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平成19年4月13日(金)午前10時半~
県庁講堂

知事写真

  今日皆様に、こうして県庁の方に温かくお出迎えをいただきまして本当にありがとうございました。県庁の門を入ってまいりまして皆様のお顔を拝見しておりまして本当に懐かしさがこみ上げてきました。

 かつて副知事そして総務部長として皆様と一緒にお仕事をさせていただきました。その記憶が鮮やかによみがえってまいりまして本当に胸がいっぱいになるような気持ちがいたしました。 また再び皆さんと一緒に鳥取県政を担う、そうした役割を負うことの喜びというものを、またその重さというものを改めて感じております。
 わたくしはかつて、皆様にお世話になりましたけれどもこれからは違う立場で皆さんと一緒に鳥取県政に携わることになります。是非とも皆様のご理解とご協力をいただきますようお願いを申し上げたいと思います。

 ご案内のとおり4月の8日の県知事選挙で約80パーセントの得票率を得て、23万票余の得票を得ましてこうして知事として選出されることとなりました。いま自分はその重みを痛切に感じております。多くの県民の方々にいろんな期待を寄せられている、それを感じるわけでございます。
 このふた月ほど、正直、県内を随分と回らさせていただきました。今まで鳥取県庁の中で回っていたのとは違う体験をさせていただいたわけです。県民の方々と随分触れ合う機会をいただきました。
 例えば日南町だったら阿毘縁の方まで行きましたし、若桜だったら落折の方まで行きましたし、智頭だったら那岐、境港だったら外江、津々浦々、集落から集落まで随分と回らさせていただきました。おそらく皆さんも、こんな所行ったことない、という所が随分あるんじゃないかと思います。慣れないタスキを掛け走り回りまして、ちょっと日に焼け、一皮向けて少しおとなしくなってますけど。
 そういう暮らしをふた月ほどいたしましてほんとに実感したんですが、片山県政に対する信頼感が県民の間に非常に強かったことが一つ感じられました。片山善博知事が昨日この職場を去られ、新しい人生へと船出をされたわけでありますが、わたくしからも心からの感謝の気持ちをこの場で申し上げたいと思います。職員の皆様もさぞや惜別の情を昨日は覚えられたことだというように拝察をいたします。

 ただもう一つですね是非申し上げなければならないのは、ただ片山県政に従って我々がずっとやってきたこの8年間、必ずしもそれで県民の皆さんが一通り満足しているわけではないということも感じながら歩きました。
 とりわけ農業のこれからのことが心配になるとか、あるいは経営が厳しくなった業界の方がいろんな悩みをもっておられるだとか、住民の皆様がもっと早くここを直して欲しいのに、というふうな気持ちを持っておられる、そういうことが随所にあるのもまた事実だということを痛感いたしました。

 ですからわたくしが選挙運動を通じまして全県を回っておりますと、駆け寄ってこられる方々、手を振ってこられる方々、また握手をしてくださる県民の皆さん、それぞれ一応に真っ直ぐと希望に満ちた目をしておられたんです。それがとっても印象的でした。
 つまり、新しい時代を是非鳥取県は切り開いてもらいたい、自分たちも県民の皆さんも今、自立という意識は随分と伝わってきましたので、自分たちも頑張るから県庁も頑張って欲しい、一緒になって鳥取県を改めてもらいたい、そういう気持ちが満ち満ちていたわけであります。
 わたくしは、是非県庁の皆様には、そのことをしっかりと認識していただきまして、これから鳥取県の新しい時代を切り開く、そうしたご活躍を存分にしていただきたいというように願うしだいであります。そのことをまずもって申し上げたいというふうに思います。

 歴史家のアーノルド・J・トインビーはこういうふうに言っております。
 「いろんな文明の衰退というものを研究した上で、自己決定能力を失った文明というのは衰退していく」
 というように言っているわけです。
 その意味するところは自分の本当の強みというものを知って、それを生かしていって、次代に、次の世代へとその文明の素晴らしさ、強さというものを伝えていく、発展させていく、そうした自己決定能力がなくなってしまうとこれは滅んでいく、衰退していく、こういうことなわけであります。

 わたくしは、今の鳥取県の状況だとか日本の状況を考えますとある程度ハッとすることがあるわけです。やや自信喪失になっているかも知れません。本当にいいところは、素晴らしいところは、いっぱいあります。
 例えば農業の問題をとってすればですね、ブロッコリーがどんどん栽培が伸びている、あるいはラッキョウも伸びている、そうしたことがあるわけでありますし、商工業でいえば元気のいい企業、電子産業だとかあるいは機械産業だとか随分と見受けられるのも事実ですし、また飲料水メーカーが進出してくるというような動きがあるのもまた事実だと思います。
 で、そういうように新しい動きだとか強みというものは実はあるわけでありますが、やや閉塞感が、この県内の中にも正直言って見られるのもまた事実だと思うのです。
 是非とも鳥取県の素晴らしいところをもっともっと伸ばしていく、そして今、やや弱みを持っているところ、やや力を失いつつあるところに対してセーフティーネット、あるいは思いやりをもって接していく、そうした施策、関わりが必要でないかというように思うわけであります。
 ですから、そういう意味で皆さんにも地域を支えるそうした礎となるように是非発奮していただきまして、力を出していただきたいというように思うしだいであります。

 またもう一つ申し上げれば、やはり県庁に戻ってきてつくづく今朝も思うわけでありますが、ここはやはり閉鎖された社会という面があると思います。 外を歩き回ってばかりいたふた月間だったもので、そういうふうに思うわけでありますが、外におられる方々、住民の方々、企業の方々、あるいは市町村の方々と話し合う機会がともすれば失われてしまう、目の前のパソコンだとか机にかじりついてそれで仕事をして満足をしてしまうという、そういう危険がやっぱりあるんだと思うんです。
 ですから、努めて住民の皆様、現場の感覚というものを皆さん自身で経験していただき、見聞していただき、話し合っていただき、そして本当に県民の方が望んでおられる、そうした行政をやっていくように、是非努めていただきたいというように思うわけであります。
 自分も微力ながらそうした皆さんと一緒になって、そのリーダーとして、あるいはコーディネーターとして、これから頑張って奮闘していきたい、4年間を送っていきたい、というように思いますので、皆様のご協力とご理解をいただきたいというように思います。

 この選挙戦を通じまして、わたくしはマニフェストを出させていただきました。『鳥取に新時代を切り開きましょう、そのために次世代改革を起こしましょう。』そういうことを訴えました。
 『産業の発展、元気な産業としっかりした雇用』だとか、あるいは『学び育みのふるさと』『輝く文化のふるさと』『人間第一環境日本一』『安全安心のまちづくり、いきいきとした地域づくり』『県庁改革』、そうしたことをマニフェストで書かさせていただきました。それをこれからの4年間で自分は実行していくつもりでございます。
 これが県民との約束でございまして、是非皆様にもそれを念頭においていただきたいというふうに思います。
 この実現のために、早速にもこの庁内に次世代改革の推進本部を設置して、エンジン、マシーンを作って行きたいというように思っております。
 それから始まってこれから6月の補正予算、あるいはこれからの1年間の事業、いろいろありますが、随時皆さんと相談しながらマニフェストに掲げた政策の実現に努めていきたいというように思っております。

 実はわたくしは、マニフェストの中に単に『鳥取新時代を切り開く』という政策項目を列挙しただけではなくて、その手法を書かさせていただきました。
 次世代改革と称して自称しておりましたのは、これまでとは少しやり方を変えてみる必要がある。こういう点は新しい手法を取り入れる必要があるだろうということを列記させていたたわけでございます。
 一つは県民が主役であってまた担い手である県政ということを目指したいと思います。これまでやっぱり役所というのはどちらかというと指導してやるとか、審査してやる、査定してやるというようなことが往々にしてあったように思います。
 そういう姿勢ではなくて、県民の方々、NPOの方々、あるいは企業、あるいは地域の方々と一緒になってやっていく。
 むしろそちらの方にある程度の行政領域を預けるというぐらいなことは積極的に推進していくべきではないかと思うんです。

 なかなか財政のパイが大きくならない中で、しっかりとした県政運営をやっていこうと思いますと、県庁がすべてをやろうというのはそもそも無理でありますし、限界があると思います。スピードも遅くなります。
 ですから住民の方々や地域を巻き込んで運動として、県民運動としてやっていく、そのためのモチベーションを県庁が与えたり、そのためのコーディネートをしていくと、調整をしていくということが出来なければ、おそらく地域間競争を乗り切ることが出来ないと思います。ですからあえて県民が担い手となる県政ということを申し上げました。

 また、鳥取県に地域に活力を与える県政ということを標榜させていただいたわけであります。
 今までの仕事というのは、やはりなんといいますか内部管理のことがどうしても気になるわけでございますけれども、何のために我々は県庁マンとしてこの県庁にいるのかということを考えれば、それは何となれば、地域の発展のため、そのためにこそ自分たちはこの一身を投げ打って人生をここに預けているわけであります。
 ですから、その基本に立ち返って地域の振興だとか産業の発展そういうものにつながるかどうかということを常に検証しながら、ご自身の仕事のやり方を点検していただきたいと思いますし、新しいやり方を創出していただきたいというように思うしだいであります。

 また、自立だけでなくて連携ということもさらに推進していく必要があると思います。国との連携なくして巨大なプロジェクト、鳥取県独自でやることは出来ないと思います。 また、市町村は全て県の一部であり、市町村の住民は県民でございます。ですからその方々の、あるいはその地域の課題は我々の課題でもあるわけでありまして、これは市町村の問題だからといって簡単に投げ打ってしまうだけじゃなくて、じゃあ県としてはどういうフォローアップが出来るか、話し合いのテーブルを必ず作って県政を動かしていく、市町村との対話を進めていくということも是非心がけていただきたい、というように思うわけであります。それでこそ新しいタイプの県政の原動力が地域からも彷彿として沸き起こってくると思います。

 それから県庁の改革も進めていかなければならないと思います。行財政改革を随分これまで進展をさせてきました。皆さんのご協力のおかげで、ある一定のレベルのことは出来てきたと思います。ただ、まだまだ十分ではないと思います。
 そういう中で無駄とか無理というものを排除していくということが必要だと思います。やはりお役所仕事のような形式的な仕事に陥ってしまっている、そういう面もやや見受けられないこともないと思います。
 ですから是非ご自身の身の回りを点検していただいて、これはもっとこういうふうにしたら効率的に仕事が出来るんじゃないかとか、あるいはこういうふうにしたら県民の皆様が利用しやすくなるんじゃないかとかということを総点検していただきたいというように思います。

 これは笑い話みたいな話ですけども、昨日ずっとこの県内をあいさつ回りで回っておりました。ある団体に行きましたら「今、県の方からすぐ書類を出せと言われてます。なぜかというと知事の名前が変わる前に出せと言われました」と。
 本当かなと思ったんですが、でも皆さんではないと思いますけども。ただ、そういうことをたまさか考える職員がおられたんだと思うんです。 こういうことってわかるんですね、目の前の書類の整合性を整えることに一生懸命になってしまって本質を失ってしまうということは往々にしておこるわけでありますから、そういうことは是非注意をしていただきたいというふうに思います。

 いろんなことをマニフェストの中に盛り込まさせていただきました。仕事のやり方を変えていく必要があると思っております。
 そういう中で一つ『未来を語って今を考える県政』ということも付け加えさせていただいているわけです。もっと夢を持ちましょうと。県民の中に、やはり、将来この鳥取県はどうなるかという方向性が全然見えないので、やや目標を失っているという話がありました。
 ですからわたくしも、あえてそういうことを書かさせていただきました。具体的には、近未来のビジョンを作って、それを議論しながら年々、予算や事業を考えていく、そういう手法を取り入れようということでありますが、要は将来を見通しながら効率よく工程表を作って行政を進めていく、そういう姿勢が必要ではないかということを申し上げたいということであります。

 ゲーテはこういうふうに言っています。「何事につけても絶望するよりも希望する方がいい」と、そういうふうに言っています。
 要は物事の限界というものは誰にも分からないのだから、希望する方が物事は進んでいくということだと思うんです。常に上を見なければ、地域は上に向かって進んでいかないということだと思います。
 その意味で、未来を語って今を考える県政というものも入れさせていただきました。皆さんにもその気持ちを是非汲み取っていただきまして、希望あふれる鳥取県を切り開くために、皆さん自身も皆さんの仕事の関係の中で夢を描いていただきまして、こういうことをしたら鳥取県は良くなるという英知を結集していただきたいというふうに思います。
 その上で、例えばお金の障害があるだとか、あるいは人繰りの障害があるということですぐにつまずいてしまって止めてしまうというのではなくて、夢は夢として持っていただきそれを実現するためには5年かかる、10年かかることもあるかもしれませんが、こういうことを解決していこうという、そうしたしっかりとした足腰を持って、皆さんに仕事に取り組んでいただきたいというように思うしだいであります。

 少々いろんなことを申し上げましたけれども、鳥取県の県庁の皆さまと再会したことの喜びが実は一番大きいわけでございます。皆さんとまた同じ釜の飯を食う立場になったなぁということでありまして、これからの4年間、自分も楽しみながらやっていきたいと思います。
 皆さんも是非、風通しの良い知事室にしたいと思いますのでいろんな話を持ってきていただければというふうに思います。
 これからの皆さんのますますのご活躍とそして鳥取県の発展を祈りながらわたくしからの挨拶とさせていただきたいと思います。
 どうかよろしくお願いします。どうもありがとうございました。