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平成18年5月24日交渉

勤勉手当成績率運用に関する交渉の概要
 
○日時  平成18年5月24日(水)10:00~12:20
○場所  第12会議室(議会棟3階)
○出席者 知事部局:柴田参事監兼職員課長、伊澤給与管理室長、廣瀬課長補佐、
          萬井副主幹
県職労:片山執行委員長、山中書記長
現企労:有本執行委員長、谷本副執行委員長   他11名
   <概要>
県:勤勉手当の成績率の運用については、昨年10月の人事委員会勧告による給与構造改革の一環として勤務成績反映を拡大することとし、運用方法の改定を提案して、3月13日に基本的な考え方を中心に交渉・議論したところである。その交渉の際に、それ以降は折衝等で協議を詰めていくことを確認した上で、引き続き、組合専従役員と議論してきた。その中で、職員の納得性が重要であることは共通の認識だが、一方、評価の現状、評価に対する課題の認識において、双方の意見が一致しない部分も明らかになってきた。6月の支給期も間際に差し迫ってきており、本日は、双方の主張点を再度確認し、その上でどういう方法なら実施可能なのか、あるいは将来を見据えた解決方法がないか、合意を目指して議論していきたい。
 
組合: 3月13日以降、意見交換を行ってきているが具体的にお互いが歩み寄ることができるような状況の変化がないと認識している。ただし、この議論の元になっている県が2月23日に提示した案は、いつの間にか組合への当局提案という位置づけで経過し、十分な趣旨説明もないものであり、その意味で極めて不満である。まず、県の提出した案について具体的な説明を求める。県の案では、配分原資が足らず、実施できないのではないかと思われる。どのように計算してみても計算が合わない。
 

     ●平成18年2月23日 組合提示(PDF,82.1KB)
     
●平成18年3月13日 交渉概要 

県: 提案もないのに交渉したということはあり得ないはず。勤勉手当の成績率の運用についても、職員にも情報を公開し、開かれた議論を行いたいという考えで、2月に提案した内容を基に3月13日に交渉を行い、その場では詰め切れない部分もあるということで、その後は折衝で詰めていくことを双方で確認したものだと認識している。
   今回の提案に係る成績優秀者の人員分布の設定の考え方であるが、以前にも説明したとおり過去の支給実態等も踏まえながら、給与条例に定められた支給総額上限の範囲内で運用可能であると想定した人員分布と成績率により設計したものである。ただし、全てのあらゆる場合に対応できるかといえば、絶対に大丈夫とは言い切れず、ごくまれに調整が必要となる場合もあるかもしれないが、基本的には運用可能であると考えて提案している。
   成績優秀者の人員分布の拡大のための原資としては、このたびの人事委員会勧告により支給割合が引き上げられた分のうち成績反映拡大の原資として活用することとなった0.015月分(1期あたり)に加えて、休職者や育休者等の除算期間の発生に伴う期間率の減により生じる部分、更には扶養手当分も運用可能である。
 
組合: 平成16年に、成績優秀者への格差配分を始めて以降、それに要する原資は、成績不良者から生まれる原資を充てる運用を行ってきたのではないか。なぜ、今まではこの休職者等や扶養手当の部分を運用してこなかったのか。
   
県:何年か前に、成績率の運用幅を従来は40/100~90/100としていたものを0~120/100と改正した時に、人事委員会も人事院に準じて標準者は60/100と決めた。これにより制度上の支給総額の上限額を一律に均等割で全員に配分していたそれまでの運用を廃止したものである。
 
組合:では、平成16年度に成績優秀者に対する運用を導入した際に、この部分も運用すればよかったのではないか。納得できない。不信感を感じざるを得ない。 
 
県:平成16年12月期の運用方法について組合に提案し、協議した際の当時の提案も、今回の提案と同様に公務能率評定の人員分布に見合った形で成績優秀者を30%目安とし、制度設計を考え、提案した。途中でいろいろな交渉経過もあり、現行の10%目安という運用に落ち着いたものである。当時と制度設計の基本的な考え自体を変えるつもりはない。
 
組合:過去の話で議論の主題がどんどんずれても仕方がない。期間率の減や扶養手当分としてどれくらいの原資があると見込んでいるのか。
 
県:変動要素もあり、大まかな試算でしかないが、概ね1期当たり0.01月分ぐらいあるのではないかと考えている。ただし、この部分も勤務成績反映を的確に運用することが前提となっているものであり、的確な成績反映の範囲内でのみ活用が可能となるものである。
 
組合:扶養手当分や休職者等の期間率減分についても、今後は勤務実績の反映を的確に行うことを前提に活用する方針で運用を考えていく、条例で定められた制度上の支給総額上限の範囲内で運用できる制度であるということを確認する。
 
組合:勤勉手当の成績率の運用が始まってから、公務能率評定についても面談も年2回になるなど改善が行われている部分もあるが、根幹のシステム自体何ら変わっておらず、精度も十分向上していない。そのような状況の中で、なぜ、勤勉手当の格差支給の拡大のみが実施できるのか、組合としては理解ができない。
 
県:公務能率評定について、必ずしも現在の制度が完全であるとは考えておらず、今後の課題が存在することも認識している。この課題がどこまで整理されれば成績反映の拡大に十分であるかの判断は、様々な考え方、認識があり、明確に示すことは困難だと思うが、一番の問題である職員の納得性は評価の精度だけで決まるものではない。勤務実績に対する評価を行い、評価者との面談を通じて本人にそれを伝え、理解を得ながら勤勉手当の成績率に反映させることで、職員の納得性は高まっているものと考えている。課題がないとは言えないが、職員の納得性を踏まえつつ、成績率の人員分布の一層の拡大を行うことは可能であると考えている。
 
組合:現在の勤勉手当の運用は、ほぼ大多数の職員が良好な勤務成績であるが、そうはいっても特に優秀な範囲については配慮するという意味で、限定的、部分的な格差支給を全国に先駆け、組合としても認めてきたものである。
   今回の提案では、全面的で本格的な格差支給の実施を提案されてきているものであり、だからこそ、より慎重な議論が必要だと考えているものである。
 
県:現在の提案は、標準者として評価されたものについて、従前より成績率を下げるものではない。むしろ、現在、上位区分について1割程度しか運用できなかったことに対し、評価により上位区分に区分される職員の割合、チャンスを拡げるものであり、何ら不利な提案ではないはずである。職員の意欲向上のためにも、高くてなかなか飛びつくことができない高さから柳の枝を下げるということ、頑張った職員の勤務実績に対し、評価により報いることができる環境をより拡大する提案をしているものだと理解して欲しい。
 
組合:言い方を変えればそうだろうが、チャンスの拡がり方が均一になっていない、枝の高さがバラバラだというのが組合の主張だ。また、現在の公務能率評定の制度では、面談において、評定者から伝えられる内容が、被評定者にうまく伝わっていないのが現状である。つまり、被評定者が、評定制度自体を十分理解できていない段階で、評定者から指導されたとしても、それがどのような視点で指導されているものなのかも十分に理解できていない場合が多く、そのため評価に対する納得性が得られていない状況である。
   まず、被評定者に対する評定制度の研修を行い、職員の納得のいく評価制度とすることが先決であると主張しているのは、そういう意味である。 
 
県:公務能率評定は平成15年度から導入しているが、評定者側のスキルも随分アップし、面談等によるコミュニケーションが図られ、被評定者側にも制度が浸透しつつある。
   しかし、まだまだ納得性、透明性において十分なものではなく、組合からも指摘があったように課題も存在していると認識している。 
   まず、被評定者研修については、受講者が量的に多いというのが最大の課題ではあるが、今年の夏頃を目途に実施していきたいと考えている。 
   さらに、これからは人事、人材育成、給与面での処遇において評価が中心となるような流れをつくることが重要であり、それが職員課としてのミッションでもある。そのためにも評価方法も整理が必要であり、給料表ごとや職種ごとの評価や職位、職責に見合った評価となるよう評価基準も改善の余地があると感じている。 
   また、評価結果の伝達についても、現在は総合評定だけを伝えているが、その範囲を拡大して開示していく方向で検討してみたい。 
 
組合:組合としても面談自体は有効に作用していると考えている。評定者研修を行っているから評価の納得性が高まるというのではなく、評定者研修の中で行うシミュレーション結果でも評定者の評価のバラツキが少なくなってきているとか、何か具体的に評価者の評定能力について、説明できるものがなければ職員の納得性は得られない。
   信じられない話だが、「地方機関においては、もっと評価を厳しめにつけるべきだと指示された」と、ある管理職が話した、というようなことが職員の間で噂として広まり、自分の評定に疑心暗鬼となるような土壌が、まだ存在している。このような話が信じられるほど、まだまだ公務能率評定に対する職員の信頼性は低い状況である。 
   職員の士気の高揚という観点を踏まえれば、現段階において「2」と「3」の評価を区分し、反映することが本当に可能であると考えているのか。可能な状況にはないということを共通認識として確認できないか。 
 
県:今まで積み重ねてきたもの、職員の意識の状況を見ても、上位区分への人員分布の拡大は可能であると考えている。納得性については主観的な部分の問題もあろう。ただし、交渉の冒頭でも話したとおり、できるだけ組合と合意して実施したいと考えており、お互いの考えを何とか調整することができないのかと考えている。
   組合の評価制度を大切にしたいという考え、人員分布の拡大についての組合の懸念や反対の主張も一定程度尊重して、人員分布は従来どおりで変更しないことに修正し、一方、区分ごとの成績率の設定については、成績優秀者への配分原資の拡充が人事委員会からも勧告されていることでもあるので、提案のとおり区分「1」を「0.9」、「2」を「0.8」、「3」を「0.71」に引き上げることで実施できないか、合意できないかと考えるが、どうか。 
 
組合:公務能率評定の充実に向けた今後の取組として、公務能率評定の総合評定以外の全項目の評定結果の開示、被評定者研修の実施、職種別、職位別の評価基準の充実改善など、公務能率評定制度の充実を一層精力的に進めていくこと、また、その取組を確実に実施することを前提に、上位区分の職員について割合の目安は10%のまま改正せず、成績率の設定は提案どおり引き上げる方式で6月期の勤勉手当成績率の運用を実施することを合意する。
   なお、交渉事項とはならないことを承知で申し上げるが、実支給額と制度上の支給総額上限との差額を、何らかの形で職員のために使用することを検討するようお願いしたい。
   組合としても、頑張った職員が評価されることは必要であると考えている。ただし、被評定者と評定者で評価に対する意見が相違した時に話し合える環境が十分整っていない現在の状況では、「2」と「3」を区分することを容認できないというのが組合の主張である。
 
県:あくまで制度上認められているのは支給できる上限であり、したがって差額について別の特定目的にという話は難しく、また交渉事項でもないということは、組合も理解されていると思う。組合からそのような要望があったということは受け止めておく。
 
組合:公務能率評定の評定結果の開示の拡大は、今年度の評定から実施する予定なのか。
 
県:その方向で検討したい。
 

   

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