2025年のズワイガニ漁が11月6日に解禁となりました。
11月7日は県内の主要水揚げ港(境漁港・鳥取港・網代漁港)にて沖底船全船(23隻)が一斉に水揚げしました。
まずは、境港地方卸売市場に11月7日の0時に市場調査に行きました。
港には続々と沖底船が帰港してきました。

この日、境港に水揚げした船は網代船4隻、田後船6隻、境港3隻でした。
各船に初航海のカニの漁獲状況を聞いてみたところ、
操業された海域は主に隠岐諸島北側と、隠岐諸島北西の海域で操業した船とで2手に分かれていました。
松葉がにはどの船も前年並から前年を上回る水揚げが揚がっている様子で、特に隠岐北西の海域で操業していた船が漁獲が多かったようです。
松葉がにのサイズは小~中型サイズ(甲幅10.5-13cm)が主体でした。

親がにはどの船も漁獲上限枚数(1晩泊まりで6000枚/船)まで漁獲しているようです。
トップブランドの五輝星サイズ(甲幅13.5cm以上、1.2kg以上)の大型の松葉がにも水揚げされていました(結局、この日は境港地方卸売市場で6枚の松葉がにが五輝星が認定されています)。
境港で状況を聞いた後、すぐに網代港地方卸売市場に向かいました。
この日網代に水揚げした沖底船は6隻でした。

5時頃に着きましたが各船は既に帰港し、水揚げが終わり、再び出航したため、市場に着岸している船はいません。
氷を積んでこれから出航しようとしている船が一隻あり、なんとか話を伺ったところ、
隠岐東方の海域で操業されていたようですが、松葉がにの獲れ方はいまひとつといった状況のようです。
市場の各船の水揚げ状況をみるとやはりこちらも小~中型サイズがメインで、大型銘柄は少ないです。
網代は県内でも随一の厳しさで五輝星の選定を行っています。
この日も何枚か五輝星候補の大型の松葉がにがいましたが、ずっしりと重く身入りが良いカニでも少しのキズやヤケがあったため、目利き人は妥協せず、この日、網代では五輝星に選定されたカニはありませんでした。

続いて賀露地方卸売市場に向かいました。
賀露船は主に隠岐北西の海域で操業されていたようで、松葉がには前年より多く獲れているようです。


賀露も大型サイズが少ないようで、各船から五輝星に選定されたカニはなかなかでません。
前年に引き続き五輝星が出ない初セリになってしまうかと思いきや、
今年の秋から新船となった第三生洋丸から唯一1枚、五輝星が選定されました(甲幅14.2cm、爪幅2.9cm、重さ1.22kg)。
初セリでは100万円の値が付きました。

結局、この日、県内全体の松葉がにの水揚げ量は前年の2倍程度の水揚げとなりました(親がには前年並み)。
今年は入港隻数が増えたことや海況に恵まれことから好漁となったことも考えられますが、
漁期前に行った調査でも松葉がにの資源量は増加しており、概ね調査結果から予想されたとおりの水揚げ状況となりました。
一方、調査では、小型のカニの加入が少ない状況も見えており、今後、ズワイガニの資源は再び減少へと向かうことが予想されます。
将来予想される資源の減少に備え、今漁期は増えてきた資源の過度な漁獲は控え、次漁期に取り残しておくことが重要な状況と思われます。