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平成20年3月26日交渉

専技主幹と専門技術員の職責の考え方及び「わたり」廃止に伴う新しい人事制度に係る交渉の概要

 

日時 平成20年3月26日(水)16:30~18:40

 

場所 第23 会議室(第2庁舎 7階)

出席者 知事部局 :今岡行政経営推進課長、梅田主幹

  伊澤職員課長、萬井給与管理室長補佐、
             難波主幹、前田副主幹、吹野副主幹

県職労  :片山執行委員長、山中書記長 他

 

1 専技主幹と専門技術員の職責の考え方について

組合:専門技術員の職位、職務は何か確認したい。行政経営推進課と以前、協議を行った時、来年度の専門技術員のポストは、全て補佐級になっているので、組織要求はしなくてもよいと聞いていたのに、実施は係長級も配置されていた。

県:専門技術員の職務は農林業の専門技術に関して、県内の各普及所と試験場をつなぐのが役割である。普及所から農家のニーズをくみ上げて試験場につないだり、試験場で開発された新しい技術を現場に伝えることである。職位としては補佐級と係長級を置いて、柔軟な人員配置ができるようにしている。

組合:補佐級と係長級では別の職務が求められているということか。

県:どちらの職位を置くのかは、その時々で違うので、どちらが適当なのか適宜、判断して設置している。

組合:一つの職場における職務内容と職責は一定ではないのか。

県:現場のニーズなど様々であり、求められる職務内容には、補佐級の場合と係長級の場合の2つがあり、幅があると考えている。

組合:職務内容にはあまり幅がないと思っている。補佐級でも係長級でも、仕事は同じものが求められ、係長級の職員であっても、がんばっているのではないか。どちらの職位になるかは、たまたま、その職員の年齢が高いか低いかの違いではないか。

県:組織定数上の職責は、幅があるので複数格付けに設定している。そこにどの職員を任用するかは、人事配置上の話になる。いわゆる「専技」には専技主幹と専門技術員の2つの名称に分かれているが、補佐級の職員と係長級の職員に求められている能力水準、期待値は異なるものだと思っている。

組合:例えば事務職の主幹の場合、その仕事は決まっていて、その職責、役割は個別に決まっているが、以前、行政経営推進課が作成した資料では、各分野の「専技」の職務内容は、ほぼ同じ書きぶりで書いてある。

県:今回の人事配置で10名の専技がいるが、それぞれの分野に求められている職務内容は同じではない。普及所と試験場の橋渡しの役割という部分は同じだが、その先の部分は違う。以前の資料に書いてある職務内容は、最低限の部分が書いてあるもの。

組合:それぞれの「専技」が担っている分野で、どちらの職位にするのか基準はあるか。

県:どちらの職位になるのかは、現場からのニーズ等によって変わるため、全く均一ではない。よって、組織上は柔軟な配置が出来るようにしている。

組合:どちらの職位の職員を配置するのか、職務と職責ではっきりと区分けしてあれば理解しやすいが、今のように補佐級と係長級で求められるものが違うということだけではわからない。

補佐級と係長級の2種類があるのに、なぜ、係長級が配置されているのか説明してほしい。

県:「専技」の職務内容には、特命事項など、幅があるので、全て一律ではない。

組合:どちらの職位になるのか基準はないのか。一つの「専技」の職場で、補佐級の職員がいた時と、係長級の職員がいた時で、やっている仕事は同じではないのか。

県:その「専技」に求められる役割について、最低限のラインはあると思うが、その業務の困難度、求められる専門知識などを総合的に判断して、補佐級と係長級に分けて、どちらでも配置できるようにしている。

組合:それは人事配置上の話であり、組織定数上は人によって、求める職務内容が変わるものではないと思っている。現場のニーズはいろいろあるだろうが、「専技」の役割は固定化されているものだ。それをどう区分けするのかが行政経営推進課の役割ではないか。その役割を果たしているのか。

県:繰り返しになるが、「専技」に求められる役割は基本となる部分は一定かもしれないが、職務内容によっては幅があると考えている。

組合員:「専技」に求められる役割は、補佐級でも係長級でも、基本的には同じものだと思っている。実際に和牛全国共進会があったとき、前年までは補佐級が配置されているところに、当該年は係長級が配置され、多忙な業務を遂行した。その職員は補佐級の能力を持った人が係長級として配置されたということではないか。

県:複数格付けで補佐級か係長級の職員が配置されることにより、県民が求めるニーズが変わるものではない。どちらの職位が配置されようと、その職場全体の職員の組み合わせにより、組織トータルの力で対応している。職員の組み合わせの中で、業務を果たしてもらうため、職位に幅をもさせている。

組合:組織上の制度と違って、人事管理の中で両方の職位を使うのは分かるが、補佐級と係長級に分けるほど、職務に差があるとは考えていない。専門技術員という仕事をきちんと評価して、明確に補佐級として格付けして欲しい。

県:組織査定上の事務職の場合では、主幹のポストに副主幹の職員を配置することはあるが、その職員で足らざる部分については、上司や同僚などがまかなって、仕事を行っている。それが組織である。もちろん係長級で補佐級の仕事をしようとがんばっている職員はいるが、係長級の給与の職員に、補佐級の仕事をしなさいとは言えない。

組合:主幹のポストに副主幹の職員しか置けない場合があることはわかったが、その副主幹が主幹級の仕事をこなした場合はどうなるのか。

県:その場合、副主幹の職員の評価が上がる。ただし、そのことをもって、直ちに補佐級になるという訳ではない。

組合:例えば、1年後に補佐級に上がることはあるのか。

県:補佐級への昇任候補者として名前があがることはあるだろう。

組合:主幹のポストに副主幹が配置された場合、そのポストはどうなるのか。そのポストの業務量は減るのか。

県:行政経営推進課の組織査定では、ポストの査定は行っていない。職位を固定してしまうとデメリットになると思っており、幅を持たせている。

組合:県当局として、「専技」の職責を考えた場合、職位として何が適切だと考えているのか。現時点で考えていないなら、今後、協議を行っていくということでもよい。

県:「専技」の職位としては、困難度等を考えた場合、少なくとも係長級以上だと思っている。

組合:主幹のポストに副主幹が配置された場合、そのポストに求めるものが不明確なため、モチベーションが上がらない。例えば、企画員も複数格付けだが、補佐級と係長級で職務が明確に分けてあるのに、「専技」は明確になっていない。農林水産部からは「専技」は補佐級だと回答があった。

県:農林総合研究所のポストについては、複数格付けということで、12月に組合に提示した内容から何も変えていない。

組合:「専技」に求められる職位は何なのか、しっかり整理して欲しい。

組合員:「専技」は補佐級だと聞いていたので、組織要求も行わなかったし、トータルコスト予算要求でも補佐級の給与で計算されている。実際に配置されている職員は、係長級であっても補佐級の意気込みで仕事をしていることを知っておいて欲しい。

県:トータルコスト予算要求上、複数格付けの職位については、上位の格付けで計算するのがルールであるので、それによって、全員が補佐級という訳ではない。

組合:「専技」の職位は補佐級が適当だと考えているので、県当局が「専技」に求めている役割、職責から職位を切り出して整理し、出来るだけ早期に改善して欲しい。

県:本来は、出来る限り職務を明確にしないといけないとは思っている。

組合:この「専技」について、今後、交渉のテーブルに議題としてのったと考えてよいか。

県:今のところ、農林水産部からそういう要望は聞いていないが、それを確認した上で検討していくという意味では、検討のテーブルにのせると言えるかもしれない。

組合:農林水産部にも今日の組合交渉の内容は伝えておいて欲しい。来年度から農業試験場の「専技」も1人減るが、その大変さを県当局も認めて欲しい。

 

2 「わたり」廃止に伴う新しい人事制度について

組合:今回の人事異動により、4月1日で職位の切替が行われる。「わたり」廃止に伴う2年間の職位整理について、県当局から説明して欲しい。

県:組合としては、どういう説明を求めているのか。

組合:「わたり」廃止に伴い、具体的に人事、給与制度をどのように整理したのか教えて欲しい。昨年度、補佐級を整理し、今年度、係長級を整理する予定だったと思うが、給与制度もポスト整理もまだ不備がある。特に行政経営推進課でどういう整理をしたのが、経過がわからない。

県:平成18年度から補佐級、係長級の職位について、基本的な考え方を示し、その上で、補佐級のポストを一定数、増やした。その後、もっと詳細な基準が必要だということだったので、各部局にも点検してもらった上で、5~6段階に区分した詳細な資料を提示した。また、平成19年度の夏ごろに基準を示し、必要なポストについても日程を前倒しして、各部に聞いた上で、最終的に組織査定を行った。

組合:平成19年度に職位の基準を各部へ示しているということだが、現場からは相変わらず、基準がわからないという声が組合に届いている。平成18年度に補佐級を整理したときには、どうやって、各部には説明したのか。

県:平成18年度は基本的な考え方を示して、部局から聞き取りを行った上で、例年通りの組織査定を行ったが、その際、行政経営推進課が必要と考えるポストについて、各部にも提示している。

組合:毎年、全ての職場を調査しているのか。

県:全ての職場を回っているわけではないが、最終的に情報は全ての職場分をまとめている。

組合:平成18年度に比べて平成19年度は現場の声を聞く機会が増えているのか。

県:県土整備部や福祉保健部などの現場に行って、所属長や職員の声を直接聞くようにしている。

組合:人事異動が発表されて、職位が上がる職員と下がる職員がいるが、新しく作ろうとしている昇任制度について、現場の職員がどの程度、理解、納得していると考えているか。

県:年3回の所属長会議など機会を捉え、情報提供し、説明を行っている。また、ボーダーライン上にある職員に対しては、所属長へ面談等を通じてフォローするように依頼しているし、職位が下がる職員については、できる限り職員課が個別面談を行っている。なかなか納得するのは難しいかもしれないが、昇任制度に関する周知、理解は進んできていると思う。

組合:一定の成果は見えるが、どうやって職位が整理され、配置されるのか、断片的にしか示されておらず、全体像が示しきれていないのではないか。

県:十分かどうかは分からないが、平成17年度から人事管理の基本方針、考え方を公開し、各職種における昇任の考え方を職員に示している。少なくとも、昔のように人事管理や昇任制度がブラックボックス化していることはない。

組合:それらについて、職員はどの程度理解しており、その到達度はどのくらいと考えているか。

県:はっきりした根拠はないが、個人的には本庁の職員は、あらかた理解しているのではないかと考えている。

組合:5段階に区分した職務基準について、所属長はどのくらい理解しているのか。

県:まずは今回、汎用的な職務基準を作ったことにより、一歩前進だと考えている。この職務基準は民間の基準を参考に整理したもので、全ての職場で、ある程度は当てはまると思う。

組合:例えば、職務基準に「高度な」という文言があるが、何が「高度」なのか基準を示さないと分からない。今の基準でよいと考えているのか。

県:今回の基準は、必要な職務の切り出しを行ったという点で一歩前進したものであり、完全ではないが、各職場で使えるものだと思っている。各職場に説明したときにも、特にわからないという声は聞いていない。

組合:民間の給与制度は公務員に比べシンプルなものであり、現在の基準では公平なものではないと思っている。職員にとって、自分の給与が、今後どのように推移していくのかわからなくなっている。個々の仕事をきちんと把握した上で、職位を決めているということが職員にわかるようにしてほしい。給与制度としては国と比較するのが、妥当だと思っている。

県:国とは職務構造が違う。国には1人係長などもいるため、組織論から言えば、国は上位の職が肥大化している。本県の場合、完璧とは言わないが、自然体で職位を整理したものであり、その結果が今の状況だと考えている。

組合:国に比べて職位が下がれば、トータルの給与水準は下がってしまう。

県:自然体で整理したものであり、県民及び職員への説明がきちんとできるようにした結果である。

組合:国や他県とは違うということか。

県:他県とは違う。

組合:他県と比べてポストが少なければ、年齢が高くならないとその職位には就けないことになる。例えば、対外的な仕事をする時に、年齢が高くても主事級だった場合、仕事がしにくくなるという声がある。今回の人事異動で上位のポストに就けなかった人のやる気が出る対策はないか。

県:現在、どういうポジションに自分がいて、どういう評価で、どれだけがんばれば昇任できるのかということ等、所属長から職員へ、可能な範囲で人事管理上の様子を分かりやすく伝えるようにしている。また、面談等を通じて職員の希望、課題を聞きながら、これまで以上に充実するようモチベーションを上げていってもらいたい。

組合:どうやったら昇任するのか、所属では分からないので、バラバラになってしまうのではないか。

県:そのために、昇任年齢の実績など、基準を示している。自分にとって、昇任するのに足らないところは何なのか、考えるよい機会にしてもらいたい。

組合:実際に45歳の主任が主事になった時、キャリアビジョンが描けない。現在の評価制度と面談しかないのか。

県:従来に比べて、今年度は特に綿密に昇任の査定を行っている。全ての職種で個別に部局からヒアリングを行い、人事異動を行った。昇任が遅れている理由などについても、所属長と本人でコミュニケーションをとってもらっている。

組合:職員課の考え方はわかった。ただし、そういう声が組合に来ないように取り組んで欲しい。

 

組合:次に国家公務員と民間との比較における賃金水準について、今度どのようにしようと考えているのか教えて欲しい。

県:それについて、明らかな答えはないが、地域の民間給与水準を前提としながら、国との均衡を図っていく。そのために、人事委員会が持っている県内民間企業のデータを示してもらって、国と民間と県のバランスを見ながら、可能な限り職種ごとに分析していく。

組合:給与水準については行政職との均衡がよいと思っている。例えば、給料表をひとつにして、それに何割、上乗せするのかというような方法でもよい。ラス100を目指すため、国の情報収集はこの2年間で、どのくらい行っているのか。

県:国に対しては、ヒアリングの際などに国家公務員の給与情報の提供依頼をしてきているし、国と地方で給与実態調査の方法が少し違うので、それを修正して欲しいということも言っている。

組合:結果として、何も国から回答がなければ、国の状況を把握しようがない。もっと努力をして欲しい。

県:引き続き、努力する。

組合:今回の人事異動で、給与が下がる人に対しては、自分の給与がどういう計算でこの金額になったのか、算出根拠を出来る限り分かりやすく示して欲しい。また、管理職にも自分の部下職員の給与について、認知してもらいたい。

県:現業職の切替の時にも、何か説明資料を示したと思うので、4月分給与の支給までには、出来る限りの説明を行いたい。

組合:「わたり」廃止後のポスト整理については、まだ不十分だと思っている。評価が低かった職員がマイナスな気持ちにならないように将来像を示すとともに、どうすれば職員が、より成果を残せるようになるのか、常に考えていって欲しい。今後も継続的に検討していくという姿勢を受けとめて、今年度の交渉はこれを最後にしたい。

 

 

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