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平成22年1月4日(月)午前9時45分から
県庁講堂

 職員の皆様におかれましては、健やかに輝かしき新春をお迎えのことと存じます。また、共に鳥取県民が新しい年を迎えたことを喜び合いたいと存じます。

補足説明 
 仕事始め式の冒頭に、職員による和楽器(琴、尺八)の演奏と県民歌の合唱を行いました。

 今ほどは、「千鳥の曲」が演奏されました。そして、「わきあがる力」県民歌を皆で歌ったわけであります。共に築こうと。この新しい未来の鳥取県を共に築こうという誓いを立てあったところでありました。「千鳥の曲」は、非常に優麗な曲であり、そして、その琴の調べ、それから笛の音をお伺いをしてますと、千鳥が千々に乱れて飛ぶ姿が目に浮かぶようでありました。皆様も良き新春をお過ごしになったことだと思います。

 私は年末に西の方に参りまして、大山の方で家族とひと時を過ごさせていただきました。近くの池に参りますと、おしどりの夫婦が羽を休めていたわけであります。今、鳥取県はそういう渡来した冬鳥たちのメッカになっており、羽を休めるところであります。今日からは日本の冬ぞ、羽を休めろと、こういうように一茶などが詠んでいるわけでございますけども、そういうような光景があちこちで見られるわけであります。しかし、我が国の本当の状況はどうなんでありましょうか。その辺はもう一度よく考えなければならないことは多いのではないかと思う新春でありました。

 年末の29日、30日に職員の皆様にもご協力をいただいて、この鳥取県庁で相談窓口を開いたわけであります。生活のご相談、また、職を探すというご相談。そうした福祉関係や商工関係など、こぞってご相談に応じるということをやりました。数で単純に比較はできないかもしれませんが、今年は34名の方々が相談に訪れました。仕事がなくて困っている、また、生活保護のやり方を聞きたい。こういうようなご相談が多かったというふうになっております。去年の大体倍近くに増えているわけでございまして、決して今の状況はそんなに生易しいものではないんだろうと思います。現実に鳥取県の有効求人倍率、全国平均を上回るようにここ最近は皆様のご協力でなってきたと思うんですが、それでも0.5を切るようになりました。0.49というのが現在の数字であります。ですから、これからそうした県民の経済や生活の状況に職員こぞって力を尽くしていただき、ぜひとも活力と安心がこの地域にみなぎるように導いていただきたいと考える次第であります。

 今年はいろいろと新しいことへのチャレンジがあるだろうと思います。私自身も3つ程願を掛けたわけでありますけども、1つは山陰海岸ジオパーク世界ネットワークへの加盟を果たそうということであります。それから、国際漫画サミット、これを鳥取県に誘致をしよう。これは新しい文化や観光の目玉になってくることだろうと思います。そして、3つ目はどうしても神様の力もいるわけでありますが、ガイナーレのJリーグ昇格でございまして、そんなような願を掛けたわけでございますけども、皆様、様々な願いを込めて年明けを迎えられたと思います。

 今年はそういういろんなテーマが出てくるわけでありますが、大交流時代がいよいよ幕を開けるということになります。すなわち3月には恐らく、鳥取自動車道が鳥取インターチェンジまで繋がって来る。わずか8キロメートル程度の大原、西粟倉間以外は全て開通をすることになります。実際に年末、私も佐用インターの方を通りましたけども、もうジャンクションの辺りはほぼ、出来上がっているわけであります。すでに動脈は繋がって来つつあるわけでございまして、それが新しい時代を呼び込むことになると思います。さらに東の方、県境を越えた境の向こう側でありますが、兵庫県では餘部の鉄橋が架け替えに向かいます。この年に線路が移って行くことになりまして、あの餘部鉄橋の大事故が悪夢から覚めることになるわけであります。

 それから、昨年の末に2,500メートル化しました米子空港の滑走路の延長。DBSクルーズフェリーによります新航路開拓。このように、私達は新しい交通インフラを手にすることが出来ました。鳥取県わずか60万人足らず、59万人の県でございますけれども、それを遥かに上回る交流人口が誕生するチャンスを得るわけであります。これを県民の皆様、地域にぜひとも活用していただき、これを足掛かりにして次の一歩を踏み出さなければならない。これが2010年、平成22年の大きなテーマになってくるだろうと思います。そのためには、例えば予算も必要かと思いますけれども、これから新しい物流を起こしていく意味で東京、あるいは関西、それから海外へ物流をまとめて鳥取発着で物流を起こしていく。そういう実証実験もしていかなければならないだろうと思います。

 それから、観光関係でも山陰海岸ジオパークですとか、漫画王国だとか、そんなようなテーマを見つけながら様々な誘客を国内外から引っ張って来ること、これに力を尽くさなければなりません。米子空港が2,500メートル化されたということは、台湾からのチャーター便も持ってきやすくなるというような効果もあるわけであります。そのようなことで、大交流時代の幕を開ける鳥取県に真の活力と安心を呼び込むこと、これはぜひ、職員の皆様に一丸となってやっていただきたいと存じ上げる次第であります。また、新時代を開く産業の構造変革もこの大交流時代と併せてやっていかなければならないわけであります。時代は、環境志向へと向かっております。鳥取県は電気機器や食品加工業、あるいは繊維というメッカでありました。これは、大きな雇用を支えてきたわけであります。

 しかし、現在の円高状況を背景に考えていただければ、大企業の皆さんもおっしゃるわけでありますけれども、どんどん、単なる物づくりは海外へと向かっていくだろうと。それを何とかして留めなければならないというのが、今の日本の在り方だということをよく言われるわけであります。ですから、この地に雇用を持ってくる、また働く場を持ってくる、暮らしのなりわいを持ってくるためには何が望まれるか。それは、新しい時代を開くような、そういう産業構造だと思います。太陽光だとか、あるいは電気自動車、そうしたやや欲張った目標を立ててみるのも良いと思うんです。そういうものにいずれは産業が向かっていく。それに併せて、県内の産業構造も変わっていかなければならないと思います。

 少子高齢化が進んでくると言われます。それは、逆に言えば、実は、人に対するサービス産業が成長してくる素地が整うということでもあります。福祉・介護、また教育・子育て、そうしたところに注力をしていき、福祉型の鳥取県の雇用の在り方、社会の在り方を模索していくことも1つではないかと考えます。また、文化だとか、芸術だとかいうことを思いをいたせば、昨日、砂の美術館が閉幕をいたしましたけれども、アーティストがこぞって鳥取県に住んでみたくなる、そんな事業展開を鳥取県で図っていくことも夢ではないだろうと思います。視点を切り替えて、鳥取に住みたくなるような、鳥取で暮らしてよかったと言っていただけるような、そういうところを目指さなければなりません。

 私たちは、今、子育ての計画の練り直しの時期にきています。子育て王国を再出発をさせる必要があると思います。そういう中で考えれば、私たちが安心して子育てが出来るために、子どもの医療の無償化に向けた取り組みも加速させてもいいのではないかと思います。市町村のなかで取り組むところも出始めました。県も応援の舵を切っても良いのではないか、このように考えます。また、農林水産業の受け皿づくりは、鳥取県は、おかげさまで最先端に立つことが出来つつあります。国の施策をリードしているわけでありまして、これが評価をされています。現に、鳥取県に移住される方も増えてきました。この成果を継承していかなければならないと思います。こういうように、様々に、私たちは新しい産業構造、地域の在り方を開いていかなければいけないと考えているところであります。

 今年は、寅年というわけでありますけれども、「虎、嵎(ぐう)を負う」という言葉があります。これは孟子の言葉であります。「衆、虎を逐(お)う、虎、嵎を負う、これに攖(ふ)るるなし」、という言葉なわけでありますけれども、「嵎」というのは、山の曲り道、曲がり角のところであります。大勢の人が虎を追って行った、その寅が山の曲がり角の方に入っていった。これに触ろうとする者はいなかった。ということであります。すなわち、山の曲がり角のようなそういう環境の中で、虎は勢力を発揮するわけであります。それには、触れる人すらいなかったというわけであります。私たちは、今、時代の転換点に立っているわけでありますが、この鳥取県を虎にとっての嵎にしなければならない、すなわち、これから鳥取県が成長していく。そして、こここそ環日本海時代、東アジア共同体の拠点であり、窓口である。それから人が暮らすとしたら鳥取県において他はない。そういう環境を私たちは整える、これこそが行政サービスの務めではないかと思います。

 「虎、嵎を負う」という環境をみんなで作っていきましょう。これを、職員の皆様に、この寅年にお誓いをいただきたいと思います。そして、もう1つお誓いをいただきたいことがあります。これは、職員の規律についてであります。残念ながら、昨年、会計検査院の指摘をきっかけとし、我が県の県庁組織を挙げて調査をいたしました。知事部局に留まらず、各所属で同じような問題点が発見をされたところであります。これを契機にして、県民の皆様にもう一度、県民のために全力で働きますという誓いを立てたいと思います。各職場に議論をお願いをいたしました。その議論の成果として、本日、ここに県民への誓いを制定をしようと思います。

 これから、この新たな誓いをモットーとして、真に県民のために働く、そういう公務員を目指していただきたいと思います。そういう信頼の下に、初めて私たちは「嵎」を築くことが出来るのだと思います。今年1年、皆様がご家族とともに、素晴らしい年をお送りすることができますよう心からお祈りを申し上げ、鳥取県の発展をお祈り申し上げ、私からの年頭の言葉とさせていただきます。本日は、ありがとうございました。おめでとうございます。