栽培漁業センターでは鳥取県沿岸の水深10m付近の海藻群落をつくるため、ツルアラメの移植試験を行っています。ツルアラメはサザエの餌になることが分かっており、多くの海藻が浅場に生息していますが、深場にも生息しています。きっと深場の環境(水温、水流、太陽光などの加減)がちょうど良いのでしょう。
ツルアラメの移植は2024年4月12日に行い、約1年後の2025年4月22日に今回の追跡調査を行いました。すると葉の伸長もさることながら根も伸長し、そこから新たな株も増えていました。なお、写真の赤い破線の範囲はだいたい同じ範囲になります。
移植時のツルアラメ(2024年4月12日)

ツルアラメの全様(移植後約1年:2025年4月22日)

ツルアラメの伸長した根(移植後約1年:2025年4月22日)
このまま生長すれば、秋頃には遊走子(ゆうそうし:次世代のツルアラメの元になるもの)を放出することも考えられます。そして、海中を漂った遊走子が岩などに活着し、新たなツルアラメが誕生することでしょう。そんな様子を期待して、今後も調査を続けます。