妻木晩田遺跡は、多くの方に親しんでほしい、様々な方法で利用していただきたいことから、「むきばんだ史跡公園」として、公開・活用しており、遺跡を知るための遺跡見学や古代体験、史跡めぐりはもちろん、ペットの散歩やウォーキング、サイクルステーション、ヨガなどの各種イベントなどにも利用いただいています。
ただ「むきばんだ史跡公園」は、こうした公園としての機能のほかに重要な役割があります。それは妻木晩田遺跡や弥生時代の解明です。妻木晩田遺跡の解明として、発掘調査を行っています。妻木晩田遺跡は遺跡の範囲が170ヘクタールほどありますが、調査が行われた範囲は1割程度にすぎず、まだまだ分からないことが多いです。現在は丘陵の斜面の利用方法を明らかにするために調査を行っています。ただ、発掘調査だけでは分からないことも多く、妻木晩田遺跡や弥生時代を解明するためには、様々な視点からの調査研究が必要になります。
現在、「むきばんだ史跡公園」では、大きく4つのテーマで研究を進めています。「弥生時代の食」、「竪穴建物内の空間利用」、「石器に使用する石材の獲得方法」、「木材加工方法」です。それぞれフィールドワークや実験、文献調査などを行い、妻木晩田遺跡や弥生時代の解明を目指しています。このほか研究成果を学校教育等で活用するための研究やデジタル技術を発掘調査に応用するための研究もしています。

「弥生時代の食」水田実験の様子
復元した弥生時代の道具を使ってイネを栽培したり、収穫したりします。収穫したイネは干した後収穫しますが、どのように保管していたのかなど、実験に使ったりします。

石材に使用する石材調査風景
妻木晩田遺跡で使用された石器の石材産地を調べるため踏査などしています。

「木材加工方法」実験の様子
実際に道具を使って実験を行い、道具の消耗具合など調べたりします。
これらの研究については、随時、ホームページでお知らせしていきますので、チェックをお願いします!!