取材メモ/端材が生むこだわりブランド

白谷工房(しろいたにこうぼう)

  細かくカットした種類の異なる木材を多数組み合わせ、模様を描く「寄せ木細工」。廃園になった日南町の旧福栄(ふくさかえ)保育園を拠点とする「白谷工房」では、端材や廃材を使った寄せ木細工の作品を製作しています。
集められた廃材の写真
工房の庭に集められた廃材がスタッフの手によってかわいらしい小物(下写真)に(写真提供は白谷工房)

ピアスの写真
ピアス(写真提供は白谷工房)

ヘアゴムの写真
ヘアゴム

コースターの写真
コースター

端材が生むこだわりブランド

  工房の代表・中村(なかむら)建治(けんじ)さんは、もともとは大工。建築・解体現場で出る端材や廃材が産業廃棄物として捨てられる状況を「何とかしたい」と思い続けていました。10年ほど前にテレビ番組で見た寄せ木細工にヒントを得、端材で作ってみることに。仕事の合間に試行錯誤を重ねながら作り続け、販売できるものになるまでに3年。次第に大工から寄せ木細工製作に移行し、2012(平成24)年10月、「白谷工房」を開設しました。
  作品はアクセサリーや名刺入れなどの小物のほか、家具もあります。どんな木材でも捨てずに使うのがモットー。調達は、建築現場から声が掛かったり、見知らぬ人から突然取りに来るよう頼まれたり。入手しやすいのはスギ、ヒノキ、クリ、サクラなど。ときには黄色の漆や紫のパープルハートなど異色の素材も。着色せず、素材そのものの色を利用し、接着剤やワックスは、仮に口に入っても安全な物を使用。直接身に着ける髪飾りやピアスなどは、試作品で工房のスタッフや自分が着け心地を確かめるこだわりようです。
  転機が訪れたのは、2015(平成27年)年に放送されたテレビドラマ。主人公が白谷工房製のヘアゴムを着けていたことで注目されました。中村さんは「すごい反響で、注文がぐっと増えた」と当時を語ります。その後、事業の拡大を目指して町商工会に入会、異業種交流や販路相談などで情報を積極的に収集。中でも「大山(だいせん)時間」(県西部の7つの商工会が実施している県西部地域の魅力を発信するプロジェクト)に参加し、雑誌編集者や百貨店の仕入れ担当者から、作品をブランドとして育て、価値を高める手法を学んだことは大きな刺激に。すぐに工房のパンフレットやロゴマーク、ウェブサイトの制作をデザイナーに依頼し、情報発信を強化しました。
  開設当初、1人だった工房は現在、女性2人を含む4人に。中村さんは「今後、かつて保育園だったこの場所で託児をして、女性が働きやすい職場をつくりたい」と地元の働き口としての抱負を語ります。

細かくカットした色や材質の違う木材をキャビネットのアクセントとして使用(写真提供は白谷工房)
キャビネットの写真
細かくカットした木材の写真

取材を終えて

  作品は一つ一つ丁寧に手作り。生まれ変わったアクセサリーや小物雑貨は、ずっと大切に使われていくことと思います。(や)


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