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平成16年度交渉経過

        勤勉手当の成績率の運用について
 
○平成16年4月28日(水)
 県から県職員労働組合、県現業公企職員労働組合に対して運用方法を提示
 (提示の概要)
 ・職員の勤務成績に応じた支給となるよう、本年6月期分から次のとおり成績率の運用を行う。
 ・勤務成績について、公務能率評定の評定結果、その他の勤務成績を判定するに足ると認められる事実を考慮して、次表の区分に基づき各職員に適用する成績率を決定する。




 
 勤務成績区分   1  2   3  4   5



 

成績率
 
部長・次長級職 120/100 105/100  90/100 75/100 50/100以下

その他の職員

95/100

80/100

 70/100

60/100

45/100以下
 職員割合   10(~5)% 80(~90)%    10(~5)%
     ※第1段階として、「1」と「2」、「4」と「5」の職員割合についてそれぞれ10%を目標(最低限5%)として運用を始める。
     ※「1」と「2」、「4」と「5」の職員割合はおおむね均衡することを原則とする。
     ※今後、公務能率評定結果の状況などを基に、職員割合の目標等を見直していく。
 
○平成16年5月13日(木)・平成16年5月19日(水)
  県(職員課長)と県職員労働組合、県現業公企職員労働組合との話し合いの概要
         県の主張等         組合の主張等
・評定制度の主目的は人材育成であること、新たな評定制度が始まったばかりであることは認識しているが、今回、勤務成績の給与反映についてその歩みを一歩進めようとするもの。

・県民の代表である議会からも成績率の運用を求められており、早急な対応が必要。

・勤勉手当の成績率の取扱いについては、既に条例、規則等において成績率に区分を設けて適用することなど制度の枠組や基準が定められており、その制度どおりに運用しようとするもの。

・個々の職員への成績率の適用は、任命権者の裁量で行うものであり、今回提示している内容は任命権者としてのその運用の考え方をまとめたものである。               

・勤勉手当の成績率の運用の開始に当たり、組合や職員の理解を得るよう努力はするが、必ず合意が必要なものだとは考えていない。

・勤勉手当の成績率の運用は交渉の対象とならない管理運営事項であると認識しているが、組合の意見も参考にしながらよりよいものにしていきたいと考えている。
        
 
・頑張っている職員にはそれなりの処遇をする趣旨は理解できる。
・全職員に関する勤勉手当の額の決定方法(運用)の変更であり、給与に関する事項で団体交渉事項である。
・「意見を聞くだけ」「6月から実施する」といったような県当局の姿勢では、内容の話し合いには応じられない。「一方的」であり、話し合う姿勢では無い。知事も「一方的にはしない」と昨年の議会で答弁したではないか。
・勤勉手当の成績率を判定できる判断基準が不十分であったことから、全職員へ一律で支給されていた。いきなり判断基準が十分になるとは思えない。
・当事者の納得が無い状況で無理矢理実施すれば効果は失われ、不信感だけが高まる。これまでも話し合うことで納得性を高めて来た、話し合う時間を求めているだけだ。
・新しい評価制度では「問題のある職員の判定にしか利用できない」と県当局も公言していた。いきなり全職員に適用できる理由を説明してほしい。
・納得できない評価方法による格差支給では、不信感が高まり職員の士気が低下する実害が大きい。
・労使間で確認した、勤務成績を評価できない職場環境の問題点には、手がつけられていないではないか。
○平成16年5月24日(月)
 県現業公企職員労働組合から県に対して労働協約の解釈に関する団体交渉の文書申し入れ
(申し入れ内容)
 16年度労働協約締結に向けて労使交渉を実施しているところではあるが、4月28日付で職員課より提示のあった「勤勉手当の成績率運用の見直し」についての交渉経過の中で、職員課長は勤勉手当の支給率の変更は任命権者の裁量で行うもので「団体交渉事項ではない」との考え方を示している。しかし、現在締結している労働協約第42条(勤勉手当)の支給割合については完全な判断基準ができていないため、限定した支給率で支給を行うことを労使で確認して労働協約を締結している。勤勉手当の支給割合を変更することは労働条件に関する事であり、労働協約改訂事項として団体交渉で労使が合意のもとで実施することが必要である。よって、労働協約第42条(勤勉手当)の解釈について団体交渉を申し入れる。
 
○平成16年5月26日(水)
 県(職員課長)と県現業公企職員労働組合との労働協約の解釈に関する交渉の概要
         県の主張等         組合の主張等
・平成11年度の交渉の際、県側が「成績優秀者については具体的な運用は考えていない」と、その時点での任命権者としての認識を発言したことは間違いないが、その発言をもって「成績率を運用しないこと」について、両者が合意したものとは考えていない。

・制度としては「成績に応じて支給する」という形が以前から設定されており、更に成績率の幅を拡大しながら、その一方では成績率の運用を将来に向けても行わないことについて、組合と合意したということは考えられない。
 仮にそのような合意をしようとしても有効に合意できるとは考えられない。
     
・勤勉手当の成績率の幅の拡大は、従来どおり勤勉手当が一律の成績率により支給されることが、交渉過程で確認できたから合意したものである。
・勤勉手当については、懲戒処分者を除き一律の成績率により支給するということが、労働協約の合意事項であると認識しているからこそ、毎年度労働協約を締結してきているものである。
・この解釈が労使で違うということなら、その解釈について交渉を行い、確定することが必要である。それができなければ、今年度の労働協約は締結できない。
・労働協約の解釈が一致しない状況の中で、成績率の新たな取扱い(運用)はできないのではないか。
 
 
○平成16年5月27日(木)
 知事と県職員労働組合、県現業公企職員労働組合との話し合いの概要
         県の主張等         組合の主張等
・条例に「勤勉手当は勤務成績に応じて支給する」と規定されており、現在は違反した状態にある。法治国家であり違法状態は放置できないので、すぐにこの違法状態を解消する必要がある。
・任命権者としてすぐに違法状態を解消しなければならない責任がある。議会からも指摘されている。
・職員割合は、よく頑張ってくれた人、もう少し頑張ってほしかったなという人は各々5%ぐらいはいる。また、公務能率評定の評定の分布状況などからも、5%ぐらいは可能ではないかと考えているが、必ずしも5%にこだわるものではない。最初なので5%ぐらいが適当かなというもの。
・評定の昇給・昇格への反映は、一生尾を引くので慎重さが必要だが、勤勉手当への反映は回復可能なものである。
・職員への成績率の運用は、任命権者の見識と責任に基づき行うもの。その運用した結果に不服がある場合は、所定の手続きもある。
・組合との交渉事項ではないと考える。
・全く組合の話を聞かない訳ではない。今の方法が必ずしも絶対的なものではなく、組合にいい提案があれば示して欲しい。
・今日からでも遅くないので、引き続き大至急組合と話をさせてほしい。
・違法状態の是正の方が重要であり、期日が来れば何らかのことはしなければならない。


 
・職員の納得性が一番大切である、納得性がなければ、職員に不平不満が募り、士気の低下、ひいては行政機能の低下を招く。金をかけた分効果を求めなければならない。効果が低い、職員の納得性が得られない今のやり方は得策ではない。納税者に対する裏切りではないか。
・職員の納得性は、管理職などが仕事を見てくれているかどうかにかかっている。当局も認めている管理職などがいない、来ない、見ないといった職場がある状況は改善されていない。
・格差のつく職員の割合が少ない多いの問題ではない。一つの職場で良い良くないを無理矢理出すことが問題。 
・昨年から実施している評価制度の成績ですら未だに本人へ開示されていない。まず、昨年の結果を職員みんなが見ないと評定の信頼についての判断すらできない。
・格差支給自体には反対していない、ただ、唐突で基準の無いところで良い良くないの出させ方に職場は大変混乱している。検討、協議するための時間を要求するということ。  
・今まで一つ一つ合意を経て労働協約を締結してきた。勤勉手当については、H11の交渉において懲戒著処分者以外は一律の成績率により支給することを確認した上で、労働協約を結んだもの。(現企労)
・今回の県側の「組合の意見は聞くだけ」「6月にやります」といったような一方的な姿勢は初めてであり、そのことも違法行為ではないか。労働条件に関する事項であり交渉事項ではないのか。
 
○平成16年5月28日(金)
 県(職員課長)と県職員労働組合、県現業公企職員労働組合との話し合いの概要
         県の主張等         組合の主張等
・今まで成績率の運用をやってこなかったのは、具体的な取扱いを定める等の準備をしていなかったからである。
・知事が言うように、公務能率評定の場合のように時間をかけてよりよいものにしていきたい思いはあるが、ただ期日が迫っている状況がある。
・勤勉手当の成績率の運用は任命権者の見識と裁量で行うものであり、管理運営事項である。
・一律の成績率の運用は、勤務成績の判定基準が不十分であることから今まで実施してこなかったものではないか。
・基本的に公務能率評定の場合と同じ考えということであれば、労使で話し合っていく必要がある。
・勤勉手当の支給は、労働条件に関する事項であり、交渉事項である。
 
 
○平成16年5月31日(月)
  県(職員課長)と県職員労働組合、県現業公企職員労働組合との話し合いの概要
         県の主張等         組合の主張等
・6月実施に向けて期限が来ている。
・具体的内容の話し合いを行い、組合からの提案を出してほしい。
・職員に対しては、所属長から適用される成績率を本人に説明し、納得を得ることとしている。
・引き続き、話し合いを行いたい。
 
・6月実施を前提とする以上組合が何らかの提案を出すことは、不可能である。
・職員の士気の低下、職場の混乱し、信頼関係が崩れることを心配している。
・引き続き協議していくことを求める。

 
 
○平成16年6月3日(木)
  県から県職員労働組合、県現業公企職員労働組合に対して6月期の実施を通告
 (6月期の実施概要)
  ・勤務成績について、公務能率評定の評定結果、その他の勤務成績を判定するに足ると認められる事実を考慮して、次表の区分に基づき各職員に適用する成績率を決定する。




 
  勤務成績区分   1  2   3  4   5



 

成績率
 
部長・次長級職員 120/100 105/100  90/100 75/100 50/100以下

その他の職員

95/100

80/100

 70/100

60/100

45/100以下
  職員割合   3%以上 94%以下    3%以上
     ※第1段階として、「1」と「2」、「4」と「5」の職員割合についてそれぞれ3%を最低目標として運用を始める。
     ※「1」と「2」、「4」と「5」の職員割合はおおむね均衡することを原則とする。
  (はじめての運用であることなどを考慮し、運用の円滑化を図るため、勤務成績区分「1」と「2」、「4」と「5」のそれぞれの職員割合の目標を、最低5%から3%以上に変更。)
 
 
○平成16年6月3日(木)
 県職員労働組合、県現業公企職員労働組合から県に対して労働条件に関する交渉の
文書申し入れ
(申し入れ内容)
 4月28日付で提案のあった「勤勉手当の成績率の見直し」については、平成14年度確定交渉時に合意した、勤勉手当の成績率(70/100)とする支給割合を実質的に変更しようとするもので、組合員の労働条件の変更をもたらすものであり、交渉事項であることは論を待たない。よって、勤勉手当の成績率運用の見直しについて交渉を申し入れる。
 
○平成16年6月8日(火)
 県(職員課長)と県職員労働組合、県現業公企職員労働組合との交渉の申し入れに対する
事前交渉の概要
         県の主張等         組合の主張等
・勤勉手当の成績率の実施については、既に条例や人委の規則、通知により制度化されており、その制度の枠内で任命権者の判断ですべきものだと考える。ただ、どのような形であれ組合と交渉して話し合いは行い、意見は聞かせてもらいたいと考えている。
・基本的には組合と交渉して合意しなければ実施できないものではないとの認識は変わらない。
・過去の交渉の際に、懲戒処分者以外の成績優秀者について、当面は具体的な運用は考えていないと発言をしたことは確かだが、成績率を運用しないことを約束したり、合意したことはない。
・一律支給の運用方法を改変することにより、労働条件(賃金)に変化をもたらすものであり、間違いなく交渉事項である。

・平成11年度の勤勉手当の成績率の幅を拡大する際の交渉において、懲戒処分者以外成績率の運用は考えていないと県側が発言したからこそ合意した。交渉経過を否定することは、結果(労使合意)の前提条件を否定するもので、今回それに反する内容を強行するということであれば、不当労働行為である。
 
 
○平成16年6月10日(木)
 県職員労働組合、県現業公企職員労働組合から県に対して労働条件に関する交渉の
文書申し入れ
(申し入れ内容)
 6月3日付の文書にて勤勉手当の成績率運用の見直しについて交渉議題とするよう交渉を申し入れている。そもそも、勤勉手当における成績率を国に準じた取扱とする運用に関わる労使交渉は、平成11年度確定交渉時から行われている。当時の労使交渉の内容は、成績率の幅を国に合わせて拡大することが中心であったが、当面成績優秀者についての成績率は運用しない、懲戒処分者については国の基準どおり実施するなど、支給率について確認を行い合意に至ったものである。そして、この成績優秀者および懲戒処分者以外のその他の者の運用はしない、との内容が現在の労働条件になっている事実も存在する。
 県当局は16年6月期の勤勉手当から、現在の支給率を変更したいとの提案を示されたが、手当の制度、運用については条例、規則などで既に決まっているものであり、その範囲内において支給率を変更することは、労働条件の変更にはあたらないとの考えから、交渉事項としての協議は行わない姿勢を示されている。組合は、これまでの交渉で確認し合意してきた経過から、今回提案のあった「勤勉手当の成績率の運用の見直し」については交渉で協議を行う事項であると強く考え、県当局にも同様の理解を求めている。
 しかしながら、県当局は過去の交渉経過を認めながらも、6月8日には、当時の交渉での発言は考えを述べたのみで、労使間が合意に至る前提条件として発言されたものではないなどと、あまりにも無責任、不誠実な態度と言わざるを得ない。
 県当局と組合では、これまでも利害の反する事項に対し、お互いの立場に沿った主張は展開するものの、誠意を持って正常な労使関係を築いてきた。今回、県当局がここまで示している不誠実な姿勢は、正常な労使関係を崩そうとするものであり、大変遺憾である。
 よって、勤勉手当の成績率運用の見直しについて正常な労使関係が回復され、交渉が開催できるよう、6月11日午前中を期限に、交渉開催について文書で回答されるよう申し入れる。
 
○平成16年6月11日(金)
 県から県職員労働組合、県現業公企職員労働組合に対して6月10日に申し入れのあっ
た労働条件に関する交渉について文書回答
(回答内容)
 6月10日付けで申し入れのあった勤勉手当の成績率運用に関する交渉については、次のとおり考えている。なお、県としては、従来から相互の立場や主張を尊重しながら可能な限り話し合いを行うことを基本としており、この姿勢は今後も変わることはない。
 ・勤勉手当の成績率については、既に条例や人事委員会の規則、通知等により制度化されているものであり、その運用は任命権者の責任で実施するものだと考えている。県議会からも、条例等に反した運用を速やかに改善するよう指摘されたことから、任命権者の責任で本年6月期から運用を実施するものである。
 ・したがって、今回の成績率運用については、交渉事項として貴職員組合と交渉しなければ実施できないものとは考えていないが、できれば貴職員組合の理解を得て実施したいので、これまでも話し合いを行ってきたところである。
 ・勤勉手当の成績率の運用については、今後も貴職員組合と話し合いを行いたいと考えていること、また、貴職員組合からは交渉事項として交渉すべきであると主張されていることから、交渉事項の考え方に関するお互いの主張が一致しなくても、具体的な内容等について話し合いを行いたいと提案しているところである。
 ・なお、平成11年の交渉においては、勤務条件の変更である成績率の幅の拡大について提案し、貴職員組合との交渉を行って合意したものである。その際に、懲戒処分者以外には成績率の運用を行わないことを合意したことはない。
 
○平成16年6月15日(火)
  県(職員課長)と県現業公企職員労働組合との労働協約の解釈に関する交渉の概要
         県の主張等         組合の主張等
・平成11年の交渉の際に、成績率を運用しないことを約束したり、合意したことはない。

・現行の労働協約では、勤勉手当は勤務成績に応じて支給すると明定し、また、その額、支給については、給与条例の適用を受ける者の例によると定めている。

・通告したとおり、6月期の勤勉手当から成績率の運用を考えているが、労働協約の勤勉手当の規定の解釈が労使で一致しないことを踏まえ、労働協約の解釈について、法制面での整理・検討を加え、その結果を改めて回答する。
 
・労働協約は、交渉で確認し合意した内容を定めたものであり、勤勉手当については一律の支給割合による支給という平成11年の交渉の際に確認し合意した内容が、現行の労働協約の勤勉手当の規定の解釈である。したがって、今回提示のあった成績率の運用については、交渉で合意したものではなく、今の協約の勤勉手当の規定では読めない。
・従来から、勤勉手当が一律の支給割合で支給されてきた事実からも、労働協約の勤勉手当の規定の解釈は、一律の支給割合による支給ということ。
・労働協約の勤勉手当の規定の解釈が労使で一致せず、疑義がある状態で、一方的に成績率の運用を行うことは許されない。
 
○平成16年6月18日(金)
  県(職員課長)と県現業公企職員労働組合との労働協約の解釈に関する交渉の概要
         県の主張等         組合の主張等
・労働協約において、勤勉手当の額は「給与条例適用者の例による」と規定されており、これは給与条例、人委規則、通知の規定を包括的に準用を定めているものである。同じ趣旨で法制化している現業職員の給与条例等の文言と同様でありその解釈に疑義はない。
・法律の規定などからも労働協約は書面主義であり、書面に現れない意思があるとする組合の主張は認められないと判断する。
・勤勉手当の勤務成績に応じた支給は労働協約に明定されていること、また一律の支給割合による支給は制度の趣旨、目的に明らかに反することなどから労使慣行ではないと考える。
・組合の合意は得られないが、県の責任で実施できるものとの判断は変わらず、通告どおり6月期から成績率の運用を始める。
・労働協約を、文字づら、法制面だけで解釈するのは県の勝手な解釈であり、今までの交渉の経過の中で、確認し、合意した内容が労働協約の解釈である。

・勤勉手当は、長年一律の支給割合で支給されてきており、そのことが労使慣行となっている。したがって、その状態を変えることは交渉事項である。

・勤勉手当の成績率の運用を一方的に実施するのは許されない。実施するならば、組合との合意を得てから実施すべきである。


 
 
○平成16年6月23日(水)
  県(職員課長)と県現業公企職員労働組合との労働協約の解釈に関する交渉の概要
         県の主張等         組合の主張等
・勤勉手当の勤務成績に応じた支給は労働協約に明定されていること、また一律の支給割合による支給は制度の趣旨、目的に明らかに反することなどから労使慣行ではないと考える。

・平成11年の交渉の際に、成績率を運用しないことを、労使で確認したり合意したことはない。

・勤勉手当の成績率の運用については、既に条例、規則等で制度化されていることから、組合との合意がなくても任命権者の責任で実施できるものと考えており、この6月期から成績率の運用を行う。
・一律の支給割合による支給は、平成11年度の交渉においてを確認していること、従来よりその方法により支給をしてきていることから労使慣行と考える。
・今までの一律の支給割合による支給が条例の趣旨に反していることは否定しない。また、成績率を運用することを否定するものでもない。ただ、運用するなら、交渉して合意を得る必要がある。
・合意を得ないで、県が一方的に対応したことは昭和51年以降はない。
・この6月期の勤勉手当については、従来どおり一律の支給割合による支給とするよう要求する。
 
○平成16年6月28日(月)
  県(総務部長)と県職員労働組合、県現業公企職員労働組合との交渉の概要
         県の主張等         組合の主張等
・議会議決等の状況もあり6月期の支給は緊急的に実施すること。
・勤務条件のグレーゾーンの部分も含めて交渉や話し合いを行っていくこと。
・6月期の支給について職員に説明を行い納得を得るよう努力すること。
以上の考え方でよい。
・次の3点について県の考えを確認できるようであれば合意したい。
 (1)6月期の支給は緊急的な措置として実施する
 (2)12月期に向けて白紙から再度交渉していく
 (3)6月期の支給で支給割合の下がった職員に対  し県は責任をもって説明責任を果たす
 
 
○平成16年6月30日(水)
  県(総務部長)と県職員労働組合、県現業公企職員労働組合との間での確認書の交換
(確認書の内容)
1 勤勉手当の成績率の運用を含め賃金、勤務条件に関する事項については、交渉事項として、双方が合意を目指して、誠意を持って協議を行うこととする。また、一つの事項において、交渉事項と管理運営事項が混在不可分な場合には、その事項は勤務条件にかかわる交渉事項として取り扱うこととする。
2 平成16年6月期の勤勉手当の成績率の運用については、緊急的な措置として実施することとする。なお、12月期の勤勉手当の支給に向けては、1の考え方に基づき白紙の状態から協議することとする。
3 平成16年6月期の勤勉手当における成績率の決定に関しては、県は誠意を持って職員に対する説明責任を果たすこととする。なお、100分の70未満の成績率とされた組合員からの苦情への対応については、必要に応じて協議を行うこととする。
 
 
○平成16年8月19日(木)
  県(総務部長)と県職員労働組合、県現業公企職員労働組合との意見交換の概要
         県の主張等         組合の主張等
・現在、12月期に向けて、公務能率評定の分布状況などを考慮して案を作成している段階である。

・絶対評価はいいと思うが、条例に規定されている支給総額枠があること、絶対評価だと下位の評価(成績率)が適正に出てくるかどうかやや不安といった懸念がある。

・評定基準については、実績部分をメインにしていきたい。勤務制限、メンタルによる仕事量の減については、県民の感情を考慮しても、マイナス評価となることはやむを得ない面があると考える。成績率の運用は走り始めたばかりであり、今後事例を積み重ねて、基準づくりをめざしていきたい。

・交通事故などは、本人の帰責事由の有無、本務・本務外の別などにより扱いは違ってくるため、一律の判定基準は難しい。

・成績区分ごとの職員割合はこれから検討する。6月期は上位、下位の者をそれぞれ3%以上としたが、成績の良い職員はもっといると認識している。





 
・6月期については、成績率の運用について職員からの不満が上がり、効果という点では疑問があった。今後はもめることのないような形で進めていきたい。
・成績率の運用の提示は4月下旬で、判定期間の中途であったが、基本的には判定期間に入る前に提示するべきものと考える。
・組合に入ってきた6月期の成績率についての苦情は10件弱。そのほとんどが不満はあるが正式な申し立てをするまでには至らなかった者。苦情の具体的なものに、交通事故などのミスを起こしたため成績率を下げられたが、同様のミスを起こしても下げられなかった職員がおり不均衡であるというものがあった。統一的な基準を示してほしい。
・今後の運用方法について意見は、具体的なものはまだ決まっていないが、相対評価は認められないこと、判定基準を明確化することの2点は組合の大会で採決した。
・絶対評価だと少人数職場での汎用性が高い、また相対評価だと成績が良い者がいても成績率を上げることができないようなことが考えられる。なお、絶対評価といっても、規定の執枠 を超えてまで執行することは考えていない。
・成績区分は5段階あるが、評定には誤差があり、極端に優秀、極端に不良以外線引きすることはあまり意味がないと考える。
・評定の話とは別になるが、上司が見てくれているということが一番職員の意欲を高める。
 
○平成16年9月29日(水)
 平成16年12月期の勤勉手当の成績率の運用について、県(職員課)から県職員労働
組合、県現業公企職員労働組合に対して次のとおり検討案を提示
 
平成16年12月期の勤勉手当成績率運用に向けた
       検討案の要点
 
                                         職員課
 ○勤務成績の区分等
  *勤務成績区分ごとの成績率等の見直し
   ・絶対評価により勤務成績を決定
   ・公務能率評定結果の分布(前年度)を考慮して職員割合を想定
  ・各成績区分ごとの成績率を若干引き下げることにより、成績区分「1」「2」
■■への配分原資を確保
   ・公務能率評定結果の分布(前年度)を考慮して職員割合を想定
 



 
成績区分  1  2  3  4   5

 
 戒告  減給  停職

(参考:前回6月期)
成績率
(0.95) (0.80) (0.70) (0.60) (0.45以下) (0.55) (0.45) (0.35)
0.90 0.73 0.68 0.55 0.40以下  0.50  0.40  0.30
職員割合 33%以下うち1は5%以下  63%   4%〈目安〉            
   (注)区分「1」の職員割合は5%、「1」「2」の合計職員割合は33%を上限
      区分「4」「5」の職員割合は4%を目安(あくまで想定値)
     職員割合の実績が上記割合と大幅に相違した場合には成績率を調整
 
 ○勤務成績の評価方法等
 *評価基準・評価方法の明確化
  ・評価基準は公務能率評定の評定基準を使用
  ・公務能率評定項目のうち「実績」と「取組姿勢(勤務態度)」を総合して評価
 ・次のとおり「実績」と「取組姿勢」の比重(ウエイト)を設定
   課長級以上 実績:取組姿勢=2:1
     その他   実績:取組姿勢=3:2
  ・勤務成績は、総括評定者が内申 → 部局長等が調整 → 知事が決定
 
 *勤務時間制限職員の取扱いの明確化
  ・職員間均衡等を考慮して、長期間に及ぶ勤務時間制限(短時間勤務)による大幅な
■勤務実績の減少は成績評価に加味
 
 
○平成16年11月4日(木)
  内部検討や職員組合との協議を重ね、県(職員課)から県職員労働組合、県現業公企職員労
働組合に対して次のとおり検討案を一部修正し提示
 
平成16年12月期の勤勉手当成績率運用に向けた検討
         案の要点
 
                                         職員課
○勤務成績の区分等
 *勤務成績区分ごとの成績率等の見直し
  ・絶対評価により勤務成績を決定する。
  ・各成績区分ごとの成績率を若干引き下げることにより、成績区分「1」「2」への配分
■原資を確保する。
  ・前年度の公務能率評定結果の分布などを考慮して職員割合の目安を設定する。



 
勤務成績区分  1  2  3  4   5

 
戒告 減給 停職



 (参考:前回6月期)
 成績率
(0.95) 0.90 (0.80) 0.79 (0.70) 0.69 (0.60) 0.55 (0.45以下) 0.40以下 (0.55) 0.50 (0.45) 0.40 (0.35) 0.30
 職員割合    10%  86%    4%            
   (注)一般の職員割合は目安(想定値)である。
 
○勤務成績の評価方法等
 *評価の考え方等の明確化
  • 勤務の実績「実績(結果、成果)」と「取組姿勢(意欲)」の視点から評価する。
  • 勤務成績区分「1」「2」は勤務の実績や取組姿勢が大変優れている職員とし、その中でも雇用創出や地産池消等の重要課題への対応、災害や伝染病等の緊急性・困難性の高い課題への対応などにおいて、特に抜群の実績等である職員を区分「1」とする。
  • 勤務成績区分「4」「5」は勤務の実績や取組姿勢の面から期待される水準に達せず努力等を必要とする職員とし、その中でも特に課題があることなどからかなりの努力等を必要とする職員を区分「5」とする。
  • 評価の着眼点は、次のとおりとする。
  1. 業務の目標達成や課題解決、工夫改善、進行管理、正確性、迅速性(突発的課題対応を含む)、部下育成などに関する具体的な成果や実績
  2. 業務への取組における責任感(自立性)、積極性(意欲)、協調性、規律性、県民本位の視点などに関する具体的な姿勢や態度
  3. その他評価の着眼点については(特に「4」「5」の該当者については)、公務能率評定を参考とすること
       *勤務時間制限職員の取扱いの明確化
        ・職員間均衡等を考慮して、長期間に及ぶ勤務時間制限(短時間勤務)による大幅な勤務実績の減■少は成績評価に加味…病気休暇との均衡を考慮した取扱いを設定 
       
       
      ○平成16年11月9日(火)
        内部検討や職員組合との協議を重ね、検討案を一部再修正の上、次の内容について県(職員課)と
      県職員労働組合、県現業公企職員労働組合が合意

        平成16年12月期の勤勉手当成績率運用に向けた見直しの要点
       
                                          職員課
      ○勤務成績の区分等
       *勤務成績区分ごとの成績率等の見直し
        ・絶対評価により勤務成績を決定する。
        ・成績区分ごとの成績率を若干引き下げることにより、成績区分「1」「2」への配分原資を確保する。
        ・前年度の公務能率評定結果の分布などを考慮して職員割合の目安を設定する。



       
      勤務成績区分  1  2  3  4   5

       
      戒告 減給 停職  
       
       


       (参考:前回6月期)
       成績率
      (0.95) 0.85 (0.80) 0.75 (0.70) 0.70 (0.60) 0.55 (0.45以下) 0.40以下 (0.55) 0.50 (0.45) 0.40 (0.35) 0.30
       職員割合    10%  86%    4%           

       
      部長
      次長
       (参考:前回6月期)
       成績率
      (1.20)
      1.10
      (1.05)
      0.99
      (0.90)
      0.89
      (0.75)
      0.70
      (0.50以下)
      0.45以下

       
      (0.70)
      0.65
      (0.50)
      0.45
      (0.30) 0.25
       
       
           (注)一般の職員割合は目安(想定値)である。
             部長・次長(特定幹部職員)の職員割合はあえて設定しない。
       
      ○勤務成績の評価方法等
       *評価の考え方等の明確化
      • 勤務の実績「実績(結果、成果)」と「取組姿勢(意欲)」の視点から評価する。
      • 勤務成績区分「1」「2」は勤務の実績や取組姿勢が大変優れている職員に適用(基本は区分「2」を適用)するものとし、その中でも重要課題への対応、緊急性や困難性の高い課題への対応などにおいて極めて顕著な実績等を示したことなどから、特に抜群の実績等が認められる職員に区分「1」を適用する。
      • 勤務成績区分「4」「5」は勤務の実績や取組姿勢の面から期待される水準に達せず努力等を必要とする職員に適用するものとしとし、その中でも特に課題があることなどからかなりの努力等を必要とする職員を区分「5」とする。
      • 評価の着眼点は、次のとおりとする。
      1. 業務の目標達成や課題解決、工夫改善、進行管理、正確性、迅速性(突発的課題対応を含む)、部下  育成などに関する具体的な成果や実績
      2. 業務への取組における責任感(自立性)、積極性(意欲)、協調性、規律性、県民本位の視点などに関する具体的な姿勢や態度
      3. その他評価の着眼点については、公務能率評定を参考とすること
      • 勤務成績は、公務能率評定の総括評定者が内申 → 部局長等が調整 → 知事が決定
      *勤務時間制限職員の取扱いの明確化
        ・職員間均衡等を考慮して、長期間に及ぶ勤務時間制限(短時間勤務)による勤務時間の減少を成績評価に■加味(部分休業との均衡を考慮した取扱い)

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