○ (第2部)パネルディスカッション

「ICTを使って地域の活性化を考える」

  <モデレーター>
   複業家(コラボワーク代表、サイボウズ社員およびNKアグリ社員)中村 龍太氏
  <パネリスト>
   (株)中海テレビ放送  放送事業本部 本部長 野々村 正仁氏
    デジタルハリウッドSTUDIO米子 代表 平尾 貴志氏
   (公財)とっとり県民活動活性化センター 常務理事・事務局長 毛利 葉氏

内容

○龍太さん
 今日は、鳥取での開催ですので、これから鳥取の事を議論していきたいと思います。
まず、自己紹介、講演を聴いた感想、想い何でもいいので発言をお願いします。
○野々村さん
 中海テレビ放送の野々村です。本日は、よろしくお願いいたします。
 中海テレビ放送は鳥取県西部のケーブルテレビ局でありますが、NHKや民放放送局がやらないこと、やっていないことを地元に密着してお届けすることにしています。また、インターネットに答えのないこと、例えば地域の課題なんかはなかなか答えはないですが自分たちで考えてお届けしている会社です。今日の講演会、私の一押しはアンケート投票の回答のお見合いです。良かった点はまた後でお話ししますので、よろしくお願いします。
○平尾さん
 デジタルハリウッドSTUDIO米子の平尾と申します。よろしくお願いいたします。
 龍太さんとは2年前、米子で経済産業省主催のイベントで御一緒して、もう1回鳥取で一緒に出来ればいいねと何回か言っていまして、その後も東京でお会いしたりしています。私がやっているデジタルハリウッドSTUDIO米子というのは、今から6年前、鳥取県がマンガサミットをやるという時に人材育成をやっていかないといけないということで誘致したものです。当時、デジタルハリウッドは大学とか専門学校にカリキュラムを提供するものでしたが、カフェみたいなスタイルで授業出来ないか?そのような空間を作ろう。これなら地方でも展開出来るのではないか?ということで、全国で2番目にスタジオを造りました。デジタルハリウッド自体は25年になりますが、Webのデザイナーであるとか、3D、CG、最近だとVFXを本校の方では行っていますが、米子では、主にはWeb、それから動画、それと米子はまんが王国ということもありますのでイラストマスター講座というものを特別に行っていて、漫画家を目指すカリキュラムもやらせていただいています。6年経って、今、約300名の卒業生がいますが、いろいろな所で活躍しています。
 今日の一部で感じたのは参加者の意識の高い人が多いので、あれだけ、アンケートも盛り上がりましたが、米子でICT、IoTというとどうしても耳をとざす人も多いです。まだまだ、そういう言葉に慣れていない人が多いと実感していますので、これもICTだよねとか、IoTだよねとかいっしょに解っていく時間も必要だと想っています。
(龍太さんから今日の講演で気になったことを聞かれ)
 高齢者とか障がい者といった言葉が出ていましたが、日本は少子高齢化時代を迎えており、この辺の課題はICTを活用して解決出来るし、今までにない方法が考えられるだろうと思っています。
○毛利さん
 とっとり県民活動活性化センターの毛利と申します。よろしくお願いいたします。
 とっとり県民活動活性化センターは、ボランティア団体、NPO団体、地域づくりをされている団体をいろいろな形で支援して、地域で協働して活動を推進していくお手伝いをしようということで団体を造っています。
 今日、私はパネリストになっていますが、実は、ICTを活用しきれていない人間です。日々、本当に多くの人たちが参加して業務を行っていて、なかなか紙媒体だと管理が難しい。したがって、それなりに利用はしていますが、現状として、先ほどの話でもありましたが、いわゆるトップの人だけがいろいろいっぱい知っているけれど他の人は知らないとか、あるいはいろいろな情報にみんながアクセスするのだけれども、個人情報が漏れているとか、情報というものをたくさん取り入れたり、活用を促したりしているのですが、その情報をうまく自分たちで活用出来ていないとか課題が多いです。だから、今日は、ロジとしてエクセルやグーグルを使って何か地域の団体が活用できることがないかと思って来ています。しかし、今日伺って、地域の課題を解決することの活用にたくさん使えると思いました。それから、今日、アンケート用紙が出ていますが、この用紙も、自動で集計出来てしまうのではないかと思いました。なんかこんなこと出来たらいいなとか、こんな活用出来るのではないかというアイデアを出せば実現できるのではないか。そんな期待を感じた、今日の第1部でした。
○龍太さん
 この流れで毛利さんに質問してみたいと思うのですが、ITがあまり詳しくない中、すてきなアイデアが生まれるために何があると実現しそうな感じですか。
○毛利さん
 ボランティアをしている方の年齢はだいたい、女性でいうと40代が多く、男性でいうと70代が多いと言われていて、その辺りの方が中心の団体がけっこう多いので、そういう団体はICTにはなかなかアクセスしにくいです。先ほどの話にもありましたが、取っ付きにくいのがあってなかなかつながらない。だから、いろいろな地域の集まりや地域のイベントとかの場で今日のような話を、専門の方からしていただければと思います。今日来ている方はITに詳しい方がいらっしゃっていると聞いているので、もっと活動を知っていただいて、是非何かうまく絡んでいただく、いわゆる市民レベルの場でみなさんが活躍できる場所を提供できるといいなと思いました。
○龍太さん
 ITを知っている方が、もう少し寄り添うといいかなといった感じでしょうか?
○毛利さん
 私達は、プロボノという事業をやっていて、これまでは会社のマネジメントが出来る方達に団体の組織マネジメントの支援に関わっていただくことをやっていたのですが、こういうICTの関係者が参加いただいてうまくつなげていけたらいいなと思いました。
○龍太さん
 残りの2人にお伺いしますが、毛利さんがそういう課題を抱えていて、ITに詳しい人が寄り添うとか、いろいろな解決の手段のアイデアがあると思うのですけれども、何か、今の立場でやってあげられそうなことについて御意見を伺います。
○野々村さん
 解決出来るというのではなく同じ悩みを抱えているという立場で、ケーブルテレビは番組だけを放送しているだけではなくて、いわゆるdボタンでいろいろと操作もできます。例えば、遠隔医療の受付をやるとか、自動運転が出来るようになれば自動配車システムを、おじいちゃん、おばあちゃんに使ってほしい訳ですが、dボタン押してオペレートしてくださいと言ってやってもらうのは、そんな簡単な事ではないと思います。ICTがもう少し先に進歩すれば、おそらくは自動音声応答と言うのでしょうか?立ち上げたら、画面にこう初音ミクさんみたいな画像が出てきて、「おばあちゃんどうしました。」そしたら、「買い物に行きたいのだけれども。」、「買い物に行きたいのですね。」、「すぐそこですか。それともちょっと遠いところですか。」といったこういう会話をして解決してくれる。dボタンを押すのではなくて。「困った。」と言うと自動でシステムが立ち上がる。そういう事は、すぐそこの近未来まで来ていると思っています。
○龍太さん
 そういう意味では、この3人の中で一番ITに近い平尾さんに、この話題でお話し出来ることがあればお願いします。
○平尾さん
 この話とは若干ずれるかもしれないのですが、Facebookが日本に入ってきたのが2006年、2007年頃だったと思うのですが、その頃、私は米子でFacebook勉強会というものを開催していました。でも、今はFacebook勉強会を開催しなくても、だいたいの人はFacebookやっていますかと聞くと、やっていますよ。とかやっていないですよという返事が返ってくる。しかし、やっていない人はFacebookをやりたくない人であったり、最初はやっていたのだけれども今はやっていない人であったりという人が多かったりします。多分、ご年配の方もそうですが、今、多くの人がスマホを持っています。でも、まだガラケーを持っている人もいっぱいいます。年配の人の中には、まだスマホを持ちたくないという人も多かったりします。一方で、年配の人でもスマホを使いこなしている人がいるのですけれども、やっぱりそれは若い人の誰かとコミュニケーションをとるために必要だったり、例えばお孫さんとコミュニケーションをとりたいがためにそういうのを活用されたりとか、必要性に駆られてやっておられると思います。だから、年配の方の場合は勉強会とプラスして、お孫さんとかお子さんとかと連絡をとることからスタートし、そういうICTとかIT端末に触れるという機会がちょっとずつ増えていくと、意外と使いやすいだろうと思います。あと、らくらくスマホというのだと繋がり安くなってくるのかなと思います。最近、先ほど野々村さんも言われましたが音声デバイスが徐々に増えてきています。例えば、AmazonならAlexaであったりGoogle Homeであったり、メルセデスベンツには音声でエンジンをかけるといったことも入ってきています。それが今後、普通になって、家に帰って玄関でただいまと言ったら鍵が開くとか、そういうICT自体と触れる機会がこれから徐々にもっと増えてくると思います。そうなると、多分、近い将来には触れる機会が増えるのではないかと思っています。デジタルハリウッドの杉山学長が、パーソナルコンピューターと言ってパーソナルの時代と言いながら、なかなかパーソナルにならなかったのが、やっと、いよいよスマホになってパーソナルになったとよく言われています。やっと、一人に1台手に入れる時代となって、これから一気に加速するのではないかということはいつも言われています。
○龍太さん
 今3人の方に、いろいろと課題とか具体的な進め方とか発言いただきました。私がすごい素敵だと思ったのは、特に平尾さんの話で、お孫さんとの交流といった必要性の中から、そのやり方を覚える。この行為、これがすごくベーシックな行動として素敵だなと思いました。なぜなら、必要性を感じてそれを教える人、教える人は基本的に知っている人なので、その教えるという会話の中で人間との関係性みたいなものが、また育まれていくのではないかと思っています。これは、単純にFacebookのやり方もそうかもしれないですし、それから音声会議といったことでも音声で最初はやりとりするにしても教えなければいけないというのがあります。教え合うという環境自身が、何か変わっていく一つになるのではないかと思っています。それを今、まだICTのテクノロジーがそこまでいっていなくて、それに関与出来るお年寄りがある一定層しかいない。私がIT絡みの業務を行っているからそうかもしれませんが、益田市の例を見ると、みんなが教え合っているのです。例えば、イノシシが出ますとなれば、こうやってやるんですよといって出来ない人に教えてあげます。これをチームワークで言うと、役割です。例えば、お年寄りの役割はイノシシが出たことを教えることです。お年寄りがスマホをいじれなかったら、そこでおきていることを出来る人に入力してもらいます。そのチームとしての鳥獣被害の仕組みみたいなものが出来あがっています。普通、IT企業の会社は、それはテクノロジーの方で何でも出来るからと押しつけがましく言いますが、出来ない人がいるという前提で、教え合ったり、そのデータを入れてあげるといった役割をちゃんとコミュニティの中で作っていけば、すごくいい地域活性化になるのではないかと私は思っています。ですから、平尾さんが言われた教えるという部分、それも必要な部分に対して教えるということ、益田市の例でいくと、鳥獣対策に対しお年寄りがいて初めてコミュニティがうまれるのです。  何か、この関係で他に話をしたい人はいませんでしょうか?なければ別のテーマにします。 ○野々村さん
 教え合うことに関連して、会社でメールやチャットが出た時に隣の人ともしゃべらないといった事が問題になったことがあったと思います。
○龍太さん
今でもあると思います。
○野々村さん
 そういうリアルというのが結構大事なキーワードだなと思っていて、それはもしかすると、親切なボランティアが教えるということだけではなくて、ビジネスにもなるのではないかと思います。
○龍太さん
 ちなみに、放送の立場から言うと何かしてあげられることはあるでしょうか?
○野々村さん
 例えば、ニュースでスマホ講座を流したりしてもいいと思います。結構、われわれが普通だと思っている言葉が、おじいちゃん、おばあちゃんには普通じゃないことがいっぱいあります。
○龍太さん
 私も、高校生の言葉は解らないです。
○野々村さん
 解らない。そうですよね。ということを、テーマを決めて第1回、第2回と続けて、そして、またテーマを変えていろんなことをやっていくとか出来ると思います。
○龍太さん
 今は、何故出来ていないのでしょう。
○野々村さん
 今も、始めていることがいくつかあって、最近は災害が多いので災害用語講座みたいなものを番組にして3分間ぐらいで放送したりしています。
○龍太さん
 視聴率はどうですか。
○野々村さん
これは視聴率と言うよりは、やらなければいけないことだと会社としては思っています。
○龍太さん
 最初に言われていたように、ネットにあがっていない情報をここで共有する役割。まさにそれに近いですね。鳥取らしい感じがしました。他には何かありませんか。毛利さん何か、「これだけでは地域活性化の仕事は厳しいです。だれか助けてください。」といった事をもう少し、具体的に発言してください。
○毛利さん
 活動団体がシステムを使うには、お金がないため一歩踏み出す時に、関わっていただく人への経費やソフトが必要になるのかなといった心配があるので、うまくいく関係を仕組みとして作れるといいなと思っています。1つ紹介ですが、この間、岡山で災害支援があった時に、私達もびっくりしたのですが、だいたい通常、災害ボランティアセンターがやるときは、いっぱいボランティアの人がならんで、だれがどのくらい来るかわからない状況でやっていて、かつ、手間も煩雑でいろいろな受付を行う状況があります。今回も多少はそうだったのですが、一方でボランティアの募集にネットを活用しソフトを使って捌いたりされていました。また、スマートサプライという仕組みを使って、よく知られていない小さい避難所が地域に開設されますが、その中で必要な物が欲しいという時に、そこに登録して、一方では寄付したい人がAmazonの仕組みを使って、あの場所のこれが欲しいという場所に寄付しますといって、その場所に支援物資が届くといったことをされていました。なので、寄付を○○避難所から来ているオーダーに出したいと希望された方が寄付し、それに対してお礼をいったりといった関係を作る形で、新しい物資を送る仕組みにつなげたりといった取組がありました。こういうものは、それまで思いつかなかったことですが、何かあった時のために通常の時からみんながいっしょになって考えておくと、いろいろな可能性があって、困ったことがあったらICTの活用で何か出来ることがないか話し合いの場が出来ると、その中で、それがビジネスにつながる可能性もあるのかなと思うのですが、どうでしょうか?
○龍太さん
 本当にすごいです。インターネットのサービスの部品化とともに、サービス提供側もお試しで実際に触ってもらえる無料お試し型のソフトを提供していることも多いです。今日、皆さんに冒頭登録いただいたシステムも、アメリカの会社のタダで使えるお試しシステムで、普通に使えます。皆さんが、今度、何人かでやる時に匿名でやりたい人は、そうやって活用されてもいいと思います。あとは、BASEと言うECサイト。電子商取引のBASEというクラウドサービスでこれも無料です。もちろん、取引があると何%か支払いが必要ですが、楽天に登録しないと商売出来ませんではなくて、BASEに登録があれば出来ますといったことになります。たくさんの、いろいろな道具があって、ただ、道具の知り方、使い方を知らないといけないので、その店員さん。それをやりたければ、これとこれを組み合わせたら出来ますよという人が必要です。水道管を作るのに、このジョイントとこのジョイントを組み合わせれば出来ますよという人が少し足りないかもしれません。もし、鳥取にそういう人が居なければ、東京には結構います。鳥取出身の人が、東京とか、大阪に出ていることも結構あると思いますが、その人が居なくても遠方から支援できますから、そういう仲間を作るといいのかもしれないなと思っています。本当は、何か毛利さんが一番よく知っているのかもしれないと思いました。いろいろな、感覚的に部品化ができてそれをつなぎ合わせれば何かできる雰囲気。やり方はわからないかもしれないけど、そういう風であってほしいと思います。あと、タダという意味でいくと、私の複業でいるサイボウズの益田市で使っているシステムも、チーム応援ライセンスというのがありますが、1年間9,900円で300人まで使えます。一応、非営利団体向けなので、地域のクラブで使いたいとかあれば、少し飲み代を3回ぐらいけちれば1年分の300人のクラウドサービスが使えることになります。もちろん、法人とか、省庁で使われているものと同じアプリ、ツールです。さっき言った、Googleもそうです。どういうのを使ったらいいよという店員さんがいるといいですね。それが課題かもしれません。そういう人を育成したり、つなげていけばいいと思います。
○平尾さん
 育成の関係で。スペシャリストがいない、ジェネラリストが多いということですが、私達が結構課題だと思っているのはディレクターがいないことです。今、マッチングさせることの話がありましたが、ディレクション出来る人が少ないというのが非常に課題だと感じています。
○龍太さん
 ディレクションをもう少し具体的に教えていただけますか。
○平尾さん
 課題をマッチングしたり、プロセス管理を行うことです。課題を見つけ出して、その課題をどういうチームで取り組むか、どういうツールを使ってその課題に取り組むか、どういう成果物をだしていくか、これが出た時にまたどんな問題があって改善しなければいけないかというような一連のプロセス、全体の工程管理をするような人たちが少ないというのが非常に課題です。全国でも少ないと言われています。今日も、いろいろとアンケートが出たと思いますが、課題を感じている人はいっぱいいると思います。課題を解決したいと思う人もいると思いますが、課題を解決出来る人をつなげるとか、連れてくるとか、そこに資金をどういう人が出すのかといった、そうゆう具体的なことを全体にコーディネートする人が少ないと感じています。だから、案件はいっぱいありますが、それをまとめられる人材が少ないというのが、非常に問題がありますし、悩みの1つであります。
○龍太さん
 それに対して、デジタルハリウッドとして何か策はありますか?
○平尾さん
 宣伝みたいになってしまいますが、今、そういったディレクターを養成しようということで、ちょうど今月から米子の方で養成講座をスタートして、5年計画でディレクターを育てていくことにしています。特に、Webサービスにウェイトをおいてやっていきたいと思っています。例えば、ICTの中でWebサービスが必要不可欠になってくると思いますが、そういうことをやれる人材を育成しようということでスタートさせました。まだ、スタートさせた段階なのでどうなるかわかりませんが、そういう人材が不足していることについては非常に課題として感じています。
○龍太さん
 いいことです。最近始めるということですが、実際にアクションされていることはすごいことだと思います。
○平尾さん
 6年間デジタルハリウッドをやってきて、そこがないと多分広まらないだろうと思ったからです。
○龍太さん
 皆さんどうですか。少し投資されてみては。そこがやっぱり、参加者がIT企業の方が6~7割ということであれば次のビジネスにつながるかもしれないといったことになるかもしれません。今日、本当は何でIT企業の方々が来ているのか聞きたかったです。地方自治体の方は、ある意味課題があるからかなと思うのですが、行政以外の方が、金融とかIT企業の方が何を目的に来られたのでしょうか。聞くところによると、商売のネタ探しに来たと伺ったのですが、そういう風に思っている人はおられますか。
 あまりいない感じですね。
○野々村さん
 少しディレクターにかぶせて話をさせていただきたいと思います。ディレクターが少ないという話がありましたが、数少ないディレクターをいかに活用するかというと、さっきあったサイボウズのkintoneでもいいですし、電子会議室だなと思いました。普通の会社は会議でいろいろなことを決めていきます。会議になると先週の振り返りを最初に行います。積み残しから入っていって、そして議題に入っていくことになります。電子会議室があると、社長でも例えば50個ぐらいの意思決定が出来ます。毎週1回の会議で意思決定をするとしたら、決められるのは10個とかになるのではないでしょうか。電子会議室がいっぱいあれば、社長は激務でしょうけど、いろいろなものに入っていって、いろんなサジェッションができます。ですから、有能なディレクターをいかに使い回すか。そのためには、普通の会議体の仕組みに限界があって、電子会議室が複数立ち上がっていって、それで決めていく。おまけに電子会議室は、過去の議論が残るメリットもあります。
○龍太さん
 たしかに、益田の災害の状況が見てわかるように残っています。効率的です。
でも何か出来ない理由があると思うのですが、何でしょうか。
○野々村さん
会議で決めるものだという常識だと思います。
それが邪魔しているのだと思います。
○龍太さん
会議というのはフェイスtoフェイスで決めるものだという。
○野々村さん
常識があるのだと思います。
○龍太さん
なるほど。どうですか。井上部長さん。せっかく来ていただいているので感想も含めて発言してくださいませんか。
○井上総務部長
県庁でもサイボウズではないですが、別の会社のグループウェアを使っています。電子会議室はたしかに便利で、特に県庁は知事の県外出張も多いですから、何かあった時はメールでやりとりするか、各所属が作成している電子会議室を使っています。野々村さんがおっしゃられたとおり、過去のことがわかると、あの時にこうしたんだったら、こうしたらいいねとか、中村さんの話にもあったティール組織の情報の共有といったことも可能となります。私も仕事柄(総務省出身)、全国あちこち行くことになるのですが、だいたい役所は紙ベースが多いので、情報は上司しか知らないといったところが多いですが、鳥取県庁の場合、わりと電子会議室を使っているので上司以外の担当職員でも結構なレベルの情報の共有ができています。
○龍太さん
 私は、びっくりしました。情報を持っている人が権限を持ちます。私が情報を持っているから私が偉いんだということに普通はなるのです。私も、社長室長という長ですが、情報はそもそも全社員に同時にフラットに行き渡りますので偉いという訳ではなくて別の役割があると思っていますので、そういう意味ではすごいなと思いました。行政で初めて、私は聞きました。別の役割で情報共有を行いながら動いていく組織、チームになっている。ここに来て、本当に良かったと思います。
 それでは、話足りない人は、何かあればお願いします。
○野々村さん
 冒頭に発言した、お見合いのことで1つ。私は社内恋愛でした。大体、近くの人と結婚していくのだと思いますが、ICTを使って遠隔地とテレビ会議システムみたいなものを使ってお見合いが増えると、近くじゃない人とも知り合えるきっかけになるというのが素晴らしいところだと思います。実は、前の会社の時、面接はテレビ会議で行っていて、十分出来ていました。表情もよくわかりますし、そうするとすぐそこに来て下さいといったこともなくなります。全国のあちこちの人が、入社してくださいということになります。国外の人でもいいですということにもなります。これは、お見合いのことだけではなくて、空き家問題でも同じです。日本に住みたい人は海外にもきっとたくさんいると思います。問題もあるかもしれませんが、近場で何とか探そうと思っても無理があると思います。もう1つ、後継者問題もあるのですが、農業をやりたい若者が少ないです。海外に行くと、きっといっぱいいると思います。というか、日本に住みたくて、日本で農業がしたい海外の方。そういう方とつながるゲートウェイとしてはすごくいいと思いました。
○龍太さん
 私が思っているインターネットのすごさ、ICTのすごさは、一言で言えばマッチングのすごさだけです。マッチングなくして、ICTは語れるものがなくて、それを使っていないとICTと言えないぐらいだと思います。マッチングコストがものすごく低くなっている時代がきています。例えば、私がドローンで撮影し、ユーチューブに掲載します。こんな撮影したいですかというと、昔は、自分でチラシを作ってせいぜい配付出来て50人ですけど、今は全世界の人が何かしらそれを見ていくわけです。実際には、私は農業をやりながら施設農園の自分が格好いいと思う設備等をとってアップしています。それがきっかけで、熊本や宮崎に行ったりして、交通費は別で2時間5万円ぐらいで撮影してあげることで複業できる時代になっています。そんな時代だから、ICTはマッチングコストが低くなる、すごく魅力的な道具です。
○平尾さん
 そういう意味では、人手不足問題で、鳥取県内の企業でそういうことをWebでやっている会社は非常に少ないと思います。野々村さんが言われたように、Webで面接をしますとかオンラインで面接しますよという会社が鳥取県内にどれぐらいあるかということです。例えば、東京や大阪から地方に働きに行こうという人に面接に来てくださいというのと、Webで面接しますよというのと、どっちが会社に入社してみようかと思うかというと、やっぱり、特に大学生はWebでいろいろな情報を調べて会社を決めるので、そういうことに人手不足に対してどうしたらいいかという出口部分の1つとして、そういう部分を見直すことは大事なんじゃないかと思っています。
○龍太さん
 これもマッチングの1つですからね。
 いろいろな課題が解決出来そうなことがICTの魅力です。平成23年から、この情報化セミナーをやってきておられますが、今日、私が言った最初の理想はどうでしょうか?今日は、老若男女いますが、自分がICTを使う立場もいらっしゃると思いますし、ITを教えられる立場かもしれません。何か少しやってみようかなという感覚になっている人が1割いればいいです。明日からこういうことをやってみたいなとか、誰かに課題を何か聞いてみて解決してみようかなとか、そんな活動とか行動がおきると10年度、20年度の鳥取が、持続可能性のある地域になるのではないかと思います。
 今日、配付されているアンケートに明日からこれをやりたい、これを聞きたいという「~たい」で終わる言葉をフィードバックしてもらうと、それを皆さんでうまくシェアしながら、これだったらうちの会社でできるよとか、お金がないなら銀行で融資出来るよとかいう事が出来るかもしれません。行政の方もいるので、来年、再来年の施策に活かすかもしれないので、そこは是非自分ごととして課題のこれをやってみたいとか、聞きたいとか、出来ないけどこれをしてみたいとかと言うことを是非書いてもらえばいい場になったのではないかなと思います。
 これで終わりたいと思いますが、何か質問があればお願いします。
○来場者からの質問
 高齢者とかITが使えない方について、あるいは高齢者ではなくても若い人でも苦手な人がいる、そういう人について、他の人が手伝ってあげたりチームとして動くのが1つの解決策と思うのですが、そもそも、ITの技術を意識しなくても、使えるようにならないかと思います。
○龍太さん
 この質問については、私でなくても、だれが回答してもいいですか。だれか回答される方はおられませんか。
○野々村さん
 1つの例だと思うのですが、AppleのApple Watchで心拍数が計れるようになったと聞いたのですが、あれでAppleが何をしようとしているかというとApple hospitalを造るのではないかということがまことしやかに言われていて、心拍数だけではなくていろいろなバイタルデータが自動で記録されます。だから、着けてさえいれば自分の身体の異常を伝えられるということがあって、これが1つの答えではないかと思います。
○平尾さん
 先ほど、音声入力の話をしたのですが、今だと例えばAlexaとかGoogle Homeとか呼びかけないといけないのですが、Apple Watchは呼びかけなくても、話かければ普通に答えが返ってくるようになってきました。だから、おそらく近い将来には呼びかけなくてもiPhoneは動くようになるでしょうし、 AlexaにしてもGoogle Homeにしても音声登録をしなくても、それをジャッジして回答するような時代にすぐなると思います。ただ、そのデバイスがなければそもそも話にならないので、そのデバイスを買うか買わないかの意識が重要で、テレビのCMとかいろいろな情報からとらないといけないと思うのですが、そういうデバイスさえあれば比較的、これを使ってやろうと思わない人でも使えるようなものがこれからどんどん出てくると思います。
○龍太さん
 まさに私の言いたかったことそのままでした。普通に、そういうものが出てくると思いますので、大切なことは出てきた時に、覚悟を持ってそれを使うか使わないかとか、問題が起きることは当たり前の中でそれを使っていくというチャレンジです。これは、人間に課された多分チャレンジで、テレビが販売された時にテレビを見続けると目が悪くなるとかいうのがありましたし、コーラを飲むと歯が溶けるといった昭和の時代の経験もありますし、スマホをやっていると頭が悪くなるといった調査資料もありますが、その中でも頭が悪くならない人もいるわけで、多分、そこをどうやっていくかということだと思います。
 では、具体的にこういうものが販売されるというものはありませんが、多分、2、3年とかそれぐらいでどんどんその辺が見え隠れしてくると思います。自動運転もそうだと思いますし、ものすごい勢いで進歩しているので、多分、その時は普通のおもちゃのように使えると思います。このような回答でよろしいでしょうか。ぜひ、そういう使おうという判断が出来る人に育っていただければと思います。
  

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