重症心身障がいのある方への看護は、個々の特性を深く理解し、専門的な知識が求められます。
このようなニーズに応えるために、日本重症心身障害福祉協会は平成23年度から重症心身障害認定看護師の養成制度を開始しました。
このプログラムでは、医療、看護、制度、リハビリテーション、日常生活の支援など、幅広い分野に渡る教育と実践的な研修が提供されており、全国で多くの認定看護師が誕生しています。
重症心身障がい児者の看護に携わり、21年目を迎えました。
多くの重症心身障がい児者とご家族との出会いがあり、沢山のことを学ばさせて頂きました。
重症心身障がい児者の病態は複雑に絡み合い、さらに様々な背景を持つため個別性を理解した看護が必要です。
個別性を理解した看護には、以下の3点が必要だと考えます。
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重症心身障がい児者の発する僅かなサインを捉え、その意味をアセスメントすることです。
例えば、目や口元、指先の動き、身体の緊張やバイタルサインの変動などがサインとなります。
そのサインから「いつもとの違い」にいち早く気づき、対応することも必要です。
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ご家族との対話を繰り返していくことです。
ご家族の思いに耳を傾け、丁寧に情報をすり合わせて個別のケアを作り上げます。
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日々の気づきを言語化し、スタッフ間で語り合うことです。
その人にとっての最善を考え、スタッフ間で語りを紡ぐことが個別性のある看護となり、それが重症心身障がい児者看護の魅力に繋がるといえます。
私は現在、外来で勤務しています。
地域と顔の見える関係づくりと、利用者が安心できる場を目指し試行錯誤している毎日です。
宜しければ、お気軽に外来にお話に来てください。お待ちしております。

日本重症心身障害福祉協会認定重症心身障害看護師:板谷 純子
臨床実習で初めて重症心身障がい児者への看護を知り、障がいをもちながら生きている方々のその人らしい生活を支える看護がしたいと思い、総合療育センターに就職して7年が経過しました。
自分の土台となる知識を深めることで、さらに質の高い看護を提供していけるようになると考え、認定研修の受講を決意しました。
レポートや研究、実習を同時に進めていくため、負担を感じる時もありますが、勤務時間中にレポートを書く時間を確保してもらうなど、病棟スタッフの協力もあり認定取得に向けて進んでいくことができています。
研修での学びをセンターへ還元し、多職種と共に利用者のより良い生活の実現に向けて協働していきたいです。

看護師:戸田 佳那子