アスパラガスの増収を目指すためにはかん水は不可欠ですが、かん水量が充分に確保されていない圃場もあるのが現状です。そこで、東部農林事務所ではアスパラ生産において県内初めての技術である、『拍動かん水』を用いた自動かん水試験圃場を気高町下原に設置しています。
8月31日に、この試験圃場を管内アスパラガス生産者に見ていただき、新たな技術の紹介を目的とした会を開催したところ、生産者、JA担当者など約20名が参加してくださいました。

↑説明会の様子。あいにくの雨でしたが皆さん熱心に聞いてくださいました。
説明会では、拍動かん水の技術概要、メリット・デメリット、コストなどについての説明の後、実際に設備を見ての質疑応答を行いました。
参加した生産者からは、「良い技術だと思う。」「水をたくさん必要とするアスパラガス栽培には良い。」「条件が整えば導入したい。」という声があった一方で、導入コストについて不安視する声もありました。
今後は、参加いただいた方を含め生産者の皆さんからの声を踏まえ、管内アスパラガス生産の高品質化、収量増に向けて取り組んでいきたいと考えています。
~拍動かん水とは~
・太陽光を利用したタイマー制御で、自動的にかん水します。
・電源(発動機、電線)の確保ができない所でも設置が可能です。
・日射に応じた量のかん水を行います。
(晴天時には多く、曇天時には少なくかん水します。)
・10aあたり約20万円~25万円程度で本体設置が可能です。

↑装置の様子です。
上部にあるソーラーパネルで発電し、その下にある制御装置でかん水量を調節します。

↑かん水用の水槽の様子です。
オーバーフローしないようにボールタップを設置しました。
ため池の水を利用しているため、取水に細かい砂が入ります。
かん水チューブの目詰まりを防ぐため、ごみバケツを使った簡易なフィルターを設置しています。