中海湖沼環境モニター意見交換会(第4期)

リード文

 第4期中海湖沼環境モニターの調査結果報告会を開催し、県民モニターのみなさんと1年間調査した感想などについて意見交換を行いました。

 

日時・場所、出席者

日時:平成23年10月6日(木)午後6時30分~7時40分

場所:鳥取県西部総合事務所 会議室

出席者:湖沼環境モニター、米子市及び境港市職員、西部総合事務所職員

意見交換会

調査結果報告、モニター感想など

調査結果の報告

第4期中海湖沼環境モニターの調査結果はこちら

 

鳥取県側5地点全体の結果について

・鳥取県側5地点平均の合計点は63.8点(Bランク)だった。第3期より2点下がり、過去(第1期:64.6、第2期:67.3、第3期:65.8点、いずれもBランク)と比べて最低点だった。

・傾向として、見る(景観)・聞く(音)・嗅ぐ(臭気)は比較的点数が高く、見る(ゴミ)・見る(澄み具合)・味わう(魚介類)の点数が低かった。(第1期から同様の傾向)

・地点別では、(1)湊山公園付近が最低点(58.6点)、(5)西工業団地付近が最高点(71.3点)だった。5地点いずれもBランク。

・パックテストによるCOD簡易水質検査の結果は4.5~6.1mg/リットルで、いずれの地点も前年より悪かった。

 

<調査結果に関係したと思われる主な出来事>

・宍道湖で発生したアオコが中海に流入し、10月~12月頃にかけて目立って確認された。

・年末年始に大雪があった。→湊山公園の城山で倒木の被害。水温低下等による生物への影響。

・昨年に続いて宍道湖で発生したアオコが中海に流入し8月下旬から時折目立って確認された。

 

1.湊山公園付近

・合計点58.6点(前年比-3.2点)。4年間で最も点数が悪かった。

・聞く(音)・見る(景観)の点が比較的良く、見る(澄み具合、ゴミ)、触れる(湖水の感触)、味わう(魚介類)の点が悪かった。CODは6.1mg/リットル(前年比+1.4)と5地点中で最も悪かった。

 

(モニター感想等)

・米子児童文化センターの前で2年間調査したが今年は水温が高かった。雨が降った後は加茂川から流入する水によって湖底のヘドロが撹拌されるためか、においはないがCODが高くて水質が悪かった。

・そういうこともあって、大根島周辺ではサルボウガイがまた獲れるようになってきたそうだが、米子湾あたりでは獲れたとしても食べたいという気にはまだならない。

・音の環境は良いと感じた。

 

2.水鳥公園付近

・合計点65.4点(前年比-3.8点)。4年間で最も点数が悪かった。

・CODは4.9mg/リットル(前年比+0.2)。

 

(モニター感想等)

・私たちは水鳥公園の生物調査を兼ねてこのモニター調査に参加している。今年は水鳥公園の指導員の方に習って、透視度を測ったり、顕微鏡で生物を調べたり、いろいろな勉強をした。自然のことなので毎月変化が見られた。この一年間通じて水位がすごく低かった。また、冬の大雪の影響で渡り鳥が来る時期が遅かったり、生物の冬眠が長かったようだ。

・藻やアオコはたくさんあったが、ゴミは減ってきたと思う。夕日がきれいだった。

・夏休みの自由研究でこの湖沼環境モニター調査の結果をまとめた。自然環境の勉強をしていると毎年新しい発見があるので、他の子どもさん達にも広げていけたらいいなと思う。

 

3.ウインズ米子付近

・合計点は60.9点(前年比-4.3点)。4年間で最も点数が悪かった。

・見る(景観)、聞く(音)、嗅ぐ(臭気)の点が比較的良く、見る(ゴミ)、味わう(魚介類)の点数が悪かった。CODは5.3mg/リットル(前年比+0.6)。

 

(モニター感想等)

・どこからか漂着したゴミだと思うが、ゴミが多かった。ゴミを拾う人がいないので、増えても減ってもいなくて、一度湖岸に打ち上げられたゴミがずっとそこにあったのだと思う。

・湖水は澄んでいるのだが、水深が浅いためか夏場は水温が高くて水がぬめっとしている印象を受けた。

・大山が見え、十神山が見え、ウインズの現代的な建物が水面に映り、景観は最高だと思う。あとは水質が良くなってほしい。

・4年間で最低の点となったが、全体的には良くなっていると感じている。しかし、CODの数値は良くなっておらず、それがなぜだかわからない。

・子どもの頃に中海で魚介類をとって食べたり泳いだ思い出があり、40~50年前の中海に戻ればいいなという思いで参加している。3年目の参加になるが、同じモニターが継続して調査することで過去の調査との比較ができてよいと思う。

 

4.中海干拓地付近

・合計点69.3点(前年比+3.2点)。4年間で最も点数が良かった。

・見る(景観)・聞く(音)・嗅ぐ(臭気)の点が良かった。見る(ゴミ)の点が悪かった。CODは4.7mg/リットル(前年比+0.2)。

 

(モニター感想等)

・少しは良くなりつつあるが、水質を調べている限りは良くはなっていない。アオコのためか11月から5月頃まで水質や透明度があまり良くなかった。このような現象は初めての経験だった。

・大雪の影響で水温が低かったためか、あるいは透明度が悪かったためか、6月頃まで例年に比べて海藻が少なかった。中海は毎年違う表情が見せている。

・西風が吹くとゴミが打ち寄せられる。アダプトプログラムでも清掃されない場所なのでずっとゴミが残ったままになっている。霞がたなびく向こうに山々が見えるなど、景観はすばらしい場所。ただ、足下を見るとゴミがある。

 

5.西工業団地付近

・合計点71.3点(前年比-0.3点)。

・見る(景観)、聞く(音)、嗅ぐ(臭気)、味わう(魚介類)、触れる(湖水の感触)の点が比較的良かった。CODは4.5mg/リットルと5地点中で最も良かった。

 

(モニター感想等)

・今年は大雪の影響か5月になっても水温が低く、例年その時期に中海で釣れる魚が美保湾から入ってくる時期が遅れていた。

・調査地点の周辺(境水道~本庄付近)でよく釣りに行くが、釣った魚はおいしい。

以上
  

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