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第35回「8代将軍の始めた統計」

 11月27日は、江戸幕府第8代将軍徳川吉宗の誕生日です(旧暦では10月21日)。

 1684年生まれの吉宗は、時代劇に取り上げられることが多い人気の歴史的人物ですが、統計との所縁でも知られています。例えば「米将軍」と呼ばれるほど米相場を重視したといいますし、諸藩領の報告に基づいて全国の人口統計を整備したりもしました。

 これらがどのように幕府施策に生かされたのかは歴史家の解釈に委ねるほかないでしょうが、もしかすると彼は近年に推進気運が高まるEBPM(確かな根拠に基づく政策立案)の先駈けだったのかもしれません。

 ともあれ、彼の始めた人口統計は、1721年以降、断続的に幕末の1846年まで記録が残っています。現代の統計のような精度は望むべくもありませんが、鳥取藩の数値を拾ってみましょう。

 グラフは、江戸時代後期に伯耆が因幡を上回るペースで人口増加していたことを示します。背景として綿作・織物業の隆盛等が考えられますが、鳥取城下に多く居た武士等を集計対象外としていた点は留意が必要です。1830年代に両国で大幅な人口減少を示すのは、天保の飢饉の影響でしょう。

 遠い過去を思い浮かべつつ統計を見ていると、政策立案に不可欠なだけでなく、貴重な歴史資料でもあると気付かされます。

本ページは、平成29年11月27日付「日本海新聞」掲載の同題コラム(鳥取県地域振興部統計課執筆)からの再録です。

  

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