４月になり、一気に春らしい天候になりました。山では色んな花が咲き、野鳥のさえずりが賑やかになってきました。

　さて、今の時期は山の日陰でアオキの花がひっそり咲いています。アオキはミズキ科の常緑低木で、冬には赤い実が目立つ植物です。

　こちらは、雄株に咲く花で、直径が約１cmに満たない小さな花です。中央付近に４つある丸いものが雄しべです。


　こちらは、雌株に咲く花で、中央の緑のものが雌しべです。

　アオキは、雄株と雌株が別の植物です。雄株の近くには雌株が生育しています。受粉の様子を観察すると、小さな昆虫が花を訪れていました。

　この昆虫の活躍によって、受粉して赤い実をつけます。小さな昆虫も生態系で大切な役割を果たしていることが分かります。

主な参考文献
・日本人なら知っておきたい樹木と野草248 季節を知らせる花　金田初代/著　講談社　2016年
・山渓カラー名鑑　野の植物誌　大場達之/著　山と溪谷社　2000年　
・野に咲く花の生態図鑑　多田多恵子/著　河出書房新社　2012年