平成18年度現業組合労働協約締結交渉の概要
○日時 平成18年3月13日(月)15:25~16:55
○場所 第12会議室(議会3階)
○出席者 知事部局:柴田参事監兼職員課長、伊澤給与管理室長、広瀬課長補佐、 斉藤副主幹
現企労:有本執行委員長、谷本副執行委員長、上田書記長 他1名
●現業組合からの申し入れ(PDF,83.5KB)
●県からの回答(PDF,94.3KB)
組合:2月21日に要求書を提出した。現在労働協約がない状況であり、我々としても好ましい状況ではないと認識しており、協約締結に向けて進めていきたい。この点県の考えを聞きたい。
県: 県としても、無協約の状態を好ましいものとは考えていない。組合の要求に対して真摯に対応し、協約が締結できるよう協議していきたい。
組合:18年度に入るまでに協約が締結できるよう、精力的に交渉しようと思うが、時間がない。早期に結論が出るものと交渉を継続すべきものがあると思う。それは論点整理しながら進めることとし、まずは県の回答を聞きたい。
県: 回答書に記載してあるとおりであるが、簡単に説明すると、賃金要求については、昨年9月の給与見直しにおいて、残念ながら合意に至らなかったものの、法が求める適正な給与水準を実現するために行った見直しであり、今後も同様の考え方によって給与を決定していきたい。
給料表については、現行の1級から5級までの給料表を、確定交渉でも確認したが、給与構造改革を踏まえ、新行政職給料表の1級から3級に相当するものとしたい。
職長ポスト設定については、給与水準見直しの際に議論した時と考え方を変えておらず、一定人数以上の職場に、行政運営上の必要に応じてであるが、設置することを検討したいと考えている。
給与水準見直しの経過措置について、平成19年度末までの現給保障を求めているが、見直し交渉の際に整理した考え方を変えるような要因はないと考えており、現行の規則のとおり取り扱いたい。
給与制度見直しにおける給与条例適用者との均衡については、従来どおり、行政職給料表とのバランスを考慮する。
3点目の諸手当、4点目の賃金職員については、確定交渉の際に一定整理されているところであり説明は省略する。
5点目については、回答に記載していないが、基本的には、1~4以外の点について、従前と異なる勤務条件の取扱いは考えていない。
また、労働協約に及ばない事項として9点の要求があったが、そのうちまず、事前協議制については、法令を踏まえた上で尊重したいと考えている。
2点目の定数スリム化方針に関し労使で検討委員会を設置しようという要求については、現場の意見や業務内容を踏まえるなどの必要に応じ、委員会という形式がよいかどうかはともかく、意見を聞く機会をもつことはよいと考えている。
独立行政法人、指定管理者制度、市場化テストの導入について、雇用の確保を要求している点については、県としては、雇用の確保に最大限努力したいと考えているが、将来どのような状況が生じるか分からないので、確保するということまでは言えない。
7点目の時間外勤務手当については、基本的にシステムをきちんと使えば適正化できる環境を整えることができたと思っている。
組合:項目によっては、今日は具体的な交渉にならないかもしれない。賃金基準の改善の項目については、確定交渉で確認しており、基本的に県と組合で方向性は大きく異ならないと思う。
職長ポストについては、全ての現業職場を対象に検討すべきと考えている。一人職場が全くの対象外になることについては、非現業ならば、異動で他の職場に異動することでチャンスもあるが、現業は異動範囲が限られている違いがある。
県: 処遇のためにポストを設置することはできない。業務の必要があってポストを設置するものである。
現状は、現業職員は、職種が細分され、地域が固定されることが多いが、今後は、異動についても弾力的な取扱いを考えることが必要だろうと思う。
組合:一人職場でも業務の必要があれば職長ポストを設置することもあると言えるか。
県: あくまで職務・職責が相当するものかどうかが基本となるが、そういう可能性を検討することはできる。
組合:現業だからといって歯止めをかけるようなことはして欲しくない。
県: 現業、非現業は法令上の区別である。個人の能力や職責の評価は、あくまで組織の中で発揮された能力や職責によるものである。みんながみんな好き放題という訳にはいかない。
これまで現業と非現業は、処遇面が近かったので、仕事の内容についても境目が必ずしも明確でなくても扱われてきたが、給与見直しにより処遇面の違いがはっきりした今、業務の内容も整理しなければならない。
組合:職長ポストに関しては、今後も引き続き協議したい。職場の詳しい状況については、執行部では説明しきれない部分もあるので、直接話を聞いてもらうのもよいと思う。
県: 職場の意見を聞くのはよいが、労使交渉の観点に陥りがちであるので、注意してもらいたい。どうしたら県行政がよくなるかを一緒に考えるという立場で意見を述べてもらいたい。とかく、動員されると、交渉と錯覚することになりかねないと思う。
組合:職務の一環としての意見交換の場ということになるのか。
県: 当局との協議の場合はそれでよいだろうが、組合内部での対応の場合についてどこまで可能な範囲があるのかについては、今後整理していくことになるものであろう。
組合:経過措置に関する要求は、単純に、非現業との均衡を求めたのではなく、新たな職長ポストの設置という課題があり、それが今後1年間で整理できればよいが、それができなかった場合でも、給料の減額は始まりますよということでは納得できない、しっかり議論しましょうという意味である。
県: その趣旨は理解できないでもないが、非現業のわたり廃止においては、補佐級と係長級の2段階あり、職種もポストも職員数もずっと多いにもかかわらず、それぞれ1年間で整理しようとしており、現業職について、2年もかかることは考えておらず、また許されるものでもないと考えており、1年でやらせてもらう。現給保障期間に整理するという考えだからこそ、給与水準見直し交渉が終わった直後から組合に考えを出してくれと言っていたはずだ。
組合:この点は、再度整理し交渉を継続したい。
勤務・労働条件についての要求のうち、事前協議のルールについては、基本的に労働条件は労使で話し合って決めましょうということであるが、最近、この原則が崩れつつあるというのが我々の認識である。交渉もしていないのに、大きく定数が切られている職場があり、我々としては納得していない。
県: なるべく前広に協議をし、いきなり結論をもってくるのではなく、適宜、意見を交換しながらできればと思う。
組合:組合としては現業職員の配置について、定数がどうとかでなく、もっと柔軟な方法をとってもらいたいと考えている。
県: 定数は議決事項であり、考慮しないわけにはいかない。
組合:運転手を運転手として雇用を守れといっているのではなく、県職員として必要な業務に配置することによって雇用を守れと言っている。
県: 一般論として、施設がまるごと独立行政法人化した場合には、その法人に行ってもらうことも立派な雇用維持の方法の一つだと思う。県職員としての身分、雇用だけに限定して考えるのでなく、広い意味での雇用確保を検討し、提案する場面も出てくる可能性はあると考える。
組合:9項目のうち、2点目、3点目が重点課題と考えている。今日のやりとりを踏まえて、組織内の意見をまとめ、改めて交渉する。