歯科・口腔外科では、抜歯・外傷・炎症・嚢胞・腫瘍などの口腔外科手術全般および臨床各科との密接な連係の基に、種々な疾患をもつ患者さんの一般歯科治療を行います。また悪性腫瘍およびインプラントによる咬合再建治療を行います。
(1) 顎・口腔外科疾患
腫瘍(良性腫瘍、癌など)、嚢胞(歯根嚢胞や顎嚢胞など)、炎症(歯や顎骨、頬部、頸部など)、外傷と骨折(歯や顎骨、口腔・顔面など)、顎変形症(歯列不正や顎の変形・非対称)、顎関節疾患(顎の痛み、開口障害など)、口腔粘膜疾患(口内炎、白板症など)、唾液腺疾患(口腔乾燥、唾石症など)、神経疾患(神経痛、神経麻痺など)、血液疾患(白血病、血友病など)、睡眠時無呼吸症候群など
診療例
- 親知らず(智歯)や埋伏過剰歯などの難抜歯手術やモニタリングを要する有病者の歯科治療
- 顎嚢胞を始めとする口腔内に発症する嚢胞性疾患(袋状の病気)の手術治療
- 顎口腔領域に発症する良性・悪性腫瘍の手術・治療
- 下顎前突症(受け口)など顎変形症に対する顎矯正手術
- 顎骨骨折や歯牙脱臼など顎顔面外傷に対する治療・手術
- 顎関節症など顎関節疾患の治療
- 難治性口内炎や白板症、扁平苔癬など口腔粘膜疾患の治療
- 舌痛症や三叉神経痛などの神経疾患に対する治療
- 口腔乾燥症(ドライマウス)やブラキシズム(歯ぎしり)に対する治療
- 顎顔面欠損部におけるインプラント治療
(2) 有病者一般歯科診療
有病者の歯科疾患(血液・心疾患などの基礎疾患を有する方)のウ蝕、歯周病などの疾患、通常では治療が困難な障害者や認知疾患者に対する鎮静法や全身麻酔下での歯科治療を行う。
(3) 各種専門外来
口腔腫瘍
口腔癌(舌、上顎、下顎、口底、頬、口蓋、口唇)
良性腫瘍(エナメル上皮腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍など)多くは周囲組織を温存しつつ、腫瘍のみの切除で根治が望めるため、基本的に手術療法を行っている。
顎顔面インプラント外来
歯牙欠損に対し人工歯根の顎骨内埋入による咬合再建を行い、難症例には上顎洞挙上術(サイナスリフト)や骨移植を行います。
顎骨再建後の移植骨へインプラントを応用し、咀嚼や構音機能、顔貌の審美性の回復を行います。
顎変形症外来
顎変形症は上下顎骨の相対的あるいは絶対的アンバランスにより、開咬や前突だけでなく、時に顎関節症を併発し顔面の機能的・審美的な障害を引き起こす疾患です。
治療には口腔外科、矯正歯科、補綴歯科などからなる集学的治療が要求されます。 下顎枝矢状分割術、下顎枝垂直骨切り術、上顎骨骨切り術等の顎変形症手術を行います。
顎顔面補綴外来
顎顔面領域の腫瘍、外傷、先天奇形などによる顎顔面欠損に対し、再建手術の適応外や手術を希望しない症例に対し顎義歯やエピテーゼを用いて機能的および審美的に修復する。(保険適応外となります。)
顎顔面外傷外来
交通事故などによる顎顔面の骨折や損傷に対し咬合、咀嚼機能および審美性の回復を行う。
顎関節外来
消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を主にした薬物療法、各種のスプリントによる保存療法を主体に治療を行っています。また適応に応じて、パンピングマニピュレーションや開口訓練等のリハビリを継続的に行います。
睡眠時無呼吸障害外来
当科では内科、耳鼻咽喉科、その他多くの科の協力を得て口腔内装置による治療を中心に治療を行う。口腔内装置は下顎を前突させ上気道を拡大し、さらに舌筋の活性化によって上気道の解放を維持し、無呼吸の発生を防止します。
口腔ケア外来
口腔ケアは単に口腔内の保清や歯周疾患の治療を通じて様々な二次感染症(誤嚥性肺炎など)の発症予防に寄与するだけでなく、認知症や脳に重篤な器質的疾患を有する患者さんにとっては、回復を促す積極的な外的刺激因子となりうることが広く理解されています。また全身麻酔手術前後、放射線療法や化学療法中の口腔ケアも有効であり入院中の患者さんの口腔内のケアを行っています。
受診の際は、かかりつけの先生のご紹介のほどお願いいたします。