喜多原学園は、中国地方最高峰の大山の麓に位置していますが、車で20分も走れば、海にも行けます。周囲は緑に囲まれ、山菜が採れたり、小動物も顔を出したりするなど自然豊かな場所に建っています。
さて、喜多原学園は児童自立支援施設という種別の児童福祉施設です。児童自立支援施設は、児童福祉法第44条に規定されていて、「不良行為をなし、又はなすおそれのある児童」「生活指導等を要する児童」を対象とした施設です。入所している児童が不良行為をなしたり、生活指導を要したりする理由をよく見てみると、これら児童がこうせざるを得ない背景が見えてきます。よくよく考えるとこれらの児童自身が困っているということが見えてきます。
喜多原学園では、そのような児童と起居をともにし、一緒に活動し、一緒に汗を流し、話をしたりして、児童が自立して、社会と調和できるよう応援しています。児童の中には、時には感情を爆発させたりとか、思った通りに行かずに自分を抑えきれなかったりとか、うまく振舞えないときもあります。このようなときはその都度、振り返り、次にどうしていったらいいかを職員と一緒に考えていきます。
喜多原学園が目指している児童の姿は、喜多原学園を退所した後、社会と調和ができることです。それは、園内でできたことを園外でもできるようなることが大事です。そのためには、保護者や児童を支えてくれる関係者の協力、応援は必須となります。喜多原学園では、授業の参観週間や園遊会など外部の方にも児童の様子を見ていただく機会を設けています。その他、児童らは、野球やバレーボール、駅伝大会といった大会への参加、大山登山、海水浴や地域の方々とのふれあい交流、農作物を育てたりといった活動を通して、チームワーク、我慢する力、楽しい、悔しいという感情、対人関係や育むという気持ちなどに気づいたり、身につけたりして自立と調和を目指しています。
児童が自立し、社会と調和するために児童を支える支援者となり、一緒に児童を育てていけたらと思います。
今年度もよろしくお願いします。
令和7年4月1日
喜多原学園長 坪倉嘉隆