャッチのような物が使われている点で、発想が斬新であり、非常に驚かされました。この留め金だと開閉が容易な反面、風等によるガタつきがほぼないため、興味深い工夫といえます。また、木ねじをふんだんに使用しているため耐久性に優れた作品となっています。 |
《野生動物部門》
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金
賞
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米子市立福米中学校2年
吉岡 花音 (よしおか かのん)
ヤマネ用
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ヤマネは生息数が少なく、鳥取県のレッドデータブックでは絶滅危惧II類に指定されています。ヤマネが休息や繁殖するための樹洞などが少なくなっていると考えられ、巣箱の提供は重要な意味があります。
今回は野生動物部門の巣箱の出品がこの作品しかなかったため、審査はどの賞にふさわしいかという点に絞られました。
この作品は丁寧に作られており。耐久性も期待できる仕上げでした。
特に工夫されているのは、角材に直角な進入路を設けた構造で、これによりヤマガラやシジュウカラなど、鳥類に使われないようにする効果が見込めます。事前の入念なリサーチの様子も評価できるものでした。
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銀
賞
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なし
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3.総評
自然環境保全コンクール審査会 会長 吉田 亮(NPO法人日本野鳥の会 会員)
今回の審査は、制作の丁寧さと創意工夫、実用性などに視点を置いて選びました。実際に山に設置して鳥や動物に提供したいと思える作りかどうかが大切な基準です。また、設置した後の持続性(耐久性)もポイントでした。受賞作品はいずれも、これらを満たしたものでした。受賞おめでとうございます。
巣箱づくりの醍醐味は、上手に仕上げたこともさることながら、仕掛けた巣箱を実際に鳥や動物が使ってくれたという喜びにあります。それはペット以外の野生の生き物との貴重な接点であり、何物にも代えがたい経験となります。残念ながら選外となった巣箱であっても、ぜひとも近くの林、それが無理ならおうちのベランダにでも仕掛けてみてください。ただし、山に入るときは必ずおうちの人といっしょに、安全対策を十分にして出かけてください。
最後に今後に期待したい点です。巣箱を使ってほしい鳥種や動物種に、もう少し多様性を期待したいところです。また、形状や素材、細部の工夫などにも新たな視点やチャレンジ精神が感じられるとよいと思いました。いろいろ挑戦してください。 |
4.応募作品数
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小学校 |
中学校 |
計
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| 鳥類部門 |
82 |
31 |
113 |
| 野生動物部門 |
0 |
1 |
1 |
| 計 |
82 |
32 |
114 |
※グループ応募があったため、応募人数総数は138名。
以下の日程で入賞作品の巡回展示を行います。ぜひお越しください。
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期間
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場所
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10月17日(金) 9時から
10月26日(日)17時まで
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倉吉博物館(倉吉市町仲ノ町)
※開館時間:9時~17時 休館日:月曜日
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11月 2 日(日)
正午から16時半まで
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公立鳥取環境大学(鳥取市若葉台)
(当日開催のとっとり生物多様性推進センター設立5周年記念
フォーラム内で展示)
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11月 6 日(土) 9時から
11月16日(日)17時まで
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氷ノ山自然ふれあい館 響きの森(若桜町つく米)
※開館時間:9時~17時 休館日:月曜日、火曜日
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11月20日(木) 9時から
11月30日(日)17時まで
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鳥取県立大山自然歴史館(大山町大山)
※開館時間:9時~17時 休館日なし
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