知事定例記者会見(2015年10月29日)

平成27年10月29日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

(報告事項)


(質疑事項)

  

録画配信 知事記者会見動画(約73分) ※MPEG4形式

  

1 地方創生関連の動き 

●知事


皆さまおはようございます。私どもとして、今、人口減少を食い止め、あるいは女性の社会参画、子育て支援などを進めていく地方創生につきまして、いよいよ本格的にスタートをさせようということになってまいります。[10月]27日を持ちまして、米子市、倉吉市で総合戦略が固まりました。これで全市町村揃うこととなりました。私ども鳥取県でも策定をしたところでありまして、全ての県と市町村で地方創生の総合戦略がまとまったのは鳥取県がダントツに早いということになりました。文字通り全国のリーディング役を果たそうということが実現できたと思っております。そして、この度、国の方から地方創生につきまして[地方創生]先行[型]交付金が配分をされたところでございまして、これは学者さん初め、客観的な第三者委員会にかけながら選定をしてきて採択した事業、これで構成されることになっているわけでありますが、鳥取県は3億8,000万[円]余りでございまして、全国の47の都道府県で実額ベースですけども、実額ベースで全国5位の大きさということになりました。人口規模のことを考えますとかなり我々の事業が評価をされたのではないかなと思います。

市町村も同様でございまして、市町村分と県分とを合わせますと6位でございます。このようなスタートを切ることができましたが、ぜひ弾みをつけていかなければなりませんし、具体化をしていかなければなりません。そうした意味で、今、7日の日かどこかで、調整しようとしておりますけれども、鳥取創生会議の拡大版を開催をさせていただき、若者のグループ、また、鳥取創生会議で[県内]東[部]・中[部]・西[部]でそれぞれ分かれながら総合戦略を市町村、県で練り上げてきたグループ、こうしたところなど一緒になりまして、実行段階に移していくこと、それから、予算化を進めていくことなどを具体的に話し合い、スタートを切ることにいたしたいと考えております。



2 TPP交渉の大筋合意を受けた動き 

●知事

他方で、TPPについてはかなり内容が明らかになりつつあります。本県で言いますと、梨であるとか、ブロッコリーであるとか、ネギであるとか、スイカであるとか、果樹や野菜などでもすべての品目で関税撤廃ということが言われてきました。具体化してくる中で重要5品目は堅持をしたという格好かもしれませんが、全般的には関税の撤廃という要素が色濃く出たTPP交渉だったことが分かってきています。先般、国の方にもまいりましたけれども、国にはしっかりとした対策を作っていただく必要があると思います。今、自民党、公明党の与党ベースで話し合いが始まってきておりますけれども、中身を作っていただかなければいけないと思います。それで、私どもはそれを横にらみしながらということになりますが、海外への農産物の販売戦略であるとか、あるいは畜産の足腰を強くするような対策であるとか、いろんなことを国の政策に上乗せをしたり横出しをしたりしながら、展開をしていく必要があるかなと思います。大型の農林水産対策も出ることになるんではないかと思いますが、私どもとしてはそうした対策を一つ横にらみしながら県独自の体系を再構成していく必要があるだろうと考えております。

この辺、当面の補正予算もありますが、新年度[平成28年度]当初に向けた議論もすでにスタートしておりまして、これから、国補正予算、年明けかというようにも言われていますけれども、情報収集を急ぎ、対策を作り上げてまいりたいと考えております。




3 横浜市のマンションでの杭施工不良問題を受けて 

●知事

この間、今、非常に問題となっております安全の課題として横浜市におけるマンションの杭の偽装問題がございました。偽装というか、調査を偽装したということでありまして、杭が届いていなかった、それにより不等沈下が起こってしまいまして、マンションの住民のかたがたに多大な影響が出ており、社会問題化しているものでございます。これについて全国で3,000を超える箇所で旭化成建材[株式会社]が係わっていたということでございまして、そのうち鳥取県内では16ということが公表をされておりました。実は私どもの方から強く旭化成側に一体どこなのかと、その箇所を我々としても地元での対策が必要かもしれませんので、それを我々の方にも教えるようにということを申し上げておりました。

それで、ようやく昨日[10月28日]その状況が見えてきたわけでございますが、16ヶ所と言われていますけれども、そのうち1ヶ所は県外のものでございまして、県内は15ヶ所かなと思います。それのうちの1ヶ所が本県の工事、県庁の工事によるものでありまして、米子の加茂川における工事でございました。ただ、これ工法的にはマンションの杭打ちとは違いますので、基礎工事のようなものでございますけども、そうした違いはありまして、我々も状況を、調査を早速させていただいておりますけども、我々の見るところで大きな影響はその工事箇所で現れている状況ではないかなと思います。ただ、これ以外にも14ヶ所、これは全て民間の事業ということでございました。それにつきまして対策を強く旭化成建材側に求めていくということになります。これに対しては我々としても行政でのフォローアップができるかどうか、つまり我々の方で確認をしてお手伝いできるところがあるかどうかなど、今精査をしているところでございますが、正直対策の根本は企業側にあるというふうに思っております。

この一方で、今後同じようなことが起こらないようにしていかなければなりません。そこで国サイドの方には再発防止を強く求める必要があろうかと思います。今回私どもでの16ヶ所と言われておりましたのは、いずれも問題のあったと言われる担当者が関わったものではございませんでした。しかし、北海道で新しい事象も発見されておりまして、だからと言って完全に大丈夫かというところについては、まだ確認が取りきれてないというのが実情だと思います。これは、ひいてはこうしたマンションを初めとした建築物、本県の場合は土木工事も旭化成建材が関わっていたわけでございますが、そうしたものについて信頼を失なわせることになり兼ねないものでございますので、これは土木建築全体の課題でもあるんではないかと思います。国側に対策を考えるように、どういうような検査体制を敷くかとか、そうしたことの洗い出しをしていただく必要があるのではないかと思います。

巷では同じようなことが他にも起きているんではないかというような報道が言われておりまして、目に見えない基礎部分である杭打ち部分であることから私どもとしても何らか対策が必要ではないかと考えておりまして、国に対して求めてまいりたいと思います。また併せて、県の方の土木や建築の工事がございます。特に建築工事の杭打ち等でございますが、こうしたものについて従来は事業者に委託をしてそれで終いということではあるんですけども、そういうことだけではなくて、県の担当者が杭打ちの状況を監視をすると、直接監視をするというようなことも今後はやっていくべきではないかと考えておりまして、これについて今担当部局の方に指示をさせていただいているところでございます。こういうように県独自の、もちろん我々が執行して県民の貴重な税金に基づいて建物を造る等がございますので、そういう場合に同様のことが起こらないように、これは旭化成建材に限りませんが、全てのそうした建築工事についてそうした対策などを考えていく。もちろん関係者も監視をしながら進めていくというようなことをしていく必要があるだろうと思います。

目に見えない基礎部分の話でありますので、そういう対策を特別に考える必要があるというふうに考えておりまして、今そうした県の取るべき方策の取りまとめを急がせているところでございます。




4 高速道路の対面通行区間での事故多発問題 

●知事

また、つい先だっても智頭用瀬トンネルで重大な事故がございました。さらに8月には河原におきまして、やはり鳥取自動車道で正面衝突の事故が起こり、お子さまを含めて尊い命が失われた事故がございました。この対面交通の高速道路の課題というのを考えなければいけないだろうと思います。従いまして、鳥取県としても重点的な政策課題として、今米子自動車道に続いて鳥取自動車道も全通をしました。次なる対策としてそうしたことを米子道と併せて求めていく必要があると思います。

国の方では今いろんな動きがございまして、1つには会計検査院が対面交通のところの間に塀を建ててしまえばいいではないかというようなことを言い始めているわけでありますが、本来は2車線、2車線の合計4車線で安全に、そして機動的な交通が図れるような高速道路というのが本来決められているわけであります。その本来の姿、4車線化を進める必要の方がよほど高いと思います。一旦壁を建てて固定をしてしまいますと、もう、そこから先に動かせないことになってしまいまして、交通のネックにもなりますし、また新たな交通事故を誘発する可能性もあると思います。そういうようなことを考えますと、やはり4車線化ということを基本に、これから私どもとしては運動展開をする必要があると思います。米子自動車道については[中国横断自動車道岡山米子線(蒜山IC~米子IC間)4車線化促進]期成同盟会がございまして、これでこの度大会も開き、要請活動もするということになっております。鳥取道につきましても同様の運動展開を図っていく必要があると思います。また、その他の山陰道なども含めましてこうした安全対策としての4車線化というのを要請してまいりたいと考えております。




5 県道大滝白水線の落石・通行止めの発生 

●知事

また、残念な話でありますが、県道大滝白水線におきまして岩石の崩落がございました。これにより今交通が遮断されている状況でありまして、1世帯避難を続けてくださっております。その避難されているかたを初め皆さまに対しましてお見舞いを申し上げたいと思います。できるだけ急いでこれ復旧させなきゃいけないし、生活を取り戻さなければなりませんが、これについては上の方からの崩落がございまして、この状況が落ち着かないとなかなか手が入りにくい状況がございます。実はこれ、大山系の凝灰岩でございまして、ちょっとハンマーで叩くと壊れるぐらいの脆い地盤で構成されております。従いまして、同じような箇所で鳥取県西部地震のときも似たようなことがあったところでございまして、そういう意味で構造的な課題があるわけでございますが、最終的には、まず片側通行でも交通を取り戻す、それから仮設で崩落を防止する柵を作る、そうしたことなどの対策を今至急検討するように言っているところでございます。これについて、今現場の状況も見ながらできるだけ早い対策を取って、元の生活、交通が取り戻せるように、我々としても全力を挙げてまいりたいと思います。



6 11月議会に向けたまちづくり関連条例等の検討 

●知事

9月県議会で取られました議論の中で福祉のまちづくりを初めとしたまちづくり条例の改正問題がございます。これにつきまして本日[10月29日]鳥取県の開発審査会を開催して、その案件について議論していただきますし、11月に入りましてから福祉まちづくり協議会ですね、これも開催をして議論していただくなど、検討を進めることにいたしております。また不用となりました使用済み物件の有価物ともおぼしきもの、この対策についても条例化を今進めようとしておりまして、今まだパブリックコメントをしている最中でございます。こうしたことなどいろんな当面の懸案について、懸案としての条例について検討させていただき、来月[11月]できれば成案を得たいと思っております。



7 第3子以降保育料無償化事業の見直し 

●知事

また、9月の1日から施行されました保育料の第3子以降無償化について、一部報道にもございましたけれども、かえって負担が増える世帯があるということがございました。私もちょっと状況を調べさせていただきましたところ、経過措置はあるんですけれども、第1子のところ等を3分の1、要は同時在園のときの第1子、第2子、第3子と入っている、第3子は無償化されるわけでありますが、第1子のところ、このところの3分の1助成が入っているんですが、これを廃止をする措置が同時に盛り込まれていたようでございまして、これは市町村と協議の中で決まってきたようでございます。だだ、第3子が無償化されるからと言って、それが、第3子の無償化は、今同時在園3人入っていれば変わらないわけでございますが、第1子のところの負担が増えてしまうというのは、ちょっと制度矛盾があるんじゃないかなと私も思います。これについて実は経過措置がありまして、ほぼ全ての市町村はその経過措置を利用して従来どおりの免除をしているわけでありますが、1つの市においては独自の対策というのを考えられています。

ただ、これは負担の調整措置も入れながらの独自措置でありまして、完全に廃止しただけでないわけでありますが、そういうような状況でございまして、これ、今年度[平成27年度]は経過措置が利いておりますが、新年度[平成28年度]以降は経過措置がないという、今事務レベルでの仕切りになっております。これは見直したいと思います。新年度[平成28年度]以降も何らかの経過措置なり、あるいは負担の調整措置ですね、不合理な負担増が起きないように、基本的には第3子の無償化が入って、全てのかたが従来よりも負担が減るようなかたちにならないとおかしいものですから、そこのところは私どもとしてもよく調整をもう一度させていただきたいと思います。それで、[平成28年度]当初予算に向けてこれ再議論して、再検討をさせていただくように、今担当部局に指示をしております。今後市町村と、これ実は共同事業でございまして、市町村とよく話し合いをしなければなりませんので一旦事務レベルで仕切った話のようではありますけども、もう一度市町村と協議をしながら、[平成28年度]当初予算に向けて再整理させていただきたいと思います。




8 松葉がに漁の解禁と新ブランド「五輝星」の売り出し 

●知事

いよいよ松葉ガニの解禁が迫ってまいりました。11月6日に解禁であります。それで6日は網代で、7日はその他の港でも初競りが行われるということになります。今年[平成27年]からは五輝星という新ブランドを立ち上げ、13.5cm以上の甲羅、1.2kg以上の重み、そして目利き人が審査をする。こうした最高級のもの、だいたい全体の1.9%ぐらいという貴重な松葉ガニ、これを五輝星として売り出してブランドを高め、全体としてのカニの単価引き上げなどにつながればありがたい、その辺を目指して水産事業者を中心に検討していただいたものが動き出すことになります。私も初競りのときのセレモニーに参加をさせていただこうと考えておりますし、テレビショッピング等も通じて、こうした五輝星ブランドというのも売り出しを図っていくということを考えていきたいと思っております。これについてのシンボルのロゴもできまして、いよいよスタートを切るということになりました。



9 国内外からの観光誘客の取り組み 

●知事

また、食のみやこ鳥取県として、それを彩るようなさまざまな魅力によりまして海外との交流ないし観光誘客ということも進めていかなければなりません。そうした意味で、この度鬼太郎のラッピングバスを11月の1日から運行することが、これ、[米子鬼太郎空港]利用促進懇話会の皆さんで始まるわけであります。さまざまにこうしたことをしてPRをしていこうということでございまして、コスプレの賞を取られたかたがた[世界アニソン大会優勝者コスプレイヤー]が県内を巡回をして、それで鳥取の良いところをアピールをしていくということも、この週末にかけて行うこととなっているところであります。そうして海外とのあたりを付けていくわけでありますが、台南市からのチャーターフライトがやってくることになります。初めての台南チャーターでございまして全県を楽しんでいただくようにいたしたいと思いますし、私も市長さんと今後の方向性についてお話し合いをいたしたいと思います。また、香港のチャーター便でありますが、とりあえず順調にスタートをしていますけれども、どうしても乗る機材によって[搭乗率の]上下はあるわけでありますが、何とか成功裏に導いて、できれば定期便へ結びつけていきたいと思います。



10 日韓地方自治フォーラムへの参加 

●知事

まさにそうした大交流の時代を迎えるわけでございますが、この度私も日韓地方自治フォーラムに参加をさせていただくことにいたしました。これは全国知事会の行事でございまして、私も山田[啓二]全国知事会長、それから香川県の浜田[恵造]知事などと一緒に参加をさせていただきたいと考えております。鳥取県は江原道を初めとして韓国との交流を一番盛んにやってきた県でございます。そうした交流の意義を訴え、今回のフォーラムのテーマでございます少子高齢化対策といった日韓両国に跨る共通の地方自治の課題、こうした課題について真摯な議論を深めてまいりたいと思います。時あたかも日中韓の首脳会議がソウルで開催をされることになります。私どもの、実は日韓知事地方自治フォーラムは11月1日が本会議でございますが、その日に日中韓の首脳会議も開催をされ、日中の首脳会談、その翌日の11月2日は安倍総理が初めて朴槿恵大統領と会談をする日韓首脳会談ということになりました。

ちょうどそのタイミングに、地方自治レベルでも、地方団体レベルでも交流の絆を深めていく、そして共通の課題を話し合っていく場が設けられることと奇しくもなりまして、私どもとしてもそうした意味でこの機会を十分に活用しながら両国の友好親善にも役立てていければと考えております。




11 中国知事会での海外誘客体制づくり 

●知事

また、併せまして、中国地方知事会議も鳥取県で開催をされる運びとなりました。さまざまな地方創生を、あるいは財政問題、TPPの課題、TPPの課題については鳥取県から提出をさせていただきますけども、そういうさまざまな課題について議論をする場ということになろうかとは思います。そうした中で、今の国際観光を、海外からの誘客については、従来よりもきちんとしたプラットフォームを作ろうという議論を会を重ねてやってまいりました。それでこの度、鳥取県の方からご提案をしようと、今いたしておるのは、この中国地方全体での誘客がまだ弱い面があると。その従来の中[国]経[済]連[合会]などが入りました組織とそれから中国地方知事会が持っている広域観光部会と言われるそういうインバウンド観光などを行う部会、これを統合しましてパワーアップしようと、これを提案しようとしております。

海外の観光客を誘致する委員会をきちんとこう立ち上げて、それでこうした官民共同のプラットフォームを今よりも一層強化をして誘客促進を図っていこうということを今回、議論したいと考えております。また、鳥インフルエンザといったような、またこれ各県を跨いで発生し得る事象もございます。今までもできる限り近隣で協力しようということでやってまいりましたが、そうした事象について共同で対処できるそうした仕組みづくりについてもかたちづけていこうということなど、中国地方知事会として議論を深めようとしているところでございます。






12 中海圏域での会議及びイベント 

●知事

また、山陰両県の跨ぐ課題として環境問題がございます。中海会議を11月の2日に松江の方で行います。それから、併せて11月3日の日にはラムサール条約10周年を記念してのシンポジウムを溝口[善兵衛]知事と私等でやり、さまざまなかたにも参加をしていただき、環境保護活動、環境推進活動のレポートなども、それぞれやっていただいたりして、これは米子のコンベンション[センター]でということではありますが、そうした事業を実施をしようということにさせていただいております。こんなようなことなど、広域的な対応というのもきちんとこう図っていく必要があると考えているところでございます。






13 御崎漁港水福連携モデルエリア事業水産加工施設の開所等 

●知事

また、11月の3日の日には福祉関係で湯梨浜で手話のフォーラムが開催をされますが、同じ日に水福連携事業として、これ御崎漁港のところでございますけども、海から上がるさまざまな水産物があります。これに福祉の作業所の皆さんが1つのところだけでなくて、リヴよどえだとか、いろんなところがございますけども、皆さんにも入っていただくようなかたちで、ある程度ロットを捌けるようにしようと、先般鳥取市内では工業系のそうした事業所を作りましたけども、今回、水福連携でそうした共同事業所を作ろうではないかと、それが11月3日にまたスタートをするということになります。ぜひこうしたことで、あいサポート運動を進める鳥取県としての福祉施策、共生のまちづくりが推進されることを願っております。



14 マイナンバー通知票の郵送開始を受けての注意喚起 

●知事

昨日、鳥取県内でも郵便局の方にマイナンバーの通知票が一部、郡部の分が届きました。また、おそらく明日、倉吉市の分が郵便局の方に届くというふうに連絡が来ています。そういう中で、明日[10月30日]からその一部郡部におきまして、早ければ明日[10月30日]からマイナンバーの通知票が届くということになりそうであります。今、交換詐欺事件といったようなこともございまして、私どもとしても広報を強化をしていきたいと考えておりまして、例えば来月がその配布が本格化することになりますので、そうした時期に新聞広告などいろんな媒体を使いまして注意喚起をしていく、また、私どもの県の広報紙でのPRをしていく。それで詐欺等に対する注意を呼びかけたり、また、マイナンバーをどういうふうに今後使われていくのか、その制度のご説明でありますとか、手続についてご紹介を申し上げなければいけないと考えております。もちろん、これについてはもうすでに順次進めてきているところでありますが、いよいよものが動き始めますので、明日[10月30日]から私どもとしても本格化させていく必要があると考えております。

今回届くのでその番号が出てくるわけでございますが、これは大切に保管をしていただく必要がございますので、ぜひご注意をいただいて、人には教えないように、ご家庭で保管をしていただきたいと思います。また、初回に限りまして個人のカードが無料になります。それを必要とされる場合は、その旨の申込を、返送の郵送でしていただけることになります。また、仮に受け取れなかった場合はピンク色の不在連絡票がございます。それに従って手続を取っていただく必要がございます。そうしたことなど、いろいろとホームページ等でも広報もさせていただいておりますので、今一度、本県でも通知が始まることを頭に入れていただきまして、ご留意をいただければありがたいと思います。私の方からは以上です。


○山陰中央テレビ 山下桃 記者

続いて各社からご質問あればお願いします。






15 高速道路の4車線化について 

○NHK 木庭尚文 記者

すみません。NHK木庭と言いますが、高速道路の件なんですけれども、前回も、8月ぐらいの事故のときにも国に対して改めて4車線化を求めていくということですけれども、今回も事故が起きて、また会計検査院の報告もありましたけれども、それを受けて、さらに、どういうふうに具体的に訴えていくというふうにお考えでしょうか。


●知事

まずはですね、米子自動車道について関係地域が集まって決起大会をしようというところからスタートしようと思います。そこで皆さんの意見をまとめて国に対して訴えかけるということになります。実は今、国の制度改正もありまして、会計検査院のそうしたことは片方でありますが、片方の制度改正としては、国土交通省として判断すれば4車線化にゴーサインが出せるようになります。これがこの制度改正時期でございまして米子自動車道の狼煙を上げようということでございます。ただ、併せて、そういうように25日の事故もございますので、鳥取自動車道、これも緊急性のある課題ですよと、それから山陰道を初めとした他の対面通行区間における国直轄事業部分などもございます。こうしたところを重点的に訴えかけをしていく必要があると思います。これ、米子[自動車]道だけでなくて、そうしたところについても国に対する働きかけをして、国の制度改正がございまして、4車線化に踏み切ることが状況を踏まえながら円滑にできるようになりますので、我々としても訴えかけを従来以上に強めたいと思っています。






16 旭化成建材が公表した鳥取県内の確認対象施設について 

○毎日新聞 真下信幸 記者

毎日新聞です。旭化成建材の件なんですけれども、すみません、自分もちょっと勉強不足で申し訳ないですけども、先程、旭化成建材が発表した県内16件のうちに1個県外施設があったということなんですかね、それはなんというか、どういうことですか。


●知事

それは我々も分かりません。旭化成[建材]側が公表されたもののうちに、それ16件の内訳を示せというふうに強く我々の方から迫ったわけですね、それでようやくでありますけれども、昨日当方には行政機関であるのでということで内訳が示されましたが、1つはちょっと県外だったですね。その理由は分かりません。だから15[件]と把握できるんじゃないかと思うんですが、ひょっとすると逆[の例]が他所の県であるかもしれません。ちょっとそこは分からないところがあります。


○毎日新聞 真下信幸 記者

その県内15件のうち1つは米子の工事で既に発表もあったかと思うんですけども、その他民間の事業に関しては、県は県として現状どこぞやというのは、把握はまだできていない状況なんでしょうか。


●知事

そこを明らかにしてくれということで申し入れをしていました。それが昨日当方に行政機関であるのでということでようやく連絡が来たと。昨日までは分かりませんでした。ただ、いろんなことで、我々も独自に調べて米子の加茂川のことだとか、そうしたことについては安全性の点検を早急に進めていったわけでありますが、その他の15引く当方の1、14件分についてはその関係のところに改めて注意喚起を我々からもしていく必要があると思いますし、我々で分かる範囲のことはご援助申し上げたいと思います。ただ、基本的にはやはり旭化成[建材]さんの方でそれぞれの建物の方には通知をしているということでございまして、そちらの方のルートで話し合いをしていただくなど対応策をきちんと取っていただくのが本筋だと思っています。


○毎日新聞 真下信幸 記者

その14の中には学校等々もあったかとは思うんですけども、そういった向こうの学校側から県にこういうことをお願いできませんかというような話が現状あるとか、そういうことだったんでしょうか。


●知事

我々も昨日の夕方かな、たいぶ遅くなってからです、分かったのが。ですからまだ十分そうした連絡が取れていませんで、指示をいたしておりますのはそうした建物側の所有者側と話をして注意喚起をする。それで、たぶん皆さん専門でもなければ解かんないわけですよね、意味が。例えば、検査がこんなもんだとかですね。それで、その辺を読み解くのに一緒に私どもの職員もお役に立てるんであればしてみたり、あるいは目視である程度のことは、影響があるかどうかは分かる部分もありましょうし、その辺は地元の我々としても応じて一緒になって住民の皆さまの立場で動かなきゃいけないなと思っています。


○毎日新聞 真下信幸 記者

じゃ、場合によっては県の職員さんを派遣するっていうようなこともありっていうか。


●知事

そうですね。求めがあれば、それはぜひ、我々もさせていただきたいと思います。ただ、やっぱり責任の所在はどうしてもそちら[旭化成建材]の方になりますのでね。あと、建築確認等は市の権限等もございまして必ずしも県でない部分もありますが、我々も行政サービスとして、やはり住民の側に立ってやっていかなければいけないと思います。それで、中にはやはり共同住宅、マンションのようなものも、マンションもございまして、そういうところで不安を持たれる住民のかたもいらっしゃるでしょうから我々としても対応してまいりたいと思います。






17 県発注工事における杭工事の品質管理の強化について 

○読売新聞 高山智仁 記者

はい。読売新聞の高山と言います。まず、この旭化成建材に関連してなんですけども、今後県が発注する工事などの杭打ちの際には県の職員の監視などもするように指示っていうふうにおっしゃっておられましたけれども、実際問題どれぐらいの負担増になるのかっていうのは、見通しっていうのは立っていますでしょうか。


●知事

これは従来から、ある一定の合意性のあるかたちで基礎工事が適切に行われていたかどうかを我々なりにも把握をしながら工事確認というのを、完成確認、完成検査等を進めていったわけであります。ただ、目に見えないところで、例えば、完成検査、建物がありますんでね、それで、そこである程度のことは確認できますし、例えば、ここの出来が悪いとか言えばそこはちゃんと補修せいとかいうことはやっているわけです。ただ、今回は杭打ちのところの本当に目に見えないところでありまして、それで、それはあとからでは分かり得ない部分がありますので、やはり工事をやっているときにきちんとした確認が必要だろうと。それで、いろんな事業者が係わりますから、その事業者が係わる中でも自分たちでも適正にその検査について、検査等について、検査や杭打ち等について責任を持って見ていただくという仕組みを入れる必要があるだろうと。それが1つですが、あともう1つ先程申しましたが、県職員自身も、その杭打ちといったようなときに現場も監視をするというようなことで、あとあと問題が生じないような担保措置を従来に追加しなければいけない部分があるだろうと思います。もちろんその部分は職員の派遣なりなんなりで、人件費的な負担はくると思いますけども、片方で30年、40年と長く使うことになる完成品、完成建築物ですね、そこに瑕疵があってはいけませんので、そちらの方の予防という観点を考えますと、我々としてそうした措置を追加することは止むを得ないだろうと思っております。


○読売新聞 高山智仁 記者

すると杭を打っているときに職員を派遣されるっていうことで、これまでの人員よりも必要な人員っていうのは増えてくるとは思いますけれども、そういうふうな人員配置の方も今後考えると。


●知事

そうですね。それはそうした体制づくりも含めて検討しなきゃいかんだろうと思います。ただ、特にその必要性の高い建築工事の数というのは、鳥取県そんな大きな県ではございませんので、県直営工事の数は比較的数は限られていると思いますから、できないわけではないと思います。


○読売新聞 高山智仁 記者

今のところだいたいどれぐらいの人数増が必要かっていうような見通しっていうのは。


●知事

これもちょっと今ばたばたと指示をしたところでありまして、今、方針方策をきちんとまとめるようにと指示をいたしております。一定のやはり負担増にはなりますが、安全には変えられないものもあると思っています。






18 県内自動車製造関係企業の動向について 

○山陰中央新報 斎藤敦 記者

すいません。山陰中央新報の斎藤です。昨日、明治製作所の調印ございましたけれども、今年に入ってから非常に県内、自動車製造関係の県外からの進出、あるいは地元企業の増設、これかなり数が増えております。これについて、知事さんどういった、今状況にあると分析しておられますか。


●知事

やはり自動車が経済の牽引役も果たしているということだろうと思います。それで本県に限らず自動車部品製造あるいは自動車の完成品を製造するというこの自動車関連産業については、堅調に企業所得も上がっていますし、伸びている状況でございます。私どもの方の明治製作所さんも今まで地道に自動車部品、県内決して多くはないんですけども、その1つのリーダーとしてやってくださっていましたが、平成24年頃だったと思いますが、中空鍛造技術を作り上げて、要は他の企業との競争性を高めていただいたんですね。そうしたことなどもあっていろいろと事業が舞い込んでくる、受注が取れる、さらに海外との結び付きも明治製作所はこの時期やっておられまして、そうしたことも出てくる。こんなことで、私どもでも今回支援させていただきますけれども、[倉吉市]大谷の方に新工場ということになりました。ただ、これはまた次もあると思っていまして、そうしたことでパイが徐々に大きくなってくるのは我々としても、雇用も広がりますし、企業活力も高まりますので歓迎できるなと思っております。

あと、県内からの進出については、そうした自動車産業の活況と併せて、それで受注が高まっていて、製造のパイを膨らませなきゃいけないということがあるわけでありますが、あともう1つはやはり交通基盤が整ってまいりまして、鳥取県もそうしたオールジャパンでの自動車製造のなかで役割を果たし得る地域になってきたということもあると思います。そんな意味で、先般もアイシン・エイ・ダブリュ[株式会社]さんという部品大手のかたが、鳥取大学の行事でお見えになったときにお話をさせていただいたわけでありますけども、非常に全国的に見ても便利なところになってきて、鳥取自動車道の目の前に工場を造るだとか、そうしたことも始まっておりまして、そんなようなことも手伝って、そうした自動車産業の立地が進んでいる面があると思います。これ、同じことが航空機産業にも言えていまして、航空機産業も今回、鳥取県へ展開をするということになったのも、そうした交通基盤が整ってきたことがあると思います。それで、あともう1つの波としては自動車産業が立地をしているところは、今、東南海地震等について心配されている地域が中心なわけでありまして、そうした関連の会社さんがリスク分散を狙って山陰を活用する頭になってきたということも3つ目にはあると思っています。






19 中国知事会における海外誘客体制づくりについて 

○日本海新聞 井上昌之 記者

すいません。中国地方知事会議の関連でお聞きしますけども、先程おっしゃった中経連と広域観光部会を統合して官民一体のプラットフォームを作ると、官民一体で議論の場を設けることでどういうメリットが生じてくるのかということと、あと、知事が先程ご認識としておっしゃった中国地方全体での誘客がやや弱いと、これをもうちょっと詳しく教えていただけませんでしょうか。


●知事

やはり九州であれば、あそこはJR九州さんなどが中心になりまして、経済界が一丸となって九州の売り込みを図ってきたわけです。これは別に去年や今年でなくて、10年、20年スパン[期間]でずっとやってこられました。それが今花開いていて、アジアを中心とした誘客が、九州が1つの中心になっています。また、最近、関西空港も活況を呈しているように、近畿においては京阪神地域を中心に、これユニバーサルスタジオ効果もあってだと思いますが、大変に誘客が進んできている。京都は世界的にもNO.1の観光都市に選ばれるなど、そうしたことになってきています。それで、ただ、間に挟まれた中国地方、それから四国もそうなんですが、外国人観光客の誘客の狭間になっているわけですね。最近ようやくその傾向が変わってき始めて、私どももかねて韓国からの誘客を進めてまいりました。ただ、それに併せて香港だとか、台湾だとか、中国だとか、タイだとか、そうした国もターゲットに入ってくるようになりまして、観光客がこちらにも周り初めているわけでありますが、絶対数から言いますと、まだ雲泥の差でございます。この違いはどこにあるかということでありますが、やはり十分アピールできていないということに尽きるんだろうと思います。九州と比べてこの中国地方が自然あるいは温泉あるいは買い物、いろんな面で劣っているかというと大きな差はそんなにはないはずでありますが、ただ、広域的にやはり観光客を呼び込んで滞在してもらうという努力を地域としてまだ十分できていないのではないかということだと思います。

そこで従来から広島の中経連を中心とした事務局などで誘客活動をやったりしておりました。また、最近知事会としてもこういう広域のインバウンド[訪日外国客]誘致が、誘客が必要だという認識で共同の部会をつくったりしていましたけれども、動きを1つにまとめまして、ある程度各地域の出捐も考えながら、バージョンアップしようということであります。これにより、中国地方を、アジアを中心に国外へ印象付けて実際の旅行商品につなげていく、そういう動きをしていきたいという考え方であります。また、戦略としては、今、瀬戸内がDMO[観光地域づくりのための戦略策定、各種調査、マーケティング、プロモーション等を一体的に行う組織体]をつくって動き始めました。それで、山陰DMOにつきましても、この度明らかになりました国の地方創生先行交付金によりましても1,000万ですね、島根鳥取両県でDMOの交付金が認められました。これで我々も立ち上げて山陰の新たな観光ルート設定やその誘客を進めることになると思います。それで、この山陽と山陰の2つの軸ができるとしても、縦につなぐというか南北につなぐ軸、これも入れて面的に対応していかなければいけないと思います。

中国地方は、瀬戸内と日本海とそんなに遠い距離ではないんです。広島[市]・浜田[市]のことを考えていただいてもそうでありますし、岡山[市]から米子[市]松江[市]へ抜けるところを考えていただいても間に蒜山や大山という全く別の姿が見えて非常に魅力あるルートにもなるわけであります。ですから、そうした南北のルートも意識的に強化をしなければならないと思います。そういう意味で、中国地方の広域的な周遊ルート設定や、それから対外PR、これを従来よりも効率的に行える体制をつくりたいという戦略であります。


○日本海新聞 井上昌之 記者

分かりました。知事として念頭に置いている外国人観光客の地域としては、やはりアジア方面が中心になりますでしょうか。


●知事

これはまた今度知事会のときにご議論もいただかなければいけないと思います。実は、各県それぞれそこの意見が完全に調整できているわけではありません。しかし、今、共通項で上がっているのは中国、台湾、香港といったような新興地域ですね、我々のところに観光でやってくるという意味では、そうしたところについては共通項として上がっていまして、そうしたアジアを中心とした誘客が当面のターゲットだと思われます。






20 関西圏からの外国人観光客の取り組みについて 

○日本海新聞 井上昌之 記者

あともう1つ、これちょっと中国地方知事会の話からは外れてしまうんですけども、併せて鳥取県は関西広域連合でも広域観光の広域業務も入っておられますけれども、関西を回る外国人観光客を関西の一部として鳥取県に取込むという戦略も描いておられたと思うんですが、知事としては中国地方を周遊する観光客と、あと関西、これ、ゴールデンルートと呼ばれる京都や大阪を回る観光客を引き込むのと、どちらにこう、どちらも大事なんですけども、比重をどういうふうに考えておられるのかなというのをお聞きしたいんですけど。


●知事

それは今、井上さんおっしゃったとおりでどちらも大事でありまして、我々は、実は両方を股にかけれるところなんですね、いい意味の二股をかければいいんじゃないかと思います。そういう意味で関西の方は今圧倒的に多いです、中国地方を周る人よりも。それで、中国地方の方はまだ新興市場でありまして、この新しいマーケットを拓いていく段階だと思います。今回、関西の広域ルートの中に鳥取砂丘等ですね、入りまして、これも推進していかなきゃいけないと思いますし、また、LCC[格安航空会社]での来客が増えている折からですね、これは日本交通さんなどいろいろとご協力がございまして、ピーチ・アビエーションでやって来られるお客さまに割引で鳥取県内に来ていただくという動きもできてきております。また、この度は大阪の京橋の方でも、鳥取県のカニを中心として売り込みを図ることをまさに民間の皆さまと私ども県も入りましてできたところでございまして、今、たくさんの外国人がやってくるような大阪で鳥取[県]の顔を出していくということもできたと思います。こんなようなことで、いろいろと私どもも売り込みを強めていかなければいけませんで、関西のお客さまが、例えばそのうちの5%でも10%でも鳥取[県]を通るようなことが当たり前になってくれば、それだけで県内の観光マーケットは大賑わいになると思います。そんな意味で関西の軸足を外すわけではないということです。






21 合区問題に関する島根県知事の提案等について 

○中国新聞 川崎崇史 記者

よろしいですか。先日の全国知事会の研究会で、参院選合区につきまして島根県の溝口知事から一県一代表を確保した上でその定数配分をちょっと改めるべきではないかという提案がありました。それについて平井知事の受け止めと、あとその合区についての考え方、現時点でちょっと伺えればと思います。


●知事

それ、同じ会合に私もテレビ会議で出席をさせていただいておりまして、結論的には同じようなことを言ったんではないかなと思いますが、溝口[善兵衛 島根県]知事は公職選挙法を改正をする、その新たな配分案というのを示されて、それで研究会の委員の皆さんにお示しになったということでございました。ただ、あの場は実は憲法改正を議論する研究会でございまして、私の方からは憲法的に都道府県という政治的ユニット、これが代表を送れないことの不合理さを申し上げたところでございまして、憲法の中で本来、都道府県代表ということが表現されていいのではないか、これを強く申し上げました。それで、これについて委員の皆さまの方からも、当日、ご意見の中で都道府県を越えた合区があったことは拙速だったという発言であるとか、それから私の方で主張したのは例えば教育だとか、商工だとか、農業だとかいろんなことを取っても政治的な意思統一を県単位で行うのが我が国の統治機構であって、この統治構造に基づいて明治以来ですね、やはり都道府県という政治的ユニットが機能してきていると、これが代表を送るというのがデモクラシーのあり方だというようなことを申し上げたんですけども、そうした観点での代表制があっても良いんではないかというようなお話もございました。いろいろと我々の意見も受け止めてはいただけたんではないかなというふうに思っています。

私は今回、参議院の方で7月に合区という公選法改正ができてしまいましたので、それの現状を考えれば憲法論的な議論が1つには大事だと思っています。それであと、そうした合区という手法でない1票の価値の是正であるとか、選挙制度の公正についていろんなかたちで議論が深まっていくのは歓迎したいと思っております。また、時あたかも昨日、最高裁判所が衆議院の定数訴訟につきまして結審をしました。それにより年内の最高裁判決という見通しも出てきたところでございますが、これについても公明正大な議論を切に望みたいと思っております。都道府県というユニットの大切さを今回の合区の騒ぎの中で逆にいろんなかたちでクローズアップされたんではないかなとも期待をいたしておりまして、今後そうした方向での国会あるいは国民の皆さまでの議論が深まることを期待したいと思います。






22 高速道路対面通行部分への中央分離帯設置提案について 

○NHK 木庭尚文 記者

重ねて、高速道路の件なんですけれども、会計検査院が分離帯を設けるよう求めていることに関しては、そこへの受け止めというのはやっぱり平井知事としての受け止めをちょっと教えてください。


●知事

それは、本来高速道路を造ると決めるときに、4車線で考えているわけです。それを基にしながらB/Cと言われる費用対効果のことだとかさまざまな分析もしてきているところでございます。ただ、工事の都合として2車線で造ったがために、対面通行が生まれて高速道路ですからある程度のスピードで走るということになり、一旦事故が発生すると重大なことになります。ですから、1日も早く本来の姿をつくるのが出口だと思うんですね。ただ、そこに別の工事をして間を区切ったとします。そうすると要は1車線の道路が延々と続くということを是認するわけでありますが、それは追突事故であるとか、別の事故を生む可能性があるわけですね。現在、ポールでこう仕切られているのはあれは暫定的な意味合いであるからこそでございまして、その辺はやはり現状の意義をもっと会計検査院も本来は考えるべきであろうと思います。結局こういうようなちょっと横道の議論に入らないようにするためにも、本来の姿を1日も早くつくろうという運動をすべきだと思っています。






23 第3子以降保育料無償化事業の見直しについて 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

すいません、保育料の無償化のことでお伺いしたいんですが、先程、第1子への同時在園の場合の振替措置を見直しを考えるということでおっしゃったんですが、その来年度以降の経過措置とか負担調整措置ということだったんですが、これ具体的にはどのような手法が、今後市町村との協議というのは当然必要になると思いますけども、県としては今のところどういった解決策を見出そうとされているのか教えていただけませんでしょうか。


●知事

共同作業になりますので、市町村と改めて仕切り直して議論をしなきゃいけないところだと思います。ただ、市町村も1つの市を除いて他は全て経過措置を適用して従来通りの負担で通園できるように、それぞれもう措置をされているところです。これに我々も2分の1県費を出しているということであります。ですから、この姿が一定程度支持されているのであれば、少なくとも今在園されているかたがたが卒業するまでは同じようなスキームでの経過措置をもっていくのが1つの落ちつくところかもしれません。それでまた、これ非常にややこしくて、お子さんが1人だけの世帯と2人の世帯と3人以上の世帯と、やはりその間でも公平性がやっぱりあると思うんですね。それで、そこを考えていかなければなりませんので、負担の逆転みたいなことが顕著になるのはおかしいところであります。

具体的にはお子さまが1人だけの世帯のかたと3人の世帯のかたと比べてですね、お子さまが1人だけの世帯の方がとんでもなく通園負担が大きくなるというのはちょっとなかなか理解もこれもまた得にくいところだと思うんです。実は、県として一律に国の制度を乗り越えて、第3子以降は無償化だということで全市町村と折り合ってつくったもんですから、そうすると従来からあるような国の制度もある負担軽減措置との調整の問題も出てきてしまうわけでありまして、この辺はちょっとややこしい操作が必要なところもあります。ですから、これ膝ずめで市町村とも合理的な解決方等を探していかなきゃいけないと思っています。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

そうすると、経過措置が、本年度は認めるということになっていましたけども、場合によってはその今の在園している子どもさんが卒園されるまで、来年度以降もその経過措置を延長する、つまりこれまでの制度をちょっと併用するようなことも場合によっては認めたりですとか、そういうことをするという取組みですか。


●知事

そうですね、その辺はあんまり市町村の抵抗感がないのかなとは思っています。具体的には今年度そういうことでほぼすべての市町村が取組まれていますので。ですから、そちらは1つの筋かなと思います。それで経過措置を認めるということは、県で2分の1負担しますよということを認めることでありますので、市町村側にとってはメリットしかない話だと思っています。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

すでに鳥取市が経過措置は廃止、経過措置って言いますか、振替措置廃止されている状況があったりしますが、いずれにしてもこの第3子無償化の導入に伴って、これまでより負担が増えたという世帯を、その所得は別としてですけども、所得の変動は別として、そういう世帯を県内でなくすというような制度を、市町村と一緒に考えるということですか。


●知事

そうですね、保護者の皆さまにとりまして、ちょっとこれは不合理だなと思われない何らかの調整措置を今後考えていかなきゃいけないということだと思います。我々の経過措置をかつ使われなかった1つの市でも、別の負担調整措置を入れられていまして、それはそれで1つの考えかたなのかもしれません。それでまた実はこれ、時が経過するわけでありまして、1年経つと学年が上がります。それでさらに2年経つと学年が上がります。そうやってだんだんとこう進行していくわけですね。ですから、同時で在園しておられますと、この上の子はもう卒業してしまって保育料がかからない、義務教育の世界に行ってしまう、こうやって少しずつこうなくなってきます。そうしたときに、今、同時在園のときに、第3子完全無料化になっていますので、それでその同時在園のかたが、以降ですね、翌年その次の年というふうに考えていただくと、負担が減ることは実は間違いないんですね。負担が減ることは間違いないんですが、ただそれが不合理を感じさせないようなレベル、その辺がどこにあるかということで、1市とそれから他の18市町村で考えかたがちょっと違っていたということだと思うんですね。ただ、そこをどういうふうに今後考えていくかだと思うんです。ただ、いずれにせよ、我々目指しているのは、保護者世帯の負担軽減でありますので、負担軽減ということが、ある程度分かりやすく実感していただけるようにはしなきゃいけないと思っています。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

制度矛盾があったということで、いう言葉を使われましたけど、どのようなところで少し不備なり、問題があったのかなというふうに振り返えられますでしょうか。


●知事

今回9月という年度途中で保育料の軽減が導入されたわけでありますが、4月の時点と9月の時点とで、同じお子さんをお持ちであって、もう負担が減るところは圧倒的多数です。それは押さえていただきたいんですが、減るところは圧倒的多数なんですが、一部に負担が増えたご家庭が存在をして、それでそれをちょっと認めているような制度になっていたことは、ちょっと納得が得にくかった面があったかなと思っております。ただ、これは市町村も実は負担が増えるわけでありまして、何年かとってみたら、負担が世帯としては減るからいいではないかという議論も当然あるわけでありまして、そこの難しさはあるんですけれども、ただ年度途中でそれが起こったことに非常に分かりにくさを生じたんではないかなと思います。








24 市町村による地方創生総合戦略について 

○時事通信 平野実季 記者

すいません。総合戦略についてなんですけども、27日に出揃ったばかりということで、ちょっと早いかもしれないんですが、各市町村の実際のその中身についての知事の受け止めをお聞きしたくて、今まで県と市町村で情報共有しながら進めてきた中で、知事もある程度少なからずこういうのが出てくるんじゃないかという予測があったと思うんですけども、例えばいい意味でそれを裏切るような施策とかが市町村の中から、もし具体的なものがあったら。はい、お願いします。


●知事

私は大切だったのは、この総合戦略はそれぞれの市町村が作る際に、産学労金言官そういうふうに言われますけれども、いろんなかたがたを巻き込みながら、それぞれの市町村で議論してくださったことであると思います。中には中学生の意見を聞いた町もありましたし、これによって長い目で見て、自分の町をなんとかしなきゃいかんという意識が高まっていると思うんですね。それでその1つの帰結としてプランが出てきている。それでそのプランを共有することで、みんなでそれぞれ役割を果たそうというふうに動いてくれば、これはお金以上の価値があるんではないかと思っています。また、今回、私どもでこういう作業をやってまいりまして、先程も申しましたように、地方創生先行型交付金で、言わば国が評価をするわけです。それでその評価の中では、市町村入れて、全国で6位という高水準になりまして、おおむね評価が得られたと思いますし、中には全国の優良事例として紹介された例もございました。

南部町のCCRC[高齢者が移り住み、健康時から介護・医療が必要となる時期まで継続的なケアや生活支援サービス等を受けながら生涯学習や社会活動等に参加するような共同体]に向けた検討ですね、それで南部町のCCRCは、優良事例として報告に入れられたわけであります。これも議論が始まってから皆さんで積み上げられて、高齢者のかたも安心して住める町、それで若者と交流する町、そこに地域の協議会といったような町づくりのブロックの町づくりですね、それでそういうところと絡み合いながら、新しい地域づくりモデルを作った、それが地方創生として評価をされたんだと思います。それでこんなようなことなど、一定の成果は得られたんではないかなと思っております。それで次なる課題は単なる絵に描いた餅にしないことでございまして、これから予算を作ったり、事業を執行したり、それぞれの企業なり団体なり地域なりが、役割を果たしていかれる、それを円滑に動かしていくことだと思っています。


○山陰中央テレビ 山下桃 記者

他になければ終わります。よろしいでしょうか。では以上とさせていただきます。ありがとうございました。


●知事

どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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