防災・危機管理情報

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I 概況

  

1 全国

 内閣府は、平成22年1月の「月例経済報告」で、最近の経済動向について次のように報告している。


(総論)

 景気は、持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。
・輸出は、アジア向けを中心に、増加している。生産は、持ち直している。
・企業収益は、大幅な減少が続いているが、そのテンポは緩やかになっている。設備投資は、下げ止まりつつあるものの、このところ弱い動きもみられる。
・企業の業況判断は、依然として厳しい状況にあるものの、全体として持ち直しの動きが続いている。ただし、中小企業では先行きに慎重な見方となっている。
・雇用情勢は、依然として厳しい。
・個人消費は、持ち直しの動きが続いている。
・物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。
 先行きについては、当面、厳しい雇用情勢が続くとみられるものの、海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレの影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。
 政府は、家計の支援により、個人消費を拡大するとともに、新たな分野で産業と雇用を生み出し、日本経済を自立的な回復軌道に乗せ、内需を中心とした安定的な経済政策を実現するよう政策運営を行う。このため、「緊急雇用対策」及び「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を推進することとし、平成21年度第2次補正予算を国会に提出した。また、12月25日、「平成22年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」を閣議了解した。12月30日には、「新成長戦略(基本方針)~輝きのある日本へ~」を閣議決定した。
 政府は、日本銀行と一体となって、強力かつ総合的な取組を行い、デフレの克服、景気回復を確実なものとしていくよう、政策努力を重ねていく。日本銀行に対しては、こうした政府の取組と整合的なものとなるよう、適切かつ機動的な金融政策運営によって経済を下支えするよう期待する。

(各論)

○消費・投資などの需要動向
 個人消費は、経済政策の効果もあって、持ち直しの動きが続いている。消費者マインドは、おおむね横ばいとなっている。実質雇用者所得は緩やかな減少傾向にある。設備投資は、下げ止まりつつあるものの、このところ弱い動きもみられる。住宅建設は、このところ持ち直しの動きがみられる。公共投資は、堅調に推移している。輸出は、アジア向けを中心に、増加している。輸入は、持ち直している。貿易・サービス収支の黒字は、横ばいとなっている。

○企業活動と雇用情勢
 鉱工業生産は、持ち直している。先行きについては、輸出の増加傾向などから、当面、持ち直しが続くことが期待される。企業収益は、大幅な減少が続いているが、そのテンポは緩やかになっている。また、企業の業況判断は、依然として厳しい状況にあるものの、全体として持ち直しの動きが続いている。ただし、中小企業では先行きに慎重な見方となっている。倒産件数は、緩やかに減少している。雇用情勢は、依然として厳しい。

○物価と金融情勢
 国内企業物価は、横ばいとなっている。消費者物価は、緩やかな下落が続いている。株価(日経平均株価)は、10,500円台から10,900円台まで上昇した後、10,800円台で推移している。対米ドル円レートは、91円台から93円台まで円安方向で推移した後、90円台まで円高方向で推移している。

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2 鳥取県

 需要面の個人消費では、大型小売店販売額(11月)が、全店舗計、店舗調整後(新規店舗等を除く)ともに前年を下回った。ホームセンター・家電量販店販売額(11月)、乗用車新車新規登録台数(12月)は前年を上回った。
 建設等では、公共工事請負金額(12月) は前年を上回ったが、新設住宅着工戸数(12月)、用途別着工建築物工事金額(12月)は前年を下回った。
 
 産業面では、鉱工業生産指数(11月、季節調整済)が103.2で前月比4.6%上昇した。なお、大口需要電力実績(11月)は、鉱工業用主要4区分のうち、パルプ・紙、その他の製造の2つの区分で前年を上回った。

 雇用面では、新規求人倍率(12月)は、0.90倍(前月差0.04ポイント上昇、前年同月差0.06ポイント上昇)であった。有効求人倍率(12月)は、0.49倍(前月と同水準、前年同月差0.08ポイント低下)と0.5倍を下回っている。
 きまって支給する給与(11月)、所定外労働時間(11月)とも前年を下回った。

○需要面の動き

【個人消費】
  大型小売店販売額(11月)は、全店舗計では53億8,000万円となり、前年同月比1.1%減と5か月ぶりに前年を下回り、店舗調整後では前年同月比11.9%減(全国は前年同月比9.7%減)と20か月続いて前年を下回った。なお、全店舗計の内訳では、百貨店が19億2,600万円(前年同月比9.1%減)、スーパーが34億5,500万円(前年同月比3.9%増)であった。
 ホームセンター・家電量販店販売額(11月)は、35億8,500万円(前年同月比5.4%増)と3か月続けて前年を上回った。内訳では、ホームセンターが19億2,700万円 (前年同月比3.3%減)、家電量販店販売額が16億5,700万円(前年同月比17.7%増)であった。
 乗用車新車新規登録台数(12月)は、1,600台(前年同月比26.5%増)と7か月続いて前年を上回った。内訳では、普通車、小型車の区分が7か月続いて前年を上回り、軽自動車も2か月ぶりに前年を上回った。

【住宅建設】
 新設住宅着工戸数(12月)は、210戸(前年同月比39.0%減)と3か月ぶりに前年を下回った。内訳では、持家系(前年同月比39.3%減)、貸家系(前年同月比38.7%減)ともに前年を下回った。

【設備投資】
 用途別着工建築物工事金額(12月)は4億800万円(前年同月比84.7%減)と6か月続いて前年を下回った。用途別では、医療,福祉(前年同月比73.1%減)、卸売業,小売業(前年同月比90.8%減)等で前年を下回った。

【公共工事】
 公共工事請負金額(12月)は、44億1,700万円(前年同月比3.3%増)と5か月続いて前年を上回った。発注者別の内訳では、市町村(前年同月比160.1%増)は前年を上回ったが、それ以外の区分では全て前年を下回った。


○産業面の動き


【産業活動】
  鉱工業指数(11月)は、生産指数(季節調整済)が103.2となり前月比は4.6%上昇、原指数は108.2となり前年同月比では19.8%上昇した。
   内訳を前月比で見ると、食料品・たばこが5.9%の上昇となり3か月ぶりの上昇、電子部品・デバイスが10.7%の上昇となり8か月連続の上昇、電気機械が12.3%の上昇となり3か月ぶりの上昇、一般機械が1.2%の低下となり2か月連続の低下となった。
  在庫指数(季節調整済)は102.0と前月比0.2%上昇した。

【電力】 
 大口需要電力実績(11月)は、112,664千kWh(前年同月比0.7%減)と16か月続いて前年を下回った。鉱工業用の大口需用電力は主要4区分のうち、パルプ・紙(前年同月比0.7%増)が2か月続いて、その他の製造(前年同月比0.7%増)が16か月ぶりに前年を上回った。

【青果物卸売量】 
 鳥取市場の青果物卸売量(12月)は、野菜が1,459t(前年同月比2.7%増)と4か月続いて前年を上回り、果実は1,060t(前年同月比8.9%減)と4か月続いて前年を下回った。
  鳥取市場の鳥取県産青果物卸売量(12月)は野菜が659tで市場全体に占める割合は45.2%(前年同月差1.1ポイント低下)、果実は168tで市場全体に占める割合は15.8%(前年同月差3.6ポイント低下)であった。

【漁獲量】
  境港の漁獲量(12月)は、8,554t(前年同月比32.2%減)と7か月ぶりに前年を下回った。


○雇用・金融面の動き

【雇用】
  新規求人倍率(12月)は、0.90倍(前月差0.04ポイント上昇、前年同月差 0.06ポイント上昇)であった。
なお、新規求人数(12月)は、2,617人(前年同月比9.0%減)と27か月続いて前年を下回った。
 有効求人倍率(12月)は、0.49倍(前月と同水準、前年同月差0.08ポイント低下)となっており、0.5倍を下回っている。

【賃金】
  現金給与総額(11月)は、252,215円(前年同月比2.0%減)と11か月続いて前年を下回った。そのうち、きまって支給する給与(11月)は、241,524円(前年同月比2.1%減)で18か月続いて前年を下回った。

【労働時間】
  所定外労働時間(11月)は、8.0時間(前年同月比8.8%減)と16か月続いて前年を下回った。主力の製造業は5.5%減となった。〔産業別の前年同月比では、電気ガス水道業(前年同月比19.8%増)等で前年を上回り、飲食店,宿泊業(前年同月比44.8%減)等で前年を下回った。〕

【預金・貸出金残高】
  預金残高(11月末)は、1兆9,334億円(前年同月比3.3%増)と11か月続いて前年を上回り、貸出金残高(11月末)は、1兆1,267億円(前年同月比1.0%増)と7か月続いて前年を上回った。


○参考

・ 鳥取県景気動向指数(11月)は、先行指数が9月75.0、10月75.0、11月62.5、一致指数が9月62.5、10月87.5、11月87.5、遅行指数が9月33.3、10月40.0、11月60.0となった。
・ 企業倒産(12月)は、件数が4件で前年に比べて4件減少(前年同月比50.0%減)し、負債総額は63億2,000万円で前年に比べて53億9,800万円増加(前年同月比585.5%増)した。
・ 消費者物価指数(12月:鳥取市、総合、平成17年=100)は、99.5(前月と同水準、前年同月比1.4%低下)となった。
・ 鳥取県の推計人口(1月1日現在)は、590,713人で、前月と比べて312人(0.05%)減少し、前年同月と比べて3,724人(0.63%)減少した。
・ 鳥取県の企業経営者の見通し(主要300事業所、年4回調査)を平成21年11月調査でみると、平成21年10~12月期は、平成21年7~9月期に比べると、景気、売上高及び経常利益のいずれもがやや好調となっている。また、平成22年1~3月期は、平成21年10~12月期に比べると、景気、売上高及び経常利益のいずれもがきわめて不調となる見通しとなっている。

  

最後に本ページの担当課    鳥取県 総務部 統計課
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