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2020年11月 タイ王国及び東南アジア諸国の動向

    タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

    1. 政府の電気自動車普及促進政策
    2. 今後のタイの電気自動車産業について
    3. 今後の電気自動車市場の傾向
    4. まとめ

なお、全文版ではタイの経済統計を1ページにまとめた「ワンページタイ経済」も併せてご覧いただけます。

  

タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書2020年11月

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 現在、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済や各国の産業に大きな影響が及んでいますが、タイの自動車産業においても2020年の自動車の年間生産台数は昨年比21~25%程減少、この9年間で最も低い数字となることが予想されています。そんな中、この数年で大きな成長を見せているタイの「電気自動車産業」の現状と、これからの動向についてお伝えします。

1.政府の電気自動車普及促進政策

 タイ投資委員会(BOI)では、2015年以降電気自動車の普及を目的とした投資政策を精力的に打ち出しています。2020年2月には「国家電気自動車政策委員会(National Electric Vehicle Policy Committee)」を発足させ、翌月の同委員会の会合にて2030年までにタイ国内の自動車生産台数のうち、電気自動車の占める割合を30%まで引き上げることを目標とした「30@30」計画を発表しました。計画発表から現在に至るまで新型コロナウイルスの影響で具体的な計画の立案はされていませんが、政府として電気自動車の普及に積極的な姿勢を見せているため早々に具体的な提案がされるのではないかと思われます。

2.今後のタイの電気自動車産業について

(1)タイのGDP成長率と新型コロナウイルスの影響

 タイの2020年のGDP成長率について、世界銀行は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大前の1月時点では、前年から上昇に転じるという予想を発表していました。しかしその後、新型コロナウイルスが世界各地で猛威を振るい世界経済に影響を及ぼし始めると、6月には以前の予測から大幅に下方修正しGDP成長率はマイナス6%にまで落ち込むという予測を発表しました。

(2)グローバルバリューチェーンの中、2020年のタイの輸入量と輸出量の現状

 世界銀行の「World Development Report 2020」によると、タイの産業分野では輸出量(GVC Forward Linkages)を製造業で使われる材料の調達などを目的とした輸入量(GVC Backward Linkages)が上回っています。特にバッテリーやモーターの部品など、電気自動車産業において欠かせない材料のローカルサプライがタイ国内では少ないため材料の大半を海外からの輸入に頼っている状況です。そのため新型コロナウイルスの影響が長期化し現在タイと取引のある海外諸国の経済の低迷や輸出入への規制が今後しばらく続く場合、材料の調達を海外に依存しているタイの電気自動車産業や電子製品産業にとって大きな痛手となることが予想されます。

(3)タイの自動車生産業の動向

 1998年から2008年までタイ国内の自動車生産量は安定した成長を見せており、国内販売量と輸出量の割合は同程度で推移してきました。しかし、2008年から2010 年に起こったサブプライム不況により生産量・販売量・輸出量の全てが減少しました。その後、2012年から2013年にかけてタイ政府により実施されたファーストカー減税(自家用車の初回購入者に対する減税措置)により2012年には過去最高販売台数を記録し、2013年にはそれに次ぐ新車の販売台数を記録するまでに回復しました。

 翌2014年は減少したものの、生産・販売・輸出共にサブプライム不況前と比べて高い数値で安定して推移していました。ところが2020年は新型コロナウイルスの影響で一転し、前年の生産量の50%程度である100万~120万台まで大幅な落ち込みが見込まれています。

(4)タイの電気自動車生産業の現状

 

 タイの電気自動車の市場は、2015年から2020年の上半期まで大幅に成長しています。特にハイブリッド車(HEV、PHEV)を除く電気自動車(BEV)の登録台数は、日産リーフとMG・ZSの発売により2018年の325台から2019年には370%増の1,572台まで増加。さらに2020年上半期の登録台数は3,076台と2020年上半期だけで2019年の年間登録台数の倍近くまで登録台数が増加しています。このことからも、タイ国内における電気自動車の注目度の高さが伺えます。

 上述の通りタイの電気自動車・EV二輪・EVバスの市場は急激な成長を見せてはいるものの、現在の市場は国内生産量よりも海外からの輸入量が上回っています。電気自動車開発が進む日本や中国から完成車が輸入されていますが、近年ではタイで生産拠点を設けるバッテリーやモーターの部品サプライヤーが増えています。そのため、この先の3年間で電動自動車の完全自国生産が可能になるのではと目されています。

3.今後の電気自動車市場の傾向

 現在、タイの電気自動車市場は拡大傾向にあります。2019年に国内市場では比較的価格の低い(119万バーツ=約400万円)MG社のZS EVが投入されたことも拡大を後押ししています。更にMGセールスを所有する中国の上海汽車とタイの大手財閥チャロン・ポカパン(CP)グループの合弁企業であるSAIC Motor-CPは国内の電気自動車市場のさらなる拡大のため、2020年に自社工場で組み立てられたPHEV(プラグインハイブリッドカー)「MG HS PHEV」を発売することを発表しました。さらに今後、BEV(バッテリー式電動輸送機器)の「MG5 EV」の中国からの輸入販売も予定されており今後の市場の更なる活性化が期待されます。

4.まとめ

 世界のテクノロジーのトレンド変化により、タイの自動車産業も流れに沿って柔軟な対応が求められる時代です。タイ政府としても、経済開発計画の一つである「Green Economy」政策の一環として今後の電気自動車産業を活性化させるために様々な産業支援策を発表してきました。

 その成果として支援策を打ち出し始めた2015年以降、タイ国内の電気自動車の市場は毎年拡大しており5年後にはASEANの次世代自動車生産業ハブとして電気自動車産業がより活気づいていることが期待されます。そのため、タイへの進出を検討しているバッテリーやモーターなどの電気自動車に関連する部品生産業者にとって市場が活発に動き出している今こそが絶好の進出機会なのかもしれません。

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