1.4 大学との連携

平成19年度版 鳥取県環境白書

1.すべての主体の連携・協働による環境立県

 1.4 大学との連携

赤潮被害防止総合対策事業

1 事業の背景・目的

(1)平成17年8月に発生した有害赤潮プランクトン(コクロデニュウム)により湯梨浜町宇野から鳥取市船磯までの磯場のアワビ、サザエが壊滅的な被害を受けた。また、平成18年8月には、別種の有害赤潮プランクトン(カレニアミキモトイ)が発生し、日本海沿岸でも赤潮の発生が定着化してきている。
(2)これら有害プランクトンの日本海での生態的な知見が十分ではなく、また、国外を含む他海域から流れ着いている可能性があるため、今の知見だけでは発生予測は非常に困難な状況にある。
(3)赤潮被害を未然に防ぐため、鳥大と県が監視に向けた調査を行うとともに、漁業被害を未然に防止するための体制整備、資源回復に取り組む漁協支援など赤潮被害を防止していくための総合的な対策を行う。

2 事業内容

(1)有害プランクトン基礎調査(鳥取大学へ委託)
 ·赤潮漂着シミュレーションソフト開発(鳥取大学工学部)
 ·赤潮増殖試験(鳥取大学農学部)
(2)磯場資源緊急回復事業
 ·被害を受けた漁協が放流する種苗代の支援(対象種苗:アワビ、サザエ)

 過去の実績

  • 平成18年度実績
    1 有害プランクトン基礎調査委託は、一部試験設定の変更が生じたものの、おおむね予定通り調査が行われた。
    2 被害を受けた漁協(支所)へのアワビ、サザエの種苗購入に対し補助を行い、資源回復につとめた。
    3 有害赤潮プランクトン被害防止対策マニュアルを運用し、夏場の定期観測を実施した。
      8月には「カレニア・ミキモトイ」が鳥取県沿岸で発生したが、マニュアルの運用により漁業被害を最小限に抑えることができた。
    4 赤潮講演会を実施し、漁業者へ赤潮に対する知識を深めるとともに、防除剤の散布訓練を実施した。
    粘土剤散布
  • 平成19年度実績
    1 有害プランクトン基礎調査委託において、基本的な流動モデル作成等が行われた。
    2 被害を受けた漁協(支所)へのアワビ、サザエの種苗購入に対し補助を行い、資源回復につとめた。
    3 有害赤潮プランクトン被害防止対策マニュアルを運用し、夏場の定期観測を実施した。特に被害は発生しなかった。 

●担当:農林水産部 水産振興局 水産課 漁業振興担当 電話:0857-26-7317


参考URL
 鳥取県水産課のwebサイトより
 「水産課」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=44462

鳥取県環境学術研究振興事業

1 事業の目的
 本県の環境の保全及び快適な環境の創造に関する政策の推進に資することを目的として、県内高等教育機関が取り組む、施策化・実用化が期待できる環境分野の研究に対して助成する。

2 事業内容
 鳥取県環境学術研究基金の運用益により、鳥取環境大学をはじめとした県内高等教育機関における環境に関する学術研究に対する助成等。

(1)財源  鳥取県環境学術研究基金の運用益
  (平成11年3月設置 約30億円)
(2)開始年度 平成13年度
(3)対象機関 鳥取大学、鳥取環境大学、鳥取短期大学、米子工業高等専門学校
(4)助成額   43,500千円
(5)採択予定 鳥取環境大学 12テーマ(22,157千円)
          鳥取短期大学  3テーマ(4,152千円)
          鳥取大学      8テーマ(11,829千円)
          米子高専      4テーマ(5,362千円)
(6)成果の公表
 「産学金官連携フェスティバル(仮称)」(H19年10月、県民文化会館開催予定)でH18年度に実施した研究成果の発表を行う予定。

 過去の実績

  • 平成18年度実績
     鳥取県環境学術研究基金の運用益により、鳥取環境大学をはじめとした県内高等教育機関における環境に関する学術研究に対する助成等を行った。56件の応募に対し、27課題を採択し、総額44,773千円の助成を行った。
      本事業で助成を行った研究成果の発表について、「産官学連携フェスティバル2007」(平成19年10月24日、 県民文化会館)で実施した。
  • 平成19年度実績
     
    鳥取県環境学術研究基金の運用益により、鳥取環境大学をはじめとした県内高等教育機関における環境に関する学術研究に対する助成等を行った。56件の応募に対し、29課題を採択し、総額43,500千円の助成を行った。
      本事業で助成を行った研究成果の発表について、「産官学連携フェスティバル2008」(平成20年10月17日、 とりぎん文化会館)で実施した。

●担当:企画部・青少年・文教課・高等教育・学術振興担当・0857-26-7814


参考URL
 鳥取県青少年・文教課のwebサイトより
 「環境学術」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=30107

鳥取大学菌類・きのこ機能開発研究部門設置事業

1 事業の背景
 環境・健康に対する意識が高まる中、鳥取大学農学部では、「(財)日本きのこセンター菌蕈研究所」が保有する約一千種類のきのこ遺伝資源のもつ様々な可能性に着目。平成17年度には農学部に「菌類・きのこ遺伝資源研究センター」を設置、菌蕈研究所と連携しつつ、医学・工学部などとも融合を図り「菌類・きのこに関する研究開発の拠点」を目指すこととなった。

2 事業内容
 菌類・きのこの研究に鳥取大学の高度な研究機能の活用を図るため、H17~H19年度の3年間寄附研究部門の設置を行い、きのこ類菌糸体を用いた環境浄化技術(ダイオキシン類による低濃度で広範囲の汚染土壌をきのこの力を借りて自然に優しく分解する方法)等を開発。

(1)寄附研究部門名  菌類・きのこ機能研究開発部門

(2)研究内容
 きのこ遺伝資源を活用した新産業創造開発支援きのこ類菌糸体を用いた環境浄化技術の開発菌根類(植物との共生菌)の人工感染技術の開発

(3)研究者  計2名(教授クラス1名、助教授クラス1名)

 過去の実績 

  • 平成18年度実績
     菌類・きのこの研究に関する鳥取大学の高度な研究機能の活用を図るため寄附研究部門の設置を行った。
     きのこ類菌糸体を用いた環境浄化技術(ダイオキシン類による低濃度で広範囲の汚染土壌をきのこの力を借りて自然に優しく分解する方法)等を開発した。
  • 平成19年度実績
     
    菌類・きのこの研究に関する鳥取大学の高度な研究機能の活用を図るため寄附研究部門の設置を行った。
     引き続き、きのこ類を用いたダイオキシン類浄化に関する研究において、ダイオキシン分解代謝産物の同定と代謝経路について検討し、代謝経路を推定した。

●担当:企画部・青少年・文教課・高等教育・学術振興担当・0857-26-7814


参考URL
 
鳥取県青少年・文教課のwebサイトより
 「菌類・きのこ」
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=30108

持続可能な地下水利用検討事業<平成19年度新規>

1 事業の目的
 大山南西麓、鳥取平野における地下水の貯留量や水収支の現状、地下水の流動機構の把握を行い、持続可能な地下水利用のあり方を検討する。

2 背景、現状、及び課題

・大山周辺地域に大量に地下水を採取する企業が相次いで進出したことに関連し、地下水資源の枯渇や農業用水など他の利水への影響が危惧されている。
・鳥取平野では地下水採取による地盤沈下が既に生じている。(現在は沈静化している)
・大切な資源である地下水を、環境を保全した上で有効に利用していくためには、現状の水位、貯留量などを把握したうえで、持続可能な地下水利用のシステムを構築する必要がある。

3 事業の内容

(1)地下水許容揚水量の推定(鳥取大学との共同研究)
 ・大山南西麓において、地下水位調査、降水量調査、河川流量調査、地下構造の調査等により、地下水収支の現状把握、地下水貯留量の推定を行い、地下水許容揚水量を推定する。
 ・既存のデータを用い鳥取平野の地下水許容量を推定する。
(2)持続可能な地下水利用の制度検討
 ・関係機関、専門家を交えた協議会を開催し、検討を行う。

 過去の実績

  • 平成19年度実績
     持続可能な地下水利用を検討するため、鳥取大学と地下水研究会を設置し、共同研究を行った。
    1 大山南西麓 水収支を把握するため、山麓に地下水位観測井戸、降水量計、融雪水量計、河川水位計を設置し観測を開始した。また、重力探査を行い地盤構造の解析を行った。                        
    2 鳥取平野 水収支を把握するため、河川流量の測定、地下水位の観測等を行った。 

             ●担当: 生活環境部水・大気環境課 水質担当 電話0857-26-7197

参考URL 
   水・大気環境課のwebサイトより
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=4597

鳥取県に飛来する黄砂の実態解明に関する調査・研究

  

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