防災・危機管理情報

知事定例記者会見(2017年4月13日)

平成29年4月13日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約89分) ※MPEG4形式

  

1 知事就任10年を迎えて 

●知事

 皆さま、おはようございます。今日、4月13日をもちまして、ちょうど10年前、私が鳥取県知事に就任させていただいてこの日を迎える10年目の節目となりました。ここに至るまで県政記者クラブの皆さまはもとよりとしまして、県民の皆さま、さまざまな地域のかたがた、関係者のかたがたのご理解とご支援をいただきましたこと、まずもって感謝を申し上げたいと思います。振り返ってみますと、もともと従来の改革、県政というものを引き継ぎながらも、それまでの県政では果実に結びついていない改革であったのではないだろうか、むしろ地域や県民の皆さまの発展につながるようなそういう改革の果実を出すことを目指しまして、当初、次世代改革、改革の次世代の改革を唱えさせていただきました。その後、未来づくりであるとか、元気づくりであるとか、そのときどきの課題を掲げさせていただきまして、県政推進のエンジンを何とかかけていこうと奮闘してきたところでございます。

 

振り返ってみますと、さまざまに数字にも表れてくるようなことにはなってきたと思います。最近、地方創生で注目されています外国人宿泊客の数でありますと、私、就任したころは1万5,000人レベルでございましたものが、今、10万人を超えてきておりまして、7倍ぐらいの規模になってきました。観光客の実数でも900万[人]台であったものが、今、1,030万人というふうに人数も増やしてきておりまして、だいたい12%そこらへ伸びているかと思います。高速道路も県内での、整備も着々と進み、このたび北条道路の高速道路化も固まったところとなり、山陰[自動車]道全通も見えてくることとなりました。私が就任したころは全国最下位を宮崎[県]と争っていたわけでありまして、50数kmの延長であったものが、今、130km以上に伸ばしてきているところでございます。こうしたことが背景になりまして、移住者もだいたい6,000人を超える規模に今まで膨らませてきました。従来は移住行政というのは県政で関わらないということでありましたが、平成19年に手前ども鳥取県人口が60万人を切ったことで、それを反転させなければならない契機としまして、従来とは違った移住誘致に取り組んだところでございました。

 

また、活力を伸ばしていく中で大切になるのは本県の場合、農林水産業であっただろうと思っていました。そういう意味でカニのブランド化なども進めたわけでございますが、これも単価が就任時よりも上がってきております。特に値上がりしたなと思いますのは、和牛の世界でありまして、今、和子牛[セリ平均価格]、これがだいたい40万[円]くらいであったのが、平均でも80万を超えるところにきていまして、月によっては、月平均100万円を超えるセリもあるようになってきております。このための種雄牛造成なども陰では関係者のご理解、ご支援いただきながら進んできたところでございました。こういうようなこともございまして、農業生産額自体も膨らんできたところでございました。

 

こうしたことと合わせて大切なのは安心軸、活力軸と合わせて安心軸を伸ばしていくことだと思ってまいりました。そういう意味で子育て支援を県政の中核に据え、子育て王国推進ということを県政の中心課題にし、その組織も設置をしてまいったわけでございます。そういう中で合計特殊出生率も1.65に急成長させることができたかなと思います。障がい者福祉の観点では全国に先駆けまして、障害者差別解消法の先取りをした、あいサポート運動を展開をし、さらに[鳥取県]手話言語条例の制定を行いました。手話通訳の派遣事業[件数]などを見ますと、就任したころ年間69件ぐらいでありましたものが、今ではそれが飛躍的に伸びてきておりまして、皆さまも日常こうした手話通訳の現場、この記者会見も含めてご覧になるようになったのではないかと思います。こうしたことなど、安心軸も増やす、伸ばしていこうということをしてまいりました。非常に難しかったのは鳥取県政は正直、財政基盤は脆弱であります。それで、今もって財政力指数は下から3番目、これは変わらないわけでありまして、税収構造がやはり弱いというところでございます。もちろん地元企業の成長を進めようと、経営革新という新しい鳥取県型の中小企業振興対策を進めたり、また、企業誘致も活発化させてはきましたけれども、それでも東京や大阪など大都市部と比較するとかなり財政基盤としては見劣りがする内容にならざるを得ないところであります。

 

ですから、むしろ仕事のやり方を変えようということで、この辺の処方箋を書こうとしてまいりました。財政誘導目標を作り、それに基づいて借金は増やさない、減らす。そして貯金は減らさないということをやり、黒字のプライマリーバランス[の黒字]化も図ってきました。従前は、プライマリーバランスは赤字が常態化しておりましたけれども、今、例えば今期であれば11億[円]の黒字プライマリーバラス予算を組ませていただいたところであります。総額でも1,700億円を超える行財政改革を進めた結果、経常収支比率も、今、全国4位とこれも急上昇することになりました。こういうようにかなり切り込んだ県政改革を何とかやろうと、県庁組織はもちろんのこと県民の皆さま、企業やいろんな団体、市町村とタッグ組んで進めてきました。小さな地域でありますので大きなところのように放っておいても物事回るということではありません。従いまして、例えば先程の和牛の例でもそうでありますが、現場の農業者の皆さまと心を1つに和牛改良を進めようということを展開をするなど、今、鳥取県型の県政改革を地域のネットワークの中で生み出してきたということだと思います。人が見えるネットワークがあることが大都会と違った鳥取県らしさであって、これを活かすことができれば勝機はあるというふうに考えてまいりました。

 

ただ、まだまだ10年を経ましても課題はたくさんあります。やはり経済の活力など都会地と比べると乏しいところがあり、これはどうしても若者の流失に繋がっているのだと考えております。今も奨学金制度であるとか、地場産業振興なども進めてはいますけれども、道半ばというところだと思います。また、安心して暮らせる社会でも国全体で低所得者層が広がっていることが課題になっています。これも予算を増やしながら進めてまいりましたけれども、道半ばであろうかと思います。このように活力軸、安心軸それぞれに課題が残されています。行財政の基盤という観点でも残念ながらこの度300億円の基金を割り込む状態で当初予算を組まざるを得ないということになりました。私も10年間担当しておりまして、初めての事態ではありますが、背景には地震や雪害など災害需要が膨らんだことがございます。何とかこうした財政基盤も整えながら、残り2年間活力軸と安心軸両方の発展を目指してやってまいりたいと思います。皆さまがたの倍旧のご支援とご叱声ご鞭撻を賜りますよう、改めてお願いを申し上げる次第であります。




2 規制改革会議 

●知事

そういう中、県政を変えていく1つの機軸として今年度[平成29年度]は[鳥取県]規制改革会議を立ち上げることといたしました。本日[4月13日]から規制改革会議の民間委員の公募を始めようと思います。2名の公募枠、その他に有識者がそれぞれの、例えば業界、商工関係だとか、福祉関係だとかそういうところで有識者になっていただこうと思いますが、そうした公募枠も用意をしまして今日[4月13日]から募集をしていこうと思います。もっと開かれたそれで使いやすい県政というマシーンを作っていかなければなりません。規制がその足枷になるのであれば変えていく必要があります。



3 組織の活性化に向けた職員採用 

●知事

また、小なりといえども人材を県庁の中で養成をし、また採用も含めて対応しながら県庁の能力を上げていかなければなりません。小さい県庁だから仕事ができないということではいけないわけでありまして、むしろキラリと光る人材を育てていかなければなりません。この度も新規採用を行ったところでありますが、女性の比率が42%ということになりました。年々これ上がってきて過去最高の比率となっております。また、今回は全国でも初めて精神障害のかたの採用も1名実現をしました。募集をしまして、こういう採用をするというのも初めてでありまして、まだ、スタートしたばかりの年度でありますから、これから十分にフォローをしながら、こうした新しい人材も育てていかなければならないと考えております。また、地域おこし協力隊員の採用も今回誕生しました。これは従来の地方創生枠という人材採用を地域おこし協力隊も採用しやすいように、そういう枠を作りまして今回試験募集したところでありますが、江府町の方で地域おこし協力隊やっていたかたが今回県庁職員として勤務を始めたところであります。地方創生の展開を図ってく上でもこうした新しい風というのが役に立っていくのではと期待をするところであります。

 

すでに、平成30年度に向けた採用計画を作り、職員募集を始めなければならない時期になりました。4月17日に人事委員会が開催されるということになりましたので、そこに私ども執行部の考え方をかけさせていただこうと思います。やはり時代の展開を踏まえた職員増というのも必要だと思います。そこで、本県では今、採用拡充をしてきている民間企業の経験者、民間の職業経験者の採用枠の中で、観光振興、また情報発信や広報、それから鳥取のブランド創造、こうしたそれぞれの分野につきましてもそうした経験があってやってみたいという全国のかたを募集していきたいと思います。それぞれ当面1名枠用意をして、もちろん試験の実績を見ながら民間採用の枠の中で対応していきたいと思います。

 

また、福祉関係の職員採用も年々行っているところでありますが、その中で、手話コースをまずは1名程度創設してみようと思います。試験のやり方として手話の能力ということで、それを1つの、もちろん人物本位でありますので、面接試験等も当然あるわけでありますが、手話の能力というものも試験の対象としてやっていく、これも全国で初めての形態になると思いますが、手話言語条例によって手話を使いやすい地域づくりを目指す鳥取県として、職員採用の新しいかたちとして新年度[平成30年度]そうした形態を人事委員会の方に提案をさせていただきたいと考えております。このようなことなど含めて、ちょっと今、まだ集計中でありますが、80名は超えていくような、そういう採用枠を今、積み上げて最終的には試験募集にかけてまいりたいと考えているところでございます。




4 鳥取市の中核市指定にかかる県知事の同意申し入れ 

●知事

行政のシステムということでは市町村との連携は鳥取県政の新しいやり方として、この10年ベクトルを変えた1つでありました。それまでは市町村の方で自立をするというスローガンの下に、県の方はパートナーシップを弱めた状況がございました。そこを転換したことの1つの証として、私としては昨日[4月12日]ご提案がございました鳥取市の中核市構想に考え方として賛同しているものでございます。これ、深澤[義彦 鳥取]市長ご就任の当初の話し合いのときから、県政として選挙中に訴えておられた中核市構想ということを進めようというのであれば協力を考えていきたいと申し上げてきたところでありました。これまで3年ぐらいに亘りまして実務協議もしてまいったところでありますが、いよいよ昨日[4月12日]、深澤市長が議会の同意を得ながら、県の同意という協議を持って来られたわけでございます。早ければ6月議会にはその同意に対する回答を執行部としても出させていただいて、議会のご判断を仰ぎたい、議会との協議を進めたいというふうに考えております。

 

ただ、全国にもあまり例がない大がかりな中核市になるわけであります。その要因は保健所の問題がございまして、これが非常に悩ましいところでございます。通常、中核市になって、保健所設置市というふうになられるところは、もともと人口規模がある程度大きなところでありまして、都道府県においても保健所をもともと設置していたものが看板がかけ変わって市町村に移行するというのが大半でございます。今、初めての例外のようなかたちで神奈川県の方で、茅ヶ崎市だったと思いますが、例が生まれようとしているわけでございますけども、それも決して規模の大きなものではありません。本県の場合、鳥取市が中核市に移行しますと、実は1市4町[鳥取市、岩美町、八頭町、若桜町、智頭町]が東部の、従来の保健所管轄でありまして、残る4町のところを、じゃあ、小分けして、極々小規模な保健所にするかどうかということになるわけでありますが、ただ、そうしますと人材の確保の面であるとか、それから十分な行政サービスであるとか、そうしたことで小さな団体なりの悩みなんですが、難しくなってしまう。持続可能で行政サービスを展開・発展していこうと思いますと、ある程度のスケールメリットも当然ながら付けておかなければなりませんし、それが住民サービスの従来の維持確保にもつながるわけです。

 

ですから、今の鳥取県が持っている保健所を割ってしまって、それで2つの保健所にしてしまうよりも、1つの保健所のまま機能させた方がいいのではないだろうか。なんとなれば現在も鳥取市内にそうした保健所があるわけでございます。ですから、従来との行政の連続性においても、その方が分かりやすいし、使いやすいということになろうかと思います。そのため、保健所移行をどういうふうに実践的に進めるかが課題になるわけでありまして、これもこれまで鳥取市側と協議を進めてきましたが、いよいよ同意を求める申請が来ましたので、もうタイムリミットが到来しました。最後の直線コースにその検討も入ってきたわけでありまして、ラストスパートとして、県庁の中に本日[4月13日]をもって保健所移行実践検討チームを設置をしたいと思います。

 

これは福祉保健部長や生活環境部長など関係組織が一緒になりまして、円滑にそうしたことを進める手立てというのを考えなければいけません。人材の面であるとか、また、鳥取市が今回やることになれば、当然ながらその職員さんの研修といったことも出てくるわけであります。また、さまざまな懸案事項の引き継ぎといったことも出てくるわけでございます。その辺を速やかにこれから整理をして、それで説明責任を果たせるようなかたちで、6月の県議会を迎える必要があるかなと思います。また、従来からこちら当方サイドは統轄監、それで鳥取市サイドは副市長[羽場恭一]さん、そのトップの下に実務的な協議組織を持っていますが、その中にもこういうような観点でワーキンググループを設置する必要があるのではないだろうか。鳥取市側とも体制を整えて、大きな課題についてこれから速やかに整理検討を進めることといたしたいと思います。




5 岩美町における児童虐待死亡事案への対応 

●知事

また、昨日[4月12日]は岩美町で起きました残念な[児童]虐待死亡事案につきまして、レポートをいただいたところであります。非常に特殊な事例かなと、昨日[4月12日]そのレポートを拝見させていただきまして感じたところではありますが、ただこうしたことが鳥取県内で現実に起きているということに向き合わなければいけないわけであります。そこで6月県議会に予算措置も含めて協議をしてみる必要があるかなと思います。1つは、相談支援機関のあり方ですね。それで今、実は鳥取県では福祉保健部局が東中西ございますけれども、こちらが相談窓口になりまして、女性の健康支援センターというものを設置しています。実はここがこうした事案に相談できる窓口であります。また、助産師会さんが「とりともっと」という相談窓口を作っていただいております。「とりともっと」さんとで、だいたい年間300件ぐらい、それで私どもの女性健康支援センターでだいたい年間40件ぐらい今も相談を受けて、個別の非常に微妙な問題も含めて支援に当たっているというのが実情であります。この他鳥取市さんでありますとか、もともとこういう分野というのは市町村が中心になって対応すべき分野ということもございまして、鳥取市など独自の相談支援窓口を設けているところもございます。

 

それでこういう支援のあり方がもっと強化できないだろうか、この辺はやはり現場のご意見なども入れてどういうかたちがいいのか、やはり専門家のネットワークも当然ながら必要になりますし、今回の事例で言えば、地元の自治体も子育て支援やこうした女性の支援に基本的には熱心な自治体ではあるんですけども、だから、従来からお付き合いしているような保健師さんだとか、これは該当者の気持ちの問題でありますけども、そういうことは相談しにくい、逆に小さな鳥取県であるが故に、市町村の中で相談しにくいという面もあったのかもしれないと拝察いたします。ですから、そうしたあり方について、相談支援等のあり方について検討会議を設置する必要があるかなと思いまして、これについてはちょっと専門家の考え方も今後聞きながら6月県議会に関係予算を提案していきたいと思います。

 

また、昨日[4月12日]の調査委員会の皆さんもご意見おっしゃっていましたけれども、そういう従来からの窓口はあるんですし、それから乳児院も含めて社会資源もあるわけでありますが、それについてこう悩んでいる女性にその情報が届いていないんではないだろうか。ですから、これにつきましてもそうした啓発事業とかPR、例えば薬剤師さんのところ、薬局の方にそういうパンフレットとか置いたり、要はこっそり自分なりにこう勉強して見られる場所ですね、そうしたところへの配布など、従来とはもっと濃密な情報提供をやっていく必要があるんではないだろうか、こうしたことについて予算措置を6月県議会の中で持っていければなと思います。

 

また、今でもできることもあります。例えばウェブサイトの改善等、今回もそうしたウェブサイトへアクセスすることはあったようでございまして、そういうウェブサイトなどの改善充実、こういうことは早速にも取りかかるように指示をさせていただいております。こういうふうなことなどをやりまして、迅速な対応に結びつけていきたいなと思います。




6 北東アジア地域政府サミットの成果、江原道地域政府とのクルーズ船の運行 

●知事

この度、[第22回]北東アジア[地域国際交流・協力]地方政府サミットが開催をされました。これによりましてロシア、モンゴル、中国、韓国、そして日本、それぞれ自治体が集まりまして意見交換をし、今後、経済交流や観光交流を発展させることと、震災からの復興など災害対策をお互いに情報共有をしたりして強化していこうという合意が得られたわけであります。それで、早速ロシアとは個別の協議も覚書としてその日まとめさせていただきまして、企業間の協力事業なども始まる運びになりました。

 

また、会議の中で示されたのは、崔文洵(チェムンスン)韓国江原道知事、またロシア[連邦沿海地方]のミクルシェフスキー[ウラジーミル]知事からも報告・提案がございました。その後、終わった後ですね、情報をいろいろと今、総合して意見交換を続けているところでございますけれども、具体的には5月5日に、束草[ソクチョ]を出てウラジオストクに寄りましたコスタ・ビクトリア号が本県、境港に入港することとなりました。それで、これを含めて5航路ぐらいにわたりましてやっていくことになるのかなと、それで、だいたい7月くらいまで同じような、いろいろと立ち寄り先は若干変わりますけども、境港と束草港、これを含むクルーズ船がグルグル回るということになります。また、これのうち、特に前半は連続してやってくるような、そんなチャーターになります。特に5月5日は連休時期でございまして、おそらく韓国のお客さんが多いんではないかなと、今までの情報を総合してみますと感じられます。それで、今、その時期、日本では宿が取りにくい時期でありますが、クルーズ船であれば宿泊しながら鳥取県内も見ていただけるということになろうかなと思います。

 

そこで、韓国江原道の方からですね、ロシア沿海地方を経て、平昌オリンピックに向けて成功をぜひ作り上げていこうと、それで、観光交流を進めていこうと、そんなようなメッセージもそれぞれ持って回りながら、ここ境港にも寄港してもらう、そういう今、仕組みを話し合っているところであります。それで、5月5日にはその記念式典を、コスタ・ビクトリア号船内で行うことにしようということになりました。




7 平成28年度国内航空路線搭乗者数実績 

●知事

空港につきましては鳥取[砂丘コナン]空港、米子[鬼太郎]空港、それぞれ過去最高の東京便の記録と昨年度[平成28年度]なりました。集計がまとまりました。ただ、鳥取空港につきましては、これは若干まだ目標としては上を目指したいところでありまして、特に、5便化維持に向けては今年度[平成29年度]が勝負どころとなる年回りになります。全日[本]空[輸株式会社]との約束事もございまして、国の方の[政策]コンテストがどうなるかわかりませんが、政策コンテストに臨んでいくために結果を出さなければならないということであります。また、米子空港につきましては全日空の東京便として過去最高になったところでありまして、ボーイング787の山陰初の就航、こうしたことなどで、さらに旅客需要の創造に努めていくことになります。

 

そのうち鳥取空港につきましては、これ鳥取空港のビルディング会社との意思決定も得ながらということになりますが、改修計画をこの度取りまとめることとなりました。具体的には、飲食物販スペース、これが従前ですと140平方メートルくらいでありましたものが、これを第1ターミナルと第2ターミナル、すなわち国際会館と従来の鳥取空港ビル[株式会社]が経営している建物、これをつなげてその渡り廊下だったものを全面的に1つの建物にまとめる絵を描きまして、これを空港ビル会社の意思決定の同意を得て、いよいよ着工に結びつけていこうという段階になりました。570平方メートルの物販、飲食ということになりますと、仮にこれが実現すれば米子鬼太郎[空港]並みの物販、飲食スペースということになります。また、待合スペースにつきましても、これも空[港]ビル会社のご協力も得ながら拡張できればというふうに思います。併せて、これから空港ビルの経営につきましても、民間主体の経営ということ、国際会館に今なっている公共スペースも含めて転換していくことはできないだろうか。こうしたことを今後出していきたいというふうに思います。さまざまその乗降客の確保対策を進めながらやっていければというふうに思います。




8 山陰デスティネーションキャンペーン 

●知事

これから春、そして連休シーズンに向かっていくわけでございますが、いよいよ[トワイライトエクスプレス]瑞風もその姿を東浜の駅に現しまして、非常に、期待も高まってきたところであります。来週19日には、これは水曜日ですね、この度デスティネーションキャンペーンの山陰の協議会を立ち上げる運びとなりました。JRはもとよりとしまして、観光関係者、それから溝口[善兵衛島根県]知事と一緒に米子の全日空ホテルにおきまして、この度、そうしたデスティネーションを始めることになりました。それで、このうち今年度[平成29年度]は7月~9月のところでプレキャンペーンを打ち、それで、新年度[平成30年度]が本格キャンペーン、その後がポストキャンペーン、3年仕立てで進めていこうということになります。いずれにいたしましても、こうした観光・誘客などしっかりと進めていくことによりまして、いい鳥取県の発展の方向性というものを、10年目の節目にはなりましたけれども、育てていければというふうに念願をいたしております。私の方からは以上です。




9 国内航空路線の利用促進 

○NHK 吉村美智子 記者

 

 では各社質問をお願いします。

 

 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

  すみません、観光の関係のことなんですが、まず、確認をさせていただきたいんですが、鳥取羽田便、それと米子発羽田便、昨年度、過去最高の実績ということですけども、搭乗者数の数字というのを教えていただけますか。

 

 

●知事

 

 細かい数字は、今、じゃあまた配布をさせていただきます。鳥取空港が37万人ぐらいでしたかね、米子も50数万人ぐらいでございまして、ともに対前年伸びております。それで、米子の方は全日空の東京便という観点でありますけども、全日空の東京便として過去最高になっておりますし、鳥取の方は、これは今、東京オンリーでありますけども、それにつきまして過去最高ということになりました。

 

 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 政策コンテストで16年度、17年度、目標を立ててやっておられると思うんですけども、16年度、昨年度の目標が36万人で今年度の目標が37万人ということのようですけれども、まず、昨年度の結果についての受け止めを改めてお願いします。それで、成果と課題も併せてお願いします。

 

 

●知事

 

 その目標との関係では、ちょっと厄介なんです。要は、無料搭乗者数っていうのがあるんですね。それでそれを引きますと、もうほぼほぼ、目標は満たしたんですけども、全日空とももちろんやり取りも必要ではありますが、ちょっと足りないねというふうに先方は言うのかなと受け止めております。従いまして、今年度[平成29年度]こそ勝負の年になりますので増やさなければなりません。そこで、鳥取空港開港50周年記念キャンペーンをやろうと。それで、これによりまして、特別な割引クーポンを発行していうことに、今いたしております。また、実はもともと政府の方に提案していたところでは但馬の利用、この拡大を1つの発展のゾーニングとして考えていたわけでありますが、これをもっとちゃんと実績を出していかなければならないということもございまして、お子さんに対する割引ですね、これも実は鳥取県内の人対象の事業があるんですけども、これを同様のかたちで1万円の助成制度というようなことで但馬方面にも広げていこうと。この辺、鳥取空港の利用促進懇話会[鳥取空港の利用を促進する懇談会]と一体化してそうしたキャンペーン事業を進めていこうと考えております。

 

また、最初の第1便がどうしても朝早くて、皆さまもご承知のとおり、搭乗率という面では厳しさも出てくるわけでございますけれども、これについて促進を図るためのワンコイン朝食サービス、500円で鳥取のじげのおいしいものが食べられますよっていうサービス、これを展開をする、いろいろとこんな手を尽くしながら、今年度[平成29年度]やはり搭乗率が見えないと仮に政策コンテスト事業が継続するとしても、私どもとして約束の達成の説明責任は果たせないことになってもいけませんので、しっかりと事業拡大をしながら鳥取空港の搭乗確保を図っていきたいと思っております。

 

 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 すみません。そのキャンペーンっていうのは、新たな予算を組んでやられるのか、それとも、もう当初予算に盛り込まれているのか、どちらですか。

 

 

●知事

 

 これについては[平成29年度]当初予算の中でこの利用促進の事業がございまして、それを具体的にアプライ[適用]していく、そういう事業展開を、今、しようとしております。

 

 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 それとすみません。新年度から利用促進に向けた担当課を交通政策課から観光戦略課の方に移行されたかと思うんですけども、そういった体制を再編された狙いっていうのを教えてください。

 

 

●知事

 

 はい。従来ですね、結局、この便はこちら、この便はこちらっていうようなことで、やや縦割りになっていた面がございました。ただ、実は利用促進の当方であると、1つはもちろんビジネス客もあるんですけども、最近、実はこうして過去最高を記録できたのは観光事業が伸びてきているからです。ですから、観光事業と一体化させながら利用促進を図っていく、これがターゲットになってきたかなと考えまして、従来ですと、航空会社との関係づくり、これに主体をおいていたんですけども、観光旅客の創造と、創造拡大とこれとセットにした利用促進の方に重点をおいた方がいいのではないだろうか。従いまして一元化をしまして、これは交通政策の知見も組織的には統合しながらやっていくということでありますが、観光交流局の方に移させていただいたということであります。





10 朝鮮半島情勢への対応 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 

 すみません。よろしいですかね、危機管理についてお話伺いたいんですけども、朝鮮半島情勢ちょっと緊迫しているような感じがします。アメリカが場合によっては北に対する武力的攻撃も辞さない姿勢を見せているんですけれども、知事はこの事態をどのように受け止めて、どのような、仮に有事になった場合、どのような鳥取県として対応をされるのかということをお聞かせください。

 

 

●知事

 

 はい。この度[4月6日~7日]、米中首脳会談がフロリダで開催をされ、その後また[4月12日]電話で米中首脳会談が行われる。これ恐らく異例のことだというふうに受け止めております。それで、また北朝鮮の海域を念頭におきながらアメリカの空母が動いている、そういう中、日本の安倍総理も電話でトランプ大統領と会談[4月6日、9日]をするなど、従来とは違った動きになってきているところでございます。ですから、これについて私どもとしては先般ミサイルの対策会議を持ちましたけれども、緊張感を持って組織として対応するようにというふうに、今、示達をさせていただいたところでした。現実にも今、情勢は動いているのかもしれません。これについては、シリア情勢も片方ではありまして、なかなか私どもとして見通せない状況もあるところであります。

 

これはもちろん仮定の話でありますので、そこは前提を置いて聞いていただいた方がいいと思いますが、もちろん何か有事ということに当然なれば、当然ながらその時は国民[保護]法[武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律]事態になりますので、その訓練もこれまでやってきておりますが、そうした権限発動等も含めて、これ政府の方に大きな権限はありますけども、都道府県の方でもそれに協力していく仕事が出てきます。そういうことも当然ありますので、私どもとしても、その辺の手続きについて、手続きややるべきことについては、今、ちょうど人事異動があったところでありますけども、改めて徹底をしておくというのが1つかなと思っています。ただ、これは仮定の議論であります。

 

あと、心配はそれだけではなくて、他にも当面及んでくるところもございまして、実は、明日[4月14日]、国の方に要望活動に行くことにいたしておりますが、今、関係県とも話をまだしているところではあるんですけども、こうした緊急な動きがあるということで、拉致被害者対策についての知事の会議[措置被害者を救出する知事の会]がございまして、これ埼玉県の上田会長[上田清司埼玉県知事]、それから新潟県が事務局をとっているんですけども、私自身も一緒になりまして加藤[勝信拉致問題担当]大臣に緊急事態を踏まえた要請行動ということをしておこうということにいたしております。北朝鮮に取り残された人たちの安全の確保であるとか、それから拉致被害者が今なお拘束されているという事態の解決が一向に進まないなか、ご家族も焦燥感を強めておられるわけでありまして、こうしたことの解決をきちんとアメリカ等々も含めて対応策をとっていただかなければならないというようなことなど、現在の状況に即しながら加藤大臣に私自身も話に行きたいと思っております。

 

これは、主催は拉致被害者対策についての知事会でありまして、会長県は埼玉県上田[清司]知事ということになり、明日[4月14日]の夕方要請行動を行うことにいたしております。また、あと注意しなければならないのは、今日[4月13日]未明ですかね、[1ドル]108円まで円高が進んだということもございました。やはり今、アメリカの方では危機感の高まりが数値化されていますけども、それが高まってきたという状況もございます。そこにトランプ大統領が円安への懸念という表明もあったりしまして、円高に今ふれて110円を割り込んできているというのが今日[4月13日]朝からの状況でございます。これは少なからず北朝鮮の情勢というのも絡んでいるのかなと思います。これについて、私ども[平成29年度]当初予算で国際経済変動対策というものを組んでおりまして、これによってそういう円レート等で経済的な影響というのが今後出てくるかもしれません。これについては、緊急的な低利融資であるとか、そうしたあるいは新しいビジネスの枠組みを作るときの支援制度、こうしたことを臨機応変に発動してまいりたいと考えております。

 

 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 

 すみません。これ先ほどもおっしゃったかもしれませんけれども、国の所管事業が結構多いとは思うんですけれども、今、大きくされる施設というか、例えばというのは何か想定されていますでしょうか。それとさらにはその想定に基づいてどのような準備を進めていらっしゃるのかということを。

 

 

●知事

 

 これについては私どももどういうふうに事態が展開するか分かりませんので、いついかなることがあっても対応できるようにということで、危機管理の基本方針というのを作っておりまして、その時の対応マニュアルも作成をいたしております。ですから、それを今、ちょっと人事異動で[体制が]改まりましたけども、職員に徹底してもらうというのがまずは第一かなと思いますし、市町村の方にも改めてそういうことは、人事異動の季節でございますので、求めてまいりたいと思います。本県の場合、何かここは特定のどうのこうのというようなことは国全体で想定されているわけではありませんが、ただ、日本海側に面しているということでありますので、船舶等々もございます。連絡体制であるとか、万万が一の時の行動指針、この辺をよく確認しておくというのが現段階だと思っています。

 

 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 

 だから、それは職員の方にもう指示はされているという。

 

 

●知事

 

 これは1つ引き継ぎの中でやっておりますが、改めて、ちょうど今朝[4月13日朝]ぐらいが、今、事態が動いていますので、徹底しておきたいと思います。




11 職員採用計画 

○日本海新聞 今岡浩明 記者

 

先ほど職員採用の件について説明がありましたが、来年度ですね、来年度採用80人超える見込みということで、結構な人数になるかと思うんですけれども、県庁内の年齢構成見ますと、確か55歳以上の層が大きな割合を占めるかというふうに聞いておりますけれども、この採用枠の増加傾向というのは、今後も続くというようなお考えなんでしょうか。

 

 

●知事

 

 これは、実は採用というのは非常に景気変動とある意味反射的に連動してくるところがございまして、公務員採用は皆様にとってちょっと本当かなと思われるかもしれませんが、景気がいい時は公務員採用は難しくなります。それで景気が悪い時むしろ公務員採用ですね、応募がふえてくる傾向がございまして、特に私どものような地方の自治体の場合、そういう傾向がございます。実は、今年度[平成29年度]の採用、先ほど申し上げましたけれども、111[人]ですかね、非常に多くなりました。研修所に入りきれないぐらい新規採用職員がいたわけでございますが、これはどういうことがおきたかといいますと、その前の年[平成28年度]にちょっと採用しそこねた面があるんです、正直申し上げて。内定していましたけども県庁職員が、しかし民間の方の企業の方に行ってしまったと、これやはり中小企業と大企業の取り合いみたいなのと同じことがおきるわけでありまして、そこで人数不足気味なところを、それを今度[平成29年度]採用したというのがあって、今年[平成29年度]111名ですか、ちょっと多め、例年に比べて大分多めになっています。それで、新年度[平成30年度]は自然体80前後かなと思いますが、ちょっと今まだ精査中でありますけども、そういうことでありまして、片方で今おっしゃるような職員構成で退職されるかたもいらっしゃいますし、また、新しい行政課題に即した人材配置のための採用ということもありますし、例えば今年度[平成29年度]で言えば、原子力災害対策ですね、専門職員というのを昨年度[平成28年度]の試験で採用しているということがありますけども、そうしたことなど、臨機応変にやっていく必要があるということです。うちの場合、実は退職の山はまだこれからくるわけでございまして、普通の自治体はどちらかというと、今、団塊の世代卒業の時期なんですけども、ちょっと我々のところは山が違うところがあります。ですから、まだ退職者はこれからまだ増えていく傾向がございまして、この辺は採用増の圧力につながるとは思っております。ある程度一定の職員規模、即ちスリム化の県政ということを念頭に置きながらではありますけども、採用の確保というのは、これから数年間は課題になってくると思っております。

 

 

○中国新聞 小畑浩 記者

 

 その採用の件ですけども、先程も民間との、いわば取り合いという話もあったと思うんですが、これまでの行財政改革の中で職員の給与体系も改革をしたりとかして水準が下がったりという一面もあると思うんですが、それが今後の採用活動に影響する懸念とかそういうことはないのか、考えを聞かせていただけますか。

 

 

●知事

 

 これはちょっと逆説的に聞こえるかもしれませんが、私の1つの認識としては、公務員を志望されるかたは企業思考のかたとちょっと違いがあるんですね。つまり、お金儲けというか収入のこと、いわゆる企業で利潤を上げるということ、それよりは自分の、もともと我々英語で言えばパブリックサーバントでありまして、全体の奉仕者として公のために働こうというタイプの人生観の人たちが実は公務員集団だと思っています。ですから、とっても暮らせないとかいうことなら別なんですけども、そうでなければ処遇の若干の違いだけで、あっちの企業を選ぶとか、あるいはこっちの自治体を選ぶとかいうことではたぶんないんだと思うんです。鳥取県の場合、どちらかというと最近、全国の自治体の中では一生懸命やっているなという自治体と見られているところでありまして、県外でも遠くの方からこちらに採用試験を受けて来られるかたは決して減っているわけではありません。

 

それで、私どもの給与体系は広島[県]等とちょっと違いがありますのは、長年のいろんな職員の皆さんとのやり取りの結果ではあるんですけども、県内の民間企業さんとの水準調整を取りましょうというのをやってきておりまして、その結果として鳥取県の場合、実は若干給与が広島[県]とか東京[都]とかと違って抑制気味なところがございまして、それで、税金の中で私ども給与をもらっているものですから、そうした民間給与水準というものを念頭に置きながら、人事委員会が調査をし、勧告をすると、それを我々も基本的に尊重するということで今、実務がここ数年できあがってきております。ですから、ちょっと他と給与体系が違うなというふうに思われるかもしれませんが、逆に言えば、もし県内の企業の給与が上がっていけば、今度は我々の給与水準もそれと連動していくということになりますので、ですから、そういうシステムの違いというふうに職員の皆さまにもご理解はいただけているのかなと思っております。給与は違うからということだけで、そこの職業選択まではまだ今影響しているとは考えておりません。

 

 

○日本海新聞 今岡浩明 記者

 

 すみません。話戻って恐縮なんですが、先程の補足で、退職のピークというのはどのあたりでくるんでしょうか。

 

 

●知事

 

 ちょっと、じゃああとでまた数字出します。もうあと数年ですね。3、4年ぐらいじゃないですかね。退職金のピークがやってきます。ただ、これ、教員の面があるんですね。ですから、一般職、

 

 

○日本海新聞 今岡浩明 記者

 

 一般事務職ということではなくて、

 

 

●知事

 

 うん、一般職だけでもないです。教員の場合、国体[わかとり国体(昭和60年開催)]の時期に結構採用、言っていいのか分かりませんが、そういう何ですか、どこも似たようなことあるんじゃないかと思うんですが、そういうちょっと採用の山があったりしまして、だから、我々の場合、普通ですと、今、団塊の世代卒業でぐっと一気に大阪[府]だとかもそうだと思うんですが、採用をざっと増やさないとやっていけないという状態なんですが、私どもは、実はちょっとそことは傾向が違っているところがあります。ただ、それでももう数年でピークがきますので、その辺を睨みながらやっぱり採用計画を立てなくてはいけないという難しさが出てきております。

 

 

○読売新聞 岡田浩幸 記者

 

 知事、いいですか。採用の関係で手話の専門のコースを設けるとあったんですけども、今もさまざまな行事で手話、団体さんに協力をいただいていると思うんですけども、改めて職員さんとして採用することのこの大きなメリットといいますか、どういう分野でその職員さんには活躍をしてほしいというふうな思いがありますか。

 

 

●知事

 

 やはり、私ども毎年毎年、PDCAサイクルを回しまして、手話の使いやすい環境づくりの政策のバージョンアップを図っています。ただ、結局、その手話の何たるかということをきちんと分かっていないと、的確な、そういう政策づくりというのが進まないものがございます。また、今回災害でいろいろと避難所などができたりします。そういうとき、聴覚障害者のかた、そうしたコミュニケーション支援が必要なかたがた、そういうかたがたへの配慮措置等もやっぱりビルトイン[組み込み]していかなきゃいけないわけであります。ですから、現場で、もちろん手話通訳を初めとして人材が必要なわけでありますけども、たくさん雇うということでなくて、ほんの何名かで私は十分かなと思うんですが、県庁の中にもそういう手話が分かったエキスパート[専門家]と言えるようなかたがいてもいいんじゃないだろうか。実は学校教育であれば、聾学校の先生やそのOB、OGの皆さんがその役割を果たしていただいていまして、手話教育の支援、バックアップに回っていただいているんですね。それで、ちょっと県庁の方は、実はそういうシステムがございませんで、全国でも例がないことかもしれませんが、手話の能力が高いということを含めて、福祉の職を採用すると、そういうコースを作ってみて、実際応募者がおられればと思いますが、いいかたがいらっしゃったら、全国でも率先垂範行動を行っている鳥取県の行政をプラッシュアップ[磨き上げ]していただいて、いい意味で全国に波及していくような、その先頭に立っていただければ、ありがたないなと思っております。






12 知事就任10年を振り返って 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 知事の就任10年に向かって冒頭所感がございましたが、この10年の中で最も知事として思い入れの強い政策、それから残る2年で是非ともこれば解決せねばならないと思っていらっしゃることはございますでしょうか。それから、知事が先頭に立ってこの10年取り組んでこられたと思うんですが、場面によっては職員さんがなかなかついてこなかったりする、そういうもどかしさとか、そういった場面もあったかと思うんですが、今後全庁的にこの改革をより進めていくために、どういうような姿勢で臨まれるか、教えてください。

 

 

●知事

 

 まず、前者の方でありますけども、やはり自分として一番強烈に印象に残っておりますのは、[平成25年10月8日]手話言語条例が成立したときの議場の傍聴席に行ったときであります。県議会の皆様が、いろいろご議論はございましたけども、最終的には全会一致で賛成をしていただきました。それで、その様子を見ようと全国の聴覚障害者のかたが集まっておられまして、タオルをかざして手話言語条例の成立をお祝いをされていた。それで、小さな鳥取県ということで、なかなか国全体に対する影響力は限られていると思いがちでありますけども、やはり国全体で本来必要とされていること、その行政ニーズというのをきちんと真正面から捉えて、当時で言えば国のお役所で、文部科学省や厚生労働省、非常にこの点は消極的であって関係者も悩んでいたわけでありますが、鳥取県が突破口になることができたこと、これが一番印象に残っております。現実には、その後、都道府県も含めまして、全国の自治体に手話言語条例が広がり始めておりますし、また全国のすべての自治体で手話言語法制定を求める議決がなされてきました。

 

これ、関係者も認めてくださって、称賛していただいているんですけども、鳥取県が小さいながらも先頭に立ったことがこうした成果を、今、導きつつあるなというふうに考えているところでございます。それで、また、まだやりきれていないこと、これからまだまだ必要というふうに考えられることは、これは我々も正直、移住対策や少子化対策、全国よりも一歩二歩進んだ政策をしてきているつもりではあるんですが、地方創生の掛け声もありまして、今、これが言わば競争の中に入ってきているわけであります。それで、そういう中、元々の人口構造からして高齢者が多い地域でございますので、まだまだそこの根っこのところで、人口のピラミッドが変えられているわけではありません。これは大分厚い岩板が壁として立ちはだかっている面があります。ですから、こういう中で、幸せのかたちをつくっていくというのが次の課題なんだろうと思うんです。それは、若い人も安心して働き、住み続けられるような農林水産業も含めて生業づくりでありましょうし、また高齢者のかたがたも自らの能力を発揮したり、それから健康長寿というものができるような、そういう地域社会というのをつくっていったり、この辺は多分地域の絆を上手に活かしていくことができれば比較的コストをたくさんかけなくても、実現し得る面もあるだろうと思っております。このようなことなど、社会構造の変革がどうしようもないかたちで、日本全国を覆い尽くしていまして、これに立ち向かっていくことの難しさ、課題というものを今痛切に感じているところであります。

 

そして、これからのことを考えた場合の職員の皆さん、県庁の動きということでありますけれども、私、就任した時、最初に驚きましたのは、情報公開請求に対して、ほとんど黒塗りが出てきたんですね。それで、愕然としたんですけども、いつの間にこんなことになっていたのかなと思いました。それはもちろん、プライバシーの問題だとかもあるわけでありますが、やはりお役所的なやり方としては見せなくていいものだと、誰かが1つ判断した前例ができますと、どんどんそれが広がっていくんですね。それで、気がついてみるとそのような状態になっていて、職員の皆さんも別に悪気はないんでしょうけども、これは役所としては当たり前だがなというふうに思っておられる。それで、そこを変えることから実は始めたんですね。それで、基本うちは情報公開だと、それで県民の皆さまにも県政に参画していただこうと、例えば[鳥取]県民参画基本条例という、住民投票も入っているハードルの高い条例も議会の賛同を得てつくったわけでありますが、そういう現場主義というものを浸透させることで、職員の皆さまにもやりがいをもって仕事の成果を感じていただいたり、自分で課題を発見することで、それを政策につなげたりする、そういう職場文化を何とかつくれないかなと思って、この10年間取り組んできたというのが正直なところであります。

 

私は、大分変わってきているようにも思います。先程の情報公開ということで言えば、今回もこちらに転勤してこられた[報道機関の]支局長さんですとか、そうしたかたがたもいらっしゃいますけども、今まで他でご勤務された時と比べて、こちらではちゃんと聞いたことに部長や課長も答えると、当たり前なんですけども、そういうことにむしろ驚かれているくらい、たぶんガラパゴス的進化をある意味遂げつつあるのかなというふうに思っています。それで、以前の県政はどちらかというと人事に厳しい県政だったんだと思うんです。つまりちょっとトップリーダーと波長が合わないとかいうことがありますと、人事異動が頻繁にかけられたりということも見られましたし、それからむしろ職員に対する懲罰だとか、また監査というのもある意味そういう面もあるかもしれませんが、そういうことでチェックを働かす方に関心があった、そういう人事体系だったかなと思っています。

 

私はちょっと世界観が違いまして、むしろなんせ人数が少ない県庁でありますから、一人ひとりを言わば働きやすいようにしていったり、そりゃあ多少足らんところがあってもそこをむしろ上の方とか横の方から補っていくと、そういうことで、アメーバのように、いわば自由な組織体としてやっていく、そういう姿勢が大事なんではないかというふうにも思いながら進めてまいったところです。1つのことで言えば、女性の管理職登用であるとか、女性の議会答弁であるとか、こういうのはなかなか難しいよと実は影では結構どこの自治体でも言われていることでありますし、私どももかつてはそういう面がやはり風潮としてございました。ただ、そういうようなことではないだろうと思っていまして、議会の答弁であれば別に私が責任者なんで私が修正したり、私が基本を述べればいいわけでありますので、その辺問題ありませんし、そういうところでもし苦労していること、例えば家庭内の問題がやはりでてきて難しいことがあれば、あるいは健康の問題があれば、そういうことをサポートしていく、そういう配慮などで補うことができると思うんです。ですから、だいぶん県庁の中の職員さんも理解をしてくださるようになってきたと思っていますし、以前と比較していただければ大分スピード感もでてきているのかなと、私は感謝をいたしております。ただ、今、北尾記者おっしゃるように、自分も自戒をしているわけでありまして、私が走りすぎると後ろの連結した列車がついてこないということも、それは往々にしてあり得ることでありますので、脱線事故が起きないようにそこは自分としても自戒してまいりたいと思っております。




13 鳥取市の中核市指定への対応 

○毎日新聞 小野まなみ 記者

 

 よろしいでしょうか。鳥取市の中核市移行についてなんですけれども、先程おっしゃった保健所移行実践検討チーム、どのような検討を具体的にするかということと、もう1つおっしゃったワーキンググループとの関係性というのを教えていただけませんでしょうか。

 

 

●知事

 

 すみません。ちょっと説明不十分だったかもしれません。ちょっと経緯を話しますと、今まで実は、平成26年の6月だったですかね、深澤市長が表明をされまして、中核市移行ということをおっしゃったんですね。それで、ただその前に、もう4月だったかなと思いますが、最初に深澤市長と当選後初めて市の幹部と私とお話し合いをさせていただいた時、実は私の方から中核市移行を選挙の時も訴えておられたけども、県はそれに協力していく用意ありますよということを明言させてもらっています。それで、以来、現実には県と市の間で移行のための協議会を作っていろんな分野の委譲が起きます。これは、1つは法律に基づいて委譲していくもの、つまり中核市の権能としてやらなければならない事務ができます。それで、これは県の方から移行させなければいけませんで、そういう事務の塊がある。それでそういう 中でちょっと難しい課題は保健所の扱いということもあったんですね。この保健所の扱いをどうするかという、先程言ったような問題意識を鳥取市側にもお話をしまして、それで、鳥取市側も最終的にこの度、市議会で議決を取られて私どもに同意申し出をされて来られました案としては、その1市4町全体分の保健所を鳥取市として運営していくという結論も含めてまとめて来られたわけであります。

 

それで、こういうような前提の中で、これから我々は県議会に説明をして、県議会の方の可決がもらえるかどうか、これから案を練らなきゃいけません。それで、そのためにちょっと重点的には、他の分野ももちろんあるんですけども、保健所移行が重点課題かなと、それで保健所移行実践検討チームというのを、これは庁内組織として今日[4月13日]設置をさせていただいて、県庁の中のどういうふうにしたらいいかということを我々でももう一度再整理をきちんとしていくと。ただ、これ相手方のいる作業になりますので、従来から県と市の間で設けられている協議会の1つの重点組織としてワーキンググループを、これは県市またがるものを作らせていただき、それで県の方で県庁内の整理をします。それで、市の方もなんらか整理をされるかもしれません。それで、それをなんせあまり時間があるわけじゃありませんので、4、5、6月ということでありますから、それで、この間にお互いにワーキンググループでも整理をして方向性を出していこうということであります。

 

実は、たぶん一番大きな移行の球は保健所になると思うんですね。それで、その保健所というのは専門家集団であります。保健師さんだとか、トップはお医者さんであります。それで、そうした集団が実は今鳥取市の市役所の中にいらっしゃらないんですね。ですから、こういう新しいものを作らなければならないわけでありまして、鳥取市さんも非常に悩ましいと。じゃあ、作らなくてもいいじゃないかというふうになりそうなんですけど、中核市である以上、保健所を設置しなきゃいけないという法律の義務がありますので、ですから作らないというわけにはならない。どうせ作るのであれば、じゃあどうするかと言うと、たぶん1つのかたちとしては、鳥取県の今の保健所にいる人たちも向こうに動くということをやっぱりやらなきゃいけないかもしれません。それで、その時に丸ごとどういうふうにいくのかということなわけですよね。ただ、これ、どういうふうなかたちが人事形態だとか、いろんなこととしていいのか。また、鳥取市独自も採用されるわけであります、その悩ましさもあるわけですね。例えば、ペットとか、野犬とかいうような問題、今度鳥取市持たなきゃいけなくなったり、産業廃棄物のことなども出てきます。それで、ペットや野犬のことであれば今度は獣医師を持たなきゃいけなくなるんですね。それで、そういう獣医師の採用なんかどうするのか、場合によっては県と市の共同作業という検討もあるかもしれませんし、県の方の職員をということがあるかもしれませんし、非常に実は簡単なようでやってみようと思いますと、かなり大掛かりでいろんな関係者が協力していかないと上手くいかないものであります。

 

また、今まで保健所がないわけでありますので、ここでどういう仕事をしているのかということについてまだご理解が、市役所の中であるわけではないです。例えば、障がい者関連行政であるとか、それから生活安全のことであるとか、難しいことで言えば食中毒ですよね。それで、ああいうのは言わば衛生警察と言われる権力行政です。それで、こういうものを移行させていくと思いますとやっぱり研修事業だとか、やっぱり県の方で市役所の職員に対して協力してやっていく必要があるかもしれません。また、昨日[4月12日]も市役所の副市長さんとかもおっしゃっていましたけども、移行したからといって、我々だけっていうの、大変かもしれないと。だから、中部や西部の保健所とも連帯していけるような、何か仕組みができないかなというようなニュアンスのことをおっしゃっていたりしました。この辺、発足した後のフォローアップ、また、例えば広域的な衛生事犯があるかもしれませんし、そういうようなことの対応なども必要であります。

 

昨日も市長さんに申し上げたわけでありますけども、4つの町は移行をするわけでありますが、鳥取市という看板が掛かることについて、実はいろんな思いがないわけではありません。ですから、そこも含め行政サービスが低下することにならないように、それで、むしろ発展していけるような方向性というのを考えてくださいということを昨日申し上げました。じゃあ、これ具体化するためにはどういう事業立てをするのかなということがございます。また、難しいのは、これも昨日触れましたけども、危機管理の時、今回も災害対応などがございますけども、こういう時に県の方に保健所がなくなってしまいますと、東部のそうした災害時の保健対応というものが鳥取市の方に行ってしまうことになります。

 

ただ、昨日も申しましたけど、市長は幸い消防行政の中核である鳥取県東部広域行政管理組合の管理者でありますから、そっちの意味での連接は高まるかもしれませんので、どっちがどっちということが言えないのかなとも思うんですが、ただ、やはり広域的な災害への対応等も、よくプランを考えておく必要があると思います。こういうように、実は一口に保健所の移行といっても実務としてはやはり準備をしておかなければいけないこと、今後フォローアップする必要があること、それを裏付ける人や組織的対応、財源、この辺をきちんとまとめていかないといけないわけでありまして、これを緊急にやらせていただきたいという趣旨であります。



14 政府の教育勅語を巡る対応への所感 

○毎日新聞 小野まなみ 記者

 

 もう1つ別の話になるんですが、政府が教育勅語について、教材として使用することを否定しないという見解を出しているんですけれども、それについての知事のお考えと、教育勅語の内容自体についてどう思われるか教えていただいてよろしいでしょうか。

 

 

●知事

 

 これについてはちょっとその趣旨は分かりません。国の方のそういうふうに報道もなされていますけども、[安倍晋三]総理も含めた、あるいは[菅 義偉]官房長官も含めた答弁等々見ていると、ちょっと整合的にどう理解したらいいのかなと私もちょっと分からないところがあります。これは教育委員会の課題になりますので、教育委員会の方で今後も適切にお考えをいただけたらというふうには思いますが、印象だけを申し上げれば、森友事件ということがございまして、この教育勅語の教育への関わりということが今クローズアップされていますけれども、単純にそれを教えるという、教育をするというのが県民に受け入れられる環境ではないのではないかなと思っております。これはちょっと教育委員会の専権のことでありますので適切にご判断いただけるのではないかと思いますし、たぶん政府もちょっと何かちょっとずれていますので、言うことがいろんなレベルで、今後また整合性を取っていかれるのではないかなと思います。おそらく歴史的な問題として、そういう教育があったことであるとか、教育勅語の中にもいろんな価値観のものがありますので、そういうのが道徳教育との関係がどういうふうに今後整理していくのかとか、いろいろとまだ分析や作業等があるのではないかと思っております。





15 保健所の鳥取市への移管 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 保健所の関係で1点だけ直でお聞きしたいんですが、その4町の事務も今後鳥取市が担うということで若干その思いもある中で、その4町に向けたサービスを維持、もしくはさらに発展させていくために、県もある程度関わるなり担保していく必要があると思うんですが、そのあたりの仕組みなりは何か考えていらっしゃいますか。

 

 

●知事

 

 ですから、そこはもちろん、もし鳥取市がまだ今これから、だから緊急に検討作業進めますけども、鳥取さんが4町分も含めて保健所を運営するということが今後、議会でも了承されたり本格化していくということになったとしても、それはあくまで事務の委託でありまして、県が丸投げするわけではなくてこれは委託でありますから、その4町の個別のいろんな利益なり考え方というのも注入させてもらわなければならないわけですよね。これは委託、受託の関係ですから、当然ながらそこは運営される鳥取市長さんの方も私どもと一体化しながら進めていくということになるだろうと思っていまして、最終的には着地点は当然あるだろうと思いますし、大きな問題にならないように整合性を図ってまいりたいと思います。また、当面は巨大、ある程度まとまった組織であります保健所を、今一から鳥取市が採用計画作って採用して、全部自前で作るというのはこれ現実には無理であります。ですから、結局、今、県にいる人材の活用ということ、これを市側と県側で調整していくということに実務としてはなるだろうと思われます。そこをどういうふうにするかでありますけども、ただ、そういうようなかたちで、結局今までそうした行政を担っていた人たちが新組織の中でも活躍をする、そういうことで問題意識も継承されていけばというふうにも思います。ちょっとこれ具体的にちょっと絵を描いてみて、4町も安心していただけるような体制というのを作っていきたいと思います。

 

 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 例えば県の職員さんがいったん退職されてその市の方に雇用されて、そちらで引き続きやるというケースもあれば、もしくは県の身分のまま行かれるというケースもあるということですか。

 

 

●知事

 

 これは行政法律論からいけば、割愛採用というんですけども、こちらは退職されてあちらで選考試験を経て採用されるということも1つ法律論としてはあります。また、法律に基づいて県から市へ職員を派遣するという制度もございます。ただ、その場合費用負担は向こうの派遣を受けた方が費用負担をするというようなやり方であります。こうしたことなどいろいろと実はバリエーションがございまして、その辺をどう組み合わせていくのか、どう整理をしていくのか、この辺がまだ十分調整しきれているところではありません。これは2つの局面の問題があって、1つは運営が円滑にいって行政サービスが従前どおり、むしろ発展の方向性で制度設計できるかという平面と、あともう1つは個別の職員さんのそれぞれの人生といいますか、公務員生活、これにも関わるところでありまして、1つ1つ丁寧にやはり話をまとめていかなければいけないところだと思っております。

 

 

○共同通信 副島衣緒里 記者

 

 他にありますでしょか。なければこれで終わります。ありがとうございました。

 

 

●知事

 

 どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。


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