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平成20年12月26日(金)午後4時から
県庁講堂

仕事納め式の写真

 皆様、こんにちは。いよいよ年末、御用納めを迎えることとなりました。ことし一年、職員の皆様には、厳しい環境の中で地域を、そして県民を誘導する、県民に対するサービスのかなめとして御活躍をいただきましたこと、心から私からも感謝を申し上げたいと思います。

 思えばことし一年、激動の幕あけのような年だったと思います。年初、最初に私たちが取り組んだ仕事は、燃油の高騰対策でありました。市町村を通しての灯油補助の制度を創設をするなど、鳥取県は全国でもいち早く踏み出したわけであります。それ以来、原油の価格は高騰し、いっときは1バレル150ドルというような、そういう時代もございましたけれども、今ではその半分ぐらいにまで下がりました。原材料高も大変厳しいものがあり、農家などを直撃したわけであります。

 それも、さらに9月になりますとサブプライムローン問題が表面化をしてまいりました。最初は海の向こうのアメリカの金融危機だと私どもも見たところはありましたけれども、じわじわとその波がアメリカ全体を覆い、そしてヨーロッパを覆い、さらにはアジア、日本へと押し寄せてきたわけであります。今、経済の停滞状況、雇用の確保の厳しさというものを実感せざるを得ない状況になりました。本日発表された有効求人倍率も、鳥取県内は0.59という、記録的な低い水準に落ちてきていると言っても過言ではない状況だと思います。

 ただ、このような経済の激動の中でも、私たちは鳥取県に次世代改革を実行しよう、新しい時代を開こうと、それぞれの部局で分担して取り組んできました。その成果が着実にあらわれた一年でもあったかと思います。

 きょう表彰を受けられた中にも、それに関連する部局もありました。例えば東京でアンテナショップがオープンをしたのが8月の末であります。水木しげる先生や、また子泣き爺のにせものというか、そっくりさんまでやってまいりまして、大変ににぎやかなオープニングをいたしました。以来、好調裏に営業は続いていると総括できようかと思います。

 正直、開店するまでは多くの人たちが不安も持っていたわけでありまして、大変な大赤字が出るんじゃないかとか、あけてみても閑古鳥が鳴いているんじゃないかなんて、そういう話もありましたけれども、それを組織を挙げていい方向へ持っていこう、いろんなアイデアを凝らして、民間の事業者さんとも連携をして、ここまで来たわけであります。その成果が確かにあらわれたと思います。

 また、雇用の関係、経済の関係を考えると、鳥取で戦略的な産業を創造していかなければならない。ですから、鳥取県としても中国地方で初めての地域の経済計画をつくらせていただいたわけであります。企業立地の促進の目標として、私どもとしては70件の目標数値を立てたわけでありますが、現在までで既に26件の誘致、あるいは企業拡張に成功したわけでありまして、そういう意味では着実に前を向いて進んできているということが言えようかと思います。

 また、この1年間、多くの議論も鳥取県から全国へ向けて、問題提起も含めて発信されたこともありました。例えば砂丘に落書きをするという心ない行為がある。砂丘でゴルフの練習までする人たちもいたりしまして、こんな状況を何とか打破しなければならない。何となれば鳥取県民にとって砂丘というのは重要な場所でありまして、県民の顔と言ってもいいところであります。そこをみんなの力で守ろうじゃないか、こういう問題提起から「日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例」を議会の承認もいただき、議決をしたわけであります。いよいよこれは新年に施行されることとなります。新しい環境プラス観光のモデルが鳥取から生まれるのではないかと思います。

 また、本日策定をいたしました将来ビジョン、これも全庁挙げて取り組んでいただきました。県民の皆様からも多くの御意見をちょうだいをいたしました。そのテーマは、「みんなで創ろう「活力 あんしん 鳥取県」」というテーマであります。一つには活力軸をぐんぐん伸ばしていこう、また、片方で安心軸も伸ばしていこう。現在、鳥取県はこういう位置にあるかもしれませんけれども、活力も安心も高めていくような事業活動をやっていきましょう、我々の行政活動を推進していきましょう、県民と一緒になってそれも取り組んでいきましょうという、そういうビジョンを本日、策定をいたしたわけであります。

 この将来ビジョンの策定をする際に多くの方々からいただいた御意見というのは、鳥取県は人口が一番少ない県だからこそ、人づくりをしっかりやりましょうということでありました。ですから、これからは「人財・鳥取」、人が宝の鳥取県を目指していく必要があります。

 これと関連して話題になりましたのは、学力テストの開示問題でありました。これは教育委員会の所管のところでもございますけれども、全国でも最先端とも言えるような、市町村や学校レベルでの成績も、もし情報公開請求があれば開示をしようという条例が12月にまとまりました。ただ野放図にやるのではなくて、開示を受けたかたにも御理解をいただき、子どもたちの健全な成長を阻害することがないような配慮を求める条文も付されての実施ということになります。大変に難しい、針の穴に糸を通すような議論ではありましたけれども、全県的な御意見をいただいたり、何度も何度も案をつくり直したりして、それこそ情報開示をめぐっては、教育委員会をたび重ねて開いていただいたりもしたわけであります。

 しかし、この議論を通して私たちは新しい成果を得ることができたと思います。それは、学校教育が非常に重要な意味を持っているということ、全国を通しての学力テストということをやっているけれども、これをむだにしない意味でも、地域から、家庭から学校を守り立てて、子どもたちの成長を導くようなことをやろうではないかという機運が生まれつつあることであります。市町村教育委員会との話し合いも、もちろんまだ残されておりますけれども、総じて大きな方向性は出つつあるのではないか、それが今年の仕舞いの考え方ではないかなというように感じているところであります。

 また、そのほかにも高速道路の整備が智頭インターチェンジや名和インターチェンジまで、鳥取自動車道、山陰自動車道も進んでまいりましたし、11月24日には鳥取県と兵庫県との県境に東浜居組道路が開通をいたしました。今や但馬と因幡とは一体性のある地域になろうとしているわけであります。

 こうして大交流時代に向けて我々は邁進していくことになるだろう、そんな予感を感じさせる一年でもありました。そういう機運の中でDBSクルーズフェリー、また米子空港の滑走路延長、着々と進み始めているのが現在の状況であろうかと思います。このように厳しい経済環境、あるいは地域間格差のその中で、私たち鳥取県なりの歩みを始めていること、これは県庁の各部局の皆さんが精いっぱいの知恵を振り絞り、そして御努力をいただいた成果だと考えています。

 私は、これからの鳥取県政に大切なのは、住民の皆さんと県庁とが一つの地域にいるんだという自覚を新たにして取り組む姿勢ではないかと思います。きょうの表彰の中にも出てきましたけれども、例えば先般、西の方で「銀色の雨」という映画をつくったり、4月にはゴルフの韓国のプロゴルフの大会を誘致をしたりしました。これは行政の仕事なのか民間の仕事なのか、従来ならば議論があったことかもしれません。しかし、私たちが地域を盛り上げていくためには、あるいは国際交流を進めていくためには、行政マンとしても果たすべき役割を果たしていかなければならないのではないか、持てる力を発揮しなければならないのではないかと思います。そういう意味で、民間のボランティア活動と結びついて、私たちはこういう成果を上げることができたのではないかと思います。

 それで、一番うれしかったのは、その「銀色の雨」の発表会があったんですね。キャストが集まりまして、中村獅童さんらも集まりました。そのときに私の方に寄ってきて、地元のかたが話されました。今回、「銀色の雨」のロケが始まりましたけども、おそらく県庁のかたの力がなければ、ここまで来れなかったと思います。そういう言葉をいただき、 私は本当に胸が熱くなるような思いがしました。

 皆さんもこの一年、それぞれの勲章を得ただろうと思います。一年を通した仕事の中で、県民の皆さんと話し合ったり、業界の皆さんと話し合ったり、あるいは私たち自身でいろんなアイデアを出して、それが採択され、実行されたとき、それぞれに喜びを持つ瞬間があったと思います。本日表彰を受けられた15の表彰対象、そして4名の個人表彰、それぞれその功績、見事であり、私は感動しておりますけども、それぞれの職場にも同じようなことがあったと思います。ぜひそうした成功体験を来年への糧にしていただきたいと思います。

 これまで1年間、本当に忙しい日々を過ごされたと思います。先般、24日は若手の皆さんのアイデアに基づきまして、ささやかながらではありますが、定時退庁のプレゼントを差し上げたところでありますけども、冗談でジングルベルでも流したらいいじゃないかと言ったら、本当に流れるのが役所の怖いところでございまして、そこまで言うことを聞いてもらわなくてもいいのかなとは思うんですが、ともかくそうした、ちょっとした家族とのお時間をとっていただいたと思います。

 年末年始、ことしは27日から9日間という、普段よりはちょっと長めになっております。ぜひこの期間に御家族のかたや、普段会えない友人のかた、また地域の皆さんと話をしていただき、じっくりと交流をし、充電をしていただきたいなと思います。そして、正月にはフレッシュな気持ちで、また県庁に戻ってきていただき、仕事をしていただきたいと思います。

 ただ、その際、ちょっとだけ皆さんの時間と知恵を割いていただきたいなと思います。それは、この年末年始というのは普通の年と違う状況が生まれつつあるということです。今、日本だけでなくて世界中が景気後退の暗いトンネルの中に入り始めました。鳥取県内でも 1,000人を超えるかたが雇いどめと言われるような、今、雇用難にあえいでおられます。中には住宅、住むところが心配だということで相談に来られるかたもおられるわけです。ですから、私たちは先般、鳥取県独自の、全国に先駆けた部分も含めて、緊急雇用経済対策を実行することに決めたわけです。30日まで一部の窓口もあけて、そうした方々の気持ちにこたえ、御相談に応じて、私たちなりにできることをやっていこうと考えています。

 「こころよく 我にはたらく仕事あれ それを仕遂げて 死なむと思ふ」「はたらけどはたらけど 猶わが生活(くらし)楽にならざり ぢっと手を見る」。いずれも石川啄木の歌です。よく知られた歌であります。これが歌われたのが明治の末ごろです。当時は今から申し上げれば大変な格差社会だったと思います。例えて言えば、一般の社員のかたと社長さんとの間で 100倍ほども給料が違っていた時代です。今はそれに比べれば随分と改善されたのかもしれませんけれども、しかし、今も同じような状況が生まれるかもしれないということを心のどこかに置いていただきたいと思います。

 地域の中でいろいろと話し合うときに、いろんな声を聞いていただきたいと思います。そして年が明けて、私たちは行政マンとして何ができるのか、また話し合う時間を持ちたいと思います。私たちは県庁に集い、ここで仕事をする、そういう人生を歩んでいるわけでありますが、私たちの存在価値が問われるのが、こういう危急、危難のときだと思います。こういうときにこそ公的セクター、公務員、行政マンが地域のできないところを拾って、そして応援をする、その応援団にならなければならないと思いますし、担い手にならなければならないと思います。

 年末年始、そのゆったりとした時間の中で、ちょっと時間があったら、ぜひこの日本のことや世界のことも含めて、私たちに、じゃあこれから年が明けて何ができるかということを考えていただきたいと思います。それを持ち寄って、また新年、みんなの力で大いに鳥取県から日本に向けて、世界に向けて元気な鳥取県づくりを発信していきたいと思います。

 皆様が御家族とともに健やかに、そして輝かしい新年をお迎えになりますことを心からお祈りを申し上げ、この1年間の御労苦に対し感謝を申し上げまして、私の方からの言葉にかえさせていただきたいと思います。

 1年間、本当にありがとうございました。