保安林制度

 保安林とは、水源の涵(かん)養、土砂流出の防備、生活環境の保全等の目的を達成するため、特に森林の持つ公益的機能を高度に発揮させる必要のある森林で、森林法に基づいて指定された区域です。
  このため保安林は、適切な保全管理と森林施業の確保を図ることによって諸機能の維持増進を図り、公益的な役割を果たす必要があります。
  

保安林の役割

 森林は、美しい景観やきれいな空気を提供したり、水源を守り、洪水などの災害を防いだり、海岸では潮害を防ぎ、飛砂の害から家や田畑を守ってくれるなど、いろいろな働きをしています。
 そこで、国や都道府県ではとくに大切に保護しなければならない森林を「森林法」という法律に基づいて保安林に指定し、森林のいろいろな役割を十分に発揮できるよう伐採を禁止したり、制限したりして適切な管理を行っています。現在、鳥取県内には国有林約30千ha、民有林約108千ha、合計約138千haが保安林に指定されており、これは県内の森林総面積の約54%を占めています。保安林の実際の働きによって下記の17種類が定められています。

保安林の種類

森林法第25条第1項 保安林種 指定解除権限 指定の目的(期待する森林の機能)
1号 水源かん養保安林 農林水産大臣 河川の上流域にある森林等が有する理水機能等により、河川の流量を調節することで、洪水の防止、水資源の確保を行います。
2号 土砂流出防備保安林 農林水産大臣 雨水による表土の浸食、土砂の流出、崩壊を防止します。
3号 土砂崩壊防備保安林  農林水産大臣 地盤の不安定な急傾斜地等の山崩れを防止し、住宅、農地、道路、その他施設を守ります。
4号 飛砂防備保安林 
知事 海岸の砂浜などの飛砂の発生を抑止し、それによる被害を防止、軽減します。
5号 防風保安林  知事 風の強い地域で風速を緩和し、強風等による被害を防止します。
  水害防備保安林  知事 洪水時の流木、砂礫等の氾濫を阻止し、洪水による被害を軽減します。
  潮害防備保安林  知事 津波又は高潮による被害を軽減するとともに、海岸からの塩分を含んだ風を弱め、田畑の農作物等の塩害を防止します。
  干害防備保安林  知事 簡易水道や、かんがい用貯水池等、特定の水源を守り、水がかれるのを防ぎます。
  防雪保安林  知事 飛雪、吹きだまりその他の雪害から道路等を守ります。
  防霧保安林  知事 霧の粒を樹木の葉等で捕えし海霧の移動を阻止し、霧粒を捕捉し霧害を軽減、防止する。
6号 なだれ防止保安林  知事 なだれの発生を防止し、又は発生したなだれの勢いを弱め、被害を防止します。
  落石防止保安林  知事 樹木の根によって岩石を安定させる等により落石による被害や危険を防止します。
7号 防火保安林 知事 耐火樹又は防火樹によって防火樹帯を設け、森林等の火災の延焼を防止します。
8号 魚つぎ保安林  知事 水面に影をつくったり、森林の水質汚濁の防止作用等により、魚類の棲息と繁殖を助けます。
9号 航行目標保安林  知事 漁船等の船舶の目標となって、航行の安全を確保します。
10号 保健保安林  知事 気象条件の緩和、騒音の防止等により生活環境を保全します。また、森林レクリエーション活動の場を提供します。
11号 風致保安林  知事 名所や旧跡、趣のある景色などを保存する。

保安林制度のしくみ

保安林制度は、森林法の中に規定されています。そのしくみについて紹介します。

保安林制度の体系

保安林の指定・解除

 鳥取県では、水源かん養保安林、土砂流出防備保安林、土砂崩壊防備保安林を農林水産大臣が指定・解除し、その他の保安林を知事が指定・解除します。
 

(1)保安林指定

 保安林の指定に必要な要件は、主に以下の2点です。

■指定の対象地が森林法上の森林であること。

■指定による受益の対象が存在し、受益の対象の得る利益が公益であること。

【保安林指定の流れ】

○申請
 保安林の指定に直接の利害関係を有する者は、保安林の指定の申請をすることができます。申請は、保安林指定申請書を知事へ提出することで行い、農林水産大臣が指定する保安林については、県から農林水産大臣へ送付されます。
○予定告示
 各指定権者が申請内容を審査し、保安林の指定が必要であると認められた場合は、県の公報に予定告示が掲載され、土地の権利者等に通知がされます。
○市町村における掲示
 予定告示の内容については、市町村で30日間掲示されます。
○確定告示
 市町村掲示後に、官報及び鳥取県の公報で保安林の指定が確定された旨の告示が掲載されます。
○登記
 登記簿の地目が保安林に変更されます。
 ただし、地番の一部が保安林となった場合は、地目が変更されません。

(2)保安林解除

 保安林の指定がされた森林は、原則として保安林の解除はできませんが、以下に該当する場合に限り解除が認められる場合があります。

■指定の理由が消滅したとき
 指定による受益の対象が消滅したとき、自然現象等により保安林が破壊され森林への復旧が困難と認められるとき、保安林の機能に代替する機能を果たす施設が設置されたとき又はその施設の設置が確実と認められるとき

■公益上の理由が生じたとき
 土地収用法等により、土地を収用又は使用できることとされている事業を実施する場合など

【保安林解除の流れ】

○申請
 保安林の解除に直接の利害関係を有する者は、保安林の解除の申請をすることができます。申請は、保安林解除申請書を知事へ提出することで行い、農林水産大臣が解除する保安林については、県から農林水産大臣へ送付されます。
○予定告示
 各解除権者が申請内容を審査し、保安林の解除が必要であると認められた場合は、県の公報に予定告示が掲載され、土地の権利者等に通知がされます。
○市町村における掲示
 予定告示の内容については、市町村で30日間掲示されます。
○確定告示
 市町村掲示後に、官報及び鳥取県の公報で保安林の解除が確定された旨の告示が掲載されます。
○登記
 登記簿の地目が保安林から変更されます。
 ただし、地番の一部が保安林の解除となった場合は、地目が変更されません。

保安林内での行為制限

 保安林内で立木伐採などの際、必要最小限の制限を受けます。


(1)立木の伐採

  保安林で立木を伐採する場合には、あらかじめ知事の許可を受けなければなりません(間伐および人工林の択伐については届出が必要です)。なお、この場合、指定施業要件(※)として定められている制限の範囲内の伐採であれば許可されることになっています。

先頭へ許可手続き等はこちらへ 

許可を要しない伐採~あらかじめ届出が必要な場合があります~

 除伐は森林法第34条第1項第8号により許可を要しないこととなっています。また、法令に基づく測量のための伐採などは森林法施行規則第60条第1項により許可を要しない伐採とされています。ただし、これらのうち、第5号から第9号までに規定されている伐採を行う場合にはあらかじめ届出が必要です。

(2)土地の形質の変更など

 保安林内で家畜の放牧や土石・樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為などを行う場合には、あらかじめ知事の許可を受けなければなりません。なお、これらの行為が保安林の働きに支障を及ぼす場合を除き、許可されることになっています。
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許可を要しない軽易な行為

 森林法施行規則第62条に許可を要しない軽易な行為として以下の項目が規定されています。

  1. 造林又は保育のためにする地ごしらえ、下刈り、つる切り又は枝打ち
  2. 倒木又は枯死木の損傷
  3. こうぞ、みつまたその他農林水産大臣が定めるかん木の損傷

(3)植栽の義務

  立木を伐採した後や土地の形質を変更する行為をした後には、その跡地への植栽を義務づける場合があります。(例)木を植えなければ元の森林状態に回復しない場合など。

処分・罰則

(1) 監督処分(森林法第38条)

 保安林における制限(森林法第34条)や許可条件の違反、植栽の義務の規定に違反した場合は、その行為者に対して、知事は中止又は復旧その他必要な措置を命じることができます。

(2) 罰則(森林法第206条~第209条)

 森林法第38条の規定による命令などに違反した者は、150万円以下の罰金が課されます。

※平成29年4月1日以降は、300万円以下の罰金及び3年以下の懲役刑

特例措置等

(1)税金が免除されたり減額されたりします

 固定資産税、不動産取得税、特別土地保有税は課税されません。また、相続税、贈与税は伐採制限の内容に応じて相続税等の評価の際に3~8割が控除されます。

(2)特別の融資が受けられます

 一定の条件を満たしている場合には、長期で低利の資金を(株)日本政策金融公庫から借りることができます。

(3)伐採の制限に伴う損失についての補償が受けられます

 禁伐または択伐の伐採制限が課せられる保安林については、立木資産の凍結による損失についての補償が受けられます。

  

最後に本ページの担当課    鳥取県農林水産部 森林・林業振興局 森林づくり推進課
    住所  〒680-8570
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    電話   0857-26-73040857-26-7304    
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