8 酸性雨、黄砂防止対策の推進状況

平成19年度版 鳥取県環境白書

鳥取県の環境の現状

8 酸性雨、黄砂防止対策の推進状況

  

<酸性雨>

 大気汚染に起因する降水の酸性化は酸性雨現象と呼ばれ、地球的規模で懸念される環境被害の一因となっている。これらの影響を的確に把握し、汚染対策を実施する基礎資料とするため、全国的に降水のモニタリング調査が実施されている。
 鳥取県では昭和62年度から調査を始め、現在、都市部1地点(鳥取市)、田園部1地点(湯梨浜町。平成15年度から実施)およびバックグラウンドとして山岳部1地点(若桜町)の計3地点で降水の酸性化の経年的傾向について調査を行っている。
 各地点における過去10年間のpHの経年変化は、ほぼ横ばい傾向であり、pHの過去10年間の平均値は、鳥取市が4.70、湯梨浜町が4.60、若桜町が4.76である。
 今後も調査を継続するとともに、全国環境研協議会・酸性雨調査研究部会にデータを報告するなど、全国規模での調査研究に役立てていきたい。

酸性雨グラフ

<黄砂>

 黄砂とは、乾燥地帯(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯などの細かな砂じんが風によって吹き上げられ、大気の流れによって空中を運ばれて上空を一面に覆い、徐々に降下する現象をいう。わが国では主に3月から5月にかけて、西日本や日本海側で観測されることが多い大気現象で、まれに航空機の運航などに影響を与えることがある。
 黄砂の研究については、平成16年7月に江原道知事から共同研究の提案があり、研究分野での交流を行うべく準備を進めている。江原道では黄砂警報が発令されるなど黄砂による住民被害が深刻でり、飛来回数が近年増加傾向にある。鳥取県でも同様の被害が起こる可能性があり、防止対策につながる研究に取り組む必要がある。黄砂は広域的な現象であり、飛来途上にある韓国(江原道)と連携して取り組むことにより、より詳細な実態調査が可能になると思われる。
 また、黄砂が生体に及ぼす影響の調査を、鳥取大学と共同で行っている。これらの調査で得られた成果は、効果的な防止対策(植林)や、人への影響緩和対策へとつながることが期待されている。

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