5月23日に、令和8年度とっとり弥生の王国 青谷かみじち遺跡土曜講座を開催しました。
本年度第1回目となる今回は、講師に元鳥取環境大学教授の浅川滋男先生を迎え、「青谷上寺地の弥生時代建築−遺跡展示のオーセンティシティ再考−」と題してご講演いただきました。

遺跡から出土した建築部材や遺構、出土品などをもとに、どのように建物の上屋構造を復元していくかということについて、先生が関わられた復元建物の事例をあげてご専門の建築考古学の立場から詳細に説明され、聴講された皆さんが熱心に耳を傾けていました。お話の中で、青谷上寺地遺跡とその出土品について触れられ、その重要性について「青谷上寺地遺跡の建築部材だけで大型建物の構造が復元できる」「こんなことができる遺跡は日本でここだけである」と強調されていました。
その一方で、建物復元の実証性について完全に信じ込んでもいけないとお話されました。各地の史跡や博物館で見られる復元建物や復元模型などの展示を見て、当時はこのような建物が建っていたのだと無条件に信じてしまいがちです。しかし、中には専門家の間でも様々な意見や見解の相違があるものも存在するので、あらゆる復元媒体の真実性(オーセンティシティ)について、批判的に捉えてほしいと締めくくられました。

浅川先生には、現在、重要文化財棟企画展示室で開催中の第1期企画展「弥生の建築」の開催にあたり、展示方法や説明についてご指導いただきました。講演の中でも、「栓(せん)」や「蟻桟(ありざん)」などを例に挙げて木材の接合技術について、どのような点に注目して展示を見たら良いかお話されていました。
第1期企画展は9月6日(日)まで開催していますので、まだご覧になっていない方はぜひおいでいただき、弥生人の建築技術の素晴らしさに触れていただければと思います。