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健康公開講座「生活習慣病とがん」質疑応答

 平成30年11月11日 に開催しました健康公開講座「生活習慣病とがん」においていただきました質問について、その回答を掲載します。
  

Q&A

Question アセトアルデヒドは二日酔いの原因となる成分だったと思いますが、二日酔いになりやすい人、二日酔いになるほど飲む人はがんになりやすいのでしょうか。

2018/11/30
Answer  お酒を飲めない方のほうが発がん率は高く、男性より女性のほうが飲酒によるがんの発生率は高いと言われています。これはアセトアルデヒドの分解能力によるもので、たくさん飲める方より飲めない方のほうががんになりやすいという統計結果が報告されています。お酒の弱い方は飲酒を控えたほうがいいでしょう。

Question 魚の焦げやごはんの焦げを食べるとがんになりやすいと聞いたことがありますが、本当でしょうか。

2018/11/30
Answer  焦げには、発がん物質を含む多くの化学物質が微量に含まれていますので、焦げた部分を取り除いて食べることもおすすめです。焦げに含まれる化学物質の一つであるアクリルアミドは、動物実験で、初発がん作用が証明されています。
 人体については、公衆衛生上の観点から発がんの懸念がないとはいえないと判断されています。アクリルアミドは炒めたり、揚げたりすることで生成されますので、アクリルアミドを含む食品を全く食べないことは不可能ですが、炒めたり揚げたりするときに食材を焦がさないように、弱火でよくかき混ぜて炒めるとか、一部を蒸してその後に炒め合わせるようにするなどもおすすめです。焦げをおそれて不十分な加熱調理をすることは、食中毒になる可能性を高めますので注意してください。
 なお、煮る、蒸す、ゆでるといった理調理方法ではアクリルアミドはほとんど生成されません。
 *農林水産省のホームページも参考にしてください。
 http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/

Question コーティングの剥げたフライパンで調理したものを食べるとがんになりやすいと聞いたことがありますが、本当でしょうか。

2018/11/30
Answer  コーティングが剥がれた場合は基本的には使用をさけたほうがいいです。コーティング剤として使用されているフッ素樹脂(テフロン)は、フライパンの表面にPFOAという素材を使用して貼り付けられており、このPFOAは人体で分解されず蓄積されることから、発がん性があるのではないかといわれていますが、少量であれば排便時に体外へ出ます。また、コーティングが剥がれると、フライパンの素材がむきだしになり、アルミニウムが溶け出しやすくなります。少量なら問題ないですが、アルミニウムも体内に蓄積されやすく、長時間蓄積されるとアルツハイマー病、パーキンソン病、腎臓、膀胱、肝臓への影響がでるといわれています。コーティング剤の下のフライパンそのものの素材にもいろいろあり、アルミニウム以外に、鉄、銅、ステンレス、チタン、セラミックなどあります。アルミニウム以外なら人体に問題ないと考えられています。

Question 糖尿病の場合、1日にどんな運動をどのくらいすればよいでしょう。

2018/09/11
Answer  糖尿病患者さんの場合は基本的には主治医に自分に適した運動療法を指導してもらうのがよいです。糖尿病患者さんといっても、その合併症によって運動を制限されている方もおられるからです。ご自身の合併症その他の併発疾患もふくめて主治医に確認をしてみてください。
 最初は、歩行時間を増やすなど無理のない程度に身体活動量を増やすことから始めてください。歩数計を利用することもおすすめです。また食後1~2時間頃に運動することで食後の高血糖が改善しますので食後の散歩はおすすめです。糖尿病のお薬を使用されている方は運動中に低血糖を起こされることもありますので、その際の対応ができるように準備して運動をしてください。

Question 子宮体がん検診の受診方法を教えてください。

2018/09/11
Answer  一般的に子宮がん検診は初期の子宮頸がんと前がん病変の発見のために行います(子宮がん検診=子宮頸がん検診)。
 ただ、鳥取県では、閉経後の方で半年以内に不正出血があった等の一定の条件を満たせば子宮体がん検診の対象としている地域があります。子宮体がんの検査が検診対象外の地域もありますが、少なくとも子宮体がんの検査が必要かどうかを子宮頸がん検診(通常の子宮がん検診)の際に検診担当医師が判断します。
 また、子宮体がん検診は、細胞採取の際に気分不良等の症状が出る場合があり、現在は車検診では子宮体がん検査を実施できませんので、施設検診(医療機関)での実施になります(子宮がん検診が車検診の場合は、後日医療機関の受診をお勧めします)。
 費用については公費負担がある場合(いわゆる検診)と保険診療(通常の医療機関の受診)になる場合がありますので、詳しくは各市町村窓口にお尋ねください。
 説明が長くなり、混乱されたかもしれません。
 講演でお話しましたように、子宮体がんの患者さんの大半は早期から不正出血を自覚されます。特に更年期以降で不正出血の自覚がある方は、可能なら検診ではなく医療機関の受診をお勧めしたいと思います。

Question 3年前に乳がんになり、服薬しています。子宮体がん検診は受けたほうが良いでしょうか。

2018/09/11
Answer   子宮体がんに関する検査は時々受けていただいたほうが良いと思います。この場合、子宮がん検診ではなく、通常の婦人科受診をお勧めします。受診間隔については、乳がんの治療期間や内服薬により異なりますので、乳がんの治療医師と婦人科医師と相談して決めてください。通常は6ヶ月から1年に一度です。

Question 3年前に子宮体がんになりました。現在、毎日睡眠導入剤を服用していますが、飲まないほうがよいでしょうか。

2018/09/11
Answer  睡眠導入剤の服薬で再発の危険性が大きくなることはないと思います。

Question 大腸がんと婦人科がんの関連が気になります。

2018/09/11
Answer  ごく一部の大腸がん患者さんに子宮体がんが、子宮体がん患者さんに大腸がんが発生しやすいことが知られています。ごく一部のことですので、神経質になられる必要はありません。ただ、定期受診までは必要ないと思いますが、一度は大腸がんの患者さんは婦人科受診を、子宮体がんの患者さんは消化器内科受診をお勧めしたいと思います。受診間隔等については担当医師にご相談ください。

Question 血液検査でがんがわかりますか。

2018/09/11
Answer

   血液検査でがんの診断をするには、腫瘍マーカーと遺伝子検査があります。
 腫瘍マーカーというのは、正常細胞や良性疾患からは産生されない、または少量にすぎず、がんのみから特異的に産生される物質で、がん診断に使用できる物質のことを示しています。しかし一部の腫瘍マーカーを除くと早期がんでは腫瘍マーカーが異常高値を示すことは稀です。腫瘍マーカーが正常だからと言ってがんが存在しないことにはなりません。
 また、進行したがんが存在していても必ずしも腫瘍マーカーが上昇するとは限りません。腫瘍マーカーはがんの存在よりもがんの経過を見るひとつの指標と考えてください。
 また、腫瘍マーカーが上昇しているからと言ってがんの存在臓器がそれだけですぐにわかるとは限りません。胃がんなら胃内視鏡、大腸なら大腸内視鏡、肺がんなら胸部CT検査で初めてがんの存在が診断できます。早期がんはこのような検査から発見され、血液検査だけでがんの診断がつくことは稀です。
 また、遺伝子検査ではがんが将来発生する可能性を示唆することがありますが、がんが発生していることを診断できるのはごく限られた種類のがんに限定されます。
 以上、血液検査だけでがんを診断することは現在の医学ではまだ困難です。個々のがんを初期に確実に見つけるためには、種々のがん検診を継続して受けることが重要と考えます。

 



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