地方自治体がデジタル社会に対応する上で、民主主義や地方自治の本旨を踏まえ、どのような視点に留意して行政運営を進めるべきか、共通する重要な視点を10原則として整理。
10の原則 |
概要 |
住民自治の原則 |
地域のことは、住民の意思に基づいて検討や議論を重ね、決定することが原則である。生成AIをはじめとする先端技術の活用にあたっては、このような民主主義や地方自治の要諦が揺らがぬよう、適正な活用に徹すること |
人権保障の原則 |
生成AIをはじめとする先端技術の活用にあたっては、利用目的をできる限り特定し、その達成に必要な範囲において個人情報を収集するとともに、当該利用目的に限定して利用するなど、個人情報保護を含め住民の人権を守り、人権保障を具体化していく視点に立って厳正に行うこと
SNS等においても、同様に住民の人権を守り、人権保障を具体化していく視点に立って、対策を講じること
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生成AIをはじめとする先端技術は、ジェンダーや性的マイノリティに配慮するなど多様な人々が互いに尊重される社会を実現するために活用されなければならず、偏見等を生まないよう運用するとともに、住民に寄り添い、誰一人取り残されない行政サービスを提供するように配慮すること |
インクルーシブの原則 |
パートナーシップの原則 |
生成AIをはじめとする先端技術の活用にあたっては、住民を含めた多様なステークホルダーと緊密に協働・連携し、互いに補完し合い高め合うことにより、地域社会の効用最大化を図ること |
課題解決志向の原則 |
デジタル技術の導入や活用を目的化せず、住民等の一連の行動に着目して真の課題の把握やニーズの抽出を行うことにより、住民等が抱える課題を解決し、ウェルビーイングに繋がる有効な方策を総合的にデザインすること |
人間主導の原則 |
地方自治体が行う意思決定を生成AIをはじめとする技術が出力した結果のみに依拠することは排し、出力結果を人間が的確にチェックすることが担保されるよう人間が責任をもって精査し、人間の判断で決定する仕組みとすること |
リテラシーの原則 |
職員がデジタル技術の特性を理解し、適切に活用するためのリテラシーとスキルの向上を図ること。住民が偽・誤情報に惑わされないよう、住民のフィルターバブル等への理解とネット情報についての批判的思考能力を育成するとともに、住民や地域を守るための情報発信に努めること |
透明性の原則 |
住民が生成AIをはじめとする先端技術の活用について適切に評価できるよう、活用の状況を明らかにすること。特に、住民等への回答内容にAI等の出力結果が結びついている場合は、その旨を明示するなど説明責任を果たすこと |
ガバナンスの原則 |
生成AIをはじめとする先端技術の適切な活用に向け、デジタル施策の実施状況や結果・評価を把握して効果を検証するとともに、AIのロジックや出力傾向等を把握した上で適正に管理する仕組みを構築して、適切に運用し改善していくこと |
機敏性の原則 |
生成AIをはじめとする先端技術は急速に発展していくものと想定される。こうした変化に伴いルール等を見直す機会を整えるとともに、大胆かつ積極的に先端技術を取り入れていく視点を持ち、「完全な成功」よりも「試行と改良・再挑戦」を重視し、不断のフィードバックにより、アジャイルで機動的な先端技術の活用推進を図ること |
令和6年6月から、研究会での議論や自治体デジタル倫理原則を踏まえて職員向けのAI技術の利活用指針を策定しました。詳細は以下のページをご覧ください。
https://www.pref.tottori.lg.jp/312152.htm