県政トピックス/産廃は私たちの身近な問題

シリーズ 産廃処分場について考える1

県民一人一人が向き合おう ~産廃は私たちの身近な問題~

 「廃棄物」は、日常生活で発生する「一般廃棄物」(一廃)と事業活動によって発生する「産業廃棄物」(産廃)とに大別されます。家庭から出る一廃以外にも、私たちが毎日出す下水の処理後に残る汚泥や、家のリフォームや建物解体から出る建設廃材などは、産廃として身近な所から生まれています。リサイクルを進めてもゼロにするのが難しい廃棄物、私たちはこの問題に、いま一度向き合う必要があります。

減量化・再資源化を徹底

  一廃(し尿を除く)の発生量は毎年20万トンを超え、その55%は家庭から、45%が事業活動により生じています。市町村および一部事務組合が処理する一廃は、約15万トンが焼却され、1.5万トン前後の残さが最終処分場に埋め立てられます。県の一廃リサイクル率は近年、30%を超え、全国的に上位に位置していますが、発生量の抑制やリサイクルには、引き続き取り組む必要があります。
  また、事業所はその活動に伴い発生する廃棄物をできるだけ抑えるため、リサイクルしやすい製品の開発や分別の徹底などに取り組んでいます。それでもなお発生する産廃は排出事業者自ら、または「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)に基づく許可を取得した収集運搬、処分業者などに委託した上で適正に処理します。
  県内では毎年、年間120万トンを超える産廃が発生しています。このうち、農業や林業など第1次産業からの発生量は60万トン超。動物のふん尿がほぼ全量を占め、その他廃プラスチックや金属くずなどがあり、約99%が再使用・再生利用されています。
  一方、第1次産業を除く産廃の発生量は、年間60万トン弱で推移。このうち、他者に買い取ってもらえる価値のある物をまず売却。これを除いたものは、脱水、乾燥、破砕などにより減量、無害化する「中間処理」が行われます。こうして、がれきやガラスくずなどの建設廃材は再び建設資材に、木くずは製紙原料や燃料チップにと、それぞれ形を変えて再利用されます。

廃棄物の分類

一般廃棄物
●事業系一般廃棄物
  事業活動に伴って生じた廃棄物で、産業廃棄物以外のもの
●家庭廃棄物
  一般家庭の日常生活に伴って生じた可燃・不燃ごみ、粗大ごみ など
●特別管理一般廃棄物
  廃家電製品に含まれるPCB使用部品 ほか

産業廃棄物
●産業廃棄物
  事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法に定められた20種類の廃棄物。燃え殻、汚泥、廃油、廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず、木くず、がれき類、ばいじん、動物のふん尿、動物の死体 など
  (下水処理後の汚泥、家の建て替えで出る建設廃材なども含まれる)
●特別管理産業廃棄物
  爆発性、毒性、感染性などのある産業廃棄物
  (病院で使われた注射器・針も含まれる)

産廃の発生量、最終処分量、リサイクル率の推移

■2013年(平成25年)
  発生量58万2,000トン 最終処分量2万1,000トン
  リサイクル率(鳥取県)76.2% リサイクル率(全国平均)53.0%
■2014年(平成26年)
  発生量59万7,000トン 最終処分量2万1,000トン
  リサイクル率(鳥取県)76.1% リサイクル率(全国平均)53.0%
■2015年(平成27年)
  発生量52万5,000トン 最終処分量2万2,000トン
  リサイクル率(鳥取県)75.9% リサイクル率(全国平均)53.0%
■2016年(平成28年)
  発生量56万6,000トン 最終処分量2万6,000トン
  リサイクル率(鳥取県)75.7% リサイクル率(全国平均)53.0%
■2017年(平成29年)
  発生量55万8,000トン 最終処分量2万5,000トン
  リサイクル率(鳥取県)75.8%

最終処分先、皆で考える

  県の産廃リサイクル率は全国平均53%を20ポイント上回る75%以上を維持するものの(上表参照)、現在の技術では全量の再資源化は困難。最後まで残った産廃は「最終処分場」で埋め立てられます。
  最終処分場は「遮断型」「安定型」「管理型」の3つに分類(下表参照)されます。県内では安定型の施設で、雨水にさらされてもほとんど変化しないがれき類、ガラスくずなどを処分しています。経年により腐敗や変質する産廃は、汚水が外に漏れ出ない構造で、発生した汚水を浄化する管理型で処分しなければなりません。県内には受け入れできる施設がないため、燃え殻や汚泥など1万トン以上が毎年県外へ。36道県が県外からの産廃受け入れを規制する中、新たな処分先が確保できなければ、県内の事業活動が立ち行かなくなります。私たちの住む家も、大切に使っている自家用車も、いずれは産廃になります。環境を損なわずにこれらを自然界に戻すにはどうすべきか、共に考えましょう。

発生から最終処分まで

  2017(平成29)年度に発生した県内の産廃(第1次産業除く)約55万8千トンは、脱水・乾燥などの中間処理により排出量の19%を減らし76%を再生利用、4%の2万5千トンが最終処分場で処分されました。

産廃発生量55万8千トン
●内訳 がれき類23万3千トン 汚泥11万1千トン 木くず5万7千トン 廃プラスチック類3万1千トン ばいじん2万9千トン ガラスくず等2万5千トン その他7万2千トン

産廃排出量54万7千トン(発生量の98%)
  産廃発生量から有償物1万1千トン(発生量の2%)を除いたもの

中間処理量53万6千トン(発生量の96%)
  産廃排出量から中間処理なし分1万1千トン(発生量の2%)を除いたもの

処理後の残さ量42万9千トン(発生量の77%)
  中間処理量から中間処理(脱水、乾燥、破砕、焼成など)による減量化分10万7千トン(発生量の19%)を除いたもの

最終処分量2万5千トン(発生量の4%)
  再生利用できないもの
●内訳 がれき類7千トン ガラスくず等4千トン 廃プラスチック類3千トン 燃え殻4千トン その他産廃3千トン 汚泥1千トン その他3千トン
※最終処分される2万5千トンのうち、がれき類やガラスくずなどの1万4千トンは県内の安定型最終処分場で、燃え殻や汚泥など1万1千トンは県外の管理型最終処分場で処分されています。

資源化(再生利用)量42万6千トン(発生量の76%)
  処理後の残さ量から最終処分分を除いたものと、有償物、中間処理なし分を加えたものの合計

※文章中の数値は端数処理の都合上、一部合わない部分あり。

最終処分場の3分類

遮断型処分場
  有害な燃え殻、ばいじん、汚泥などを埋め立てる。廃棄物中の有害物質が雨水により流れ出さないよう、屋根や雨水排除設備などが設置されている。県内にはない。
安定型処分場
  埋め立て後に雨水にさらされてもほとんど変化しない廃プラスチック類、ガラスくず、がれれき類などを埋め立てる。県内では7施設が稼働中。
管理型処分場
  埋め立て後に汚水やガスが発生する木くず、繊維くず、燃え殻、汚泥などを埋め立てる。施設は汚水が外に漏れ出ない構造で、発生する汚水やガスは処理してから放出する。受け入れ可能な施設は県内にはない。

参考 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターウェブサイト「産廃情報コーナー」

【問い合わせ先】 県庁循環型社会推進課
電話 0857‐26‐7681 ファクシミリ 0857‐26‐7563
https://www.pref.tottori.lg.jp/126986.htm
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※暮らしに関わる大切な問題の一つとして、シリーズ「産廃処分場について考える」を、今回を含め3回にわたり当コーナーに掲載予定です。



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