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鳥取県景気基準日付の暫定設定について

令和2年9月29日 鳥取県統計課

鳥取県景気基準日付を以下のとおり暫定設定します。ただし、今後の見直しによって改定する可能性があります。

  • 景気の山:平成30年11月
  

1.景気基準日付とは?

「景気基準日付」とは、景気の拡張・後退局面の転換点を示す日付のことです。転換点には景気の「山」と「谷」があり、谷から山までが拡張局面、山から谷までが後退局面とされます。また、谷から山を経てまた谷へと至る景気の動きが「循環」と呼ばれます。景気基準日付の設定は、主に景気動向指数にもとづいて行われます。

国の景気基準日付の設定は内閣府経済社会総合研究所によって行われており、昭和26年6月を最初の循環の山として、現在までに第15循環までが確定、第16循環の山が暫定設定されています。本県については、国の第6循環から第15循環に対応する景気基準日付まで設定してきました。【表1】

表1「国と鳥取県の景気基準日付」

2.景気基準日付の設定方法

本県の景気基準日付は、基本的に内閣府経済社会総合研究所による設定方法を準用し、次のように設定しています。

  1. 鳥取県景気動向指数(CI・DI)の一致指数を構成する7つの指標について、それぞれの値の動きに応じ、個別の転換点(山・谷)を設定します。この指標ごとの転換点は、「ブライ・ボッシャン法」という統計的手法によって判定します。
  2. 各指標について、谷から山に至る期間をすべて拡張(+)、山から谷に至る期間をすべて後退(-)として、月ごとに全7指標のうち拡張を示す指標の割合(+の指標の割合)を求めます。この割合を「ヒストリカルDI」といいます。
  3. ヒストリカルDIが50%ラインを上から下に切る直前の月を景気の山、下から上に切る直前の月を景気の谷として、景気基準日付の候補を決めます。
  4. 候補をもとに、さらにCI一致指数などを参照して景気の量的変化の程度や各局面の長さについて検討し、総合的に判断して景気基準日付を設定します。

3.今回の景気基準日付について

景気基準日付の候補

前回の景気基準日付(平成23年4月が山、24年7月が谷)以降について、本県のヒストリカルDIの推移を見ると、平成26年10月、27年5月、30年12月において50%ラインを上から下に切り、26年11月、27年12月において下から上に切っています。これらの直前の月が景気基準日付の候補となりますので、平成26年9月、27年4月、30年11月が山候補、26年10月、27年11月が谷候補です。【図1、表2】

以下、各候補について、ヒストリカルDIに加えてCI一致指数(平成27年=100)なども参照して、景気の波及の広さや量的変化の程度、各局面の長さ(注)について検討します。

図1「鳥取県ヒストリカルDI一致指数の推移」

注)青シャドー部分は景気の後退局面、赤シャドー部分は今回の山・谷候補による後退局面(以下、同じ)。

注)各指標の拡張と後退の判定やヒストリカルDIの数値は、前回の景気基準日付確定時のものと一致しない部分があります。これは、景気基準日付確定後に行われた指標の改定や直近値を取り込んだ再計算のためです。ただし、過去に確定した景気基準日付は改定しません。

平成26年9月の山候補、10月の谷候補の検討

次の点から、景気基準日付としての要件を満たしません。

  • これらによって構成される後退局面(平成26年10月)が1か月間と短く、循環の局面として必要な期間となりません。【図1、2、表2】

平成27年4月の山候補、11月の谷候補の検討

これらによって構成される各局面の期間は十分な長さとなりますが、次の点から、景気基準日付としての要件を満たさないと判断されます。

  • 後退局面(平成27年5月~11月)において、ヒストリカルDI(景気変動の波及の広さを示す)は42.9%までしか低下しておらず、景気後退が広範囲に波及したとはいえません。【図1、表2】
  • この間、CI一致指数(景気の量的変化の程度を示す)は3.9%の低下で、後退局面における景気の量的変化として十分とはいえません。【図2】
図2「鳥取県CI一致指数の推移」

平成30年11月の山候補の検討

次の点から、景気基準日付としての要件を満たすと判断されます。

  • 前回の谷と、この山候補によって構成される拡張局面(平成24年8月~平成30年11月)は、76か月間と十分な長さとなります。また、平成30年12月以降は直近までヒストリカルDIが低下を続けており、十分な長さの後退局面が続いていると推察されます。【図1、2、表2】
  • ヒストリカルDIは平成25年1月~6月に100%、令和元年10月以降に0%となっており、拡張・後退の両局面において景気変動が広範囲に波及したといえます。【図1、表2】
  • CI一致指数は、拡張局面の上昇率がやや低いものの、過去の循環(平成11年1月~12年5月の拡張局面)と同程度の量的変化となっています。また、平成30年12月以降は直近までCI一致指数が大幅な低下傾向にあり、後退局面の量的変化も十分といえます。【図2、表3、4】
表3「拡張局面におけるCI一致指数の上昇率」、表4「後退局面におけるCI一致指数の下降率」

景気基準日付の暫定設定

以上のことから判断して、平成30年11月を景気の山として設定します。ただし、今後、景気動向指数の採用指標の入れ替えなどを行った場合、ヒストリカルDIの値も変化する可能性がありますので、今回の設定はあくまで暫定的なものとします。

(注)内閣府経済社会総合研究所による局面の期間の目安

  • 山から山、谷から谷……15か月以上
  • 山から谷、谷から山……5か月以上
  

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