令和7年10月8日
鳥取県人事委員会
本日、10月8日、県議会議長及び知事に対し、職員の給与に関する報告及び勧告並びに人事管理に関する報告を行いました。その概要は、次のとおりです。
なお、勧告に当たり、お忙しい中、職種別民間給与実態調査に御協力をいただきました民間事業所の皆様には、この場をお借りし、改めて御礼申し上げます。
本年の給与等報告・勧告のポイント
● 月例給(給料及び諸手当)
● 特別給(期末手当及び勤勉手当)
◆給与に関する報告・勧告
1 給与決定の原則
地方公務員法第24条第2項は「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない」と規定。これらの判断要素を調査し、総合的に勘案する。
2 職員の給与を取り巻く状況
(1)県内民間事業所従業員の給与の状況
<月例給・特別給(ボーナス)の公民比較>
区分
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県内民間(A)
|
県職員(B)
|
公民較差(A-B)
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月例給
(令和7年4月分) |
366,799円 |
356,614円
|
10,185円(2.86%) |
特別給
(令和6年8月~令和7年7月) |
4.47月分 |
4.35月分 |
0.12月分 |
(注)月例給は、ラスパイレス方式による比較
(2)国家公務員の給与の状況
<国公ラス(国=100)>
令和2年
|
令和3年
|
令和4年 |
令和5年 |
令和6年 |
令和7年 |
95.4 |
95.5 |
95.8 |
96.2 |
96.6 |
未公表 |
(3)他の都道府県の職員の給与の状況
3 勧告の考え方及び内容
1の給与決定の原則に基づき、次のとおり判断した。
(1) 月例給(給料及び諸手当)
ア 考え方
イ 内容
<参考>改定後の月例給
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現行
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改定後
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改定額
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改定率 |
月例給
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356,614円
|
366,728円
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10,114円
|
2.84% |
<参考>改定後の初任給
(行政職)
-
大卒:(改定前)225,900円 →(改定後)237,600円 (+11,700円)
-
高卒:(改定前)194,800円 →(改定後)206,700円 (+11,900円)
(2) 特別給(期末手当・勤勉手当)
ア 考え方
イ 内容
<一般の職員の場合の支給月数>
年度 |
区分 |
6月期 |
12月期 |
令和7年度 |
期末手当
勤勉手当
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1.250月(支給済み)
0.925月(支給済み)
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1.275月(現行1.250月)
1.000月(現行0.925月)
|
令和8年度 |
期末手当
勤勉手当
|
1.2625月
0.9625月
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1.2650月
0.9625月
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(3) 実施時期
ア 月例給
イ 特別給
(4) 手当の見直し
ア 通勤手当
-
自動車等使用者の勤務公署周辺の駐車場等の利用に対する手当額について、1か月当たり5,000円を上限とする制度に見直しを行う。(国準拠)
-
月の中途で採用される職員等に対し、採用日等から通勤手当を支給できるように見直しを行う。(国準拠)
イ 宿日直手当
ウ 特地勤務手当に準ずる手当・へき地手当に準ずる手当
◆人事管理に関する報告
鳥取県と県民を取り巻く環境が急速に変化する中、様々な課題に迅速かつ的確に対応していくためには、職員が成長して能力を発揮できる「魅力ある組織の実現」とその基盤となる「職場環境の整備」の2点が必要である。
1 職員が成長し、やりがいをもってその能力を発揮できる魅力ある組織の実現
-
全庁挙げて取り組むべき最重要課題である人材確保に向けて、「選ばれる鳥取県」を実現するためには、学生等のキャリアプランに沿った様々な採用試験の見直し(採用候補者名簿の期限延長など)を検討することが必要である。また、様々な事情を抱えた人が多様な働き方の選択を可能とする鳥取方式短時間勤務職員やアルムナイ採用について、多様な職種への拡充など必要な制度の充実を図るべきである。
-
職員が成長し続け、能力を発揮し続けるためには職員の努力、成果が正当に評価されることが必要であり、その基礎である人事評価制度の適正な運用は、職員の成長と能力発揮、組織パフォーマンスの向上につながるものであるため、評価者の評価能力・育成能力を向上させる研修等を充実していくことが必要である。
2 職員が健康的かつ安全に安心して働き続けることができる職場環境の整備
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現在も取組が進められている熱中症対策とともに、冬季の暖房運用など適切な職場環境づくりを引き続き進めていくことが必要である。
-
管理職員が、所属職員が健康に勤務できるよう必要な配慮を行う義務(安全配慮義務)を意識しながら、勤務時間の正確な把握を行い、適切な業務配分と計画的な業務遂行等の業務マネジメントを行うことが必要である。
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時間外勤務縮減、上限時間の厳守を強く意識することを改めて徹底し、特に月100時間以上の時間外勤務を無くすための方策に集中的に取り組むべきである。
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業務量に応じた要員の配置など柔軟な人事管理を行うとともに、その一方、人員に応じた業務量という視点もより強く念頭に置きながら徹底した業務見直し、削減を断行していくことが重要である。
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ライフスタイルや働き方に対する価値観が多様化し、それに応じた勤務環境が求められている中、これまで進められてきた仕事と家庭の両立支援に加え、鳥取方式短時間勤務職員や副業チャレンジの推進などの取組を通じて、時代に即した柔軟な働き方の選択を可能にしていくことが重要である。
-
職員が相談しやすい体制となっているか、個々の事案にきめ細やかに対応できる体制になっているか等を適宜点検し、より効果的なハラスメント対応体制を引き続き構築していくこと、さらに近年、社会全体で関心が高まり民間企業における取組が強化され、一部本県でも取り組まれているカスタマー・ハラスメントへの対策も進めていくことが必要である。
3 結び
全ての職員がやりがいを持って働くことができ、成長しながら能力を発揮できる魅力ある組織を実現していくこと、職員が健康的かつ安全に安心して働き続けることができる職場環境を整備する取組や時代に即した働き方をさらに進め「選ばれる鳥取県」を実現することを目指して、本報告に真摯に向き合い、適切に対応されることを期待する。
概要
職員の給与等に関する報告・勧告の概要 (pdf:273KB)
勧告・報告(本文)
職員の給与に関する報告及び勧告並びに人事管理に関する報告(本文) (pdf:701KB)
- 別紙第1 職員の給与に関する報告
- 別紙第2 職員の給与に関する勧告
- 別紙第3 人事管理に関する報告
参考資料
参考資料 (pdf:1394KB)
勧告のポイント
勧告のポイント (pdf:410KB)
委員長コメント
議長・知事への勧告時の委員長コメント要旨 (pdf:159KB)
