平成19年12月28日(金)午後4時から
県庁講堂

 皆さま、こんにちは。そして、まずもって皆さまに心からのありがとうを申し上げたいと思います。この一年間大変なご苦労もあったことだろうと思います。しかし、皆さまそれぞれの持ち場持ち場におきまして、それぞれに素晴らしい仕事をされました。これは、県民にとっても大切な大切な財産であったと思います。そういう意味で、職場に帰りそれぞれの職員の皆さんにもよろしくお伝えをいただきたいと思います。本当にありがとうございました。

  ただ今、表彰を受けられた皆さん、本当におめでとうございます。それぞれに、ご功績があったということでの表彰でありました。例えば、中越沖地震。夏に、突然勃発をしたわけであります。その直前に、私も新潟県の泉田知事と話をして、お互いの震災の体験を話し合っていたところです。そのノウハウをこれからは活用し合わなければならないなという話をしていたところに、あのニュースが飛び込みました。

 当初、当県としてどういうふうに対応するか議論もあったところではありますけれども、やはりここは地元として震災の経験と知識を生かせる人材を送ろうではないかと踏み切ったわけであります。そうしましたところ、応援隊の皆さん、あるいは保健師の皆さん、また危険度判定士の関係者の方々、職員も名乗りを挙げたりしていただきまして、快く現場のほうへ出向いていただいたわけであります。災害に打ちひしがれた被災者にとって、どんなにか心強かったかというように思う次第であります。

 これ以外にも、今たくさんの表彰がございました。忘れてはならないなと思いますのが、10月にございました「和牛博覧会inとっとり」でございます。第9回の全共、5年ぶりの開催。岐阜に続く開催となりました。
 前回の岐阜全共が終わったときに私も閉会式に立ち会いましたけれども、正直申し上げて沈滞したムードだったと、あの苦々しいような空気は今でも忘れることはできません。
 かつて、和牛王国鳥取を誇りながらその実力を発揮することなく、残念ながらもうひとつの結果に終わってしまった。しかも、行った先での関係者同士、きちんとしたコミュニケーションが快く図られるようなムードもなかったように思います。
 あれから5年間、県内の、もう一度基盤を立て直そうではないか、生産組合の皆さんだとか、JAの方々とか、もちろん生産農家の方々、それから観光関係者、あるいは市町村、いろいろな方々と手を取り合って5年後のこの素晴らしいイベントをぜひ成功に終わらせようと誓い合い、これまで励まし合ってやってきたわけであります。
 本日は、和牛全共室が代表して表彰を受けるというかたちにはなりましたが、正直申し上げて全庁、そして県民の皆さまが等しくこの栄誉を受ける立場だと思います。皆さんのご努力に感謝を申し上げたいなと思います。

 農業関係でもこのほか表彰が幾つかございました。例えば「新甘泉(しんかんせん)」とか「なつひめ」のような新品種を意欲的に開発をしたり、いのししのための退治の柵でありますとか、またいろんな啓発活動を行う、岡山県とか兵庫県とも勉強会をやったりとか、広がりを持ってきた鳥獣駆除の問題についても果敢に取り組んでいただいたと思います。

 私は日野郡のほうにまいりまして、そこで住民の皆さまと日野郡民会議に出席をさせていただきました。それで一番うれしかったのは、日野の関係者の皆さまから「日南の試験地は本当によくやっています、感謝しています。今までやめようかと思った高齢の農家の方も、これなら野菜づくりを続けてみようかという気になりました」と。それも「根気よく指導してくれたり、いろんな研究をしてくれた日南試験地のおかげなんです」ということでありました。「だから、知事さんほめてください」と言われたものですから、今日はほめてあげることにしたのですが、そういうこともありました。

 そのほかにも、今日の表彰はいろいろとございましたけれども、それぞれに、例えば海岸の砂の動きを調べるだとか、またゴミとなっているような草をまとめて農家にわけて差し上げるとか、地元密着型の地域の美術館としての役割をしっかりと果たして博物館が全国的にも賞賛されるきっかけをつくってくれたなどなど、それぞれのご功績、枚挙にいとまがないと思います。

  今日は、10の課題について10のグループ、2組の個人の表彰がありましたが、まだここには入っていないたくさんのご功績がありました。ぜひとも、県民の皆さんに喜んでいただき、称賛されるような職場としての取り組み、それぞれの個人としての輝きを来年も大切にして頑張っていただきたいと思います。

 私は、4月に当選をさせていただきまして再びこの鳥取県庁に戻ってまいりました。今日もここに立たせていただきますと、胸が熱くなるような思いがするものであります。1月には考えられなかったことでありますけれども、結局知事としてこちらに戻ってくる、そういう道を選び、いろいろな方々のご支援、導きをいただきながら、こちらのほうへと戻ってまいったわけであります。 

 正直申し上げて不安もいっぱいでありました。多分、皆さんも同じだと思います。これまで片山県政の下で8年間頑張ってこられて、これから一体どんな世の中になるかなとの心配もそれぞれにあったと拝察を申し上げます。

 爾来(じらい)、早速に次世代改革の推進本部を皆さまのお力でつくっていただきました。若手の皆さんにも声を挙げていただき、手を挙げていただきプロジェクトチームをつくっていただきました。それぞれに、課題に向かって具体的な政策をつくりあげていく、そんな姿を見ておりまして、非常に頼もしく思った次第でございます。

 中にはすでに実現してきた課題もあります。例えば、子育て応援のパスポートも越境をして、県境を超えて協力し合うという、今まででは考えられないような行政スタイルで住民の福祉のために役立つサービスもできました。 それから、特別医療費の問題は、見直し問題、すごく困難な課題ではありました。正直、私が出てきたことで福祉保健部の皆さん、大汗をかかれたと思いますけれども、それを乗り越えていただき県民の理解を得ていただけるような改革案として導いていただいたことがありました。

 生活環境の関係でも住宅対策だとか、あるいは環境対策だとか、さまざまな面で食の安全などいろいろな指導をしていただき、これもいい方向へと導いていただいたと思います。今も順調に環境のためのアクションプログラムを、年初にはつくろうという動きでやってきてくださっています。ぜひとも、こうした意欲ある取り組みを続けていきたいと思っております。

 また、県土整備の基盤づくりも随分と進んだ年になりました。中期の道路計画を策定しよう、私どもとしては若干背伸びをしまして、本音の3割増しくらいで計画を出したわけでありますが、これも抵抗なく国のほうに受け入れられるという、意外な結果に今のところ来ているわけであります。
 おかげさまで、山陰自動車道だとかそういう関係のハイウエーの目処もつきつつあるわけであります。

 大変だったのは、集中豪雨がありました。今まで考えられなかったようなタイプの自然災害でありますが、若桜町、八頭町、あるいは琴浦町、大山町で発災(はっさい)をしました。
 このときも、地方機関の皆さま、そして本庁の関係者のみんなが即座に対応したことは、私はこれも評価に値する出来事だったと思っております。おかげで、地元の関係者の人は喜んでおられました。
 中には、助けられた命もあります。これも、厚生病院の病院局の皆さんに頑張っていただいたことが、実は隠れて寄与しているわけであります。

 また、アシアナ航空の問題だとか、それから江原道との交流再開など、困難な課題と思われることも克服することができました。
 これらをやっていて自分もつくづく思ったのですが、知事が一人で頑張ってどうにかなるものでもないわけでありまして、組織として上を見て力を出していくことの素晴らしさをその過程で体験をさせていただいたと思っております。

 農林関係も、今、米作りについて、ほぼビジョンをまとめていますし、梨や牛やそうしたところも取り組みが進もうとしている訳であります。
 いろいろとそれぞれに困難な課題がある中ではありましたけれども、道は切り開かれてきていると思います。

 正直申し上げて、産業振興とか雇用の確保は私も頑張ろうと意気込んで4月に就任しました。実際、商工労働部の方々とか関係の皆さん、ねじりはちまきでやってくださいました。本当に感謝しています。
 企業誘致に随分トップセールスで歩かせていただきましたし、それから新しいファンドを立ち上げるとか、計画を作り直すとか、これも今までにない働きぶりだったと思います。
 残念なのは、今日発表になりました有効求人倍率で0.73と下降気味になってしまったことであります。これは、県庁一人の責任ではないと思います。地域を挙げて地域間格差を解消していく努力をしていかないとならないと思いますが、これは明年度に引き継がれた課題となったかなという実感を持っております。

 行財政改革もこれから正念場を迎えようとしております。ネーミングライツを募集をしておりますし、それから広告収入などすでに手がけてきたこともあります。職員の皆さんにもぜひご理解をいただいて、スリムで効率的な県庁を来年度の当初予算編成の中で、こしらえていこうと思っております。

 人権問題もこのところのいろいろな議論がありましたが、検討委員会でしっかりとした答申を出していただきました。次は私たちの番です。県民のためにどういうサービスを取りあえず提供できるか。相談窓口の開設などから、スタートしていくのではないかと思っておりますが、これもまた越年してやっていく課題だと思っております。

 いろいろと片付いたこともあり、そして明年に向けて引き継がれていくこともあります。ただ、今日は、そしてこれから年末年始にかけて皆さんにはじっくりとゆっくりと休みを取っていただきたいと思います。
 仕事に明け暮れるばかりで大切な家族のこと、自分が注がなければならない愛情を忘れていては人生ままにならないと思いますし、何のためにこの世に生まれてきたのか、家族ために生きているのか、それは問われることになるのではないかと思うわけであります。

 『「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ』という、俵 万智さんの歌がございまして、そういう俵 万智さんの歌にも象徴されるように、もう一度身の周りを見ていただきたいなと思うわけであります。そのことで、家族のきずなを深めてまた明年も素晴らしい仕事をし、また地域に対する貢献をし、家族人としての働きもやっていただきたいなと思う次第でございます。

 これまで、1年間の皆さまのご功績、お働きにあらためて感謝を捧げたいと思います。そして、素晴らしい新しい年をお迎えくださいますよう、よいお年をお迎えくださいますようお祈りを申し上げまして、私のほうからのあいさつとさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

  

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000