むきばんだ史跡公園内には19棟もの復元建物があります。この数は弥生時代の遺跡では、佐賀県にある吉野ケ里遺跡に次ぐ多さです。この復元建物、日頃のメンテナンスを行い維持しているのですが、おおよそ10年に1度、屋根の葺き替えを行います。令和7年度は洞ノ原地区西側丘陵にある竪穴住居(住居2)の葺き替えを行います。
住居2は、妻木晩田遺跡が史跡指定された後、平成12~13年度(2000~2001)に発掘調査されたもので、円形に掘られた竪穴と、その周囲を囲うように掘られた溝(周堤溝(しゅうていこう))、竪穴から周堤溝へとつながる暗渠(あんきょ)状の溝(発掘調査では一部がトンネル状に残っていました。)が特徴の竪穴住居跡です。

発掘調査の様子(住居2)
この住居2は、土屋根の竪穴住居として平成14年度(2002)に建てられました。その後、平成27年度(2015)に屋根の葺き替えを行いました。この時、腐っていた屋根の部材を取り替えたり、防腐・防蟻処理を行ったりしました。あれから10年…。屋根に盛った土がだんだんと下にずり落ちていき、ずった土の隙間から水が入り込むようになり、深刻な雨漏りを引き起こすようになっていました。現地を観察すると被害は深刻で、扠首(さす)が折れてしまっていたり、母屋(もや)が下に落ちたりしていました。
今年度は、屋根に葺かれている茅や土の部分を取り除き、腐った扠首や垂木、外れた母屋などを修理していく予定です。その都度、修理の状況をお伝えしていきますので、是非見てくださいね。

葺き替え終了時の状況(平成27年度(2015))

令和6年(2024)12月の状況
平成27年度時点と比べると、1mほど土がずり落ちている。

建物内部の様子
扠首が根元から折れ、母屋が下に落ちてしまっている。