2021年9月28日

2021年9月28日 まき網・シラス@境港

9月27日朝、県営境港市場では中型まき網6隻、大中型まき網1隻が入港していました。

最近の主役は体長10~14cm前後の小羽イワシ(マイワシの当歳魚)。
カタクチイワシやウルメイワシが混じり、多い船だと200トン近く水揚げする日もあります。
集計してみると、速報値ベースで4,247トン。これは9月の水揚量でみると1996年以降で最も多いようです。
そのほか、アジ・サバ、ハマチ・ヒラマサを水揚げした漁船もありました。

水揚げ風景 マイワシ

マサバ カマス

今回はアジ・サバを水揚げした漁船のサンプルを測定しました。
サンプルからは、マアジ・マサバのほか、ゴマサバ、カマス、マエソ、ハガツオなどがみられました。
そして、なんといっても体重1kgを超えるマサバ、尾叉長40cm近いマアジなど特大のものも見られ、
研究員としてはとても興味深い測定となりました。

大きい魚 マサバ1kgup

続いて、9月28日未明には境港の中野港にてシラスの市場調査を行いました。
すくい網の漁業者3名にお話を伺うと、最近は魚が少ないようで、シラスは多くて1箱、アジも数箱とのこと。
本日はどの船もこんな感じ(手前がアジ、奥がシラス)。
貴重なサンプルを見てみると、シラスのほかに、トウゴロウイワシがかなりの割合混じっていました。

水揚風景 アジ、シラス

藤五郎イワシ 測定

このイワシそっくりの魚ですが、実はマイワシやカタクチイワシが属する「ニシン目」とは異なる
「トウゴロウイワシ目」の魚です。そう、一般的な「イワシ」とは目レベルで異なる全くの別物なのです。
では、何の仲間なのでしょうか。ヒントは胸鰭の位置です。
魚に詳しい方であればピンときたかもしれませんが、ボラやサヨリ、身近な魚でいえばトビウオなんかが
このような背側に胸鰭が付く形態をもちます。
すなわち、「イワシ」という名前ではありますが、どちらかというと実はボラなどに近い仲間なのです。
一般的に食用とする魚種ではないため出回りませんが、夏~秋にかけて、港内の表層を泳いでいる魚は、
イワシ類だけでなく、かなりの割合で実はこのトウゴロウイワシだったりします。
釣りなどされる方は、釣れた際は観察してみると面白いかもしれません。

さて脱線しましたが、半月後の10月15日から船曳網の漁期が始まります。
そこからの1~2か月が、1年の中でも最もシラスの漁獲が多い時期になります。
寂しい9月の漁模様から一転し、大漁で賑わいのある漁期になることを祈っています。

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