防災・危機管理情報

知事定例記者会見(2017年8月10日)

平成29年8月10日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約55分) ※MPEG4形式

  

1 北朝鮮情勢への対応  

●知事

 皆さん、おはようございます。北朝鮮とアメリカとの激しいやり取りが続いているわけであります。[ ドナルド・]トランプ[アメリカ合衆国]大統領も「fire and fury」という炎と怒りに直面するというかなり強い口調を用いて発言をしたり、また、北朝鮮側はグアムに対しまして周囲攻撃をするというような表現を使っています。その北朝鮮の声明の中には島根県、広島県、高知県の上空を通りミサイルを発射をするんだと、そういう言い方でございまして、我々山陰のものとして断じて許しがたい言動であるというふうに思います。まさに常軌を逸しているものであり、このような緊張感を高める、そういうことではなくて、もっと外交的努力や話し合いによって解決することを北朝鮮は学ばなければならないと思います。

 本日[8月10日]、私も米子[市]の伊木[隆司]市長と一緒に上京をいたしまして、それで、長坂[康正 内閣府大臣]政務官に北朝鮮の拉致問題について、これ、体制も政府側も代わったところでございますので、要請活動をしようということにいたしております。また、併せてこうしたミサイルなどそういう緊張を高める、そういう行為に対しまして政府として厳しく対処をしてもらいたい、そういう旨も申し上げてまいろうかと思っております。このような脅威のみならず、自然災害も相次いでいるところでございます。このたび、九寨溝[中国四川省北部:ユネスコ世界遺産]でマグニチュード7の地震がありまして、お亡くなりになられたかたに対しまして哀悼の意を表したいと思いますし、お見舞いを申し上げたいと思います。河野[太郎]外相が早速、中国側に支援の用意があるということを伝えたというふうにも報道されているところであります。




2 平成29年台風5号の被害を踏まえた対応 

●知事

 日本では台風5号がのろのろと列島を動き回りまして、本県に対しましても影響がございました。[鳥取市]鹿野[町]において大きな雨が降りまして、また、三朝[町]であるとか[鳥取市]青谷[町]であるとか、それから、鳥取市の河原[町]等、豪雨がございまして被害も出ました。江府[町]、[鳥取市]河原[町小河内]の新田の集落、それから三朝の中津集落、これにつきまして孤立解消が急がれるところであります。小河内のところ、河原のところにつきましては、今、土砂の除去作業をされているところでございまして、これも今日[8月10日]中には完了するのではないか、そんな意味で孤立が解消するということになるのではないかと思われます。また、中津の方につきましても、今、鋭意復旧作業を進めておりますが、この路線につきましては、8月13日、このお盆前には何とか仕上げたいという、今、スケジュールで向かっているところです。三徳川もかなり増水をしました。それによりまして露天風呂が使えなくなっていましたが、昨日[8月9日]から営業を再開したところであります。さらに河川敷の駐車場ですね、これについては、今、町側と協議をしておりますけれども、都市公園で設置をしたものでございまして、都市公園の災害復旧事業の適用を今後検討することにいたしておりまして、今、こうしたかたちで道路、あるいは砂防の影響とか、そうしたところを今、緊急的に災害復旧に向かっているところであります。


 幸い人的被害、目立った住家被害はないというのが今回の結果でありましたけれども、片方で梨の落果被害が、今、把握している段階では0.6%ほどあるようでございます。まだ集計はされつつあるところでありますが、ただ、農家の皆さんが今回迅速に対応していただいて対策を打ったことが、こうした落果被害の防止につながったのではないかなというふうに思っているところでございますが、このほかの農林被害等々、まだ詳細の確認を進めているところでございます。



3 平成29年度第1回県・市町村行政懇談会の開催 

●知事

 また、地震につきましても、[鳥取県]中部地震対策、今後どうやっていくか、あるいは住宅の修繕等々、どういうスキームにして恒久的に考えていくのか等の課題があります。これにつきまして、来週の[8月]17日に市町村長との行政懇談会[平成29年度第1回県・市町村行政懇談会]を開催しますので、そのときに北朝鮮のミサイルに対するマニュアル作り、また、こうした地震の住宅被害対策も含めた安心のまちづくり、これは支え愛の防災ということもあろうかと思います。そうしたことなどをテーマにして市町村長と盆明け早速に話し合うこととさせていただきました。

 また、8月19日に琴浦町で行います[弾道]ミサイルを想定した住民避難訓練につきましては、現在、仮マニュアル、粗案というものを、準備をしたところでございまして、これが実行可能かどうか、まずは県庁の中でも図上訓練をしまして、その精度を確かめたいと思っております。これは、例えばミサイルの発射から始まる一連の動きでありまして、例えば落下地点を中心とした危険区域の設定であるとか、その後に危険なものが積まれていないかといった検知であるとか、それから避難であるとか、そうした諸対策を一連のマニュアルとして、素案として鳥取県独自に取りまとめをさしていただきました。こうしたものを持って、まずは仮マニュアルによる練習をしてみて、果たして上手くいくのかどうか検証したいと考えております。こうしたミサイルのマニュアルのことも含めて市町村長とも話し合いをさせていただきたいと思いますし、[鳥取県被災者住宅再建支援]基金事業による住宅復興支援、この取り扱いなどもテーマにさせていただきたいと思います。





4 株式会社ジャパンディスプレイ経営再建の動き 

●知事

 産業関係で、今、急転直下また浮上してきたのがJDI[株式会社ジャパンディスプレイ]の対策であろうかと思います。昨日[8月9日]JDIさんが経営再建の計画を、公表をされました。このなかでいろんなことが書かれていまして、今、私どももそれを入手し、分析中であります。結論から申し上げますと、盆明けにでも東入来[信博]会長や有賀[修二]社長といったかたがたがいらっしゃいますけど、トップマネジメントのかたがたと直接面談をさせていただきたいというふうに申し入れておりましたけれども、向こうは面談に応じるという答えが返ってまいりまして、できるだけ早いタイミングで、日程を確定するように調整がつくこととなってまいりました。そこで詳しい話も聞いてみたいというのが結論にはなりますが、JDIの昨日[8月9日]公表した資料等発表内容によりますと、焦点は石川県内の工場再編であろうかと思います。本県では664人が勤務をする鳥取工場がございます。全社的に240名の希望退職を募るということでありまして、そういう意味では鳥取工場も対象となり得るわけではありますけども、主力ではそうした240人の主たる内容ではないんではないかなというふうに期待いたしております。

 と申しますのも、経営再建計画のなかに、車載部分も含めましたそうした一連のものにつきまして、売り上げに占めるパーセンテージを増やそうということであります。これが19%~45%に増やすと倍以上に増やしていくという領域でありまして、携帯電話とか、そういうものではない、車載などのディスプレイ分野、これにつきまして私どもとして3月に実はJDIと協定を結んでおりまして、こうした車載部門の拡充などを進めることで我々も支援するという合意を、実は先行してやっておりました。この分野につきましてはむしろ増やすという方向で昨日[8月9日]発表があったわけでありまして、私どもとしては具体的にこれが鳥取工場の存続発展に繋がればというふうに願っているところであります。今後よくよく我々も情報収集を急ぎまして、できれば盆明けということで今お願いをしておりますが、今、先方も面談に応じるとおっしゃってくださっていますので、直接JDI側の考えかたをお聞きをしていきたいといふうに思います。





5 食のみやこ鳥取県に向けた取り組み 

●知事

 昨日[8月9日]は私どもの方で大山寺という牛の聖地があり、ここで、全共と言われます[全国]和牛[能力]共進会、和牛の振興のオリンピックがございます、これの戦勝祈願をしたところでございます。そういうようなことで、我が県の畜産も勢いが出てきているわけでありますが、酉年は鳥取だろうと、それで鳥取は鶏肉だろうと、ある意味わかりやす過ぎるロジック[理由付け]を我々も強調させていただいて、キャンペーンを、今、しているところであります。「とっとRichキン」を売り込むためにも、東京でもイベントをやろうということを企画をしておりまして、これも盆明けにさせていただくことにいたしております。[8月]21日ごろかと思いますが、今、最終的な内容まだ詰めている段階でございますけれども、実は「鳥取地どりピヨ」という私ども開発した地鶏がございます。

 これが叶姉妹という非常に美しい姉妹がいらっしゃいますけども、そういう健康とか美容に気を遣っておられるかたがたでいらっしゃいますけども、鳥取の地鶏ピヨは評価していただいていまして、番組であるとか、それからブログなどでも鳥取地どりピヨを取り上げていただいています。その叶姉妹にも参加をしていただきまして、鳥取の鶏のキャンペーン、これピヨに限りませんで、例えば大山どりとか、がいなどりだとか、いろんなブランド鳥取県内ございますし、生産もございます。こうした鳥取の鶏を叶姉妹にも応援をしていただいて、コラーゲンもたっぷりな地鶏、美容や健康にいいですよと、そんなことで全国の皆さまに知っていただく、そんなキャンペーンをさせていただくこととなりました。





6 就職フェアの開催 

●知事

 また、このお盆の時期、帰省してくる若者たちもいます。そういうことでJR[西日本]の鳥取駅、あるいは成人式をやる、これが日野郡等でございますけども、そうした場で鳥取の就職、移住ということを我々もアピールしていければと思います。その1つとして、鳥取での就職をということで鳥取市、米子市、倉吉市で順次このお盆の時期に就職フェア[2017]を実施をさせていただきたいと思います。今のところ、この夏、我々も始めましたインターンシップの夏休みとか、休日利用版のようなかたちで[ふるさと]ワーキングホリデーを、実施をしております。今、60名ぐらいのエントリーがございまして、もう鳥取でプチ移住を楽しんでおられる、そういう若者も出てきたところでございますが、概して評判もよろしゅうございますし、我々としても自信を持ってそうした鳥取暮らしを若いかたがたにお勧めをし、人手不足なども叫ばれていますので、鳥取での就職あっせん支援、これも重点的に行っていきたいと思います。



7 台湾遠東航空による鳥取砂丘コナン空港へのチャーター便運航  

●知事

 そういう産業の1つの基軸をなすのは、これからは観光ということになろうと思います。この度、台湾にございます遠東航空が鳥取砂丘コナン空港では初めてのインバウンド連続チャーターを実施する運びとなりました。ようやくこれが整いまして、近々その遠東航空の幹部が私の方にも最終的なお話し合いということでお見えになるという運びとなりました。具体的にはこれプログラムチャーター方式[数便を連続して運航させることで回送運航を減らす方式]でありまして、おそらく秋から冬にかけてくらいには実施できるんじゃないかとは思いますが、そのスケジュールなどまだ未確定の部分もございますが、今イメージとして両方で共有して協議をしておりますのは、山口[県]の宇部空港とのペアリング[組合せ]によるプログラムチャーター、これを鳥取砂丘コナン空港で行う。それで、鳥取砂丘コナン空港には4回飛来をする。宇部空港にも4回、これを行ったり来たりというかたちで、つまり鳥取発で山口行き、山口発で鳥取行きというツアーを台湾の旅行会社が造成する。100%インバウンドでの飛行機運行を目指そうということであります。それで、このインバウンドのプログラムチャーター、鳥取砂丘コナン空港50周年を迎えましたが、そういう意味で初めてこういうチャーター便ができたこと、私どもとしても歓迎申し上げたいと思います。


 それで、このツアーは今の想定では4泊5日のツアーで日本に来られるツアーになろうかと思いますけども、そのうち2泊は、鳥取県内での宿泊を我々として条件提示しておりまして、そういうかたちで鳥取県内に非常に名探偵コナンとか、鬼太郎だとか、あるいは美味しい食べ物、ちょうどカニなども出てくる、そんな時期が秋以降出てくるわけでありますけども、そうしたさまざまなことを満喫していただいて、鳥取砂丘コナン空港、砂丘も含めて楽しんでいただくと、そんなような構想を前に進めることができました。以前から、台湾の航空会社に働きかけていたわけでありますけども、今、プログラムチャーターの構想も示しながらやっていまして、ようやくこう相手方のペアが決まったようなかたちで、この度、実現の運びとなったものであります。





8 シンガポールからの誘客の取組 

●知事

 また、シンガポールにおきまして、明日[8月11日]から3日間、鳥取県としては初めて現地のH.I.S系の旅行会社と組んで、10万人が訪れると言われます旅行博覧会[NATAS(ナタス)] に出展をすることになりました。こうしたシンガポールという新しい相手、ぜひ鳥取のことも知っていただく、そういう意味で[名探偵]コナングッズなども持ち込みましてアピールをしていこうという運びとなりました。



9 山陰デスティネーションキャンペーン開催 

●知事

 また、こうした観光の素材として[山陰]デスティネーションキャンペーンを来年[平成30年]実施することになりますが、いよいよそのプレも半ばになってまいりまして、来年[平成30年]の旅行の商品を呼びかけることになります。この[8月]23日、24日、25日、この3日間で全国の旅行会社にまずは米子[市]に来ていただき、そのあとエクスカーションをしていただく、こういうスケジュールで溝口[善兵衛]島根県知事とともにPRをしていくこととなりました。



10 第2回山の日記念全国大会記念式典への出席等 

●知事

 [8月]23日の日に説明会などを開催をいたしまして、全国の皆さんに来年[平成30年]の大山[開山]1300年祭、あるいは松平不昧公の節目もございますし、そういう山陰を満喫していただく働きかけをしてまいりたいと思います。その大山1300年祭と併せまして実施をされることとなりました山の日記念全国大会、この山の日大会がいよいよ明日8月11日、栃木県の那須におきまして開催をされることとなります。私も参加をさせていただき、明日[8月11日]その山の日の引き継ぎ式に臨みたいと思います。具体的には、何か旗とかではなくて山の帽子を授与するというのがこの山の日大会の慣例になってきているようでありまして、そうした引き継ぎセレモニーも含めまして、この大山1300年祭で賑わう大山、来年[平成30年]の山の日大会、これを、アピールをしてまいりたいと思います。



11 9月議会に向けて 

●知事

 また、こうしたことなど含めまして、今、[9月補正]予算の編成作業も進み始めたところであります。焦点としては災害対策、例えば流木が九州[北部]豪雨で大分悪さをしたわけであります。こういう流木対策であるとか、それから今後、インバウンドチャーターなどを進めることが決まりましたけれども、そうした観光振興であるとか、各般にわたりましてこれから盆明け以降、予算編成作業に入っていくことになります。そうしたことも含めまして、9月県議会に臨んでいくことになります。



12 お盆時期の観光イベント等 

●知事

 いよいよお盆休みに入られるかたがたも多くいらっしゃると思います。ぜひ、親しいかたがた、ご家族との旧交を温めていただき、また観光地においては多くのお客さまをお迎えをし、たぶん山陰でも最も賑わう季節になるのではないかなと思います。今のところ鉄道はだいたい前年並みを見込んでいる他、飛行機はむしろ搭乗者数増がこの盆休み見込まれることになっております。そういう意味で例年よりも賑わいが出てくればなというふうにご期待を申し上げるところであります。鳥取県では、今さまざまな行事がこれから目白押しでありますけれども、明日[8月11日]は大山の[お盆の]大献灯を行うことになりまして、これがこの週末挟んで賑やかに明るい光を、大山の幽玄な自然の中で夜灯されることになります。また、8月13日から鳥取しゃんしゃん祭が開始をするわけでありまして、14日には一斉傘踊りというクライマックスを迎えることになります。併せまして15日には[米子市]淀江[町]で[第47回]盆おどり[花火大会]があったり、江尾十七夜が17日に実施をされたり、いろいろと賑やかなお盆の季節ということになろうかと思います。空の方もこれからが最盛期でございまして、明日[8月11日]から3日間佐治アストロパークではペルセウス座流星群の観察イベントが行われることになります。また、8月13日に大山で写真も含めた星を見る催しがあったり、三朝でもそうしたイベントがあったり、各地で星取県にちなんだ行事も予定をされているところであります。

 今、熱中症もかなり多く見られます。去年[平成28年]よりも熱中症の搬送件数が多い状況でございまして、これまでにお二人熱中症ではないかと考えられる状況でお亡くなりになっているという残念な状況もございます。ぜひ、この行楽シーズン、皆さまにお楽しみいただくと同時に、お体の方にはくれぐれもお気を付けいただければというふうに考えます。私の方からは以上です。





13 ミサイル落下を想定した対応マニュアルの内容と完成の目途 

○テレビ朝日 後藤龍彦 記者


 各社質問がありましたらお願いします。



○中国新聞 小畑浩 記者


 すみません。北朝鮮のミサイルのマニュアルの件なんですけども、先日もこの件をおっしゃっていただいたことなんですが、もう、素案ができたということなんですけども、その素案の中身というのはどういったものを盛り込んでいるのかというのを、ちょっと詳しく教えていただきたいのと、これから19日の琴浦町と県それぞれの訓練で精度を上げていくということだと思うんですが、また今後2月にもまたあるということと思うんですが、その件も踏まえてマニュアルの完成版はいつぐらいまでにという、目処なのかということを教えていただければと思います。



●知事


 マニュアル自体は今年度[平成29年度]いっぱいで仕上げようと思いますが、ただ、精度を高めるだけで、緊急時に対応できないのでは意味がありません。今、ある意味、国際的には緊張が高まってきているようでありまして、ASEAN地域会議でも北朝鮮に対する厳しい発言が相次ぎました。中国、ロシアも必ずしも北朝鮮を好意的にかばっているわけではないような言動も見られるところでございまして、正直、国際社会としては苦慮している状況ではないかなと思います。そこにきて、飛び出した北朝鮮の暴言でありますけども、広島や島根の上空を通過してグアムの周辺に4発落とすと、こういう発言は言語道断でございます。


 それで、抗議は抗議として言ったり、外交的努力もする必要がありますが、片方で、我々は現場を守る立場でありますので、粗々のものでもいいわけでありますから、まずはこういうときはこうしようという共通理解をマニュアルを通じて持っておく必要があるだろうと。それで、前回[6月6日]、私どもも訓練をしまして、その点を深く認識をいたしました。それで、国の方も協力するとおっしゃってくれていますので、鳥取県独自に、まだちょっとほかの都道府県でこれ程のものを作っているところはないかもしれませんけれども、独自にまずは作ってみようということで、確定版ではないけれども、今すぐ使ってもいいようなものとして結構厚みのあるマニュアルを、粗々の案という意味での粗案を用意させていただきました。


 もし必要であれば、後ほどその内容につきまして防災担当部局からクラブの方にもご説明を申し上げたいと思いますが、この具体的内容は、先週も若干その骨子の部分は申し上げましたけども、まずはミサイルが飛んだという情報があったときに、それにどういうふうに対処していくのか、まず緊急的に退避をする。建物の中の安全な所とか、堅牢な建物に駆け込むとか、そういうことがあります。そのためには情報伝達は必要でありまして、Jアラート、あるいはエムネットでくる情報も含めてどういうふうにお伝えをしていくかというのが、まず、最初の段階であります。その後、ミサイルが着弾をした。それで着弾地点についての情報を国の方から得たり、それから国と一緒になってやる話になりますけども、ゾーニング[地域区分]をするんですね、危険区域という。それでこのゾーニングの設定をして、区域の中の立ち入りの制限だとか、退避だとか、そうしたことをまたやっていくわけであります。


 厄介なのは、核だとか、細菌兵器だとか、そういうNCBR[核物質、生物剤、化学剤、放射性物質]ですかね。そういう危険性の高いものかどうかということ、単なる[爆薬の]爆発したものか、そうでないのか、そこのところは検知しなければならない、調べなければなりません。そうした手順であるとか、そういうようにかなり内容について県として何をやるのかということを中心にして、一つの冊子にまとめたマニュアルをこの度、粗々の案、粗案として作成をしたというものです。それで、これを8月19日に各部局に持ってもらって、想定に基づく訓練、図上訓練をやろうということです。それで、まだちょっとここ上手くいかないなとか、こういうことも想定した方がいいんじゃないとかいろいろあると思います。そういうものを段々盛り込んでいきながら、これPDCA[計画、実行、評価、改善のサイクル]を回してバージョンアップしていきまして、最終的には年度[平成29年度]内に完成版にもっていきたいと思います。


 だだ、今、お話申し上げたところでお分かりいただけたと思いますが、実はだんだん進化させていくわけでありますから、もう既に一応の粗々なものは皆で共有できるわけでありまして、完成の日付はあまり大事じゃないと思うんですね。そういうものをお互いにもって、こんときは、私は何をしなければならないという役割分担をしっかりしていくこと、これが重要だと考えておりまして、まずはこうした粗案をつくること自体に私は意味があると思っています。







14 台湾遠東航空によるチャーター便就航決定の契機等 

○日本海新聞 北尾雄一 記者


 台湾のチャーター便のことでお伺いしたいんですけど、3点あります。遠東航空が鳥取、山口含めて鳥取に決めたその決め手はどういったところにあったというふうに認識していらっしゃいますでしょうか。それから、4泊5日のツアーが結局4回くるということになるんでしょうか。人数の規模はどれくらいに、マックスでなるのかということと、それから鳥取空国はこれまで、この前50周年の記念式典でも知事がおっしゃっていましたが、長年にわたり国際ターミナルが頻繁に利用されるような状況ではないということがあったんですが、今後、今回のプログラムチャーターが成功すればこの活用に向けてどんな可能性が出てくるんでしょうか。



●知事


 まずは使っていただいて、それで鳥取砂丘コナン空港、特に観光利用等には、米子鬼太郎空港はどちらかというと人口集積は鳥取よりは大きいんですね。ですから、すぐにそこ比較されてしまうわけですけど、鳥取砂丘コナン空港も観光利用的には砂丘であるとか、それから倉吉あたり、梨の花温泉郷であるとか、さらに但馬の方、[山陰海岸]ジオパークも含めて魅力もある地域でありまして、これ自体は評価されるところであります。だから、もっと空港活用がなされても国際的にもいいのではないか。特に関西へのアクセスの近さということもございますし、この度海の港と結び付けて魅力を高めようということをやったり、いろいろと手を打ってきたわけでありますが、まずは使っていただくことが大事だろうということです。今回の遠東航空さんは、以前も高雄とのチャーター便などを手掛けていただいておりました。かねてから私どもが働きかけをしていた航空関係者が、遠東航空のチャータープログラムの中心に入っていただいて、もっと本格的なものをやろうというふうに長く模索をしてきたわけです。


 ただ、なかなか正直実現に苦労したところでありますが、5月頃になりまして山口宇部空港とのペアリングによる方策というのが固まってきまして、それで急遽、実現の運びということになってきました。今お伺いをしているところではだいたい総じてトータルで1,000人ぐらいの規模になるのではないかなということでありますが、そのツアーの造成の仕方とか、今まだ進行中で話し合っているところでございますし、飛行機のことでありますので諸手続きもありまして、今、最終調整をしているということであります。こちらに4回入ります。それから宇部空港に4回入りますが、これがそれぞれ往復分のツアーを持っているわけですね。ただ、最初と最後のところは空荷の部分がございまして、それで、こういうかたちで4回ずつでありますので、7回分になるんですかね。そういう出と入りでのツアー造成でございますので、今どういう折衝状況かということも含めて、のちほど詳細は担当部局[ 観光交流局]の方からご説明を申し上げたいと思います。


 イメージとしては4回、4回それぞれ入って、それで最初は行きだけですけど、帰りは空で帰るにしても、その以降は、今度来たお客さんを今度旅に出てもらう。それで、入ってきて空港から台湾に帰るお客様が乗られる。これで行き帰りが、荷ができる。そういうロードになります。この行も帰りもロードファクター[座席利用]を入れて、それで4回ずつ飛ばすけれども、2回分は空荷であると、2回分は半分空荷であるというイメージでございます。そういうようなことでありまして、私どもの目論見としては、まずは使ってもらって、例えば[名探偵]コナンも台湾では魅力でありますし、台湾に限らず各地でも魅力であります。


 先般、今度週刊誌の連載としては記録になったということで、青山剛昌先生も報道されていましたけれども、それぐらいたくさんこれまで連載を重ねて定着をしてきている漫画の素材もありまして、空港自体もおもしろいと思うんですね。それから、その周りも周ってみていただくと食べ物にしても、あるいは観るところにしてもいろいろございまして、今回のようなインバウンド専門のチャーターがうまくいけば、他の航空会社にもこれだけ魅力があるデスティネーション[目的地]ですよということを売り込みやすくなると思います。今まで国際ターミナルがほぼ国際ターミナルとして機能していなかった。過去の鳥取県政の重荷になってきた部分でありますが、これを何とか局面を変えていく糸口を見出したいと思っております。







15 ふるさとワーキングホリデーの現状分析と今後の対応 

○日本海新聞 今岡浩明 記者


 はい、よろしいでしょうか。とっとり暮らしワーキングホリデーについてお伺いしたいんですけども、知事からも説明がございましたが、今エントリーが60人ぐらいということですが、一方で聞いている話では実際マッチングして入って来たかたというのは20人弱ぐらいと聞いております。この理由がなかなか伸びない、理由ですね、について伺いたいのが1つと、それからトータルでは300人規模で受け入れしたいということで事業を動かしていたと思うんですけれども、なかなかこの目標はほど遠い現状だと思うんですが、この分析とそれから今後の対応についてお伺いしたいと思います。



●知事


 これは、今年度初めて国全体でも取り組もうとしたところでありまして、内閣府の方もおっしゃっていましたが、300人という枠を用意してやるというのは鳥取県は非常に全国でも突出した受け皿を用意したということだとおっしゃってくれています。ただ、まだこういうワーキングホリデーという仕組み自体がまだ学生さんに浸透しきれてないというのが今おっしゃるような要因なのかなと思います。ただ、枠は用意していますし、予算もございますから、別にこれ夏休みに限るものでもありませんし、今おっしゃった19人くらい来ている以外のかたがたは今エントリー中のところでありますけども、それで今マッチングをしているわけでありますが、こういうマッチング作業など、別に秋でもそれから冬場でも可能なわけでありまして、今後もしっかりと募集をして、多くのかたがたに鳥取暮らし、プチ移住を体験していただき、鳥取で働く喜びというのも感じていただければなと思います。


 例えば南部町の方に入って来られたワーキングホリデーの方ですね、学生さん。NPOでまちづくりなどにかかわる仕事をされていらっしゃいますけども、延長してみたいぐらい住みやすいというような感想が出てきたり、来られた方はやはりこの仕組みには満足していただけると思うんですね。ただ、まだ外国ではこういうワーキングホリデーというのは非常に活発に行われていますけども、日本ではまだ始まったばかりの制度でございまして、要は観光地のあるところに行って、それでアルバイトのようなかたちにはなりますけども、お金を稼いでだいたい旅費も自分で得られるというようなことでやっていく、そんなようなことでありまして、非常にある意味お得な制度でもあるはずなんです。ですから、そこの良さというのが感じてもらえれば東京で3年生になった4年生になった、就職活動だということだけでなくて、いろんなところで働いて住んでみる経験を持ってもらえば、鳥取の良さをアピールする、そういうことにも貢献するのではないかと思っております。これについては、今後も精力的に、受け皿は用意してありますので、働きかけをしてまいりたいと思います。



○日本海新聞 今岡浩明 記者


 あえて伺いますが、精力的にとおっしゃられても、今60ぐらいの申し込みで、300までの枠ということで大分離れ、隔たりがあると思うんですけど、これを埋める努力というのはどういうふうに考えておられますか。



●知事


 例えば、大学との協力関係ということがあろうかと思います。ワーキングホリデーの制度に乗られる場合もあるし、実はインターンシップで同じようなことをされる場合もあります。今度初めての龍谷大学の農学部とインターンシップを始めることになりした。これは今月[8月]以降ですね、2班に分かれまして農業大学校だとか、それから園芸試験場とタイアップをして、将来的には就労に結びつくようなことを我々は目指したいんですけども、学生さんですから自らの人生を考えていただくわけでありますけども、大学の方では結局そういう実証フィールドがなかったり、体験もできないということでありまして、その場をこちらが提供するということのマッチングができたりしています。これは、龍谷大学との協定に基づいてやっているわけであります。


 先般、明治大学の理事長さんともお会いをしたときに、このワーキングホリデーを、仕組みをいろいろとご説明申し上げました。意外なほどに明治大学さんも知らなかったですね。ですから、こうやって地道に説明をしていったり、また、実は国の制度でありますので、国全体がこういうワーキングホリデーで送り出す責任も持っていますから、国の方でも積極的に今後動いていただく必要があるのではないかなというふうに思っています。社会的認知度の課題があるのかなと思います。


 300[人]という数自体は、実は市町村に照会をしまして、市町村がこんだけ受けられますよということで積み上がってきた数字でありまして300[人]集めなかったから、何か大変な問題が起きるというものではございませんで、むしろ受け皿を用意した、行きやすい県ですよということをアピールする、その材料かなって思っています。ですから、300[人]の100%達成にこだわるものではなくて、ただ1人でも多くのかたがたに鳥取に心を向けてもらえるように、私たちはこれを1つのツールとして働きかけていきたいというところであります。






16 東京五輪事前キャンプにおけるフランス自転車競技連盟の誘致見込み 

○日本海テレビ 前田俊博 記者


 知事、オリンピックの3年、大分近づいてきました。フランスの自転車、関係者2回目ということで訪れて来ましたけども、特にBMXなど施設面も見られたと思います。手ごたえの方いかがでしょうか。今後の見通しは。



●知事


 これはまだ途上でありますので、今、我々としてはフランスチームが鳥取にキャンプを決めてくれることを望む以上のことは現時点はございません。ただ、向こう[フランスチーム]のお二人の代表団と話をし、また見ていただき、それでいろんな話し合いをしてきたところでは、フランスチームは何らかのかたちで鳥取をキャンプサイトにする可能性は高まってきたと思います。ただ、そのやり方についてはいろいろ向こうも考慮されるでしょう。つまりフランスなりの事情があるでしょうし、特に、やっぱり世界のトップを目指す宿命にある国でありまして日本の相撲のような、あるいは野球のようなイメージでフランスのかたがた自転車という競技を見ていますから、そういう意味ではあちらもできるだけいいキャンプをやりたいという情熱も逆に感じまして、それに応えることができれば、確度はいよいようちも上がってくるということかなと思います。


 それで、BMX[バイシクルモトクロス][コース]もユニークな施設というようなことになりましょうし、この辺は向こうはアドバンテージを私たちに与えたと思っています。つまり国際標準のBMX[コース]ができたら非常に魅力的だということは率直におっしゃっていました。また、ロードやトラックなどについて、今回問題点の指摘はございませんで、あと食べ物のことなども含めましてキャンプの宿舎のこと、食事のことなど具体的な話をしたところであります。フランスは今バカンスのシーズンでありまして、みんなパリにいないという状況でございますので、このバカンスが明けたあと、本格的に協議を再開するということになるのではないかなと思っています。あと、オリンピックの関連ではジャマイカが今、世界選手権[第16回世界陸上競技選手権]で陸上を戦っていますが、110mハードルのみの金メダルということで今、今回は結構苦労しているようであります。そういう意味で、日本で、鳥取でキャンプをした後の北京の選手権[第15回世界陸上競技選手権]がすごく成績が良かったわけでありまして、鳥取キャンプの素晴らしさというのも逆に今、チームの方は感じてくれてるのかなと思います。こちらの方も世界選手権が終われば陸上の関係者とよく話もさせていただいて、キャンプ地としての確定を我々としては求めてまいりたいと思います。

 また一部報道がございましたのであえてコメントいたしますと、スポーツクライミングのJOC[日本オリンピック委員会]強化拠点につきましては、正確に申しますと[平成29年]2月に私どもの[鳥取県]山岳協会を通じまして、JOCの方に強化施設として指定する申請を出しています。まだその審査中でありまして、正直な話は今日までその結果はいただけておりません。ただ、我々としては3つの種目ですね、リードだけでなくて、ボルダリングやスピードの壁も用意をすることにしました。その予算を我々として準備をしたときに、このあわせてこのJOCの強化施設の指定を求めているわけであります。このことはスポーツクライミング関係者にも非常に高く評価をされていると思います。だからこそアジア大会が決まったわけでありまして、こういうようなことからしますと、我々しては好感触で期待を持っているというのが現状のところであります。






17 ジャパンディスプレイ経営再建における県の現状把握と対応方針 

○日本海新聞 今岡浩明 記者


 よろしいでしょうか。ジャパンディスプレイについて伺いたいんですけども、聞き及んでいるところでは鳥取工場ですけども、本年度の後半にも生産拡大、その車載用の液晶製品ですか、こちらのライン増強を行うというような事前の話だったと伺っておりますが、こちらの進展状況について県の方で把握していらっしゃるかという点と、それからその協定について、県や鳥取市も幾らかお金を出して支援していくということですけども、その増強計画ですとか、今後の経営戦略のいかんによっては協定を見直すというようなこともあり得るのかということをお伺いしたいと思います。



●知事


 それをまさに今、東入来会長や有賀社長といったトップマネジメントと面会をさせていただいて、我々としても話し合いたいというふうに思っているところであります。ただ、現場レベルで分かる情報もございまして、工場サイドとこうした一連の報道のなかで我々も状況を確認しておりますが、3月の段階で車載につきまして生産[拠点]を今千葉の茂原にもございますが、これを鳥取工場の方に持って来る。そして新商品の開発なども行っていくことがございます。この部分について今おっしゃるように、今年度[平成29年度]前半にだいたい作業を終えて、後半からということでありますが、現実にはこの4月から既に人間の移動も含めまして生産拡大に今向かってきておりますし、必要な投資も今進められてきておりまして9月には完了するというふうに、我々もそこは確認をさせていただいております。その余の部分につきましても計画どおり進められる見通しであるというふうに見ておりまして、3月に協定を結んだことはそのとおり今進んでいるのではなかいと思います。それで、私どもとしては、実はそうしたスマホ向けとかの液晶ディスプレイで今苦戦をされている、また有機ELを開発しようと思ったけども、サムスンが97%とか圧倒的なシェアで引き離されているとか、そういう分野とはまた別に車載という違ったジャンルでありますので、これが稼ぎ頭になるでしょうということで我々は申し上げているわけです。


 今回の経営再建計画のなかでは、こうした車載も棒グラフが示されていまして、棒グラフのなかでは売り上げに対するパーセンテージは飛躍的伸びるように今後計画を作っておられまして、これが鳥取工場ということになれば、鳥取工場はむしろJDIの全体のなかでは残して増強する拠点にもなり得ると思います。稼ぎ頭になれば、そこを軸に今後てこ入れをしていくということになりますので、私どもは報道のトーンとしては非常に厳しいものがありますが、ぜひJDIには経営再建をしっかりやっていただいて、そのなかで鳥取工場を活用していただく、そういう方向性を我々としては確かめていきたいと思いますし、応援をしてまいりたいと思います。






18 拉致問題における政府対応への所見 

○時事通信 滝野瀬雅史 記者


 拉致問題に関してなんですけども、今回、内閣改造で加藤大臣の続投が決まったわけですけども、その件に関して拉致の被害者家族から厚労大臣との兼務ということに関して不満だったり、対応できるのかといったコメントが出ています。そのあたり、米朝の緊張関係が高まっているということを踏まえまして、知事のご所見を聞かせください。



●知事


 この大臣の組閣の件は、権限は[安倍晋三]内閣総理大臣が一元的に持っておられますので、それは総理が全責任を持って任命をされたものだというふうに受け止めています。大切なのは結果を出すことだと思うんですね。その本気度を見せていただきたいと思いますし、むしろ家族会[北朝鮮による拉致被害者家族連絡会]の皆さんは、今おっしゃったようなこともございますけども、北朝鮮リスクが高まってきていていろいろと国際情勢が変わってきているというのはむしろ拉致問題解決にはプラスに作用すると見ておられるんですね。ですから、我々としてむしろここをポジティブに捉えて、今日、[伊木隆司 米子]市長と[ 内閣府に]緊急要請をさせていただきたいと思います。長坂政務官も政務の一角でありますので、そういう意味で役割を果たしていただく重要なキーパソンだというふうに思っております。



○テレビ朝日 後藤龍彦 記者


 他にありますでしょうか。なければ終わります。ありがとうございました。



●知事


 ありがとうございました。





  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。


最後に本ページの担当課    鳥取県 政策戦略本部 政策戦略局 広報課
    住所  〒680-8570
                 鳥取県鳥取市東町1丁目220
    電話  0857-26-70200857-26-7020
         ファクシミリ  0857-26-8122
    E-mail  kouhou@pref.tottori.lg.jp

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000