特集1/『つくって守る』が仕事の魅力~働き方変わり始めた建設業~

  社会基盤の整備・維持や災害時の迅速な復旧など、私たちの暮らしを守り続ける建設業。しかし、就業者の高齢化が進み、担い手の確保・育成は大きな課題です。これを克服すべく、働き方改革や技術革新による労働環境の改善に加え、産学官が連携して次代を担う人材にその魅力を発信しています。

ICT建設機械に取り込まれた3次元設計データ(3枚目の写真)と、人工衛星を利用した測位システムによって、作業機の位置を計測。同データに合わせた半自動の施工は精度も高く、効率的
 ICT建設機械での施工のようす
 ICT建設機械に搭載されたモニターの写真
3次元設計データの写真

ドローンを使い測量をしている写真
ドローン(無人航空機)の導入によって、上空から急斜面も含む工事箇所全体が安全かつ短時間で測量可能に

ものづくりで社会に役立つ

  人々の暮らしのため、そしてその暮らしをより便利にするために必要なものをつくるのが建設業の仕事です。住宅や会社、学校などの建物、道路や鉄道、電気・水道・ガスといったライフラインも整備しています。さらに、台風や地震などにより河川の氾濫や土砂災害が発生した際、いち早く被災現場の最前線で応急対策や復旧工事も行います。
  ものづくりの楽しさを感じつつ、社会に役立つやりがいのある仕事として雇用を生み、経済の発展にも貢献する建設業。甚大な自然災害が多発している中でも安心・安全な暮らしを守り、地域を支える必要不可欠な産業です。
  依頼者からの受注に多職種が参画して仕事を成すことも特徴の一つ。その仕事は、設計から積算、大工・左官・電気・鉄筋・舗装・塗装・造園工事など多岐にわたり、それらを統括し完成に導く現場監督があります。県内では現在、約2万人が建設業に従事しています。

「働きやすく」変化に注目

  ところが、建設業に従事する若者は年々減少し、高齢化が進行(下記グラフ参照)。特に、若年技術者の確保・育成は喫緊の課題です。県が2015年(平成27年)に実施した、高校生の保護者や建設業者などとの座談会では「建設業を知る機会がなく、イメージもそれほどない」「PR不足」との意見が出ました。こうした声に応えるため、関係機関による建設業の魅力発信や入職を促す取り組みがこれまで展開されています(下記参照)。
  また、情報通信技術(ICT(Information and Communication Technologyの略))の活用による効率化や法整備に伴う働き方改革など、業界を取り巻く労働環境にも変化が。人や地域を守る使命は、性別を問わず誰もが働きやすい職場でこそ果たせるもの。鳥取県の未来をつくる建設業にこれからもご注目ください。

県内の齢階級・産業別就業者割合の推移のグラフ
グラフは県庁技術企画課作成

地域を守る重責、常に

  建設業が行うのは工事だけではありません。道路の日々の状況をチェックする安全パトロール、冬季の除雪、災害直後の現場復旧など、地域を守る重要な役割も果たしています。

7月豪雨災害の復旧工事のようす
平成30年7月豪雨で被災した国道373号(智頭町福原)の復旧

除雪作業の写真
県道(日南町湯河地内)の交通確保のため早朝から出動

次代の人材へ魅力を発信

  次の2団体は、建設業の担い手を確保・育成するために、次代を担う人材に直接魅力を伝えたり、SNSを活用して情報を発信したりするなどの取り組みを展開しています。
  興味ある人はぜひ、事務局の公益財団法人鳥取県建設技術センターにお問い合わせください。

【問い合わせ先・写真提供】 公益財団法人鳥取県建設技術センター
電話 0858‐26‐6051 ファクシミリ 0858‐26‐6052
https://www.tctcplaza.or.jp/

とっとり建設☆女星(じょせい)ネットワーク
  県内の建設業で働く女性により構成される団体。放課後児童クラブ・図書館での「けんせつ絵本のおはなし会&ワークショップ」、学生との意見交換会などを行っています。
おはなし会の写真
日南町図書館でのおはなし会

https://www.facebook.com/とっとり建設女星ネットワーク-416620695735763/

鳥取県建設分野担い手確保・育成連携協議会
  建設産業、大学、県教育委員会、行政などの連携により設立された協議会。中学生の職場体験や高校でのガイダンス、大学での講座、資格取得支援などを行っています。
測量体験の写真
測量体験をする中学生

https://www.facebook.com/tori.ninaitekyougikai/

人の手による技も大事に継承

株式会社大山緑化建設 1級造園施工管理技士
阿部(あべ) 香織(かおり)さん
阿部香織さんの写真

  「立体交差点」を世界で初めて手掛けたのが造園家だということを皆さんはご存じでしょうか。造園の世界は、草取りから都市計画までと幅が広い。仕事内容も毎回違って飽きません。同種工事でも対象地の抱える問題に同じものは一つもないからです。問題を克服し、完成させた時の達成感は、何度味わっても良いものです。
  私は数年前から、県の文化財庭園技術者講習会に参加し、現存する古庭園の調査や修復方法などを学んでいます。造園技術は、飛鳥時代から現代まで文化の変化を取り入れながら磨かれ続けた、いわば無形文化財のようなもの。さらに、全国には風土や先人の趣向により研ぎ澄まされた土地特有の技法がたくさん。それらを自分の仕事に取り入れられないか考えるとわくわくします。ICT発達の一方で、人の手による技法の継承や応用も大切にしたいです。

【問い合わせ先】 県庁県土総務課
電話 0857‐26‐7454 ファクシミリ 0857‐26‐8190
メールアドレス kendosoumu@pref.tottori.lg.jp



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