平成25年度の当初予算編成等に当たっての留意事項

H24.10.17
総務部長

  

1.要求の基本的な考え方

  

(1)鳥取発・政策主導型予算編成の実施

 県政を取り巻く情勢が激しく動いていく時代にあって、高止まりする円高やグローバル競争激化等を背景とした大企業の統廃合・海外移転、原子力発電所の運転停止によるエネルギー制約など、想定し得なかった大きな経済・社会問題の影響を受けて、県内の雇用・経済情勢は依然として厳しい状況が続いている。
こうした中にあって、平成25年度は、自然や緑をキーワードとした大規模イベントや大会を契機にした「とっとりグリーンウェイブ」の発信、地域の絆や資源を活かしながら魅力ある暮らしを実現できる「“いいまち”づくり」のほか、「雇用創造一万人プロジェクト」の取組や、とっとり「支え愛」の社会づくり、国際まんが博の成果を踏まえた「まんが王国とっとり」の推進など、活力に満ち溢れ、安心・安全で豊かな県民生活の実現を図っていくため、本県の強みを最大限に活かしながらフロンティアランナーとしてのチャレンジを続け、多面的・複合的な政策展開を打ち出していく必要がある。
これらに適切に対応するため、原則として知事による一段階査定方式である「鳥取発・政策主導型予算編成」を引き続き実施することとする。
まず、予算査定に先駆けて「政策戦略会議」等を開催し、戦略的課題や部局横断的な課題に対して、統轄監を中心とした幹部間の連携により方針を検討することとし、その過程において、県民・団体等の意見交換を積極的に実施するとともに、県民参画による未来づくり推進本部各プロジェクトチームによる施策立案を重視することとする。
このように、政策戦略会議において検討する「政策戦略事業」については、年内は十分な議論・検討、事業化に向けた論点整理を行う期間に充て、具体的な予算要求・査定は1月に行うこととする。
また、1月を「政策戦略事業」を中心とした予算編成に充てるため、これを除く「一般事業」については先行して予算要求を行い、原則として財政課において年内に計上案を整理の上、1月初めに計上案をホームページで公開することとする。
ただし、この「一般事業」計上案については、知事査定における最終決定までに所要の調整を行う機会を設定する。

(2)県財政を取り巻く不安定な状況

  国は、「中期財政フレーム」において、平成25年度からの3か年は、地方の一般財源総額を平成24年度と実質的に同水準を確保するとしている。
しかし、社会保障と税の一体改革が前に向かって進み始めたとはいえ、国の財政も大変厳しい状況の中、三位一体改革以後の地方の財政困窮は深刻であり、県歳入の大半を占める地方交付税、国庫補助金の動向は予断を許さない状況である。
   さらに、県内の景気動向に鑑みれば、引き続く円高や世界規模での厳しい事業者間競争による製造拠点の再編・集約などにより、県税収入の回復も不透明な状況である。
一方で、公債費は600億円近くの高水準にあることに加え、社会保障関係経費が増加傾向にあるなど、依然として県財政の圧迫要因となっている。
こうしたことから、平成25年度においても、非常に厳しい財政状況が続くものと考えられる。

(3)徹底した事業見直しと取捨選択の断行

 県財政を取り巻く不安定な状況を踏まえると、財政基盤の強化は急務であり、鳥取県の未来づくりに向けた諸課題、諸政策の実現を図るためには、既存事業の徹底的な見直しと大胆な選択と集中が必要となる。
そのため、予算編成作業においては、先般行われた事業棚卸し結果を尊重するとともに、既存事業の徹底した見直しを行い、効果的な事業の再構築や新たな施策に対する財源の確保に努めることとする。
よって、予算要求にあたっては、全ての事業について、費用対効果、必要性・緊急性等を検証するとともに、公共関与のあり方、持続可能性、国や市町村との役割分担などの視点で、思い切った事業の取捨選択を行っていただきたい。
  

2.要求に当たっての留意事項

  

(1)「県民とともに作る予算」

 本予算は「県民とともに作る予算」であり、事業の企画立案に当たっては、積極的に現場に出向き、現場を担う方々や県民からの声、各種団体からの意見や提言に素直に耳を傾けて、それらを反映した事業を検討するとともに、未来づくり推進本部の各プロジェクトチームなど県民・団体等と議論する場での意見・提言等も併せて活用しながら、政策戦略会議等で部局の枠に拘われない議論を深めた上で要求すること。

その際、県民・団体等の様々な声に対しては、県の立場で政策目的を明確化し、事業の効果性を十分念頭に置いた検討をすること。

(2)鳥取県産業振興条例を踏まえた県内資源の活用

 県内産業の育成による県内経済の発展と県民の雇用の確保を目的に制定された「鳥取県産業振興条例」の趣旨を踏まえ、県産品・県産材のより一層の活用に努めるほか、県内在住・県出身の人材、県内事業者の活用を意識した事業の組み立てを検討すること。
また、障がい者福祉施設に発注可能な物品及び役務の調達について配慮することとし、予算積算時には障がい者福祉施設から見積を徴取するなど、予算執行段階において積極的かつ計画的な発注につながるよう努めること。

(3)事業棚卸しの反映等

 「事業棚卸し」による事業の検証結果を可能な限り反映した要求を行うこと。特に、事業の要・不要だけでなく、事業の見直しの方向性、改善の方向性も含めた提案・提言がなされており、25年度以降の事業のあり方について、県の立場で徹底検証を行うこと。
さらに、事業棚卸しにおいて「効果性」に対する評価が総じて低いことも踏まえ、各部局においては、各事業についてその効果・成果を対外的に説明できるか否かの観点で徹底検証を行い、
中でも継続事業について、これまでの事業成果(費用対効果等)が具体的に見出せない場合は、一旦廃止すること。
また、経費の積算にあたっては、23年度決算における事業ごとの不用額実績に着目し、過大な見積もりとならないよう精査した上で予算要求すること。

(4)国の制度・施策に関する情報収集の徹底

 平成25年度の国の予算編成においては、8月17日に閣議決定された「概算要求組替え基準」において、政策経費を10%削減する一方で、「日本再生戦略」に基づく重点3分野(環境・エネルギー、健康、農林漁業)は手厚い要求を可能にしており、これら特別枠の配分等、既存の制度・施策の大幅な見直しも予想される。
このため、様々なチャンネルを使って国の制度・施策についての情報収集・分析を徹底し、的確に予算要求に反映させるとともに、国庫補助金などの財源措置についてもできる限り適切な見積もりを行った上で要求すること。

(5)NPO等との協働・連携事業の的確な対応

 NPO等との協働・連携事業を立案する場合は、所要経費の積算において、実施する事業の内容に応じて人件費を的確に見込むこととするほか、事業実施に当たっての諸手続などで相手方に過度な負担を課すことのない仕組みを検討すること。

(6)市町村の役割への配慮

 市町村が住民に一番身近な地方公共団体であり、住民生活に密着した行政を行っていることに鑑み、県の施策実施に当たってもその自主性を尊重すること。
また、市町村が関連する事業については、市町村における予算措置等が円滑に行われるよう、事前に十分な相談・調整を行うとともに、市町村との役割分担に応じて、市町村への大幅な業務移管も検討すること。
なお、今年度から、県・市町村行政懇談会について、市町村と県との連携強化を図る「意見交換」の場として機能するよう東部・中部・西部の3地域で個別に開催し、議論・意見交換を実施しており、この場で出た意見・課題等については、地域の課題解決に向け積極的に取り組むこと。 。
  

3.その他の留意事項

  

(1)予算編成過程の透明化

 予算要求段階から予算編成過程を公開するので、事業名も含め県民へのわかりやすさを第一義的に考えて要求書を作成することとし、特に文言については、いわゆる行政用語を用いないよう注意すること。

(2)時間外勤務の縮減に向けた作業の効率化

 予算要求に伴う時間外勤務を縮減するため、財政課が行う要求課からの聞き取りについては、原則として終業時刻までに終了することとする。
 また、予算要求資料については、既存資料の活用を徹底するなど、要求課の資料作成の省力化に努めることとする。

(3)日々の業務改善

 日々の業務改善は、一時的には手間を要することもあるが、結果として、無理・無駄がなくなり、県民のためになることはもちろん、職員の負担軽減にも繋がる。
例えば、ポスター・チラシ等の広報媒体については、必要性、費用対効果等の観点から無駄が生じていないか、安易に活用していないか等の点検を行うこと。
また、予算要求のために本庁と地方機関との間で行われる資料作成などにおいても、例年どおりの前例踏襲による無駄な作業が生じていないか、すべての作業を再点検すること。
このように、予算要求に当たっては、今一度、こうした認識を共有し、日々の業務を十分に点検すること。

(4)新たな財源の確保

 県有資産の処分、県有資産の有効活用による広告料収入の確保、受益と負担の公平の観点から費用を徴収すべきものがないか等、新たな財源の確保について積極的に検討すること。

(5)助成財源の積極的活用

 国庫の財源措置のみならず、各種公益法人等からの事業内容に応じた助成も含めて、当該助成制度が本県の実情や具体的事業に適合したものかどうかを十分に検証した上で積極的に活用すること。 なお、有利な助成財源があることのみをもって必要性・緊急性の低い事業を行うことがないようにすること

(6)環境への配慮とコスト意識

 環境方針を尊重し、グリーン購入の推進、ペーパーレス化の推進等について、予算要求段階から配慮するとともに、環境への負荷を軽減し、かつ、コスト削減に繋がるようなアイディアは積極的に取り入れて、事業を検討すること。

(7)予算編成過程の透明化

 予算要求段階から、予算編成過程を公開するので、事業名も含め県民へのわかりやすさを第一義的に考えて要求書を作成することとし、特に文言については、いわゆる行政用語を用いないよう注意すること。
  

    

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