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2020年8月27日

~ジビエは里山の恵み~「奥大山地美恵」宇田川副会長の一流の技

近年、イノシシやシカなどの野生動物が人里近くに現れることが増えてきました。

これらの野生動物は、農作物に重大な被害を与えることもあることから、農地の周囲に電気柵を設けたり、罠で捕獲して放獣や駆除を行うなどの対策が取られてきました。

江府町では、これら野生動物を、山の恵みとしてジビエに活用しようと、旧米沢小学校をジビエ解体処理施設として改修、今年2月から「奥大山 地美恵」が運営を行っています。

「奥大山 地美恵」副会長の宇田川さんは、現在72歳。

18歳でハム会社に就職、ドイツ、ベルギー、デンマークなど世界各国のハム作りを現地に出向いて勉強しながら、長年肉選びや解体、加工など、全てのプロセスに関わってこられた、食肉加工のプロです。

江府町の農業委員となって、農作物がイノシシやシカなどの鳥獣に荒らされているのを見て、少しでも被害を減らそうと、ジビエに携わることを決意したそうです。

宇田川さんは、施設に来ると慰霊碑に手を合わせ、動物の冥福を祈ります。

「人間の都合で命を頂戴するからには、少しも無駄にせず、美味しくいただきます。」

この日は、江府町内で罠に掛かり、前日に止め刺しと剥皮を行った1歳の雌のイノシシを、ジビエの食肉として解体します。

宇田川さんによると、ジビエは止め刺しや解体の技術がよいと、家畜の牛を上回る美味しい肉となるそうです。

10本のナイフから、1本を選びます。

ナイフは紫外線殺菌装置付きのケースに収納され、常に清潔に保たれています。

徹底した温度管理が行える冷蔵庫からイノシシを取り出し、丁寧にまな板に並べます。

「いろいろな解体の仕方がありますが、今日は、ナイフ1本で羊と同じ捌き方にします。」

刃渡り40cmくらいあったナイフも、研ぎながら長年使っているうちに、刃渡りが短くなっています。

鮮やかなナイフ捌きで、スピーディーに部位ごとに切り離されていきます。

鮮やかな手捌きで、あっという間に部位毎に分かれました。

この確かな技術が、肉の鮮度や美味しさの秘密です。

「アナグマ、タヌキ、カモ、キジなど、大抵のものは捌けます。」

ジビエには、止め刺し、解体の高い技術だけでなく、野生動物が罹る病気などに関する豊富な知識も必要とされます。

「肝臓と腎臓は必ずチェックします。

病変が認められれば、その時点でジビエとして食べることができないことがわかり、全て廃棄となります。

知識がない人が捌くと、筋肉だけを見がちですが、それでは危険です。」

宇田川さんは、後継者の育成にも熱心に取り組んでおり、その評判は全国区。

首都圏などから宇田川さんに教えを請いに来る方もいるそうです。

「地域の人に喜んでいただくために生きたいと思っています。」

人柄に惹かれて、周りには次々と人が集まってきます。

その方がいるだけで、地域が元気になる、そのような大きな存在の宇田川さん、

江府町の未来を明るく照らしています。

日野振興局 2020/08/27

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