鳥取県中部地震の発生から半年が経ちました。事務所のある倉吉市では、地震の被害にあった屋根を直す風景が見られ、少しずつ復興が進んでいることを実感します。
4月18日、三朝町の三徳山で入山再開式典が行われました。三徳山三佛寺から国宝投入堂まで通じる行者道は、地震の影響で文殊堂付近の岩盤にひび割れが発生し入山禁止になっていましたが、この度多くの支援者の資金により迂回路が設置され入山が可能になりました。 式典当日は、小雨の降る中、40名余りの関係者の参列者のもと本堂前で開山報告法要と祝賀式典が行われました。

祝賀式典(本堂前)
その後、行者道のスタート地点に移動し、結界門を開く開扉法要が行われました。米田良中三佛寺住職、平井伸治鳥取県知事、吉田秀光三朝町長によって結界門が開かれました。

開扉法要(行者道のスタート地点)
その後、行者道沿いのすべての御堂を拝み投入堂まで登山する「開山入峰修行」に参加しました。山伏の先達のもと、「懺悔(さんげ)懺悔(さんげ)六根清浄(ろっこんしょうじょう)」と唱え、山の自然の力をいただいて一歩一歩清めながら投入堂を目指しました。この開山入峰修行には約60名の参加がありました。

開山入峰修行(宿入橋)

開山入峰修行
今回設置された迂回路は、文殊堂に向かって右方向から登るように設置されています。急斜面に設置された鎖を頼りに登り降りする必要があります。新しい道のため、落石に注意するように説明がありました。

今回設置された迂回路(文殊堂下)
1時間50分後、投入堂前に到着しました。文殊堂付近の岩盤のひび割れ以外は、地震による大きな被害はみられませんでした。

国宝投入堂(三佛寺奥の院)
行者道沿いには、ブナの葉が芽吹き、トキワイカリソウなどの春の花が咲いていました。
ブナの新緑

トキワイカリソウ(船の錨に似た花)
本堂につながる参道沿いには、入山再開を祝うかのようにホンシャクナゲが見頃を迎えていました。

ホンシャクナゲ
三徳山は、修験道の聖地として信仰され厳格に守られてきたため、原生的な自然林が残っている山で、平成26年3月19日に大山隠岐国立公園に編入されました。半年振りに入山が再開された三徳山に是非足を運んでいただき、豊かな自然を体感していただけたらと思います。
三徳山の自然の魅力については、過去の記事をご参照ください。
2014年6月26日 2014年8月29日 2014年11月17日 2015年8月17日 2016年5月30日 2016年8月3日
尚、行者道は三徳山にある唯一の登山道で、三佛寺が管理されており入山料が必要です。登山の際にはルールを守り、自然を壊さないように楽しみましょう。投入堂までの登山は険しい道のため十分注意が必要です。
関連リンク
三徳山三佛寺