11月22日(土)に、むきばんだジュニア考古学教室コース4「たたいて延ばして鉄のナイフをつくろう!」を開催しました。今年度のジュニア考古学教室最終回となる今回は、真っ赤に熱した鉄を叩いてペーパーナイフを製作する「鍛冶」作業体験です。
妻木晩田遺跡では、470点以上の鉄器が出土しており、本州の弥生時代遺跡として有数の鉄器を保有していました。また、鉄器加工の痕跡、副産物も見つかっており、遺跡の中で鉄器の加工が行われていたことが分かっています。
実際の鍛冶作業体験に先立ち、弥生時代の鉄器について理解を深めたり、ガイダンス棟内に再現した鍛冶工房で鉄器加工の様子を見学したりして、この後に行う鍛冶作業の概要について学びました。
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鉄器・鉄器づくりの学習の後は、いよいよ鍛冶作業体験です。炭火に鞴(※ふいご)で風を送り、真っ赤になった五寸釘を金づちで叩いてナイフの形にしていきます。
※鞴は鍛冶炉の温度を上げるために風を送る装置です。皮袋の先に送風管が付いた構造になっています。
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「鉄は熱いうちに打て」ということわざにあるとおり、炭火から取り出したときは高温で真っ赤になった釘も、叩いているとあっという間に温度が下がり、固くなってしまいます。そうなったら再度、炭火の中に入れて高温に熱しないと加工することはできません。
炭火で熱する作業と叩いて変形させる作業を根気強く交互に繰り返すこと数十分、無事ナイフの形をつくることができました。
最後は砥石で磨いて仕上げです。ここでも根気強く作業を進め、ようやく切れ味抜群のペーパーナイフに仕上げることができました。
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活動後のアンケートには「昔はこうやって道具を作っていたんだなと思いました。」「鉄を打つのが疲れたけど、面白かった。砥石で研ぐのが難しかった。」といった感想がありました。弥生時代の人々のくらしや苦労に触れる良い機会となったようです。
さて、今年度のジュニア考古学教室は今回で終了です。今年度もたくさんの御参加ありがとうございました。来年度も多彩なラインナップを取りそろえ開講予定ですので、興味のある人はぜひ参加してみてください。