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第4話「ピラミッドの出っ張り?―1975年の年齢構成―」

グラフ「1975(昭和50)年の鳥取県の人口ピラミッド?」

 問題です。上のAとB、二つの人口ピラミッドのうち、1975(昭和50)年の鳥取県を対象としたものはどちら?

 人口ピラミッドは、各年齢の人口を男女別の横向き棒グラフにして積み重ねた図です。社会のなかでどの年齢層の人口が多く、どの年齢層が少ないのか、年齢構成を一目で掴むために用いられます。

 上の二つの人口ピラミッドを比べてみると、形の大きな違いは40代以下の部分にあるようです。40代以上の部分は、A・Bともに年齢が上がるほど人口が少なくなる裾広がり型で、まさに“ピラミッド”のような形をしています。しかし、30代以下に目を移すと、Aの方が20代後半と5歳未満のあたりで左右に大きく張り出している(=人口が多い)のに対し、Bの方はそうした広がりは比較的小さくなっているのです。

 さて、1975年の鳥取県の年齢構成を示しているのはどちらのピラミッドでしょうか?

 1975年と聞いて、ある時代背景を思い起こされた方は、かなり鋭い人でしょう。

 当時は、いわゆる第二次ベビーブームが終わりつつある頃でした。第二次ベビーブームとは、1970年代前半に日本の出生数が大きく伸びた社会現象のこと。このときに生まれた人たちは“団塊だんかいジュニア”と呼ばれます。彼らの親となったのが、主に1947~49(昭和22~24)年の第一次ベビーブームで生まれた“団塊”世代です。

 つまり、1975年は、20代後半となった団塊世代がジュニアたちを生んで間もなく、という時期だったのです。出生数の多かったこの二つの年齢層に注目すれば、問題の答えは簡単かもしれませんね。

正解の写真

 答えはBです。

 ヒントが引っ掛け気味だったので、Aだと思われた方も多いでしょう。しかし、Aの人口ピラミッドは、同じ1975年における日本全体の男女別・年齢別人口を用いつつ縮尺を鳥取県にあわせて調整したものでした。こちらを見る限り、当時の全国的な年齢構成としては、やはり団塊世代(20代後半)と団塊ジュニア(5歳未満)の多さが目立っていたようです。

 では、なぜ鳥取県の人口ピラミッドは違う形をしていたのでしょうか?

 ―その理由は人口移動にあります。実は、第一次ベビーブームの頃に遡れば、全国と鳥取県で人口ピラミッドの形に大きな違いはありませんでした。鳥取県でも団塊世代の人たちはたくさん誕生したのです。ところが、その少なからぬ部分は大人になる頃に県外へと出て行きました。次のグラフを見てみましょう。

グラフ「鳥取県の団塊世代人口の推移」

 このグラフは、各国勢調査実施年において鳥取県内に団塊世代が何人いたのかを示しています。ここでは年齢層を少し幅広にとって、1950(昭和25)年調査で0~4歳として把握された人たちを団塊世代とします。該当する人口は約7万7千人でした。

 この年齢層は5年後には5~9歳になるのですが、なかには亡くなってしまう人や県外へ転出する人、逆に県外から転入してくる人があります。この分が足し引きされ、1955(昭和30)年調査での団塊世代人口は約7万4千人に少し減っていました。同様に次の1960(昭和35)年調査でも微減ですが、続く10年間の減り方は極端です。10代後半となる1965(昭和40)年、20代前半となる1970(昭和45)年と、5年ごとに2割以上ずつ減っていったのです。この年齢層の死亡率はごく低いので、人口減の大きな要因は県外への転出超過ということになります。時代は高度経済成長期。義務教育終了後に地方から都市部へ集団就職する人たちが“金の卵”と呼ばれたのも、この時期です。

 その後、県内の団塊世代人口は若干増加に向かったものの、問題の1975年時点で約4万6千人。誕生直後の1950年と比べ、20代後半になる頃には約4割も減っていました。当然、子世代にあたる団塊ジュニアの誕生も、全国的な傾向よりも少なめになりました。

 AとB、1975年における二つのピラミッドの“出っ張り”の違いは、それに先立つ1960年代の就職事情を写し出したものだったというわけです。

  次の画像は、第1回国勢調査が行われた1920(大正9)年から直近までの鳥取県の人口ピラミッドについて、その移り変わりを一枚に重ねて示したものです。(ただし、第二次世界大戦の前後で、対象年の間隔が一定でないところがあります。)

 これによって、県の人口ピラミッドが、若い年齢層ほど人口の多い“富士山型”から、少子高齢化が進んだ“釣り鐘型”、さらに出生数が低下した“つぼ型”へと変化していった様子を見て取れるでしょう。また、先に見たような1960年代における団塊世代人口の激減具合も改めて印象付けられるところです。

図「鳥取県の人口ピラミッドの推移:1920~2015年」

グラフ注

総務省統計局「国勢調査」各年版から作成。ただし、1947(昭和22)年は鳥取県統計課『昭和23年鳥取県統計書』(1950)p.22に記載の臨時国勢調査結果より。1940(昭和15)年はデータ欠。

人口ピラミッドでは、100歳以上と年齢不詳の人口を省略して図示。

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