いぎす

 磯の香り満点の精進料理

いぎす 「えごのり」とも呼ばれる「いぎす草」をとろ火で煮とかし、容器に入れて固めた料理で、凝固剤などを加えなくても自然に固まる寒天やところてんと同じ原理の料理です。
 ごまを振りかけて、酢味噌やしょうが醤油でいただきます。
 見た目は地味ですが、食べると磯の香りが口いっぱいに広がり、冠婚葬祭には欠かせない料理でした。
 いぎす草は県中部から西部の海岸べりにある石に春に繁茂する海藻です。
 乾燥したいぎす草をもどして、酢味噌や辛子じょうゆ、しょうがじょうゆでいただく。
 見た目は羊羹のようだが、口に入れると海の豊かな香りが広がり、独特の食感が楽しめ、精進料理にはなくてはならない一品でした。
 いぎす草に着いている砂を取り除く作業が面倒ですが、後生に残したい料理です。
  

こぼれ話

 愛媛県今治市を中心として瀬戸内海地域では、いぎす草と大豆粉を一緒に煮溶かして作る「いぎす豆腐」と呼ばれ、よく食べられているようです。
 また、「いぎす草を煮溶かし固めたもの」を基本とする郷土料理は主に西日本以西の地域に見られるようです。

作り方

<材料>(30~40cm位のバット一杯分)
(固めに作る分量)
 いぎす草  100g
 水     7カップ

(柔らかめに作る分量)
 いぎす草  80g
 水     8カップ

<作り方>
1 いぎす草に石づきや砂などがあるので、たたいて取り除く。
2 きれいになるまで水洗いをして、ざるにあげ、雑草やゴミを取り除く。
3 鍋にいぎす草と分量の水を入れて火にかける。
4 煮立ったら中火にして10~15分煮る。
5 草がよくとけたらすりこ木で10~15分位よく練り上げる。
6 糊状になったいぎすを容器(バット)に流し込み固める。(冷蔵庫に入れると早く固まる。)
(引用文献 「春夏秋冬 四季折々のふるさとの味・伝統の味」鳥取県農山漁村生活改善実行グループ連絡協議会発行)